はたラボ

どうやってアポをとる? ヒットメーカーの編集者に学ぶ「口説き力」

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「どうしてもこの人と仕事がしたい」「企画を持ちかけたい」というように、ビジネスでは社外のキーパーソンを口説き落としたい場面がある。しかし、相手が人気であればあるほど、多くのオファーが殺到するもの。いかにして目に留めてもらい、こちらの思いを伝えるのか。メールやSNSというインフラが整っている現代でも、乗り越えなければいけないハードルの高さは変わらない。

 

多忙なキーパーソンに、どうやってアポを取り、オファーし、仕事を進めるのか。幻冬舎社長の見城徹さんや堀江貴文さんら多くの著名人を口説き落とし、話題の本を出版してきた編集者・箕輪厚介さんに、ビジネスで相手を口説き落とす戦略を教えていただいた。

 

大物編集者に刺さったのは「手紙」というアナログな手段

 

箕輪さんはこれまで、実業家や起業家、アスリート、アーティストなど、さまざまなジャンルの第一線で活躍する著名人の書籍を手がけてきた。そんな箕輪さんにも当然ながら、まだキャリアの浅い時代がある。当時、同じ編集者とはいえ、雲の上の存在だった見城さんには、手紙でアタックしたという。

 

「最初はメッセージアプリの『755』を通して連絡していたのですが、これでは本気度が伝わらないかと思い、すぐに手紙を書きました。これまで『一緒に仕事をしたい』という、ここぞという場面では手紙で思いを伝えたことが多かったですし、その成功率は高いですね。僕は編集部に移る前、広告部にいたのですが、そこでも要所でクライアントに手紙を書いていました」

 

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「手紙というのは、結果としてみるとすごくコスパの良い口説きだと思います。現代では手紙を書く人は少なくなっていますし、僕らの世代ではまず見当たらない。だから、目に留まって相手の心に刺さることもあるんです。LINEやメッセンジャーを一日何百通もやりとりしていても、むしろそういう人ほど、手紙を重く受け止めてくれます。真剣に書いた手紙ほど人を動かすものはありません」

 

手紙に綴った内容を聞いてみると、「飛び抜けて目立つようなものではなかったと思う」と箕輪さんは振り返る。しかし、見城さんは「心がこもった手紙をもらった」と好感を持ち、その後の『たった一人の熱狂』(双葉社)の出版に至る。

 

「当時の上司からは『(見城さんのような大物にオファーするのは)まだ早い』と言われましたが、僕は見城さんのことがすごく好きで、著書や書いたものは、認識できる限りすべてに目を通してきました。そこまで入れ込み、常に見城さんのことを考えていたから、手紙が心に届いたのかもしれません。相手が大物かどうか、こちらのキャリアがどうかは関係ないでしょう。自分が相手を本当に好きかという一点のみ。『まだ早いから……』と萎縮していたら、見城さんとは一生仕事ができないままだったと思います」

 

熱狂と戦略を両輪で回さなければ、キーパーソンは口説けない

 

思い立ったらキャリアなど関係なく、一直線でオファーする。ストレートさはもちろん、手紙というツールが効力を発揮したのは確かだ。現代のビジネスシーンにおいて、コミュニケーションはほぼメールが主体になる。デジタルコミュニケーションが全盛の時代だからこそ、逆張りとして手紙が相手に刺さった、ということなのか。

 

「ただ、手紙を表面的なノウハウ、テクニックとして受け取られるのは本意ではないですね。礼儀だから、年上の方に好感を持たれるだろうから、といった意味合いで手紙を書くことは、僕は絶対にしません。『見城さんと仕事をしたい』という目標に直結する一番適切な手段として手紙を選択したのです。これが堀江さんやブロガーのイケダハヤトさんに手紙を送ったら、どうでしょうか。手紙という手段が彼らに刺さることはないでしょうし、一緒に仕事をすることは叶わなかったでしょう」

 

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「その人に合ったアクセスの方法は、情報発信や言動を見ていたら必ずわかるじゃないですか。見城さんもそうでしたが、どれだけ相手のことを思い、考え、想像を巡らせられるか。相手の心に寄り添えるかが大事なのではないでしょうか」

 

ネオヒルズ族の与沢翼さんとタイアップして、広告部にいながら雑誌を創刊したり、堀江さんを口説き落としてビジネス書をヒットさせたりするなど、箕輪さんの実績を見ると、熱狂的な行動力、そしてスピード感とフットワークで成果を残してきたように見える。しかし、「行動力だけでは砕け散ることが多い。緻密な戦略がそこになければ」と、箕輪さんは説明する。

 

「僕もノリだけで仕事をしているように見られがちですが、見城さんの時は手紙を書きつつ、ライターをアサインして、ゴーサインが出たらすぐ取りかかれるように準備していました。堀江さんには、Twitterの書き込みを分析して、受けてもらえそうな企画を組み上げて持っていきました。好きな人との仕事を目指していく無邪気な部分と、その企画が通ったらすぐに進められる冷静な戦略がなければ仕事はうまくいきませんね」

 

なぜ自分はこの人と仕事をしたいのかを考え、自分が好きな人、ものへと真っすぐに向かっていく“行動力”と“突破力”。それに加え、仕事ができるとしたらどのようなビジネスとして展開していけるのかを現実的に考え、進める“企画力”。 「熱狂」と「戦略」を両輪で回すことを考えたら、憧れのキーパーソンとの仕事が見えてくるかもしれない。 

 

取材・文:佐々木正孝 編集:ノオト

 

 

取材協力:箕輪厚介(みのわ こうすけ)

 

1985年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、リゾート関連企業に内定を得るも入社前に倒産。就職浪人を経て双葉社に入社。ギャルファッション誌『エッジ・スタイル』の広告営業として、商品開発やイベントなど幅広く仕掛ける。2013年には与沢翼氏と『ネオヒルズ・ジャパン』を創刊。その後編集部に異動し、『たった一人の熱狂』(見城徹)、『逆転の仕事論』(堀江貴文)などを担当。2015年には幻冬舎に入社した。経済ニュースプラットフォーム「NewsPicks」と協業の書籍レーベル「NewsPicks Book」を推進し、『多動力』(堀江貴文)をヒットさせた。

 

 

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