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はたラボ

「営業は学歴もキャリアもコネもいらない、普通の人が成功できる職業」【『成約率98%の秘訣』著者・和田裕美さん インタビュー】

営業職 インタビュー 仕事

「この仕事は自分に向いていないのではないか……」

 

望むような結果が出なかったとき、誰でも一度はこのような不安に襲われたことがあるだろう。しかし、『成約率98%の秘訣』著者で営業コンサルタントの和田裕美さんは「どんな人でも、仕事で輝く方法がある」という。

 

和田さんのキャリアはなかなかユニークだ。24歳・未経験で営業職に転身し、完全歩合制の厳しい営業の世界で、ゼロからキャリアを積み上げた。グローバル企業では営業成績日本人トップ、世界2位にまで上り詰めたことがあるという。

 

そんな和田さんは、自分を輝かせることができる「運命の仕事」をどのようにして見つけたのだろうか。営業で成果を出す秘訣と併せてじっくりとお話を伺った。

 

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「商品を売る」という気持ちを捨て、顧客に付加価値を提案する

 

――和田さんと言えば、著作の題名でもある「成約率98%」というコピーが有名です。100人に営業したら98人に売れるなんて営業の秘訣があれば、みんな知りたくなりますよね。

 

そうですね。ただ、秘訣は何百個とあるんです。たとえば、挨拶から声のトーン、見た目など、その人によって、私ができるアドバイスも変わります。ただ、共通していえるのは、いったん「売る」という気持ちを捨てること。「売りたいモード」でお客さまに接すると、私利私欲が前に出過ぎて、相手にも伝わってしまいます。大切なのは、あなたの売る商品がお客さまにとってどんな幸せな未来をつくるかなのです。

 

私が主催するセミナーでは、「あなたが売っている商品の絵を描いてください」という課題を出します。たとえば、商品が食器の場合、その商品がどんな未来をもたらすのか想像して描くんです。素敵な食器に合う手料理が作りたくなる、夫婦でお酒を楽しんでいるお洒落な生活がそこにある……そんな光景を思いつくままアウトプットします。商品がもたらす付加価値を掘り下げるんですね。

 

商品が保険の場合、描かれるのは家族みんなで笑っている絵になります。売れる営業になる秘訣があるとすれば、ポイントはここです。「あなたが売っているのは、家族が笑顔になる世界なんだ」ということを営業が自覚し、その付加価値をお客さまにお伝えしてほしいのです。

 

この感覚がつかめてくると、現場で商品説明するときの言葉のチョイスが変わってきます。声のトーンが明るくなって、表情は豊かになります。お客さまの属性やニーズによって伝え方は異なりますし、想像する未来もまったく違うものになります。営業はプレゼンターでありクリエイターですから。

 

――お話を聞いていると、営業職のイメージが変わってきますね。

 

そうなんです。それに、人は良いことをしたと思うとうれしくなるじゃないですか。強引に売りつけて終わるのでは罪悪感しか残らないけど、お客さまの人生を少しでも明るく楽しいものにするお手伝いができたと思えば、売り手も幸せな気持ちになるはずです。自尊心が高まれば自信がつきますし、自信がつけば行動の質と量が変わり、当然数字も上がります。

 

私は、みなさんが「営業」と聞いてイメージする「押し売りばかりの猪突猛進タイプ」の逆を行くことで、自分なりの成果を上げていきました。お客さまとの信頼関係は不可欠ですし、実際に商品を使ってみて満足いただければ、「こないだの話、この人にもしてあげて」と、お客さまが新たなお客さまを連れてきてくれることも。新規開拓するのは手間も労力もかかりますけど、紹介だととてもスムーズですよね。お客さまがファンになって新たなご縁をくださることで、営業成績は飛躍的に伸びていきました。

 

ピーク時は成約率98%でしたけど、「売ろう」とか「出世したい」なんて欲は微塵もありません。自分がプレイヤーとして営業をしていたときはお客さまの幸せを願っていましたし、支社長になって部下を束ねていたときは彼らが成長できるためにどうすればいいか、頭の中はそればかり。雑念なく、常に誰かに付加価値を提案するという姿勢だからこそ、世界トップクラスの営業成績を達成できたのかもしれません。

 

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芸術家やアスリートでない限り、仕事に向き・不向きはない

 

――和田さんは、幼いころから引っ込み思案な性格で、人と話をするのが苦手だったとお聞きしています。なぜ「営業」の世界に飛び込んだのですか?

