はたラボ

おもしろ部署探訪~株式会社エイスリー イベントユニット~有名人に出演交渉する“キャスティング”という仕事の魅力

f:id:pasona_career:20190809105454j:plain

世の中にはさまざまな仕事がある。一見すると同じ部署名でも、企業の数だけ手掛ける仕事内容は多様なうえに、企業や社会における役割も異なる。この連載では、そんな世の中に存在する企業の『部署』にフォーカスし、それぞれの部署の役割や仕事内容、ポリシーなどに迫る。

今回は、企業から依頼を受けて、芸能人や文化人などの著名人に出演交渉の代行『キャスティング』を行う株式会社エイスリーを訪問。イベントに出演する著名人へのオファーを専門とするイベントユニットに所属する二人にインタビューを行い、一般的には知られていない『キャスティング』という仕事の内容や魅力について語ってもらった。

強固なネットワークからお客様のニーズに合わせた幅広い『キャスティング』を実現

――まずは、キャスティング会社のお仕事内容について教えてください。


中村さん(以下、敬称略):芸能人や文化人などの著名人を起用して、何かしたいと企画している企業や個人から依頼を受けて、予算など諸条件を考慮しながら、その案件に最適な人を提案するお仕事です。著名人が所属する事務所との間に入ってお手伝いをしているので、不動産仲介業者に似ているのかもしれません。


もちろん、著名人に直接オファーするという手段もありますが、問合せ先が分からなかったり、事務所側はマネジメント業務で忙しいので、なかなか取り次いでもらえなかったりもします。また、急に見ず知らずの企業から連絡をしても相手を不安にさせるだけですので、間に私たちが入っていればリスクヘッジにもなりますし、案件が円滑に流れていくと思いますね。


株式会社エイスリー イベントユニット チーフキャスティングディレクター 中村 仁音さん

――なるほど!確かに、間にキャスティングのプロを挟んでいたほうが、お互い安心な気がしますね。ちなみに最近は、どのような依頼を受けることが多いのでしょうか。


中村:幅広くキャスティングを手配していますよ。例えば大きな広告やCMの案件から、企業内イベントの忘年会まで、さまざまなご要望が寄せられています。最近ではSNSやWEBの企画も増えています。つねに時代に合ったご提案ができるように、芸能人や文化人はもちろん、スポーツ選手やアニメの版権まで、多方面に対応しているのも当社の特徴です。さまざまな事務所との強固なネットワークがあるからこそ、実現可能なのだといえます。


企業側からの依頼にも、いくつかのパターンがあって、あらかじめ著名人を指名される場合もありますし、イベントの内容からご相談をいただき最適な著名人を提案させていただくこともあります。もちろん、必ずしも著名人の手配ありきではなく企業のKPIや成し遂げたいことに合わせて考えて 「それはイベントではなくてもよいのでは?」と、正しいお金の使い方として別の手段を提案することもあります。


―― すごく良心的ですね。そんな御社の中にあって、お二人が所属しているイベントユニットとは何に特化した集団なのでしょうか。


中村:その名の通り、イベントに特化しているチームです。他にはCMや広告、WEBキャンペーンを担当したり、映像や動画を作ったりするユニットがあります。撮影のあるプロモーションは期間も長くなるので1年契約の案件も多いですが、私たちが担当するイベントは、単発で終わるものが多いため、つねにその一回のイベントでクライアントが望む結果を残せるよう心がけています。単に著名人をマッチングさせるだけではなく、イベント当日の交通機関のチケット予約やリハーサルの時間管理、控室の準備など、出演者のお世話に関して、イベントが終わるまですべて担当し、責任をもってしっかり管理させていただきます。


