日産自動車株式会社

ダイバーシティ(多様性)ある働き方を推進して成長を加速させるエクセレントカンパニー

日産自動車株式会社_ダイバーシティディベロップメントオフィス_小林様ビジネスのグローバル化が加速し、政府が成長戦略の一環として女性管理職の登用拡大を提唱するなど、国籍や文化、性別を乗り超えて多様な価値観を認めるダイバーシティ(多様性)の推進は、豊かな共生社会を建設していくための必須の課題となっています。そうした中で、2004年から他の日本企業に先駆けてダイバーシティ・ディベロップメント・オフィス(DDO)を設置し、女性管理職の積極登用や仕事と家庭の両立のための各種制度の整備など、多様性のある働き方を受け入れる職場づくりを進める日産自動車株式会社。ダイバーシティの推進を成長の原動力へとシフトチェンジさせていく日産ならではの取り組みを、2014年4月にグローバル販売部門の女性管理職からDDO室長に抜擢された小林千恵様にお伺いしました。

女性が働きやすい職場へのモデルチェンジ

日産自動車株式会社_ダイバーシティディベロップメントオフィス_小林様 -まずは、小林様が日産に入社されてからのキャリアをお聞かせください。

1991年に入社後、海外統括本部でメキシコ事業に携わり、1996年から海外業務事業部に移ってグローバル全般の輸出車両・部品の原価見積を担当していました。この年に社内結婚し、1998年に長男を出産するのですが、翌年に日産はルノーとの業務資本提携を発表し、社内環境が大きく変わっていきました。提携直後、中南米部への異動辞令が出て、両社の南米での協業体制を構築するCCT(クロスカンパニーチーム)に参加し、プロジェクトマネジメントを担当しました。更地に工場を建設し、ルノーブラジル工場で日産車を2車種立ち上げる経験をさせていただきました。その後、2003年には長女出産しましたが、5ヶ月で産休期間を切り上げ、中南米エリアの販売促進マネージャー職として復帰しました。2005年には、再びブラジルを担当し、2人の子供を連れて現地に2年ほど出向しています。

 素晴らしいご活躍ですね。特に、女性がお子様連れで海外赴任されるというのは、その当時では非常に希有なケースだと思われますが。

皆さまもご存知の通り、日産は1999年にカルロス・ゴーンがCEOに就任し、経営モデルが劇的にチェンジしています。ルノーからの経営幹部が大半を占めることで社内公用語は英語となり、まるで外資系会社のような雰囲気に一変しました。ある意味で、国籍を超えて多様なカルチャーを受け入れるマインドが一気に醸成される契機となったわけです。ヨーロッパでは、女性管理職が公務と私事を両立させることは当然のこととされていますので、日本で働く人間が産休後も同じ職に復帰することは、むしろ当然のこととして受け取られていたのだと思います。

 出産や育児などのライフイベントと責任あるキャリア職を両立させるためには、大変なご苦労があったと思われますが。

私の場合は、誕生後から主人と、“出来る限り他の人の手を借りずに二人で育児をしよう”と話をしていましたので、主人も私と同じように保育園の送迎から家事・育児まで担ってくれました。必要な時には、友人、親、妹など色々な方々にサポートしていだだき、乗り越えることができました。また、日産でも2004年からダイバーシティ・ディベロップメント・オフィス(DDO)を新設し、多様な働き方のできる職場づくりを進めていきました。おかげさまで、私も帰国後の2007年にはM&Sリソースマネジメント部、2010年にグローバル販売&輸出業務部へとキャリアを重ねていくことができましたが、まさか自分がDDOの室長に任命されるとは思ってもいませんでした(笑)。

ダイバーシティは競争力の源泉

日産自動車株式会社_ダイバーシティディベロップメントオフィス_小林様 DDOの位置づけと役割についてお聞かせください。

DDOは、日産社内に「異なった意見や考え方を受け入れる多様性」を根付かせていくために必要と思われる活動を、人事部から独立して推進していく専門組織です。基本的には多国籍・異文化の壁を乗り超えてグローバルな協働体制を確立するカルチャーダイバーシティと、社会的な男女格差を解消し女性の参加機会を拡大するジェンダーダイバーシティの両面から、社内意識の向上と働きやすい職場づくりに取り組んでいます。

特に1999年にルノーと経営統合した日産では、現在、10ヶ国の国籍の方々が経営会議に参加されて会議の過半数を構成されるなど、カルチャーダイバーシティ面での高いアドバンテージを確保しています。その一方で、現在でも経営会議の参加者に女性は含まれず、ジェンダーダイバーシティのほうでは立ち遅れたままとなっています。DDOでは、専門のキャリアアドバイザーによるキャリア開発を推進することで、2004年の発足時にわずか1.6%だった女性管理職の比率を、2014年4月時点で7.1%まで拡大することに努めてまいりました。現在では“More Women in Senior Position”というスローガンを掲げ、2017年度までにグローバルには女性の管理職14%、日本では10%を目標に女性管理職を増やしていくという試みにコミットメントしています。

 現在、政府でも女性管理職への登用拡大に向けた働きかけを積極化していますが、日産ではいち早くその取り組みを始められていたのですね。

ただ、女性だったら無条件に管理職に登用するということではありません。数字を追う取り組み方は、本人や周囲の人間にとっても悪い影響を及ぼしてしまいます。男性と同じ土俵で闘える環境を整えるために女性のキャリアディベロップメントを推進し、女性の参加機会を拡大していくというのが、DDOの基本姿勢です。

具体的には、DDOのキャリアアドバイザーが女性社員1人1人と面接をしてキャリアに対する様々なアドバイスをした上で、その社員の直属の上司とその上位職レベルの責任者、および各部門の人事部で構成されるキャリア開発会議の場にオブザーバーの立場で参加し、本人の希望するキャリアの育成計画および配属の実現に向けたフォローをしています。

また、開発、生産、販売、マーケティングなどの各部門に女性の視点がもっと反映されるように、女性が活躍できる機会を増やし、責任ある立場に就くための提言活動をしています。女性向けカーディーラー「レディー・ファースト認定店」のオープンや女性ユーザーの使いやすさを追求した『NOTE』のヒットは、この取り組みから生み出されてきたものと、誇りに感じています。

 女性の活躍の場を増やすことが、ダイバーシティにつながっていくわけですね。

日産では、「ダイバーシティは競争力の源泉」と考えています。世界中で車を販売しているグローバル企業なので国境を超えた多様な文化や価値観を尊重していくことはあたりまえのことですが、日本での車両販売現場においても女性が車種選定に決定権を持つケースは3割、女性の意見を取り入れて購入が決定されているケースまで含めると7割に達します。これがアメリカになりますと購入ユーザーの半分くらいは女性ですし、新興国のインドやブラジルでさえ3台に1台は女性がご購入されています。女性の視点を活かした車づくりは世界中のユーザーから求められているニーズとなりますので、これをビジネスに活かすためには、同じような価値観から平均的な答えを導いていくオペレーション思考的な社内風土から、多様な価値観のぶつかり合いの中から発展的・創造的なアイデアを導き出していくブレイクスルー思考を持ったたくましい組織に生まれ変わっていく必要があります。多様な価値観を持つお客さまとともに新しい価値を生み出していくために、日産では社員1人1人がダイバーシティを尊重し、仕事に活かしていく取り組みを進めています。

>後編に続きます。ダイバーシティ・ディベロップメント・オフィス 小林千恵様(後編)

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