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2018年12月12日(水)に、株式会社パソナ主催による「ゲーム会社採用担当交流会」が開催されました。
日本のゲーム業界は世界的にも注目を浴びており、急成長を遂げた企業も数多くあります。「売り手市場」とも言われる昨今、「どうすればより良い人材と巡り合えるのだろう」と、成長のスピードに対する人材採用に頭を抱えている人事担当者の方も多いのではないでしょうか。パソナキャリアにも、ゲーム業界の採用担当の方から、「他社ではどんな採用を行っているのか」「他社の人事担当者と情報交換をしてみたい」というお声を頻繁にいただいておりました。
そこで今回、株式会社パソナが日頃から求人をご紹介しているゲーム企業にお声掛けし、会社の枠を越えた人事・採用担当者の交流会を開催。6社の採用担当者を招いてのパネルディスカッションや、参加者同士のトークディスカッション、懇親会などを行いました。32社65名が参加し、活発な交流が行われたイベント当日の模様をレポートします。
第一部は、6社から採用担当者を招いたパネルディスカッションを開催。株式会社パソナ 人材紹介事業本部Web統括部 デジタル・エンターテインメントチームの伊藤希をファシリテーターに、転職エージェントとのコミュニケーション方法や、現場社員との合意形成の方法など、さまざまなテーマについてお話を伺いました。
最初のトークテーマは、「開発現場と人事のコミュニケーション」。売り手市場な昨今、人事・採用担当者は日々良い人材の確保に奮闘していますが、開発現場から「すぐに現場で活躍できる即戦力が欲しい」と要望をもらうことも多く、意見がすれ違ったり、苦悩したりすることもあるのではないでしょうか。ここでは、採用担当者が、開発現場の社員と円滑なコミュニケーションを図るために行っている工夫をお伺いしました。
このテーマでは、2社の採用担当者の方のお話を伺いましたが、2社に共通することは「開発メンバーも採用業務にとても協力的であり、採用を自分事として捉えている」ということ。この段階に至るまでに、もちろん採用担当者の方も努力しています。開発メンバーとコミュニケーションをしっかり取り、情報共有をスムーズに行えるようにする、現場担当者の役割を明確にする、転職エージェントとの打ち合わせに開発現場の人も同行し、転職市場の市場感の理解につなげる……などを実践することで、開発現場の社員にも主体的に採用に取り組んでもらえるような文化の醸成に成功したとのことでした。
次は、最近採用の世界でも話題になっている「ダイレクトリクルーティング」について、語っていただきました。
ダイレクトリクルーティングを積極的に活用する企業も増えてきている中、採用担当者が感じる一番のメリットは、「採用候補者と直接やりとりできる点」とのこと。直接コミュニケーションを取ることで、候補者の状況や心情が理解しやすく、また、応募してきた部署と別の部署へのオファーチャンスを見出すなど、人材の掘り起こしができることも利点であると話されていました。
継続的に人材を欲している企業の採用手法の一つとして、ダイレクトリクルーティングを上手に活用しているところもあるようです。ダイレクトリクルーティングを行うには、「コミュニケーションを密に取ること」と、「市場感をよく把握しておくこと」の2点が大切であると、実践を重ねている企業の担当者から他社の皆さんへアドバイスもありました。
これに対し、「転職エージェントを利用した効果的な採用方法」についても、実際にパソナをはじめとする転職エージェントを活用されている各企業の方からお話いただきました。
まず「転職エージェントとのコミュニケーション」について、採用に関する情報共有や企業情報などのアウトプットに積極的に取り組んでいる企業の方から事例の共有がありました。
その方は、「応募者がなかなか集まらず、採用に苦戦した時期があり、転職エージェントに相談をしたところ、自社のいい部分を伝えきれていないことを実感した」そうです。
