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【業界最新動向:管理部門】 景気が良い今だからこそ業界動向と未来の自分を見据えてほしい

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景気の回復によって有効求人倍率が1.62倍(2018年6月分)を記録するなど、現在追い風に乗っている労働市場。転職を考えている人にとって、今が好機に思えるかもしれませんが、それはどの職種にも言えることなのでしょうか?今回は、経理・人事・総務・法務・経営企画など管理部門系職種の転職サポートを日々行っているパソナキャリア キャリアアドバイザーの庵下に、管理部門系職種における求人動向や、現在転職市場で求められている人材像について語ってもらいました。

過去から未来を読み解く。管理部門で需要が高まる職種は?

―昨今の景気の良さは、管理部門の転職においてもチャンスと言えるのでしょうか?

庵下:そうですね。やはり、依然として求人は増え続けています。特に管理部門は若手向けの求人需要が拡大していて、弊社にも求人の問い合わせが多数きていますね。リーマンショックが終わった2013年頃からどんどん上向きの市況感です。

―なぜ今、特に若手が求められているのでしょうか?

庵下:大きく言うと、リーマンショックの時に人員整理を行ったり、新規採用を抑制したりした影響です。管理部門はコストセンターと呼ばれる部門のため、不景気の間にコストカットを行っていた企業も多くあります。そのため、年月が経ち、管理部門内の年齢が上がってしまったので、若手をこれから育てていきたい、組織形成上からも若手が必要、というケースですね。

―特に需要が高まっている部門(職種)はあるのでしょうか?

庵下:経理や採用(人事)のポジションです。
経理部門に関しては、「数字がわかる人材」の需要が増えていることが理由と言えるでしょう。昨今、グローバル企業などで収益に対しての考え方がより一層シビアになっており、各部門に「数字がわかる人材=経理職の人材」を紐づけて配置させるといったような動きが起こっています。部門ごとに経理系の数字に強い人を置くことで、収益が上がっているかどうかをリアルタイムに把握しようとしているのです。そのため、新しいことにも柔軟に対応できる若い人材の活躍の場が、かなり広がっています。

また、採用のポジションも特に需要が増えています。やはり人材不足でどこの企業も採用に苦戦しているので、人事職のなかでも採用のプロを専任で置き、自社に良い人を呼び込もうと努力する動きがあります。

このポジションで最近特に求められている人材は、「営業的素質を持ち合わせている人」ですね。なぜかと言うと、管理部門はどちらかというとコツコツ型の人に向いている職種と言えますが、採用には少し違う筋力が必要です。目の前の数字を正確に扱うスキルだけではなく、「〇月までに〇人採用を行わなければならない」といったノルマを達成する必要があったり、先々の計画を立てて採用活動を行っていく必要があったりと、営業的な動きが求められてきます。

とにかく今は、どの企業も「採用活動をするための人材」が足りない状況です。採用ポジションの求人は、ここ1年くらいで急激に増えています。若手で、先ほど申し上げたような営業的センスがあれば、他の職種から採用ポジションの道へ進む可能性もあると言えます。また、経験者については引く手あまたで、転職に非常に有利な状態と言えますね。今いる環境よりもっとステップアップを狙った転職を求めるということであれば、活況である今がチャンスと考えて良いと思います。

―採用要件については、いかがですか?

庵下:人材不足という背景もあり、職種問わず要件は割と緩和されてきていますね。昔はすごくきっちりとしていて、例えばメーカーの経理職のポジションでしたら「メーカーでの経理経験」、IT業界の人事職であれば、「IT業界での人事経験」といったように、ピンポイントに「該当する業界・職種での経験」を要求されていました。ですが、今はそれではなかなか人を採ることができない。そんな状況だというのは企業側もわかっているので、間口を広げようとしています。例えば、「メーカーでの経理経験」ではなく「経理経験」のみにするなどですね。法務職では「司法修習生でも可」など、実務経験がなくともチャレンジできるようになってきています。

景気活況によるベンチャー企業の急激な成長と求人の増加

―採用活動が特に活発な業界・業種などはありますか?

庵下:業界ではないのですが、スタートアップベンチャーが急激に成長していて、求人も増えている傾向にあります。例えば最近株式上場を果たしたM社やS社といったような企業などですね。業界で言うと、仮想通貨などもホットです。これらの企業・業界は、既存のビジネスではなく、新しいビジネスを起こして急拡大しているので、制度の整備や企業の骨組みの部分となる管理部門の求人も一挙に求められています。

昔はベンチャー企業というと「お金がない」といったイメージを持つ方もいましたが、今は景気が良いので、ベンチャーキャピタルが数億単位で投資し、急拡大させようとする傾向があります。ビジネスはスタートが大事なので、優秀な人材を集めるためにスタートアップは投資をします。なので、求人が増えるのです。

AIにより事務系の仕事が奪われるって本当?これから必要とされること

―最近の転職者のご相談に傾向はありますか?

