転職時には健康診断書が必要?取得方法と企業に提出する前の注意点

転職活動の際に用意する書類は、履歴書や職務経歴書だけではありません。最終選考まで進んだ段階、あるいは内定後に、健康診断書の提出を求められることがあります。知らないと「健康診断が合否に関係あるの?」と慌ててしまうかもしれません。 今回は、転職活動で健康診断書が必要な理由や取得の方法、必要な項目についてご紹介します。

<目次>
1. なぜ転職活動で健康診断書は必要?
2. 健康診断書を取得する方法
3. 健康診断書に必要な項目
4. 健康診断書を提出する前の注意点
5. 健康診断書の取得も転職活動の一環

なぜ転職活動で健康診断書は必要?

「労働安全衛生法(第66条)」には、「事業者は労働者に対して医師による健康診断を実施し、労働者は事業者が行う健康診断を受けなければならない」といった内容が定められています。そのため、企業では年に一度の定期健康診断が実施されています。
では、なぜ転職活動の時点で健康診断書の提出が必要なのでしょうか。

●健康診断書の提出は「労働安全衛生法」の義務
雇い入れ時の健康診断について、「労働安全衛生規則(第43条)」によると、「事業者は、常時使用する労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対し、医師による健康診断を行わなければならない」とされています。
この場合の「常時使用する労働者」とは、正社員はもちろん、勤務日数や勤務時間について一定の条件を満たした契約社員、パート、アルバイトも含まれます。
つまり、雇い入れる側が転職者に健康診断書の提出を求めることは、法令で義務付けられていることなのです。

●健康診断書は採用の合否には関係ない
健康診断書の提出が必要になるのは、たいていの場合、入社がほぼ決まりそうな最終面接の段階か内定時です。健康診断書の提出を求められると「健康診断の内容で落とされることがあるの?」と心配になりますが、基本的に合否には関係ありません。
提出を求める理由は、企業が採用者の健康状態を把握し、管理する義務があるからです。場合によっては、健康診断の結果を適正な配属先を決めるための資料に使うこともあります。

ただし、例外もあります。例えば、タクシードライバーに応募した人を採用しようとしたものの視力が基準に満たない場合は、会社としては仕事を任せることができません。このように、業務内容によっては健康診断の結果で「仕事に支障がある」と判断され、不採用となるケースもあります。

健康診断書を取得する方法

健康診断書の提出を求められた場合の取得方法と、取得する際の注意点について見ておきましょう。

●医療機関で取得可能
健康診断書は、医療機関もしくは保健所で健康診断を受けることで取得できます。医療機関によっては、健康診断を予約制としているところもあれば、曜日が決められているところもありますし、そもそも健康診断を受け付けていないところもあります。
まずは、かかりつけ医や近所の病院・診療所、内科クリニック、保健所などに健康診断をしてもらえるか問い合わせをしてみましょう。その際、健康診断や健康診断書発行の費用も確認しておくと安心です。

●健康診断書の期限は3カ月以内
現在の職場、もしくは前の職場で受けた健康診断の結果が手元にある場合は、その健康診断書を提出することができます。この場合は、健康診断を新たに受診する必要はありません。
ただし、提出できる健康診断書は、基本的には3カ月以内に発行されたものに限られます。企業によっては「6カ月以内に発行されたもの」など、独自のルールを設定していることもあるので、手元の健康診断書の発行日が3カ月を過ぎている場合は、受理してもらえるかどうか企業の担当者に相談してみましょう。

●健康診断書の形式を確認
健康診断書は、企業によってフォーマットや用紙、受診先などが指定されている場合があります。提出にあたっては、提出期限や提出方法についてもあわせて確認しておきましょう。郵送の場合は、日数に余裕を持って提出できるようにスケジュールを考慮することが必要です。

健康診断書に必要な項目

「労働安全衛生規則(第43条)」では、健康診断の必要項目を定めていますが、入社前に提出する健康診断書は、企業側が求める必要最低限の項目が満たされていれば十分です。あらかじめ転職先に必要項目の確認をしておくと、余分な時間や費用をかけずに済みます。
ここでは、「労働安全衛生規則(第43条)」で定められた項目について紹介します。

●既往歴
既往歴は、過去に治療や手術をしたことのある病歴です。現在の健康状態に関係があるかどうかも含め、医師が問診をして確認します。風邪や頭痛などの症状は、既往歴には含みません。