「仕事内容の具体性がない」「会社の雰囲気が伝わらないので、候補者から人気を得ることができない」と率直な意見を受け止めた上で、「転職エージェントにも伝わっていないのに、応募者が来るわけがない」と考え、まずは転職エージェントに自社を理解してもらうことから改革を始めたと述べました。
この方は、企業の魅力を具体的にまとめた書類を作り、自社の魅力をわかりやすく伝えることで、転職エージェントから候補者に向けて積極的に自社をアピールしてもらえるように働きかけたり、エージェントとなるべく電話で連絡を取り、会話がしやすい雰囲気を作ったりするよう心がけることで、応募者を約2倍にまで増やすことに成功したそうです。
また、採用活動を行うにあたり、「提供すべき情報を本当に与えられていたのか」を常に考えるようにしていると述べた方もいました。転職エージェントに対して、採用の要件を提供できる範囲できちんと伝えられていたか、伝えられる情報はまだあるのではないか、と常に考えることで、気付いた部分を改善し、採用活動をより良いものにしていけるように心掛けているとのこと。これには、他社の採用担当者の方からも同意の声が出ました。
転職エージェントは、採用活動を行っていく上でのパートナー。そのため、ひたすら情報を提供すると同時に、会社に隠れているコンテンツを引き出すことを採用担当者として心がけていると、その方は述べます。「ゲームを作りたいクリエイターに響くのは、『会社がどんな思想を持っているか』が一番。その思想の部分を採用候補者にも伝えてもらえるよう、転職エージェントには公開できる情報はできるだけ話すようにしている」とのこと。転職エージェントを採用活動の伴走者と捉えることで、上手く活用いただけている事例を共有してくださいました。
また、個性的な取り組みとして、転職エージェント向けにメールマガジンの配信を行っている企業の事例共有も行われました。新卒採用から中途採用まで採用に関することを一挙に手掛けられていたり、面接への立ち会いも行ったりと、ゲーム企業に限らず、採用担当者の皆さんは非常に多忙な毎日を送られていることと思います。
今回、事例共有いただいた企業の方も、「人員不足による、転職エージェントとのコミュニケーション不足」を課題に感じたことがメルマガ配信を始めたきっかけだったと言います。「業務時間中は面接に追われ、なかなか連絡を取ることができない。しかし、転職エージェントの各担当者と距離が開いてしまうことは避けたい。業務時間以外でコミュニケーションを取る方法を考えた結果が、メルマガの配信だった」とのことでした。
配信内容は、社内の雰囲気や面接に受かった人と落ちた人の違いなど、採用に関連する情報から、採用担当者のキャラクターがわかるプライベートも交えた話題など、親しみやすさやユーモアを感じてもらえるような内容を心がけているそうです。配信内容に対する返事を受け取ったり、後日打ち合わせの場で配信内容に関する話題で盛り上がったりと、現在も転職エージェントとの関係構築の手段の一つとして利用されているとのことでした。
「採用広報」についても、事例共有をいただきました。採用活動を行う上で欠かせない「広報活動」。しかし、日々の業務がある中で、なかなか注力できないとお悩みの採用担当者も多いのではないでしょうか。そこで、約3年前から採用メディアの運用を始められた企業担当者の方から、運用体制や運用を軌道に乗せるまでの課題点、運用してよかったことを教えていただきました。
こちらの企業では、HR系部署内に採用メディア担当の編集兼ライター、アートディレクター、デザイナーを抱え、メディア運用を行っているとのことでした。メディア運用を行うきっかけは、「企業の『らしさ』がなかなか外部に伝わらない点を改善したかったから」と述べます。
「自社には、ものづくりが大好きで、いいものを届けたいという思いで仕事をしているクリエイターがたくさんいる。この良さを外部へ伝えるためには、自分たちで記事を書いて発信していく場があればいいのではないかと考え、採用メディアを始めた」と熱く語っていました。