中島さん(以下敬称略):単発のイベントだからこその難しさはあります。企業担当者が毎年変わるとイベントの内容も変わるので、つねに提案内容が変わってきます。もちろん、毎年依頼していただけるお客様であっても、新しい提案が求められます。例えば、「お笑い芸人で盛り上げるイベントなのか、アーティストを呼んで華やかにしたいのか」講演会でも「堅い雰囲気が希望であれば文化人をアサイン、楽しい講演にしたいのならば、話が上手なタレントをキャスティング」など、しっかりと相手の要望をヒアリングして決める必要があります。


株式会社エイスリー 第二事業部イベント兼 学園祭ユニット キャスティングディレクター 中島 美扇さん

中村:基本的には依頼主のニーズに合致する人物を提案するのですが、企業担当者が知らない、一般的に掴むことができない情報もたくさんあります。例えば、必ずしもテレビなどで活躍していない印象の人でもその企業に対して価値を提供できるオリジナルの考えや知識を持っていて、イベントにふさわしければ依頼主に丁寧に説明し、提案することもあります。


私たちの部署は、特にお笑い芸人やアーティストが好きなメンバーが集まっているので、日々ニュースのチェックを欠かさないようにしていますし、一般の方々が得ることのできない新たな業界情報をつねにキャッチするよう努めています。

著名人に携わる憧れの仕事は、調整力だけでなく幅広く学べる仕事

―― お二人が感じている、キャスティングの仕事の魅力ってどのようなものでしょう?


中島:イベントに携わっていると、全国各地に行けるという面白さがあります。主要都市からの問合せも多いのですが、時には町のお祭りやイベントのお仕事もあります。そういった問合せをいただいたときには、町全体が盛り上がるような提案をして、より良いイベントにしようとモチベーションも上がります。


「イベント」と一言でいっても、プロモーションやメディアの入るPRイベント、アーティストが集まるフェスイベント、講演会や学園祭など多岐にわたります。毎日同じ仕事というよりは、つねに新しい仕事と向き合っていますので、仕事に飽きることがありません。イベントが成功したときにはクライアントから感謝のお言葉をいただけますし、また翌年にも依頼があったときには大きな達成感を覚えます。


中村:前職では、2年ほどデザイン会社に在籍しグラフィックデザイナーとして飲料の広告に携わっていました。その頃は、決まった人としか連絡を取り合うことがありませんでしたが、今の仕事では個人から学生、代理店など、本当にたくさんの立場や業種の方々とお話をします。最初は戸惑いましたが、やがてお客様だけではなくタレントさんや文化人など、さまざまなジャンルで活躍する方々と関わっていける楽しさを実感するようになりました。


また、イベントユニットの仕事は、目に見えてやりがいを感じやすいと思います。イベントに集まってきたお客様を実際に楽しませているのはタレントさんですが、著名人を目の前にすると、皆さん本当に喜んでくれるのです。そういった反応を間近で感じられるのは、この仕事の大きな醍醐味です。


―― 中村さんは、どうしてデザイナーからこの仕事にキャリアチェンジをされたのでしょうか?


中村:若いうちに色々な場所に飛び回って、足を動かす仕事がしたかったんです。もともと、ミーハーというのももちろんありますけれど。この仕事は、営業や細かな調整の仕事もできるし、電話対応など社会人として必要不可欠なスキルも学べます。コミュニケーション能力を自然と向上させることもできますので、本当に色々なことを学べる場所だと思いました。自分の好きな芸能やスポーツというジャンルに関わりつつ、幅広い範囲で学べる仕事だと感じてこの会社への転職を決意しました。


―― 中島さんが、キャスティング会社に入社を決めた理由は何でしょう?