●自覚症状や他覚症状の有無について問診
自覚症状は、自分が「病気かな?」と感じている症状のことです。診断書に記載するかどうかは医師が判断しますので、気になることがある場合は正直に伝えておきましょう。
他覚症状は、医師の所見による症状です。例えば、体のむくみなど、自覚できていなくても、医師の触診や聴診で指摘されることがあります。

●身長・体重・腹囲、視力・聴力などの測定
学校の健康診断でもおなじみの測定検査です。身長は、年齢が20歳以上で医師が検査をしなくてもよいと判断した場合、省略することができます。
腹囲についても、以下の項目に当てはまり、医師が必要でないと認めるときは省略できます。
1. 40歳未満の人(35歳の人を除く)
2. 妊娠中の女性など、その腹囲が内臓脂肪の蓄積を反映していないと診断された場合
3. BMIが20未満の人
4. BMIが22未満で、自ら腹囲を測定し、その値を申告した人

●胸部エックス線写真
いわゆるレントゲン写真です。40歳未満で、以下のいずれにも該当しない場合は、医師の判断で省略することが認められています。
1. 20歳、25歳、30歳、35歳の人
2. 定期的に検査する必要のある職場で働いていた
3. 3年に1回のじん肺健康診断の受診対象とされている

●血圧
収縮期(上)と拡張期(下)の血圧を測定します。血圧は、血液が全身を流れることで血管の内壁にかかる圧力のことを指します。

●貧血検査
血液を採取して、血液中の赤血球やヘモグロビンの数を検査して判定します。35歳未満および36~39歳の人は、医師の判断で省略することができる項目です。

●肝機能検査
血液を採取して、肝臓がきちんと機能しているかどうかを調べます。こちらも、40歳未満の人(35歳を除く)は、医師の判断で省略することができる項目です。

●血中脂質検査
血液を採取して、血液中のコレステロールの割合を調べます。35歳以外の40歳未満の人は、医師の判断で省略することができる項目です。

●血糖検査
空腹時の血液を採取して、血液中のブドウ糖の量を調べる検査です。この検査をする場合は、あらかじめ受診当日の朝食を抜いてくるなどの指示が出ます。これも40歳未満の人(35歳を除く)は、医師の判断で省略することができる項目です。

●尿検査
採尿をし、尿に含まれる細胞やタンパク質、糖などの数値を調べることで健康状態を把握する検査です。

●心電図
電気信号を使い、心臓の働きを検査します。35歳未満及び36~39歳の人は、医師の判断で省略することができる項目です。

健康診断書を提出する前の注意点

健康診断書を提出する際の注意点を説明します。

●健康診断書は基本的に実費
健康診断書は一般的に、入社前に作成して提出するため、かかる費用は基本的に自己負担となります。保険は適用されないので発行手数料も含めて料金は、5千円~1万円程度です。内定後や入社後に、会社負担として返金・支給されることもあります。
会社負担の場合、医療機関での支払いの際に領収書を受け取り、なくさないように保管しておきましょう。

●健康診断書は早めに準備
健康診断書の提出を求められたら、早めに動き始めましょう。
健康診断を受けた当日に診断書を発行してもらえる場合もありますが、血液検査などは結果が出るまでに日数がかかり、健康診断書を発行してもらうまでに1~2週間程度は必要です。提出期限に間に合うように受け取れるかどうか医療機関に確認し、遅れそうな場合は、必ず会社に連絡を入れて相談しましょう。

転職活動は方法次第で短縮できる

簡単に転職といっても、求人の応募から退職手続きまで、やるべきことが多く、スケジュール通りに転職活動を進めるのはそれほど簡単なことではありません。
とはいえ、工夫次第で時間を短縮することは可能です。ネガティブな転職理由は考え方を変え、目的をはっきりさせたうえで、転職エージェントを利用し、応募や日程調整などの時間を短縮すれば、転職活動をスピードアップすることもできるでしょう。なるべく短期間で終わらせ、転職活動に注いでいたエネルギーを新しい転職先に向けることをおすすめします。

健康診断書の取得も転職活動の一環

転職の時期によっては、入社後すぐに健康診断を実施することもあるため、必ず提出を求められるというわけではありません。
しかし、選考が進んだら、健康診断書の取得を視野に入れてスケジュールを組んでおきましょう。
今の職場の健康診断書を確認する、医療機関に問い合わせるなどして、スムーズに書類提出ができるように準備しておくことが大切です。

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