運用を開始した当初は、ターゲット層の選定や、クリエイターの合意形成など苦労もあったとのこと。しかし、粘り強く発信を続けることで、今では現場の方から「うちの部署へ取材に来てよ」と声をかけてもらえたり、「こういう取り組みを載せることはできる?」と相談をもらえたりするまでになったそうです。採用広報のためのメディアが、気付けば社内にも浸透し、部署を越えたコミュニケーションや、入社後の帰属意識を高める効果にもつながっており、「課題はまだまだある」と述べてはいるものの、一定の効果を上げることができているとのことでした。
成功の秘訣について、「新しいことに寛容な社風なので、運用の許可も降りた」と自社の特徴を述べた上で、「採用メディアがないと広報ができないというわけではなく、自社の良さをアピールするための手法が数多くある中で、一番大事なことは採用担当者が会社の『らしさ』や、求められている情報の把握をすること。そして、それらを採用担当者が転職エージェントや採用候補者へ正確に伝えられること」であると述べました。自社の魅力をアピールする立場の人間が、アピールポイントを的確に把握し、最適な形で届けること。この視点が広報においては重要なようです。
最後のトークテーマは、「未経験採用」について。ゲーム業界の中途採用募集は経験者を対象としたものが大半を占めますが、中には未経験採用を積極的に行っている企業もあります。一体どんな基準で採用をしているのか、採用後の教育体制はどのようにしているのか、気になっている採用担当者も多いトピックについて、ゲーム業界未経験者採用に積極的に取り組む企業の方にお伺いしました。
この企業の方は、「新卒採用を行っている企業であれば、ゲーム業界未経験の中途社員の受け入れも可能なはず」と述べます。新卒採用は、内定から入社までに1年近くタイムラグがあること、社会人としてのビジネススキルは1から指導する必要が生じるという点を挙げた上で、対する中途採用はすでにビジネススキルも備わった人材の確保が可能である点と、「やっぱりゲーム業界で働きたい」と意欲を持って入社を志す人が多いため、ポテンシャルが高いという点をメリットとしてお話されました。
もちろん、「中途であれば誰でもいいというわけではない」ということは前提条件にあると強調します。面接では、ゲーム業界への適応性があるかどうか、働く姿勢などをしっかりと見極め、採用の可否を判断すると述べていました。
その結果、採用した未経験人材の入社後の成長速度は「ものすごく早い」そうです。ゲーム業界の経験がないことで、逆に常識に縛られない斬新なアイデアを生み出し、先輩社員たちが驚くこともあるとのこと。人事を決定する際に、入社後のOJTで仕事ができる人の隣に置くことは、採用担当者として意識しているそうです。「意欲の高い中途採用者は、環境さえ揃えば、自発的に仕事のノウハウを身に着けて伸びていく。半年、一年で案件を取りまとめるディレクターなどのポジションが見えてくる人もいるので、業界未経験中途採用はおすすめですよ」と述べていました。
第二部は、参加者と登壇者、弊社スタッフを交えたグループに分かれてのトークセッションが行われました。
選考スピードや採用広報、ブランディング、会社の福利厚生など、採用に関するテーマをもとに、どのグループも活発な議論が交わされていたようです。パネルディスカッションでは聞けなかったことを登壇者へ質問したり、自社が感じている課題点について他社の意見を聞きながら、「そういった方法があるんですね!」とお互いの意見にうなずき合ったりと和気あいあいとしたコミュニケーションが行われている場面も多く見られました。
グループディスカッション後は、参加者と登壇者全員での懇親会。引き続き、名刺交換をしたり談笑をしたりとそこかしこで笑い声が絶えず、大盛況のうちに本イベントは終了いたしました。
弊社を利用いただいている人事担当者のお声から始まった本イベントが、なかなか交流することがない同業他社との絆を生み、ひいてはゲーム業界のさらなる発展と活性化へとつながれば幸いです。
ご登壇いただいた皆さま、参加者の皆さま、ありがとうございました。
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