中島:コンサートやイベントを制作する専門学校に通っていたのですが、キャスティング会社にいこうと思って就活する人は、まずいなかったですね。私も含め、みんな「芸能界」や「エンタメ」といったキーワードからキャスティング会社に行きつく人が多いと思います。エイスリーが他のキャスティング会社と違うのは、「YouTuber」や「インフルエンサー」など時代の最先端を行くトレンド人材のキャスティングも可能なところです。これから「発展していく会社だ」と感じて入社を果たしました。


中村:キャスティング会社と聞いても、なかなかピンとくる人は少ないですよね。私も最初は存在すら知りませんでした。転職活動当初は、営業職や事務職ぐらいしか思いつかずに検索していたのですが、オススメとして「エイスリー」の名前が出てきて、初めてキャスティング会社のことを知りました。もともと興味のあるジャンルでしたが、窓口として入りやすいと感じて応募しました。


―― 外から見ると、とても興味深いし憧れを抱く仕事ですよね。とはいえ、ご苦労もありますよね?


中村:そうですね。あくまでも仲介会社なので、キャスティング調整がいちばん大変だと思います。タレントにも「やりたいこと」や「イメージ」があるので、クライアントが「やって欲しいこと」と「実際にやれること」がマッチしないケースもあります。そこを調整して、どちらも納得する真ん中のラインを見つけるのが難しい。慣れないうちは、いわゆる「落としどころ」を見つけるまでが大変ですね。


中島:入社して間もない頃に、あるアーティストの案件を担当したのですが、リハーサル時間について、双方の希望が合致しないケースがあり、非常に苦労をした覚えがあります。仕事に慣れないうちは、誰しもそういった調整で苦労していると思います。しかしその経験を重ねていくと、今後の仕事に必ず活きてきます。


中村:そうですね。何事も経験が大切です。起こりうることを予測してリスクヘッジをする必要がありますが、最初の頃はうまくできません。何が起こるか予想がつかないから仕方がないのです。そういう失敗や経験を重ねると、それを踏まえた「次の一手」を用意することができるようになります。だから失敗って大事ですよね。


――調整ごとって難しいですよね……中村流のポイントやコツはありますか?


中村:キャスティング会社が存在する意味として、調整がしやすくなるような関係を普段から築いておくことが必要だと思っています。クライアント企業やタレントの所属事務所から、「エイスリーだから依頼しよう」「エイスリーだから協力しよう」と思ってもらえる信頼関係は会社だけではなく、私たち一人ひとりが築いていかなければなりません。特に配慮しているのは言葉の使い方ですね。常に丁寧な言葉遣いを心掛けています。


中島:中村さんの電話対応を聞いていると、「本当に相手の立場に寄り添っているな」と感じます。電話の声を聞いているだけで先方が思っていることが想像できるくらいです。「言い方って大切だな」といつも思っていますよ。


中村:ひとつでも言い方を間違えると勘違いが起きてしまいます。「〇〇だと思っていた」というフワフワした状態が一番危険。こういった調整力や言葉遣いは、この会社に入ってから身につきました。入社当初、失敗から学ぶこともありましたが、やっぱり先輩から教わることが大きかったですね。

さまざまな経験や体験から責任感を養う。だからめちゃくちゃ成長スピードが早い

―― 会社の中でイベントユニットは、どのような役割を担っているのでしょうか?


中村:たくさんのイベントを扱っていて、日々、全国各地で色々な立場の人と関わりながら仕事を進めています。私たちの頑張りによって、「エイスリー」の名前を広めていっている、そんな自負を持ちながら仕事に臨んでいます。


また、他の部署でも著名人をキャスティングしていますが、私たちのユニットは「パフォーマー」や「若手芸人」など幅広い方々にお仕事を依頼しているので、所属事務所の大物著名人への交渉のきっかけづくりにもなります。私たちが実績をつくっておくことで、別の機会に大型案件を扱うときに「いつもお世話になっているので…」とスムーズに交渉が進みやすくなります。


中島:そうですね。やっぱりイベントは、シンプルな案件ですから毎日どこでも開催されています。なので「全国のキャスティング案件を総取り」という会社の目標に近づくための突破口のようなチームだなっていう自覚があります。


