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2022年3月7日(月)女性活躍推進やダイバーシティ推進に理解ある企業として評価の高い富士通株式会社(以下、富士通)様と三菱ケミカル株式会社(以下、三菱ケミカル)様、2社の人事ご担当者様にご登壇いただき、自社の女性リーダー採用と育成にについて講演いただきました。両社はどのようにして女性リーダーたちの活躍を推進しているのか、イベントの様子をレポートします。
[登壇者]
木村 博美 様 富士通株式会社 ダイバーシティ&インクルージョン推進室 室長 |
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寺川 加奈子 様 三菱ケミカル株式会社 総務人事本部 人材組織開発部マネージャー |
[ファシリテーター]
・岩下純子(株式会社パソナ 常務執行役員 人材紹介事業本部 副本部長)
まず、第1部の前半では、富士通様が推進するダイバーシティ&インクルージョンと女性活躍推進施策について紹介いただきました。以下が抜粋になります。
「誰もが自分らしく活躍出来る組織の実現のために何よりも大切なのはカルチャーの醸成」
そのカルチャーの醸成を実現するための一つのキーワードが心理的安全性です。
本年度、富士通では「カルチャー変革に向けたチームに必要な心理的安全性とは?」というテーマでセッションを行いました。当日は社内役員に加え、外部の方もお呼びして、国内外、最大1000人以上がアクセスしました。また参加者アンケートでも社員から多くの反響があり、各参加者が心理的安全性について立ち止まって考える、大変有意義な会となりました。
富士通ではダイバーシティ&インクルージョンの領域において、①キャリアオーナーシップ/選択可能なキャリア、②企業文化醸成/職場環境の整備、③女性社員のマインド醸成、と大きく3つのカテゴリーがあり、カテゴリーごとに様々な制度・施策を設けています。その中で、女性活躍推進の観点で、抜粋して2つの事例をお伝えします。
1つ目は、国際女性デーの取り組みです。毎年、国際女性デーには、企業文化醸成のための様々なイベントを実施していますが、その一環としてトップメッセージの発信を行っています。トップメッセージでは、ジェンダーダイバーシティを提唱し、女性に限らず、全富士通社員を対象に、「誰もが自分らしく活躍できる企業文化を醸成する」ため、考え・アクションを起こす動機付けとなるメッセージを発信しています。
また、今年の国際女性デーでは、「なりたい自分になる」をテーマとしたネットワークイベントの開催を準備中です。男女問わず、富士通グループの役員と役員候補が出会い、語り合える場を用意することで、相互理解と自己実現に向けたきっかけになればと考えております。
2つ目は“女性社員向けキャリアワークショップ”の開催です。弊社では、社員一人一人のキャリアオーナーシップを大切にしており、「社員は、自分のキャリアのかじ取りを自分自身で行い、会社はキャリア形成を全面的に支援する」という考えを持っています。その表れとして、社内では従前より、ポスティング制度が充実していましたが、近年、管理職登用についても、社員自ら手を上げ、自由に応募できるようになりました。その後押しとして、非管理職の女性社員を対象に開催しているのが、このキャリアワークショップです。部署や職位、グループ会社間の垣根を超えて、様々な女性社員・女性幹部とダイレクトに対話を行う中で、経営幹部の持つ高い視座を実感したり、仕事とプライベートのバランスの取り方の助言を受けたりと、より深くキャリアについて考える機会になっています。
富士通では、このような取り組みを通じて、誰もが管理職にチャレンジ出来る風土・環境を醸成しています。
第1部の後半では、三菱ケミカル様より、同社のダイバーシティ&インクルージョンの実現に向けた取り組みについて紹介いただきました。以下が抜粋になります。
「ダイバーシティ&インクルージョンを重要な経営戦略と一つとして経営層が推進体制を構築」
三菱ケミカルでは、2018年より、人材活躍における課題及び女性特有の課題を整理し、議論を重ねる中で、女性の活躍推進施策を検討・提案して参りました。
女性活躍を推進する中で、一人一人における、アンコンシャスバイアスへの自覚と理解が進み、ダイバーシティマネジメントが徐々に浸透している実感があります。
制度面に関しては、通院・産前産後・育児休暇、時短勤務などの一般的な制度に加え、テレワークや遠隔地勤務の活用、ライフサポート休暇など弊社独自の支援制度も設けており、法定を上回る充実した内容となっております。
「女性に限らず多様な人材の活躍に向けた人材制度改定」
三菱ケミカルでは、「会社と従業員が互いに選び、活かしあう関係、ともに成長していくカルチャー」をコンセプトとして、①主体的なキャリア形成、②透明性ある処遇・報酬、③多様性への促進と支援という3つのカテゴリーで人事制度を変更しました。その一環として、性別・年齢・勤続年数などの属性を問わず、パフォーマンスに基づく透明性のある処遇待遇の仕組みなどを用意しています。
また、社員の意識/カルチャー醸成のため、制度面の整備に留まらず、様々な施策を打っております。一例として「職種別トップマネジメントとの対話会」や「職種別・エリア別キャリアワークショップ」、「社内外で活躍する女性リーダーによる経験・キャリアについての講演会」の実施などが挙げられます。このように三菱ケミカルでは、様々な制度や取り組みにより、「ともに成長していくカルチャー」を育んでいます。
第2部では。ファシリテーターとして弊社執行役員の岩下を加え、視聴者様からのご質問を軸とした”質疑応答形式”で各登壇者様に、女性活躍推進について語っていただきました。
―女性が活躍する上で取り組まれている風土醸成はありますか?
