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【業界転職最新動向:消費材メーカー】今は30代後半・40代でもチャンスが大きい時期。「転職は無理だろう」と諦めないで

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食品、衣料品、化粧品、生活雑貨など、私たちの生活に身近な物を製造する消費材メーカー。一社に長く勤める傾向が強い業種ですが、近年働き方や生活スタイルが変わる中で、企業の中途採用にも変化が生じています。そこで、消費材業界・消費財メーカーの転職支援を担当しているパソナキャリアのキャリアアドバイザー中川 満佐美に、消費材メーカーの転職動向について聞きました。

新しいことに積極的にチャレンジしない会社に、不安を感じる人が増えている

―まず、消費材メーカーの現状について教えてください。

中川:トレンドになっているキーワードは、「海外」と「EC」ですね。販路を拡大しようとする会社が増えていて、例えば化粧品メーカーですと、中国などに進出する企業が増えています。また、今まで通りのことをやっているだけでは会社を伸ばしていくのが難しい時代ですから、社会のニーズに合わせた新たな商品企画が求められています。食品メーカーでは、機能性食品や女性の社会進出に伴い、時短調理が可能な商品を販売するといった動きがありました。

こうした中で、最近は新しい風を取り入れようと中途採用が増え始めています。消費財メーカーは今まで新卒採用を中心としていたため、中途採用が拡大している現状は大きな変化と言えるかと思います。

―具体的にどのようなポジションが求められているのでしょう?

中川:増えているのは、海外マーケティングやWeb マーケティングに強い人のニーズ。ECへの対応や、Web広告の企画・運用ができる人ですね。あとは、東京オリンピック・パラリンピックに向けて「GAP問題(*1)」と呼ばれる動きがあり、食の安全を強化するためにも、品質管理の知見がある人材が求められています。

海外進出に伴う海外工場の責任者クラスのポジションや、ネット通販が普及したことによる物流関連職種の人材需要増加も顕著ですね。また、営業活動において対面でのコミュニケーションを重視する文化があるので、営業職のニーズもまだまだ強いです。

*1 GAP問題:GAPは”Good Agricultural Practice”の略称で、農業において、食品安全・環境保全・労働安全などの持続可能性を確保するための生産工程管理の取り組みを指す。東京オリンピック・パラリンピックの選手村などでは、GAPの認証を取得した農産物の提供が定められているため、この問題への対応が急務とされている。
参考:農林水産省HP

―幅広く求人があるんですね。「現在、消費材メーカーで働いているが転職をしたい……」といった相談も増えているのですか?

中川:増えていますね。「商材がニッチだからもっと幅を広げたい」「もっと新しいことにチャレンジできる会社で働きたい」といった転職理由が多いです。特に、保守的な会社に対して、「既存の事業を続けているだけでいいのか?」と不安を感じている方が増えている印象です。

―大企業には新卒でないと入社できないイメージが漠然とありますが、その部分に関してはいかがでしょうか。

中川:経験が合致していれば、中小企業から大企業に転職できるケースもあります。傾向として、大企業はさまざまな職種で募集をしていて、中小企業は営業の需要が高いですね。転職希望者の中には、「年収が下がってもいいから転勤を避けたい」と、あえて大手企業から中小企業に転職される方もいます。

営業、品質管理、海外工場責任者、物流関連職種それぞれの転職動向は?

―職種ごとにさらに話を深堀りできればと思うのですが、まずは営業職の転職動向について教えてください。

中川:営業職は、同じ商材を扱う会社に転職するのが基本とされていましたが、これまでの業務経験と転職を希望する企業の取引先、営業スタイルなどに親和性があれば、商材を変えても転職できる可能性は十分にあります。例えば、今まで百貨店向けに化粧品の営業をしていた方が、顧客の事情がよく分かるだろうと期待され、雑貨製品の営業職として内定が出た事例があります。忙しい時間帯や時期(イベントシーズンなど)を理解していて、相手の動き方が分かっているのは強みですね。

消費材メーカーの営業は、基本的に既存顧客を相手にするルート営業です。そのため、経験者であれば商材が変わったとしても、それほどギャップはないと思います。もちろん、社風の違いに慣れたり商品知識を勉強したりといったことは必要ですが、それは商材が同じ会社へ転職しても一緒ですしね。

―品質管理については、いかがでしょう?

