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2017年5月20(土)、21(日)の二日間で「WOMAN EXPO TOKYO 2017」が開催されました。講演やトークショー、展示などが盛り込まれた「働く女性」のためのイベントです。
その中で、パソナキャリア主催のもと、転職を経験しながらキャリアを築いてきた女性たちのリアルな声を聞く、「等身大の女性リーダーに学ぶ『私のキャリアの築き方』」を開催。ライフイベントがあっても、ステップアップも続ける女性たちのキャリアには、仕事への姿勢についてたくさんのヒントがありました。当日の様子をご紹介します。
今回登壇いただいたのは、アズビル 人事部 雇用開発グループで採用チームマネージャーを務める渡邊まなみさんと、BASFジャパン サプライチェーン・インフォメーションサービス本部 マテリアルマネージメント コーティングスの室田良江さん。
弊社で管理職を務める岩下純子さんによる司会のもと、パネルディスカッション形式で進められました。
渡邊さんは、前職は外資系IT企業でSEとして入社し、出産を機に人事へ異動した経験があり、現職では人事部の採用チームマネージャーを務めています。室田さんは、外資系電子部品メーカーにて輸出入やロジスティクス関係の管理職を経験したのち、現在の会社であるBASFジャパンへ転職をしたそうです。お二人とも現在は子育てをしながら働いています。
――自身のターニングポイントを教えてください。
渡邊:「私のターニングポイントは2回です。1回目は前職でのSEから人事への異動。異動のきっかけは、出産からの復帰を考えた時に、SEでは子育てと仕事のバランスが取りづらいと思ったからです。人事とSEは畑違いというイメージがあるかもしれませんが、IT企業ということもあって、SEを経験した人間が必要とされる仕事もありました」
ライフイベントがきっかけで、初めてのターニングポイントを経験した渡邊さんですが、2回目は会社と自身の考えにギャップが生まれたのがきっかけだったそう。
渡邊:「人事の仕事は、社員が幸せに働いていけるような制度や環境を整えていくという社員側の視点と、経営者側の考えをどれだけ社員へ浸透させていくかという視点の2つのアプローチで日々仕事をしていきます。キャリアアップをしていくと、前者より後者の仕事が圧倒的に増えてきます。当時は不況の影響もあって、業務効率化を最重要視しリストラも含めた様々な施策を推進していきました。その過程で、『私は何のためにこの仕事をやっているのか』『この仕事は会社や社員にとって本当にベストなことなのか』という疑問が芽生えてくるようになりました」
自問自答を重ねた渡邊さんは、「人事としてキャリアアップをしていくために、自分が目指すことと会社の考えがもっと共感できる環境で働きたい」と転職を決意。さまざまな企業と出会う中で、「人を中心としたオートメーション」に取り組むアズビルの企業理念や社員を何よりも大切にする社風に強く惹かれて、人事をするのならこの会社でやりたいと入社を決めたそうです。
一方、室田さんにもターニングポイントは2回あったと言います。
室田:「1回目はリーマンショックによる納期トラブルが原因でした。その頃は、朝から晩まで対応に追われていて、半年も経った頃には、私のせいで子どもまで疲れてしまうようになってしまったんです。そこで転職を決意しました」
しかし、当時は派遣切りが行われるなど、転職には市場が悪すぎたため、あえなく断念したそう。ところが、それがキャリアへの第一歩となったようです。
室田:「そうこうしているうちに、会社もようやく落ち着いてきました。そこで今までの実績を認められて、管理職への昇進の話がきたんです。自分の仕事が認められて嬉しい反面、不安もありましたが、せっかくのチャンスだと思い、やってみることにしました」
その後、2回目のターニングポイントは2年後の40歳の時に訪れたそう。
室田:「ふと、『人生の折り返し地点だな』と気付いたんです。このまま今の会社にいれば、仕事のやり方も分かっているし、人脈もあるので楽ではある。そう思う一方で、転職をして新しいことにチャレンジしたいという気持ちも生まれてきました。その頃になると、アベノミクス効果もあり、市場も好転してしたため、転職を決意。そして現在の職にいたります」
――お二人とも2回目のターニングポイントは、自身のキャリアを考えての転職ですが、そこには、仕事の中で目指すものがあったり、昔から長期的な将来設計を考えたりしていたのでしょうか。
渡邊:「私は熟考するよりも、思い立って行動するタイプですから、あまり将来を考えて行動してきたわけではありません。ただ、その都度その都度、ベストな選択をしながら仕事をしようと前に進んできた結果、今にいたっているのかなと思います」
室田:「私も基本的には渡邊さんと同じで、将来を長期的に見ていたのではありません。ただ、前職では人事異動もなく、組織も変わらないと分かっていたので、このまま50歳になったら......と考えた時に、もっと違う方向からキャリアを重ねていきたいと思って決断しました」
――実際に転職をしてみて、転職前と後ではどんな変化がありましたか。
室田:「管理職という肩書と、住み慣れた居心地の良さは無くなりました。しかしそのぶん、得たものも大きいです。新しい会社では、それまで知り得なかったさまざまな人たちとの出会いがありましたし、職場もいい人たちばかりで雰囲気が良いです。マネージャー職の人たちも、優秀な人が多いと思います」
渡邊:「正直、前職でそのまま働いていた方が楽だったと感じることもあります。実際に転職後は、新たな人脈作りや新たな仕事で学ぶことが多く大変な面もありました。しかし、40歳になって勉強することも多くあり、モチベーションを上げることができる環境にいられるのは、とても幸せなことだとも思っています。転職したことによって、更に自分が大きく成長していることを実感しています。」
――「女性推進活躍法」も施行され、女性が働くことが当たり前になった現在。お二人は将来をどのように考えていらっしゃいますか?