 

大学卒業後、英会話教室の事務職やアパレル会社の倉庫管理など、何度か転職を経験しました。そして24歳のときに出会ったのが、外資系企業の営業職。取り扱う商品は、世界各国で展開されている英語の教材でした。

 

フルコミッション(完全歩合制)だったので、契約がとれなければお給料はゼロ。でも「営業は学歴もキャリアもコネもいらない、普通の人が成功できる職業」だと思い、全力で取り組みました。厳しい世界ですが、成果をあげればちゃんと評価してもらえる環境は、当時の私には魅力的だったのです。自分の可能性にワクワクしていたといいますか。

 

――営業のイメージが強いので、それ以前の転職履歴はちょっと意外でした。実際に働いてみて、成果はすぐに出たのでしょうか。

 

いいえ、入社してしばらくは契約が一件もとれない時期が長く続きました。自分なりに努力しているのに、結果がでないのはとても苦しいものです。ついつい「この仕事向いてないかも……」なんて、弱音を吐いてしまったことがあって、それを聞いた上司が「最初から向いてるなんて思うな!」とピシャリ。

 

その上司曰く、「できないのは当たり前。どこがダメなのか探して、そこを改善しなさい」。これをちゃんと意識しはじめたら、少しずつ売れるようになりました。実はこれ、成果を出せる人の特徴でもあると思うんです。

 

――やはり、和田さんも最初は苦労されたのですね。「成果を出せる人の特徴」をもう少し具体的に教えてください。

 

たとえば先日、事務所に営業の電話がかかってきて、「御社のウェブを拝見しました。うちは営業のサポートをしていますのできっとお役にたてると思います」なんて仰られたので、驚きました。和田裕美事務所は営業コンサルティングの会社なのに、下調べがまったくできていない(苦笑)。そんなことでは1日100件電話しても成果は上がらないし、はっきり言って人件費のムダです。あなたも人生の大切な時間をロスしているんだから早くやめたほうがいいよ、とアドバイスしたくなりました。

 

このように、成果が出ない人の多くは、完全に思考が停止しているんです。営業しなきゃいけないからとりあえず電話をかけるんだけど、ノルマや数字にばかり気を取られて、振り返りをしようとしない。一方、成果が出せる人は、「なぜ結果が出ないのか」「どうしたら相手に話を聞いてもらえるのか」と、課題をいち早く見つけ出して解決しようとします。

 

何ごとも、一度「こんなもんだ」と諦めてしまうと、生産性は落ちます。成果を出せる人のことを指して、「(あの人は)バイタリティがある」「根性がある」「才能がある」と片付けてしまうと、自分の成長は見込めないでしょう。よほどの芸術家やアスリートでもない限り、仕事に向き・不向きなんてありません。その仕事を自分の「運命の仕事」だと思えるかは、考え方と行動次第なんです。

 

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営業力という名の「モビルスーツ」が、日本の社会をもっとよくする

 

――和田さんはラジオ番組やセミナーで人生相談をされていますが、「転職したいけどどうすればいい?」なんて質問をされたら、どう答えますか?

 

「すれば?」って言います(笑)。今の仕事を頑張れないと思っている以上、きっと生産性は上がらないので。だったら思い切って転職するのもひとつの手なんじゃないかな、と思います。もちろん、中には、99%失敗するだろうなと思われる相談もあります。それでも一歩踏み出すことをおすすめするのは、意地悪ではなくて今あるものを手放さないとわからないことがあるからなんです。

 

たとえば、それまでずっと社長の文句ばっかり言っていた人が、会社を辞めて初めて社長のありがたみを感じることがあります。そうしたら頭を下げてもとの職場に戻るのもありですし、「一度去った人間だから」と断わられてしまったら、また新天地で頑張ればいい。人の気持ちを変えるためには、事件を起こさないといけないんです。起承転結の「転」を起こさない限り、物語の「結」にたどりつけません。ある人にとっては、それが「転職」なのかもしれないですね。でも、「転」をした結果が上手くいってもいかなくても、どちらでも構わないと思います。その先には次のステップが必ずありますから。

 

――「起承転結」の「転」、もっと意識していきたいと思います! 最後に、これからの働き方について、アドバイスをいただけますか?

 

みなさん夢やビジョンを持てとおっしゃるけど、そんなものは別になくていいんじゃないかと思います。ご縁があってめぐりあったものが「運命の仕事」なんです。私は営業職を離れてから作家活動をはじめましたし、これからもチャンスがあれば何でも挑戦したいです。だって、「自分にあった仕事」はひとつじゃないですから。

 

20年前の私は、今の自分を想像できませんでした。人生が変わったのは、やっぱり営業力という「モビルスーツ」を手に入れたからなんです。ガンダムのように、モビルスーツの中に入ることで強敵とも戦えるようになりました。やっていることが、モノ作りでも政治活動でもいわゆるOLでも、どんな仕事でも営業力は必要です。

 

これはつまり、営業をちゃんと学べば、世界を変えられるということ。「私、営業が苦手なんで……」なんて言ってないで、今すぐにでもモビルスーツを身に着けてほしい。日本に必要なのは営業力だと思います。みんながもっと営業力を身につければ、モノが売れるし、その先に相手の幸せが増えて、世の中もっと良くなります。そのためのお手伝いを今後もしていきたいですね。

 

(インタビュー・文:両角晴香)

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和田裕美さん

営業コンサルタント、作家、講演家。独自の『ファン作り営業』により外資系企業の世界142カ国中2位の成績を収め、女性としては最年少で支社長に就任。最大100名の部下を束ねた。独立後は執筆活動の他、講演会を主宰。成約率98%を実現したクロージング法は定評がある。近著は『成約率98%の秘訣』(かんき出版)。

▼和田裕美事務所
http://wadahiromi.com/

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