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仕事に役立つ情報収集のコツは? 時事芸人・プチ鹿島さんが実践する「新聞の読み方」

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速報性と拡散力に優れたネットニュース、ながら作業でも気軽に視聴できるテレビのワイドショーや報道番組など、私たちを取り巻く情報源は一見、実に多種多様である。しかしそれらのニュースは、元をたどれば「新聞」がソースであることは少なくない。政治経済から社会、スポーツ、芸能、科学、ローカルネタまでをフォローする、トピックの幅の広さや一覧性において、新聞は他の追随を許さない存在だろう。

 

そう考えると、「新聞も読もうとは思うけど、ちょっとハードルが高いよね」と敬遠するのは、実はもったいないことなのかもしれない。インターネットによる情報収集が当たり前になった現在、どのように新聞と付き合うといいのだろうか。「時事芸人」としてさまざまなニュースの見立て、読み解きを発信し続けるプチ鹿島さんに、今こそ見直したい「新聞の読み方」を教えてもらった。

 

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“情報の転がり方”を知るために新聞を読む

 

朝刊は全国紙5紙と東京新聞、さらにスポーツ新聞5紙、タブロイド夕刊3紙、合わせて14紙もの新聞を購読しているというプチ鹿島さん。新聞という媒体をここまで網羅するようになったのは、ゴシップニュースを楽しみたかったからだという。その貪欲な追求が、ニュースの読み解き、見立てにつながり、いつしか「時事芸人」として注目されるようになった。

 

「まずお話ししておきたいのが、僕は東スポや日刊ゲンダイを読み込むゴシップ大好きな人間だということです(笑)。憶測や噂を盛り込んだ下世話な紙面が特徴ですが、どちらも夕刊紙なんですよ。そこで僕はゴシップをとことん楽しむために、まずは朝刊で一次情報をチェックするようになりました。比較的プレーンなニュースを朝刊で得ることで、タブロイド紙という盛りに盛られたメインディッシュを満喫できる。いわばニュースのフルコースですね。「この切り口できたか!」「ここを深掘りするか!」というサプライズが味わえるのは、朝刊を読んでおいてこそなんです」

 

鹿島さん曰く、基本ニュースを押さえることで、ワイドショーやネットニュースがどのように加工し深掘りしたのか、「情報の転がし方」が見えてくるのだという。そのように多方面から情報を手に入れると、メディアごとのバイアスやフォーカスポイントも浮かび上がる。この技法をゴシップにとどめず、広く時事ニュースの分析にも活用するようになったそうだ。

 

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朝刊紙のポジショニングを知り、ニュースを俯瞰して読み解く

 

ビジネスパーソンの視点で考えると、新聞をどのように読んでいったらいいのだろうか。プチ鹿島さんは「まずは新聞ごとの立ち位置やキャラを知りましょう」と提案する。

 

「僕は、新聞の購読をよくプロ野球観戦にたとえるんです。ホームチームの一塁側から見るのか、ビジターの三塁側で見るのか、見る場所によって、同じ試合でもまったく違う見方になりますよね。新聞も同じです。具体的にいえば、現在の国内政治は安倍政権というスタジアムでプレーが進んでいますが、僕の見立てでは、政権に近い一塁側にいるのが読売と産経。反対の三塁側には朝日と毎日、東京がいます。日経新聞はやや政治的にはフラットですよね」

 

「この立場の違いによって報道は変わるが、どちらが正しい、正しくない、という話ではない」と鹿島さん。ニュースをどう取り上げるかは新聞によって大きく違っていて、それで新聞社のスタンスの違いが明確になる。それに目くじらを立てず、「そういうスタンスなんだ」と理解し、情報として受け入れていけば良い。

 

そこで、鹿島さんがすすめるのは、新聞の併読だ。複数を購読するのはコストがかかるが、併読によって別の新聞がどのような見出し、論調で取り上げているのかを知ることができる。メインで読む新聞と、あえて逆サイドの新聞をウォッチすることで、事実を俯瞰的に読み解けるようになるというのだ。

 

「ウェブ版で読むなら、実際の新聞紙面を再現できるビューアがおすすめです。僕も朝刊紙6紙のうち3紙は電子版で購読してそのように読んでいます。その理由は、その記事は一面なのか経済面なのか、社会面なのか、見出しの大きさは、記事の分量は……などニュースの大きさや意味合いを可視化できるからです。ヘッドラインニュースだと、記事がすべてフラットになるため、記事のボリュームが体感しにくいんですよ」

 

新聞を一面から最終面までページをめくっていくことで、関心の薄いジャンルの記事も目には入る。これは、興味をそそられたトピックのみをクリックしがちなネットニュースにはない点だ。

 

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新聞が「最もコスパの良いメディア」である理由

 

情報収集において近年、ネット上で無節操に拡散されるウソの情報「フェイクニュース」が問題になっている。情報のソースや原典をたどらず気軽にリツイートしただけで、私たちも誤情報を拡散してしまう恐れすらある。そんな時代だからこそ、新聞は情報機関として「コスパの良いメディアだ」と鹿島さんは力説する。

 

「新聞記者は文章の5W1Hや裏取りといった基本を叩き込まれ、鍛え上げられています。しかも支局というネットワークが全国、世界に張り巡らされている。情報のプロフェッショナル集団という意味では、新聞社を超える機関はまだないんです」

 

たしかに、信頼性、信用性が担保された情報を得たいなら、やはり新聞がもっともコスパが良いメディアだと言えるのかもしれない。

 

「僕は『新聞を隅から隅まで読め、すべて信用しろ』と言うつもりは全然ありません。ただ、ある程度信頼でき、さまざまな情報が入手できるツールとしてうまく利用してみてはいかがでしょうか。新聞からコスパよく情報を摂取することで、テレビやネットニュース、その他の媒体がグンとおもしろくなりますよ。そうすると、世間の話題や事柄に踊らされず、情報が腹に落ちるようになると思うんです」

 

 

(取材・文:佐々木正孝 編集:ノオト)

 

 

取材協力:プチ鹿島(ぷち かしま)

 

お笑い芸人。オフィス北野所属。1970年長野県出身。スポーツからカルチャー、政治まで幅広いジャンルをウォッチする「時事芸人」としてTBSラジオ『東京ポッド許可局』『荒川強啓 デイ・キャッチ!』、雑誌などでレギュラー多数。著書に『芸人式 新聞の読み方』(幻冬舎)、『プロレスを見れば世の中がわかる』(宝島社新書)などがある。

 

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