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【イベントレポート】「働く女性を応援!ファッションと仕事の時短術」

  • お知らせ
2018.12.06

2018年11月14日(水)に、株式会社パソナと株式会社エアークローゼットの共同主催によるイベント「働く女性を応援!ファッションと仕事の時短術」を開催しました。
現代の働く女性は、仕事や家庭の中でさまざまな役割を担っているため、常に時間に追われて生活しているという人が珍しくありません。
そこで、本セミナーでは「時短術」をテーマに、「仕事」と「洋服」という2つの観点から時間の節約方法をご紹介しました。
第一部の「仕事編」では、株式会社パソナ 人材紹介事業本部 女性活躍推進コンサルティングチームの石川ともより、女性を取り巻く環境の変化やライフワークバランスを保つための「仕事の時短術」を、第二部の「ファッション編」では、株式会社エアークローゼット スタイリストの菅原麻里さんをお招きして、「毎日の洋服選びをスムーズにする時短術」などについてお話いただきました。

現代女性はなぜ時間に追われているの?

第一部「仕事編」では、まず始めに「そもそもなぜ女性は時間に追われているのか」を2つのデータから石川が解説。そこでは、女性を取り巻く環境の変化が浮き彫りになりました。

「女性のライフスタイルは1997年を境に大きく変化を始めています。それまで比率の高かった専業主婦世帯と共働き世帯の比率が逆転、現在に至るまでその差は開き続けています。それにともない、意識にも変化が起こりました。『女性が長期的に働き続けること』について調査を行ったところ、1992年の時点では『子どもができてもずっと働き続けたい』と答える女性が26.3%だったのに対して、2016年には55.3%まで増えています」

こうしたデータから見ても、女性が働き続けることはすでに一般的なものとなっています。石川は、「女性が時間に追われるのは、以前より役割が増えたことにある」と言います。

「女性は結婚、出産を経て、妻、母親という役割を担います。一昔前までは、結婚や出産で仕事を辞める女性が多かったのですが、今では働き続けることが一般的となりました。ライフイベントを迎えた女性にとって、役割が減ることなく増える一方である昨今、『時間が足りない!』と感じる女性が多いのは仕方がないことかもしれません」

第一部「仕事における2つの時短ポイント」とは

「役割が増え、常に時間に追われている女性にとって、時短術は必要不可欠です」と石川。仕事における時短ポイントは、「決めること」と「優先順位とタスクの可視化」の2つだと言います。

「まずは『帰る時間』を決めてしまいましょう。帰る時間を決めると、作業を終わらせなければならない時間が見えてきます。すると、一日のスケジュールを意識するようになるので、より計画性のある仕事運びができるようになります。さらに、帰る時間を決めることは、ひとつひとつのタスクを終わらせる時間を決めることにもつながります」

終了時間が決められている会議や打ち合わせに対して、個人のタスクはついつい曖昧なまま進めているという人は多いのではないでしょうか。「私自身もそうだった」と言う石川いわく、「何も決めずに取り掛かると、意外と時間を取られてしまうもの。仕事を始める前に、タスクの内容や所要時間を把握してスケジュールを組めば、より効率的に仕事をこなすことが可能になります」とのことでした。

そして、2つ目のポイントである「優先順位とタスク管理の可視化」については、「優先順位をあらかじめ決めておけば、タスクの整理にもつながるため、『次は何をするんだっけ?』と考えることがなくなり時短につながる」と言います。また、「タスク管理のためのToDoリストの書き方にも落とし穴がある」とのこと。

「タスクをざっと書き出して、できたものから消していく手法がありますが、これだと優先順位が分かりづらくなってしまいます。ここに優先順位を足して、タスクと優先順位の可視化を行うとよりスムーズな仕事運びができるようになります。これは『時間管理のマトリックス』と呼ばれるものです」

具体的には、それぞれのタスクを、「①緊急で重要な案件(第一象限)」「②緊急ではないが重要な案件(第二象限)」「③緊急だけど重要ではない案件(第三象限)」「④緊急でも重要でもない案件(第四象限)」の4つに分けて把握するという方法です。

「第一象限は急なトラブルやクライアントからの依頼、第二象限は新規企画の立案や提案書の作成など、時間がコミットされていないけれど重要な案件、第三象限はメール処理や電話応対など、第四象限は、備品補充などが当てはまります」

実際に書き出してみると、「第二象限が残ってしまいがちになる」ことが分かるそうです。

「限られた時間の中では、第一象限と第三象限をこなすことに精一杯で、時間に余裕のある第二象限がいつまでも残ってしまいがち。これを解消するためには、第二象限に対してあらかじめ期限を設定しておきましょう。すると、場合によっては第二象限のタスクが第一象限へ組み込まれてきます。優先順位とタスクの可視化に加えて、『期限』も把握することで、全体のタスクの優先順位がよりクリアになり、柔軟な対応ができるようになります」

最後に石川からは、「女性は完璧主義を見直すことも大切」という話がありました。

「女性は責任感が強く、仕事の完成度が高い一方で、自身を過小評価しがちという傾向があります。そのため、与えられた仕事に全力で取り組み、時には100%以上の力を使ってでも完璧を求めてしまいます。しかし、成果物は状況が変わって修正が入ることもあり、さらに大幅な時間を使ってしまうことも。仕事をきちんとこなすことは大切ですが、時間を上手に使うことも同じくらい大切なことです。仕事の完成度と時間の2つを両立させるためには、途中で上司や同僚にアドバイスを求め、軌道修正をしながら仕事を完成させる要領も必要ではないでしょうか」