中川:同じ業界内での転職が主で、別業界へ転身するケースは少ないのが現状です。ニーズは増えていますが、各社が求めているスキルのレベルも高く、3年程度の経験は大体どこでも必要とされています。品質管理系の職種で転職したい場合は、「知識がどれくらいあるのか」「実務レベルでどんなことをどの程度やっていたのか」をきちんと言語化し、アピールすることが重要です。

―しっかりとした経験があることが重要なのですね。では、海外工場の責任者ポジションについては?

中川:こちらも経験者の募集ですね。もちろん企業によりますが、業界経験よりも対象とする国での業務経験やその国に関する知見が重視される傾向にあります。「該当国・エリアでの駐在経験があれば、経験業界は問わない」という求人もありますね。現地工場は現地の人たちを雇用し、一緒に働くケースがほとんどなので、その国の文化や商慣習、人々の特性が分かっているのは大きいです。近年は、中国や東南アジアのニーズが特に強いですね。

このケースでいうと、飲料メーカーから菓子メーカーへ転職した方の事例があります。中国に駐在していたのですが、会社の方針として日本に戻ることになってしまい、まだ中国で仕事をしたいとの希望で相談にいらっしゃいました。中国の文化やビジネスに対する知見・ノウハウが評価され、菓子メーカーの中国工場の責任者として採用。希望通り中国で働き続けることができるようになったと、喜んでいました。

―最後に、物流関連の求人需要については、どうでしょうか?

中川:物流は慢性的に人が足りていないポジションで、人手不足を解消するための現場経験者採用と、効率化を図るためのIT人材の採用、2方向のニーズがあります。現場経験者については、物流関連職種の経験があれば商材は問われないケースも多いですが、年齢が上がるにつれ、商材に対する専門知識や業務経験との親和性が求められるようになってきますね。これは、食品だと消費期限があるためスピード感を重視するなど、商材ごとに重要視する視点が変わってくるためです。また、物流会社からメーカーの物流部門に転職する方もいますね。

IT関連職種については、新しいシステムを導入したことがあったり、要件定義ができたりといったスキルを持っている方が求められています。一からシステムを開発するというよりは、物流会社向けのパッケージソフトを導入し自社用にアレンジしたり、より良いものにしていったりする力があるかを見られることが多いですね。

「このままでいい?」相談に来る人のほとんどが、漠然とした不安を抱えている

―転職を決意している人と、どうしようか悩んでいる人、転職相談に来るのはどちらの人が多いですか?

中川:後者の方が多いですね。「転職するぞ!」と決意が固まってから相談に来られる方ももちろんいますが、特に20代から30代前半の方は、他業界の友人が転職する姿を見て、「このままでいいのかな?」「1社しか知らなくて大丈夫かな?」と漠然とした不安を感じて、相談に来る方も多いです。転職サポートのお申込みから実際に転職に向けて動き出すまでに時間がかかる方も多く、相談に来てから本格的に転職活動をスタートさせるまでに数カ月ほど間があくことも少なくありません。

―転職希望者の方は、どのような悩みを抱えているのでしょうか?

中川:「自分に市場価値はあるのか」というご相談は多いですね。消費材メーカーは周りに転職経験者があまりいないからなのか、転職に関する知識が少ない方もいらっしゃいます。最近では、転職する上で以前ほど年齢が関係なくなりつつありますが、いまだに「35歳の壁」を気にしている方もいます。40代で内定が出た事例や、経験を生かしたご提案をした結果、「可能性が広がった」と喜んでお帰りいただくことも多いですよ。

―最後に消費材メーカーの方へメッセージをお願いします。

中川:今の仕事で不満に思っているポイントは、転職によって解消できる可能性があります。いざ転職しようと思った時に情報不足で動けないのはもったいないですから、早い時点でご相談に来ていただけるといいなと思いますね。求人はもちろん、業界全体の動向やトレンドなどさまざまな情報をお伝えできますし、他社と比較して現職の条件や仕事内容がどうなのか、客観視する機会にもなります。

第二新卒の方であればポテンシャルで採用されることもありますし、今とは違う商材や職種にチャレンジしたい方向けの中途採用ニーズも高まっている現在は、30代、40代の方にもチャンスがあります。選択肢を広げることはできると思いますので、年齢や経験から「どうせ無理だろう」と諦めるのではなく、一度ご相談に来ていただけたらうれしいですね。


(取材・文/天野夏海)

話し手 プロフィール
キャリアアドバイザー 中川 満佐美
コンシューマーマーケットを中心に、転職活動を支援。
商社、販売・流通、消費財、マスコミ・広告、サービス業界などサポート先は
多岐にわたる。

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