庵下:最近は、ニュースなどを見て「AIに仕事を奪われるのでは?」という不安を抱いた一般事務職の方のご相談に乗ることがよくあります。「機械に奪われそうな仕事ランキング」の中には、一般事務員や会計・経理事務員などがあげられているため不安に思うのでしょう。ですが、なくなると言われているのは、要は入力作業など単純業務のことを指します。以前は、そういった作業を正確に黙々とやり、真面目に働く人物が事務や経理の職種では重宝されました。しかし今は打ち込み系の仕事、特に伝票入力などはシステム化され、機械がすべてやってくれる時代です。

そういった職種の方がこれからやるべきことは、「人にしかできないこと」。もっと頭を使って、企画的な仕事をしていかないと生き残っていくのは難しいという話は、私からも伝えています。

いくらAI(人工知能)が発達しても、経営や企画など人としての想像力が必要な仕事、そういった能力を発揮できる仕事はなくなりません。そして、このような仕事をするには、他部署とやり取りを積極的に持てるような「コミュニケーション力」も問われてくると思います。
AIが今すぐに人の仕事をすべて奪うというわけではありません。ですが、危機感は持っておくべきだと私も思います。今のうちに時代を先読みし、AIに奪われない仕事ができる人材になれるように行動を心掛けてほしいですね。

未来の予測と、ウォッチしておくべき世の中の動向など

―この先、景気や求人はどのように推移していきますか?また、ウォッチしておいた方が良いニュースがありましたら教えてください

庵下:当面は、景気が安定した状態が続くと思います。それに伴い、企業は経営を拡大する傾向にあるのですが、労働人口は減少しているため、転職市場における人材の需要は高いままでしょう。
経理職種に関して言いますと、簿記学校の卒業生が減っていることもあり、経験者の需要は高いままだと思います。これまでは会計事務所が新卒や未経験から経理の人材を育て、世に排出してきたようなところがありますが、街の会計事務所の減少とともに育てる土壌が減りつつあることは、これからの懸念点でもありますね。

ニュースとしては、あくまで個人的な見解ですが、アメリカ大統領ドナルド・トランプ氏の発言に耳を傾けておくと良いかなと思います。彼の発言によってアメリカ国内の情勢だけでなく、日本から北米向けの輸出の動向も変わってきます。自動車産業を中心に稼いでいるメーカーなどはそこが冷え込んでしまうと収益にも大きな影響を及ぼしますし、そういった折に一番に割を食うのが管理部門です。利益が落ちると、最初にコストセンターである管理部門へコストカットの目が向けられてしまいます。リーマンショックの際に人員削減の波が来たのも、管理部門からでした。またいつあの時と同じようなことが起こるかわからないので、日本国内のことだけではなく、世界情勢に注意を払ってウォッチしておくべきだと思います。

管理部門でキャリアアップするためには、「転職先の見極め」も大切

―管理部門でキャリアアップするためには、どのような転職をすると良いですか?

庵下:そもそも管理部門というのは、基本的には転職回数を必要最小限に抑えるべき職種です。30歳を過ぎると業界も固定されてくる場合が多く、自分のキャリア(経験業界)を活かせる転職でないと、年収が下がってしまうことさえあります。
転職回数で言うと、いわゆる大手企業だと1回と言う場合もありますが、一般的には年齢の10分の1程度が妥当と言われています。20代であれば2回、30代であれば3回といった具合で、規模の大きな企業になるほど、転職回数は少ない方を好まれます。

―IT企業などでは、転職回数の許容はもう少し広そうですが、業種によっても差はありますか?

庵下:業界で言いますと、製造業(メーカー)と金融業(銀行・証券会社など)が転職回数の多さをシビアに捉えています。
WebやIT系企業は、他の業界と比べるとさほど言われない傾向にありますが、最近は業界としても安定してきていますし、会社として規模が大きくなっている企業も多くあります。そういった企業では、転職回数があまりにも多い人に対して、「組織に定着しないのは、何か問題があるのではないだろうか?」と見る目が厳しくなってきてはいます。

景気が良くチャンスも多い今だからこそ、しっかり道を見極めて考えてくれるパートナーを見つけて

―最後に、管理部門で転職を希望される皆さんへアドバイスをお願いします

庵下:現在は管理部門でも非常に多くの人材が求められている状況で、転職しやすい時期に入っているのは事実です。私がお伝えしたい大切なことは、求人が多いからこそ慎重になっていただきたいということです。転職エージェントを利用するにしても、アドバイザーの力量によっては紹介する求人の質が全然違ってきますし、求人が多いということは、転職希望者に仕事を紹介しようと思えば、質を問わずいくらでも紹介ができるわけです。

しかし、私たちは転職を希望される皆さんに「これから先の将来、自分が何をしたいか?今後どうなっていきたいか?」を真剣に考えてほしいと思っています。本当に良い転職を考えるのであれば、一回の転職だけでなく、将来のキャリア像全体について親身に相談に乗ってくれるパートナー選びをしてほしいです。私たちは、自分たちの実績を重視して不本意な転職を勧めるようなことはしません。
管理部門のエキスパートが、世の中の情勢なども見極めながら、未来のあなたの仕事について、一緒になって考え、良い転職が実現するようお手伝いをいたします。

話し手 プロフィール
キャリアアドバイザー 庵下 智洋
宮崎県出身 1983年生まれ。
2008年新卒でリクルートキャリアに入社し企業担当を2年間経験。
2010年に新日鉄住金の子会社に転職しガードレールの営業担当に4年間従事。
2014年に株式会社パソナに転職。
2014年から管理部門・事務系専門チームのキャリアアドバイザーとして
年間300人以上の方のキャリアアドバイスを実施。
2016年より同チームのマネージャー。

管理部門でキャリアアップを目指している方は……

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