退職の手続きには何が必要?雇用保険、離職票からローンの確認まで

会社を退職する際、済ませておかなければならない手続きがいくつかあります。どの手続きをいつまでに行う必要があるのか、退職前に抜け漏れなく確認し、今の職場と新しい職場に迷惑をかけないようにしましょう。 今回は、転職先で手続きを行うために必要な書類の準備から、退職する会社に書類や備品を返却する際の注意点、退職時の財形貯蓄や社内融資に関する手続きまで、わかりやすくご紹介します。

<目次>
1. 現職の会社から受け取るもの
2. 現職の会社に返却するもの
3. 退職手続きはいつまでに済ませるべき?
4. 社内融資やローンの確認は早めに!
5. 退職手続きをスムーズに行うには事前準備が必須

現職の会社から受け取るもの

現職の会社から受け取るものは、新しい会社に提出する書類のほか、転職先が決まっていない場合は、失業期間中の手続きに必要となる書類などです。

●雇用保険被保険者証
雇用保険に加入したときに発行される書類で、雇用保険への加入を証明するものです。記載されている「被保険者番号」は、転職先の会社で新たに雇用保険に加入する際に必要です。また、次の転職先が決まっていない場合は、ハローワークで失業保険の手続きを行うために使用します。万が一、紛失したときは、管轄のハローワークで再発行の手続きを行いましょう。

●年金手帳
厚生年金保険へ加入していることを証明するものです。新しい転職先に提出する必要があるため、会社が預かっている場合は必ず返却してもらいましょう。転職先が決まっていない場合は、国民年金に加入する際の手続きで必要です。

●離職票
転職先が決まらないときに、ハローワークで失業給付の受給手続きを行うために必要です。離職票の発行は退職後10日以内のため、退職後に受け取りに来るか、もしくは郵送してもらう手続きをしましょう。次の職場がすでに決まっていれば必要ありませんが、そうでない場合は退職後に転職活動が長引いてしまうことも考慮して、受け取っておきましょう。

●源泉徴収票
退職した年の確定申告で必要になります。転職先が決まっている場合でも、新しい職場が前職の会社の給与と合わせた金額で年末調整を行うため、源泉徴収票の提出を求められます。離職票と同じく、退職後に受け取れる書類です。

現職の会社に返却するもの

入社した際に支給された備品や、業務で使用したデータ、取引先から受け取った名刺など、個人情報を含むものは退職時に返却するのが基本です。後のトラブルの原因となるため、返却忘れがないよう注意しましょう。

●健康保険証
健康保険は会社を通して加入する制度です。退職した時点で被保険者ではなくなるため、健康保険証は無効となります。資格を喪失したら、速やかに会社に返却してください。

●社員証・ID
社員証やIDは、「その会社の従業員であること」を証明するものです。ネームプレートなども合わせて返却してください。普段使用していないものは、返却し忘れることがありますので、事前に人事部、総務部などに返却の必要があるものを確認しておきましょう。

●交通費の精算(定期など)
定期券や交通費の精算方法は、会社によって異なります。会社から定期券が直接支給されている場合は、退職時にそのまま返却すれば問題ないでしょう。一方、自分で定期券を購入して経費として請求していた場合は、払い戻し手続きを行って、会社に返金する必要がある場合もあります。

●書類・データ
業務で使用した資料やデータは会社の資産です。自分が作成した資料や開発したプログラムであったとしても、それらを持ち帰ったり転職先で使用したりすると訴えられる可能性もあるため、絶対にやめましょう。

●備品
会社から支給される備品には、PC、携帯電話、制服といった日常的に使用するものから、文房具などの事務用品までたくさんあります。PCを返却する際には初期化の必要性や設定について確認してから対応しましょう。中に入っているデータをすべて消去すると、過去の顧客とのやり取りや業務で使用した重要な資料などが確認できなくなってしまい、後任者の業務に支障が出てしまう場合もあります。
ペンなどの事務用品も会社の経費で購入したものは、すべて会社の資産です。自分が持ち歩いて使っていたものでも、会社に返すのがマナーです。
制服などの身に着けるものは必ずクリーニングに出してから返却しましょう。

●名刺
取引先から受け取った名刺には、個人を特定できるさまざまな情報が掲載されています。取引先の名刺は会社にとっては所有物であり、取引先にとっては個人情報です。後々トラブルにならないためにも、会社から返却を求められたら速やかに返却しましょう。

退職手続きはいつまでに済ませるべき?

