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変わった社名、どうやって決めたの? 「人間」「闇」「もしも」に名前の由来を聞いてみた

変わった社名、どうやって決めたの? 「人間」「闇」「もしも」に名前の由来を聞いてみた

会社員には、常に自分の働く会社名がついてまわる。電話をとるとき、挨拶をするとき、「○○会社の△△です」と、自分の名前の前には必ず会社名がくるはずだ。では、その会社名が、一風変わったものだったらどうだろう。

覚えてもらいやすい反面、働きづらさもありそうだ。当事者の心境とは、どのようなものなのだろうか。そこで“人間”“闇”“もしも”など、変わった名前の会社の代表たちに、会社名に対する思いの丈を語ってもらった。

株式会社人間

まずは、大阪のWeb制作会社「株式会社人間」にネーミングの理由を問い合わせてみたところ、「社名にしたら気持ち悪いと思ったから」との答えが返ってきた。これから何年も、会社が続く限り付き合っていく社名について、「気持ち悪さ」を重視する人もいるのだ。世の中は広い。

 

一方、代表の花岡洋一さんは、こんなことも付け加えた。「今でこそ弊社はWeb制作会社ですが、もともと我々は『面白いことを何でもする集団』でした。そこで、活動の幅を狭めず、特別なイメージもつかず、それでいて自分たちを表現することができる言葉として『人間』を選びました」

 

株式会社人間は現在、設立6年目。今でも、銀行の窓口で「人間様」と呼び出されるときは、恥ずかしくなるそうだ。

 

 

株式会社闇

ホラー事業を手掛ける「株式会社闇」も、「株式会社人間」と並び、変わった名前の会社として、インターネット上で有名だ。この社名は「親会社である株式会社STARRYWORKSの社長の一声で」あっさりと決まったらしい。インパクトのある名前のおかげか、結果的にたくさんの仕事が舞い込んでくるようになったため、「いい名前になった」と代表の頓花聖太郎さんは笑う。

 

「設立時点では、クライアントとのつながりがなく、ひとつも仕事がない状態だったんです。ところが、コーポレートサイトを公開した途端、社名とサイトが話題になり、公開1時間後には案件の相談が来ました」

 

なお、株式会社闇の設立は2015年の4月1日。このような社名である上に、資本金を「闇(やみ)」に掛けて83円にしていたことなどから、最初はエイプリルフールネタだと思われていたそうだ。

 

そんな株式会社闇は、インターネット検索において、どんな名前を持つ会社よりも一歩リード(?)している点がある。

 

「今、Googleの検索窓に“株式会社”と入力すると、自動サジェストに“株式会社闇”が出てくるんです。うれしいですが、全国の株式会社にご迷惑をおかけしている気がします。また、最近では、“闇”という検索キーワードでWikipediaに勝ちました!」

 

誰と競っているのかよく分からないが、うれしそうで何よりである。

 

 

株式会社もしも

最後にお話を伺ったのは、「株式会社もしも」。簡単にネットショップを運営できる仕組みを提供したり、ウェブ広告の支援をしたりするサービスを提供している会社だ。社名の「もしも」は、英語の “if”に由来している……? 代表の実藤裕史さんを直撃してみた。

 

「まさにその通りです。“もしも、こういうことができたら”という希望を叶えるサービスを作りたいと思って、この会社名にしました。私自身、小学生の頃から将来は起業したいと考えていたんです。インターネットのおかげで、その夢を叶えることができました。私たちのサービスも、利用者様の“もしも、こういうことができたら”という希望を叶えるきっかけになれば、と思います」

 

たった3文字の社名だが、自社サービスの思いがたっぷりと詰まっている。
しかし、株式会社もしもは、特に電話に出るときに苦労をするのではないだろうか。

 

そう、電話でよく使う言い回しと言えば「もしもし」。会社名は「もしも」。社員は「もしもし、もしもです」と言いながら電話に出なければならないのでは?

 

「それはよく聞かれます(笑)。でも、実際は『お電話ありがとうございます。株式会社もしもです』と出るため、『もしもし』を使うことはないのです」

 

 

 

世の中には、他にも変わった名前の会社がたくさんある。「株式会社ですか」には「株式会社ですか?」と問いかけてみたいし、「株式会社週休いつか」は週休5日なのかどうかが気になる。「株式会社△□○」は、そもそも読めない。

 

しかし、会社名にはどんな文字でも使えるのだろうか。疑問に思って調べてみると、会社名に使える文字には制限があることが発覚。漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字のほかには、アラビア数字、と一部の記号(「&」、「’」、「,」、「-」、「.」、「・」)のみと法律で定められているのだ。

 

株式会社△□○は、△□○を「ミヨマル」と読ませて、「株式会社ミヨマル」で法人登記しているらしい。その手があったか。

 

なかば面白半分で始めた今回の調査だが、会社名ひとつで仕事につながったり、苦労の種になったりと、実に悲喜こもごもであることが分かった。一風変わった会社名も、ただ面白いだけではないのである。

 

(取材・文/朝井麻由美+ノオト)

 

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