中村:だからこそ、責任感とやりがいの両方を感じながら、日々の仕事に向かえているのだと思っています。


―― ありがとうございます。それでは最後に、今後の目標をお聞かせいただけますか。


中島:個人的には、海外の案件も出来たらいいなと思っています。海外のタレントを起用するのはさすがに難しいかもしれませんが、「アジア圏で開催するアーティストのライブ」のような事例が増えていけば、日本以外の国でも「エイスリー」の存在を発信できるようになれるのではないかと思っています。


中村:最近チーフとして周りをまとめる立場になったので、後輩の育成に力を入れたいと思っていますし、そこにやりがいを感じています。自分が育てた後輩たちが、イベントのみならず他のジャンルの案件にチャレンジしたり、自ら新規事業を立ち上げたり、どこに行っても通用する人にしてあげたいという目標を持っています。そのためにも、まずは自分が成長しなければならないので、自分の背中を見せて後輩を育てていきたいと考えています。


チームとしては、メンバーも増えているので、同時に案件数も増やさなければなりません。そしてイベントを窓口として「エイスリー」の名前を全国に広めていきたいですね。仕事を増やすためには、一人一人の対応力が重要な要素になっていきます。横のつながりが大事になる業界なので、丁寧な対応やスピード感など、細かいところまで気を配り信頼関係を積み上げていけば、おのずと依頼も増えていきます。スタッフみんなで目標を持って取り組めば、会社は大きくなっていくと確信しています。


――キャスティングって、とても魅力的なお仕事ですね。お話を伺って改めてそう感じました。


中島:ありがとうございます。私自身、同じ場所で同じ作業をするのがあまり得意ではないので、毎日現場に出られるのは楽しいし、性格に合っているかなと。あとは、人があまり経験しない珍しい体験ができているというのは大きな魅力です。友人からも「働きやすそう」「会社が楽しそう」って言われます。


初めて担当した案件で、私が好きだったアーティストにオファーさせていただきました。実際に歌っている姿を生で見たときは本当に感動しました。自分で一からヒアリングをして提案を行い、それがイベントとして成り立っていると思いながら現場で見ていると、感慨深い気持ちにもなりました。「芸能人はやっぱりスゴイ」と思いましたし、今でもその気持ちは変わりません。


中村:やっぱり自分の好きなことを仕事にしているっていう感覚がありますね。そういう人が集まっている会社なんですよ。デザイン事務所にいる頃から、毎日テレビを見て、バラエティー番組を見て、HuluやNetflixにも加入して、ニュースも見ているような、エンタメ&トレンド大好き人間でした。周囲の誰にも負けないくらいの知識を、今は趣味ではなく、仕事に活かせることができている。だから頑張れるんです。


同年代の人と比べても、本当にさまざまなことが体験できていると思っています。たくさんの人に会えるし、自分一人で対応する案件も多いので責任感も養われます。また、大きな案件を成功させることができれば、やりがいも感じられるので、めちゃくちゃ成長スピードも早い。私は24歳でチーフに任命されました。若いうちからたくさんの経験ができて成長できるのがこの会社で働くことの最大の魅力ですし、この先どこに行っても通用する人間になれると思います。


f:id:pasona_career:20190809112842j:plain


取材・文:伊藤秋廣(エーアイプロダクション) 撮影:岡部敏明

 


▼株式会社エイスリーへの転職をお考えのかたはこちら



マスコミ・広告業界に携われる仕事は? アドバイザーに転職市場動向を聞いてみよう

 

パソナキャリアのキャリアアドバイザーにマスコミ・広告に携われる仕事の求人動向を聞いてみる

パソナキャリアには、マスコミ・広告に携われる仕事の情報に特化したキャリアアドバイザーが多数在籍しております。企業との情報交換も活発に行っている転職エージェントから、業界の動向を聞いてみませんか? 個別相談会も実施しています。
▼転職市場を熟知したプロのキャリアアドバイザーに最新動向を聞いてみる