退職に関する各種手続きをそれぞれいつまでに終えておくべきか、具体的にお伝えします。

●返却するもの
上記で解説した返却物は、最終出勤日までにすべて返却します。返却物によっては、退職前に「○日までに返却」と指定されることもあります。会社によっては、貸与物の未返却や紛失があった場合、罰金を科せられる場合もあるため、返し忘れがないように、身の回りのモノを整理しておきましょう。

●退職後に受け取るもの
退職後に受け取る各種書類は、新しい会社やハローワークで行うさまざまな手続きで必要になるため、早めにそろえておきたいところです。なかでも、離職票は退職後10日以内に前職の事業主がハローワークで発行手続きを行う必要があります。その後、郵送されるため、実際に離職票が手元に届くのは、郵送期間を含めて約2週間後です。
離職票と源泉徴収票は、発行までに日数がかかるため、いつ受け取りが可能か事前に確認しておきましょう。

2週間以上経過しても離職票が届かない場合は、ハローワークで「正式に退職の手続きが行われているか」「自分は退職扱いになっているか」といった点を確認できます。会社側が手続きを行っていない場合、ハローワークから会社へ連絡してもらえます。

●退職願の提出はいつ?
「退職願」は、会社へ退職する意思を伝え、退職するための交渉をしたうえで提出するものです。事前の相談もなく、いきなり退職願を提出しても差し戻される可能性があります。退職願は、あくまでも「退職したいという希望を願い出る」書類です。退職願は従業員と会社双方で退職の合意がある場合にのみ提出するものですから、会社が受け取らない限りは効果がありません。そのため、退職願は、会社の了承を得てから提出するようにしましょう。

一方、「退職届」は提出した時点で効力を発揮する書類で、言い換えれば「一方的に退職する」ための書類ともいえます。会社側が受理しなかった場合でも、法律上では2週間経過すれば退職可能と定められています。ただし、退職届は、「退職の意思を伝えたのにいつまでも辞めさせてくれない」「辞めないように脅された」など、会社側に原因がある場合に使う最終的な手段として捉えておき、円満退職のためにもできるだけ退職願を提出するようにしましょう。

社内融資やローンの確認は早めに!

退職時に少し面倒なのは、財形貯蓄や社内融資の手続きについてです。どのように対処すれば良いのでしょうか。

●財形貯蓄
財形貯蓄とは、給与から一定の金額を天引きして定期預金などに積み立てる貯蓄を指します。財形制度を導入している会社に勤務する人なら、職種を問わずほとんどの人が行うことが可能です。

在職している会社で財形貯蓄の制度を利用している場合、転職先に財形貯蓄の制度があれば、退職してから2年以内に手続きを行うことで継続できます。しかし、転職先の会社に財形貯蓄制度がない場合は貯蓄を継続できません。
また、積み立ての中断期間が2年を越えた場合は、財形貯蓄が非課税から課税扱いになってしまうため注意が必要です。

●会社からの直接融資
社内融資は住宅購入をバックアップするための融資制度で、ほとんどの会社では原則として退職と同時に一括返済する必要があります。退職時に預金がなく、一括返済が困難な場合は、退職する前に金融機関で借り換えができないかを確認してみましょう。銀行によってそれぞれ審査基準が異なるため、複数の金融機関へ相談することをおすすめします。
会社からの融資は、低金利で担保が不要であるなどのメリットがありますが、住宅ローンを返済する前に転職する可能性が少しでもあれば、利用しないほうが無難でしょう。

●提携金融機関のローン
会社が提携金融機関の借り入れに利子を補填している場合は、退職と同時に利子補填が止まってしまいます。金融機関に退職したことを伝えたうえで、引き落とし金額の変更などの手続きを行う必要があります。

社内融資を受けている状態で退職を考えている場合は、金融機関への借り換えなどの手続きについて、退職前からしっかり調べておきましょう。返済計画が大きく変わる可能性もあるため、金融機関に相談のうえ、返済までのシミュレーションをしておくことが大切です。

退職手続きをスムーズに行うには事前準備が必須

退職手続きを正しく行わないと、会社に迷惑が掛かるだけでなく、自分にもトラブルとなって返ってきます。退職直前、または退職後にトラブルにならないよう、退職が決まった時点で必要な手続きを細かく洗い出し、それぞれ期限内に済ませておくことがスムーズな退職を実現するために大切です。

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