相手の期待以上の成果物を提出したいという女性は多いかもしれませんが、そのために大幅な時間を取られてしまうことは本末転倒です。自分一人でやりきるという「完璧主義」は、成長するために必要なことではありますが、時には障壁となってしまうことも。頼れる部分は頼ってしまう要領の良さも、これからの働く女性には必要不可欠なことなのかもしれません。

第二部「ファッションにかけるべき時間とかけなくていい時間」とは

女性にとって毎日の服選びは楽しいものですが、悩みの種でもあります。第二部「ファッションにおける時短術」では、菅原さんから「ファッションにおけるかけなくていい時間」についてお話いただきました。

「ファッションでの『時短術』とは、かけるべき時間とかけなくていい時間をはっきりさせることです」と菅原さん。
「女性が毎日の服選びで悩むことは、『今日は何を着よう』『どうやって合わせよう』という点ではないでしょうか。これはファッションにおいて『かけなくていい時間』に当てはまります。解消するためには、その日の目的をはっきりさせること。例えば、会議がある日なら『しっかりした印象に見られたい』というイメージがあると思います。そんな時には、すっきりとしたシルエットでトーンが暗い洋服を、また、来客などアテンドがある日なら、『華やかな印象が欲しい』と思いますので、ディテールのある明るいトーンの洋服を選ぶといいでしょう」

目的が決れば、「今日は何を着よう」という悩みは解決されます。次は、「どうやって合わせよう」というコーディネートに関する悩み。これは、「事前に組んでおくことで解消される」と言います。

「洋服は選択肢が多ければ多いほど迷ってしまうもの。しかし、『どんなコーディネートにも合う服』というのは幻想です。洋服を買う段階で、手持ちの服と合わせられるかを考えて購入するようにしましょう。買った後は、デートや会議、社内作業の日など、テーマ別でコーディネートを決めておけば毎日の服選びがぐっと楽になります」

ちなみに、手持ちの服を考えて新しい服を購入する時間は、「かけてもいい時間」に当てはまります。また、コーディネートを決めるためには「どれとどれが合うか」を考えなければなりません。これには、「メインの服から決めるのがポイント」なのだそう。

「おしゃれな服にはシンプルな服を合わせること。これだけでスタイリングが決まります。今年のトレンドであるチェックのスカートは柄物なので、トップスにはシンプルな服を合わせましょう。少し寂しい印象になってしまったら、小物を足してみてください。逆に、メインをシンプルなブラウスにするなら、華やかなボトムスを。華やかな服とシンプルな服を合わせることは、ファッションにおいて鉄則ですから覚えておくといいと思います」

しかし、時には「どうしても決められない!」ということもあるかと思います。時間が無い日や、悩んで収集がつかないという日には、「とりあえず『白』を着る」と菅原さんはアドバイスします。

「『困った時にはとりあえず白!』が合言葉です。意外かもしれませんが、白と白の組み合わせも有効なんです。また、白は汚れやすく避ける人が多いので、白を着ているだけで際立ちます。光を反射して顔色も良く見えるので、格好のアイテムです」

「今日は何を着よう」「どれと合わせよう」という悩みが解消されるだけで、支度にかかる時間はかなり減りそうです。最後に、菅原さんから「毎日の悩みを軽くするためにも、服を購入する時点で気をつけておきたいポイント」をいくつか教えていただきました。

「服選びで悩まないためには、欲しいと思ったものだけ買うことです。『ひとつあれば無難かも……』と思って買った服は、意外と着ないもの。また、こうしたアイテムは、コーディネートを考える時に邪魔をする要因にもなるんです。どうせ買うなら『これ着たい!』と思ったものを買って、どんどん着るようにしましょう。よく『ファッションは繰り返す』と言いますが、そのシルエットは毎回微妙に変わります。『いつか着るかも……』とタンスの肥やしにしていては、クローゼットも整理できません。好きな服をたくさん着て、くたびれたら処分して、次に行くことが大切です」

もうひとつのポイントは、「必ず試着してから購入すること」だそうです。

「体にフィットしない服ではスタイルが決まりません。体型は人それぞれですから、必ず試着して自分に合うかどうかを確認してから購入しましょう。『買ったけど何だか合わない』と感じるのは、体にフィットしていないから。これではどんなコーディネートをしても納得することは難しいと思います」

この後、参加者からは「シルバーとゴールドのアクセサリーをミックスさせて上手に付ける方法」や、「服と靴のバランス」、「どんな年齢層にも印象が良い服装は」などたくさんの質問が寄せられ、菅原さんがそれぞれに丁寧なアドバイスを返して、本セミナーは締めくくられました。

「仕事」と「ファッション」は一見すると、関係性が薄いジャンルのように思えますが、手持ちのタスク(洋服)を把握して常に整理しておくことなど、共通する部分も多いのではないでしょうか。
考えるべきことが増えることで、これまでには感じなかった悩みも増えるかもしれませんが、それは今回の時短術のように「新しいスキルを得るチャンス」でもあります。
本セミナーが、次世代を生きる女性にとって前向きに楽しく過ごせるヒントになれば幸いです。

ご登壇いただいた菅原様、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。