【富士通様】
まさに、人事として理想とする姿に向けて取り組んでいる最中です。心理的安全性やアンコンシャスバイアスなど女性社員の活躍を阻害する要因については、全社eラーニング、管理職向けダイバーシティマネジメントセミナーなどを通じて、気づきの場を数多く提供しています。
例えば、「子供がいるから出張は難しいだろう」「責任ある仕事を任せては気の毒かもしれない」といった管理職側の配慮が時として成長を阻害してしまう事があります。1on1など、メンバーとの定期的なコミュニケーションを通じて、思い込みの解消、メンバーの理解の深化が実現できると考えています。やはり、大切なのはコミュニケーションですが、コロナ渦ではなかなか対面での対応が難しいので、「より意識してメンバーと向き合う事が重要だ」という事を伝えています。
【三菱ケミカル様】
弊社も風土醸成に於いてはまだまだ道半ばという状況になりますが、とにかく、地域や属性・立場を超えて、風土醸成に向けた取り組みを継続していく事が重要だと感じています。現状感じている課題として、①日本国内に複数の拠点がある中で、拠点毎の風土醸成、②女性という属性にのみフォーカスし過ぎない内風土醸成、③トップマネジメント層のみならずメンバー層など様々な方にアンコンシャスバイアスについて認識して貰うことなどが挙げられます。弊社ではこうした課題の解決に向けて、点での施策だけではなく、実施時期や方法をストーリー仕立てにし、面で施策を行うように工夫しています。また社内の人間だけのムーブメントに留めず、社外から有識者の方々をお招きして対話会を実施するなど多様な考え方を醸成する取り組みを行っています。
―女性活躍推進の人事制度について工夫している事はありますか?
【三菱ケミカル様】
まず取り組む上で、女性に限定しておらず、ジェンダーに関わらず様々な方にとって有益な人事制度になるように意識しています。一例として、勤務地に配慮する「遠隔地勤務制度」があります。ご家庭の事情で勤務地を変更できず、やりたい仕事ができないという社員に対する配慮から生まれた制度で、同制度の活用により、本来の勤務地から離れた場所からでも業務に携わることができます。始めたばかりの制度で、もちろん利用する上での制約などもありますが、これから制度の利用促進を行う予定です。
【富士通様】
女性の場合、自分のタイミングでキャリアを考える事が重要だと考えています。例えば、子育てが一段落した時に管理職に手を上げたい方もいらっしゃいます。
弊社では、ジョブ型人事制度や社内ポスティング制度などを通じて、社員が自分のタイミングで手を挙げられる機会を創出しています。過去にも、マネージャー職のジョブを社内提示した際に、まだマネージャーではない方が手を挙げて応募した事例がありました。制度を上手く活用する事で社員が自らチャンスを掴んでいる良い例だと思います。
その他にも、視聴様からの複数のご質問に2社様より丁寧にご回答いただき、第2部も非常に有意義な機会となりました。
本イベントが、女性活躍推進やダイバーシティ推進、そして皆様のこれからのキャリアについて考えるきっかけとなりましたら幸いです。富士通様、三菱ケミカル様、そして参加者の皆様、誠にありがとうございました。
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