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「シンクタンク」ってどんな仕事?私でも転職したりできるの?

「シンクタンク」ってどんな仕事?私でも転職したりできるの?

「シンクタンク」という言葉はニュースなどでよく耳にするが、あらためて何のことかと聞かれると……「本当はよくわからない!」という人も多いのでは? シンクタンク(Think
Tank)を直訳すると「頭脳集団」。なにそれ、ちょっとカッコいいかも……。

そもそも、シンクタンクはどんな仕事をしているのか。どうすればシンクタンクで働くことができるのか。日本生命グループのシンクタンク、ニッセイ基礎研究所の経営企画部・鈴木慎司さんにお話を伺ってみた。

「シンクタンクとは、さまざまな領域の専門家を集めて諸種の調査・研究を行い、政策への提言などをしている研究機関を指します」と鈴木さん。シンクタンクの起源は、19世紀後半のイギリスで「社会改良運動」のために設立されたフェビアン協会、そして20世紀初期のアメリカで「米国型リベラル思想」に基づいて設立されたブルッキングス研究所なのだ。

「社会」や「リベラル」って、やけに政治的な言葉が並ぶのですね。そもそもの発祥が、政治に関わる機関だったってことですか?

「はい、シンクタンクの主な役割のひとつが、それぞれの得意分野に関する調査・分析結果の公表や・政策提言です。シンクタンクとひと口に言っても、日本では政府系から製造業系、弊社のような金融機関系までさまざま。例えば消費税の増税が検討されている場合、関連する分野のシンクタンクが景気の変動や雇用の状況を調査します。そして、増税した場合に経済に与える影響などの予測を発表しています」

より具体的に見ていくと、例えば2020年の東京オリンピック・パラリンピックにもシンクタンクが関わっている。開催国の選定では、国の財政や候補地の設備などに加え、もうひとつ重要なのが「文化」基準。国が芸術文化の振興や情報発信などの文化プログラムを推進するに当たり、ニッセイ基礎研究所の文化芸術分野の研究員がオリンピック・パラリンピックの関連委員会に参画している。

「一般的に、シンクタンクは官公庁や地方公共団体などから直接依頼をもらって、経済予測やマーケット調査を実施します。そのレポート結果が、政策立案に反映されるという流れです。欧米では非営利の団体が主流ですが、日本では多くの民間のシンクタンクが研究員の知見を活かしたコンサルティング業務なども交えつつ、活動を展開しています」

民間でありながら、公共性の高い活動をしているシンクタンク。そんなシンクタンクで働くにはどうすればいいのか。一般企業から転職できるものなの?

「方法はいろいろあります。新卒で研究員の候補生を募集するシンクタンクもあれば、各分野の専門家を研究者としてリクルーティングする場合もあります。シンクタンクの研究員に共通するのは、データを収集し、仮説を立て、現実との差異を分析することにモチベーションを高められる好奇心が強いこと、ですね」

はいはいはい! 好奇心なら、世の中の出来事に疑問を思い浮かべ、答えを知るためにあちこち調べたり専門家に取材したりして原稿を書くライターも負けていませんよ!

……と、猛アピールしようと思った矢先、「研究員の学歴としては、大学院卒で統計学への造詣が深く、洞察力のある方が多いですね」と鈴木さん。うーん、やはりそんなにたやすく入れる業界ではないのかもしれない。

ある分野の専門性を持ちながら、統計分析を苦にせず、知的好奇心が旺盛。それって俺・私じゃん! という方がいらっしゃいましたら、一度シンクタンクの門を叩いてみては?

(文・朽木誠一郎/ノオト)

<取材協力>ニッセイ基礎研究所

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