渡邊:「やはり今でも長期的な考えはないですね。しかし、これから20年以上の会社生活が残っていますので、会社をよりよくしていくために自分が出来ることを、これからもどんどん挑戦していきたいですね」
室田:「体力的なことを含めて、60歳まで働けるかな......という漠然とした不安はありますね。ただ、私の性格的には、将来を突き詰めて考えるより、今の目の前の仕事を頑張っていきたいという気持ちが大きいです」
――お二人は管理職を経験されていますが、そこから得たものはどんなことですか?
渡邊:「管理職だからといって特別なことはなく、むしろ今まで以上に周囲に奢ることなく謙虚に感謝する姿勢の大切さを日々感じています。色々な人と仕事をする際に意識していることは、その人その人の良い部分を見つけて尊重していくことです。人の欠点は意識しないでも簡単に見えてくるものですが、相手の悪い面ばかりを見ていると良い仕事はできないと思います。それは採用活動でも同じです。採用チームのメンバーには、常に学生の良い点を見つけられる採用担当であるように!と話しています。
それから、どんな仕事にも意欲的に取り組むこと。管理職になると、大変な仕事や正直やりたくない仕事も増えていきます。でも、私は依頼された仕事にはとにかく『イエス』と答えます。答えた後で、どうすれば仕事をより良くこなせるだろうと常に前向きに考えて取り組むと、大抵の仕事は楽しくなっていきます。
あとは、会社に自分の提案を伝えていくようにしています。すると、『それならやってみろ』とチャレンジさせてくれる文化が今の会社にはありますので」
会社へ提案をすることは、一見すると不満としてとらえられかねないことも。渡邊さんは「自分の意見だけではなく、『私はこうしたいが、どうだろうか』と周囲の意見を聞くこと」を忘れずにしているそうです。
室田さんは、現在は管理職ではありませんが、経験したことで現在の働き方にも変化があったと言います。
室田:「管理職は会社側の人間であるという視点が必要。チームとして何をしていくべきか、会社の利益になることは何かを常に考えています。さらに部下の育成もしなければなりません。自分だけが評価をされればいいというわけにはいかなくなるので、責任感が重くなりますね。そのぶん、発言力も大きくなりますし、やりがいにもつながります。現在は管理職ではありませんが、経験があったからこそ、全体を見渡した仕事をすることができています。また、上司を観察して、過去に自分ができなかったことを学んでいます」
――現在も意欲的に働き続けているお二人ですが、今後はどんなキャリアを築いていきたいですか?
渡邊:「転職したことで、今の会社の強みや弱みが見える部分はあります。弱みの部分を強みに変えていき、更なる会社の魅力アップのために力を注いでいきたいと思っています。色々なことにチャレンジしていきたい想いはたくさんありますが、まずは採用のリーダーとして、アズビルへの期待を胸に入社してきた社員を裏切るようなことなく、一生輝けるような企業にしていくことが一番の使命ですね。そのために、まずは目の前の仕事をしっかりこなしていきたいです」
室田:「私も入社してまだ2年半なので、デイリーの仕事を着実にこなしていきたいです。そのためには、会社への知識を深めていくことで業務をもっと深掘りして、仕事の質を上げていきたいと思います」
――最後に、これからキャリアを考えている女性へメッセージをお願いします
渡邊:「転職は40歳になるまで一度も考えていなかったのですが、やってみたらとても良い経験でした。50歳、60歳まで働くことを考えると、どこかで自分のキャリアを見直す機会が訪れると思います。年を重ねるとどうしても守りに入ることが多くなってしまいがちですが、一度の人生、何かにチャレンジすることがあってもいいのではないでしょうか。もちろんエネルギーは使いますけど......。チャレンジすることで、皆さんの人生が今よりも更に輝けばいいなと思います」
室田:「現在、目標が明確でやるべきことが決まっている人は、そこへ向けて頑張ってください。私にはそういうものが無くて漠然としていました。私と同じような人は、自分に与えられた役割を一生懸命こなしてください。すると見えてくることが必ずあります。とにかく積極的にやりがいや楽しみを見つけに行く姿勢が大切。また、新しいことにチャレンジするのは不安や抵抗感がありますが、やらないと得られない経験や成長があります」
「女性推進活躍法」が施行されたとはいえ、定年まで働く女性のロールモデルは多くありませんが、言い換えれば女性のキャリアには未知の可能性があるとも言えます。これからの女性に必要なのは、お二人のように、仕事をする楽しさを見つけられることや、目の前の仕事をこなす着実さ、チャンスがあれば新しくチャレンジするしなやかさを併せ持つことかもしれません。
ご登壇いただいた渡邊様、室田様、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
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