退職証明書とは?提出が必要なケースと発行してもらう方法

「退職証明書」は、転職の際に必要な書類の1つで、内定をもらった会社から提出を求められることがあります。その名の通り、会社を退職していることを証明するためのものですが、転職活動をしているのに、なぜ辞めた証明が必要になるのでしょうか。 今回は、退職証明書の内容や目的、発行方法から、混同しやすい「離職票」との違いについてご紹介します。

<目次>
1. 退職証明書とは?
2. 退職証明書と離職票の違い
3. 退職証明書に記載されている内容
4. 退職証明書の申請は早めに!
5. スムーズな転職活動のために退職証明書を役立てよう

退職証明書とは?

退職証明書は、会社を退職していることを証明するための書類です。複数の企業に重複して所属していないことを証明するために、転職先の企業から提出を求められることがあります。

複数の企業に所属していないことはもちろん、社会保険加入のために被保険者資格がないことを証明する書類としても退職証明書が使用されます。雇用保険や厚生年金保険、健康保険は、複数の企業に二重加入することはできません。つまり、転職者が前の企業での被保険者資格を失っていることを確認するために必要なのです。
そのほか、会社ではなく市役所で国民健康保険へ変更・加入する場合や、ハローワークで基本手当(失業保険)の給付手続きを行うときにも、離職票の代わりとして退職証明書の提出が求められるケースもあります。

内定前に企業側が退職証明書の提出を求める主な理由は、転職者が提出した書類の内容を確認するためです。個人の名前で提出する履歴書や職務経歴書は、あくまで本人の主張に過ぎず、内容を裏付ける証拠はありません。特に、退職時期や退職理由に関しては、正確な情報がわかっていなければ、採用する企業と転職者との間で思わぬトラブルにつながってしまうおそれもあります。
また、退職証明書は転職者にとっても転職活動に必要な自己分析のための情報が詰まっています。「自分がどのような仕事を任されていたか」「賃金はどれくらいだったか」などの情報は、今後自分がどのような職業に転職したいかを比較して考える上で必要不可欠です。

退職証明書と離職票の違い

退職証明書とよく混同される書類に「離職票」があります。2つの書類にはどのような違いがあるのでしょうか。

●離職票とは?
離職票とは、退職者が在籍していた企業が管轄のハローワークに離職証明書を提出した際に交付される書類の一部です。離職票には、企業からの提出書類に基づいて、退職理由や過去半年間の給与、出社日などの情報が記載されています。主に、市役所で行う国民健康保険の変更・加入やハローワークで基本手当の給付手続きを行う際に必要です。また、退職証明書と同様に、社会保険に関する手続きの証明にも使用されます。

●退職証明書と離職票の違い
退職証明書と離職票の大きな違いは、発行元です。退職証明書は企業が発行する文書であるのに対し、離職票は国が公的機関を通して発行する公文書です。退職証明書は企業がそれぞれに発行しているため、内容に間違いがなければ書き方や書式に指定はありません。一方、離職票は国が発行しているため、2枚にわたる詳細な情報と統一的な書式が特徴です。 また、退職証明書は退職者からの申請があって初めて発行されますが、離職票は退職時の発行が法律で義務付けられています。社員の退職から10日以内に発行し、企業からハローワークに必要書類と併せて報告をする必要があります。

退職証明書に記載されている内容

退職証明書に記載されている6つの項目についてご紹介します。

●退職年月日
給与を計算する都合や解雇の場合の労働法の規定から、月末の期日で記載されているケースが一般的です。ただし、退職前から転職活動を始め、すでに転職先や入社日が決まっている場合には、転職先の雇用契約開始日と退職年月日が重複しないように記載してもらいましょう。雇用が重複している期間があると、社会保険上の手続きが複雑になる場合があります。

●使用期間
使用期間は「◯年」や「◯カ月」など大まかに会社に所属していた期間が記載されます。会社によっては、入社後すぐの試用期間を使用期間に含めるか否かで異なる対応をとる場合があるため、詳細な在籍期間については確認をしたほうが良いでしょう。

●業務の種類
前職の企業でどのような業務に従事していたかが記載されます。また業務の種類が多岐にわたる場合、どこまで具体的に記載してくれるかは、会社の判断によります。会社の記載が簡潔だと感じた場合は、履歴書や職務経歴書に詳しい業務の変遷や内容を補完して書いておきましょう。

●その事業における地位
ここには最終的な役職しか記載されません。その役職にいつ就任したかなどの詳細も書かれないことが多いため、業務の種類と同じように職務経歴書などで補ったほうが良いでしょう。

●離職以前の賃金
直近の賃金額が記載されますが、その内訳には注意が必要です。退職証明書には、給与明細の最後にある手取り額とは異なり、税金や社会保険料などを天引きする前の金額に、残業代や交通費を加えた額が記載されます。退職証明書は離職票の代わりに基本手当の給付手続きに使用することがあり、その場合は離職票と同じ計算がされるためです。
また、この額を基に基本手当の支給額が決まるため、過不足があれば迅速に人事部などの担当者に問い合わせましょう。

●退職の事由
退職事由の書き方は、発行する企業によって大きく異なっています。例えば、「離職者による自己都合」や「定年、労働契約期間満了等による」「事業主からの働きかけによる」「その他」「解雇」など細かく分けて詳細まで添える企業もあれば、一言で済ませる企業もあります。提出を求める転職先の企業からすれば一番確認したい箇所でもあるので、内容が不十分と感じた場合は、その他の書類で補完するようにしましょう。

これらの項目のどれを退職証明書に記載するかは、退職者が申請の際に選択することができます。指定がなければ、基本的に全部の項目が記載されます。しかし、一部の記載を伏せた状態で退職証明書を転職先の企業に提出しても、「この項目に関して何か後ろめたいことがあったのでは...」と不信感を抱かれるかもしれません。特に理由がない場合は、全部を記載するよう申請しましょう。

退職証明書の申請は早めに!

退職証明書は多くの場合、内定後や最終面接時など転職活動の後半に提出を求められます。急に書類が必要になった際に焦らないためにも、退職証明書の発行時期や期限について見ておきましょう。

●退職証明書の発行
企業にとって退職証明書の発行は、義務ではありません。そのため、退職者が会社へ請求する必要があります。まずは人事の担当者に問い合わせてみましょう。申請は口頭で行い、即日発行してもらえることもあります。
また、申請期限は退職時から2年です。退職から転職活動まで期間がある場合には、事前に申請して発行してもらうようにしましょう。2年以内であれば、必要に応じて何度でも発行してもらうことが可能です。

●発行時の注意点
退職証明書は、退職後でないと申請できないというわけではありません。退職が確定していて、退職年月日も決まっている場合は、退職前でも発行してもらうことができます。退職前から転職活動を始める場合は、早めに申請しておいたほうがその後の手続きをスムーズに進めることができます。
発行申請ができる2年を過ぎてしまった場合は、転職先の担当者に相談しましょう。同じ企業として、すでに退職証明書の発行義務がないという点については理解してくれる可能性があります。その代わり、離職票を提出するよう求められることもあるため、こちらは大切に保管しておくことが大切です。

スムーズな転職活動のために退職証明書を役立てよう

転職時に必要になる退職証明書は、自分の発言を裏付けるための資料であり、転職先の企業に対して自分の信用を証明するための大切な文書です。
また、退職証明書における退職理由の記載は、退職した会社での反省や課題を踏まえた上で、転職したい企業へどのように自分を売り込んでいくかについての戦略を考える重要な材料にもなります。退職が確定している場合は早めに発行し、スムーズな転職活動のために役立てましょう。

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