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ポイントは想像力! 「記憶力日本一」の池田義博さんが教える人の顔と名前の覚え方

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あれ? 顔はわかるのに、名前がどうしても思い出せない……。社会人になると、たくさんの仕事関係者との付き合いが増える。そこで直面しがちなのが「人の顔と名前を覚えられない」というトラブルだ。

 

ビジネスの場で気まずい思いをしないために、お話を伺ったのが、奈良県大和郡山市が毎年開催する「記憶力日本選手権大会」で4度優勝した、一般社団法人日本記憶能力育成協会で代表理事を務める池田義博さんだ。

 

池田さんが提唱するのは、脳のメカニズムを利用した記憶術。「仕組みさえわかれば、自分で自分の脳をコントロールできる」と池田さんは語る。

 

【脳のメカニズム】記憶の定着に必要な3つの条件

 

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池田さんによれば、記憶には大きく分けて「短期記憶」と「長期記憶」の2つが存在する。それぞれどのような役割を果たしているのか。

 

「30秒~数分間保持できるのが短期記憶。一方、長期記憶は数時間、長ければ一生保持できます。また、記憶は短期記憶から長期記憶というルートを辿って脳に定着すると言われています。ただし、すべての記憶が脳に残るわけではありません。脳の器官の1つである海馬が司令塔となり、『残すべき記憶』と『そうでない記憶』の仕分けを行っているのです」

 

では、海馬に「この記憶を残そう」と判断させるには、どうすればいいのか。そのためには、以下3つの条件が必要だという。

 

  1. 覚えようという「意思」を持つ
  2. 喜怒哀楽の「感情」を伴わせる
  3. 定期的に「復習」をする

 

さらに、記憶と切っても切り離せないのが「睡眠」だそう。

 

「睡眠は記憶にとって重要な工程です。なぜなら、情報は寝ている間に整理され、定着するから。海馬は睡眠中に頭の中を整理し、新しい情報と古い情報のつじつまが合うようにするのです。一夜漬けで勉強しても、テストが終わった途端に内容を忘れてしまうのは、このような脳の仕組みのためです」

 

人の顔と名前を覚える4段階のプロセス

 

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この脳のメカニズムを踏まえ、人の顔と名前を簡単に覚える方法を池田さんに伝授していただいた。ポイントは、インプットしやすいように「情報の形を変える」ことだ。

 

「何の関連性もない『顔』と『名前』をそのまま覚えようとしてはダメ。強引にでも、この2つの情報を関連付けてください」

 

具体的な4段階のプロセスをご紹介しよう。前述した「短期記憶から長期記憶に変化させる」ためのメカニズムを踏まえたものだ。まずは、「覚えよう」という意思を持つこと。そして次に「感情」を動かすために、想像力を使って顔と名前を覚えていこう。

 

「相手の顔からパーソナリティを想像しましょう。穏やかでやさしそうな顔をした人なら、『たくさんのペットと暮らす愛情あふれる人なんだろう』とか、人相が悪い人なら『学生時代はバリバリのヤンキーだったんだろう』とか、顔を見て、勝手に相手のパーソナリティを思い浮かべます」

 

このとき、自分で「想像する」ことが大事だという。

 

「続いて名前からも相手の背景を想像します。たとえば山本さんなら『山』と『本』というキーワードから、『自宅に山のように本を積んでいる無類の読者家』だと想像する、また松田さんなら有名人と結びつけて、『松田聖子の親戚』と覚えても構いません」

 

どちらも、文字ではなくイメージで覚えることがポイントだそう。そして、最後に忘れてはいけないのは、何度も復習するということだ。

 

「パーソナリティを想像することで感情が生まれ、さらに文字情報をイメージに変換することで忘れにくくはなるものの、たった一度の記憶ではやはり定着しません。相手に会うたびに名前を呼びかけたり、名刺を見て何度も思い出したり、復習をすることが必須です」

 

記憶力に個人差はない!?

 

しかし、「記憶力にはどうも自信がない」という人もいるだろう。そんな悩みについて、「記憶力に個人差はないと考えています」と池田さん。

 

「特定の分野において類い稀なる記憶力を発揮する『サヴァン症候群』と呼ばれる方々もいらっしゃいますが、ごく一部です。一般的な脳の働きとしての記憶力に限れば、誰でもほぼ変わらないのではないでしょうか」

 

では、年齢を重ねるにつれ、記憶力が低下していると感じるのは?

 

「記憶には『覚える力』と『思い出す力』があります。私の実感としては、覚える力は一生変わりませんが、思い出す力は年齢と共に衰えていくものです。思い出すのって、気力を使いますよね。年をとって体力が落ちると気力も衰えるので、思い出すことをあきらめてしまうということもあると思います」

 

とはいえ、あることを意識するだけで、思い出す力を維持しやすくなるそうだ。

 

「常に『感情』を動かしつづけることが、思い出す力を維持する一番のトレーニングになります。小説を読む、映画を観る、人と会話をする、旅行をするなど、感受性を磨く行動を積極的に取り入れましょう」

 

人の顔と名前を覚えるには、何よりイマジネーションが必要になる。日頃からイメージトレーニングを習慣化しておこう。そうすれば、ビジネスシーンにおいても、人と会うことが楽しみになってくるかもしれない。

 

 

(小林香織+ノオト)

 

池田義博

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一般社団法人日本記憶能力育成協会 代表理事兼会長。

大学卒業後、大手通信機器メーカーにエンジニアとして入社。その後、学習塾を経営。塾の教材のアイデアを探していたときに出合った記憶術に惹かれ学び始める。このとき、記憶力を競う記憶力日本選手権大会の存在を知り出場を決意。独学での練習の末、初出場した2013年2月の大会で優勝し記憶力日本一となる。その後、2014年、2015年と3連覇。2017年も優勝し、出場した4回すべて記憶力日本一に。また、2013年12月、ロンドンで開催された世界記憶力選手権において、日本人初の「記憶力のグランドマスター」の称号を獲得する。今回これらの記憶力大会で培ってきた記憶力、集中力、モチベーションなどを向上させるための脳の使い方を勉強法としてまとめた『脳にまかせる勉強法 』(ダイヤモンド社)を上梓。

 

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