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キャリア資産とは?人生100年時代のキャリアの積み方、活かし方

キャリア資産とは?人生100年時代のキャリアの積み方、活かし方

自身のキャリアアップを考えるとき、リモートワークやDX推進で仕事の仕方が大きく変わりつつある昨今、人生100年時代と言われるこの先をどのように進んでいけばよいのか。キャリアを資産と考え、その積み上げ方、活かし方について考えてみます。

キャリア資産とは? その意味するところは?

キャリア資産とは、知識や健康、人脈などといった個人が持つ目に見えない資産のことをいいます。近年キャリア資産は、転職市場で注目されている項目です。

キャリア形成を人の資産として考える

キャリア資産とは、個人の能力、社会とのつながりやスキルなど、その人がそれまでのキャリアの中で蓄積してきたもので、この先のキャリア形成において土台となる重要なものです。

キャリア資産は、ライフプランのなかで継続的に形成していくものなので、転職や再就職といった経験もまた、資産として考えることができます。

プロティアン・キャリアとは

「プロティアン・キャリア」とは、ライフステージに応じて柔軟に変化させるキャリア形成のことをいいます。心理学者ダグラス・T・ホール教授が提唱した理論です。「プロティアン(Protean)」はギリシャ神話に出てくる神プロテウスが語源となっており、「変幻自在な」「多方面の」と訳されます。

帰属社会から契約社会へ

過去には新卒で入社した会社で定年まで勤めあげることが当たり前という終身雇用の時代がありました。しかし近年、雇用は流動化しており、非正規雇用の労働者が増えるなど、働き方は多様になってきています。このため、若い世代ほど会社への帰属意識は低くなり、帰属社会から契約社会へと変化してきています。

キャリアの管理は組織から個人へ

帰属社会から契約社会へと変化する中で、キャリアの管理に関しても組織から個人へと移る傾向にあります。これまでは、個人は組織内で自分のキャリアをどのように成長させるのか、昇進や職掌の拡大などを目指してきました。また、多くの企業が、自社に属する社員のキャリアをどのように管理し成長させるのかということに注力してきました。

しかし現在、契約社会へと変化する中で、組織内でのキャリアにとどまらず、社員個人の心理的成功をも目指し、自分自身がキャリア資産を成長させ管理する自己指向的なキャリアへ変化しています

新卒入社予定の学生は、キャリア形成のための転職を視野に入れている

参照:プレスリリースパソナ総合研究所 これから就職活動に臨む大学生400名を対象に実施『就職活動と会社・大学に求めるものに関する学生意識調査』

パソナ総合研究所が2019年に、就職活動(就活)を目前にひかえた大学生400名を対象に行った「就職活動と会社・大学に求めるものに関する学生意識調査」では、定年まで同じ会社で働きたいか?という問いに「いいえ」と回答した学生は、全体で43.5%、男子学生では51.6%、女子学生で39.9%という結果となりました。
定年まで同じ会社で働くことを希望しない理由として、約9割の学生が「就職を通じたキャリアアップをしたいから」という回答しています。

また、厚生労働省が発表した、平成29年3月卒業者の『新規学卒就職者の離職状況』によると、実際に就職後3年以内に離職した大卒者は32.8%、高卒者は39.5%と、いずれも3割以上に達しています。

この結果は若者が柔軟にキャリアを形成している結果の一部であると考えられるでしょう。またこのなかには、キャリアチェンジやキャリアアップのために転職をした人も含まれます。

キャリアという無形資産の重要性

日本でも話題になった『ワーク・シフト』の著者であるリンダ・グラットン教授とアンドリュー・スコット教授。この二人による著書『ライフ・シフト 100年時代の人生戦略』では、人生100年時代には「見えない資産」をどう育んでいくかという問題に直面するとしています。この「見えない資産」とは無形資産のこと。キャリア資産もまた、無形資産の一つです。ここではその無形資産の重要性について解説します。

三つに分類される無形資産

キャリア資産は、自身のスキルや知識、肉体的・精神的健康などの目に見えない・直接お金に換えることのできない資産です。そのように簡単にお金に換算することのできない資産のことを無形資産といい、生産性資産・活力資産・変身資産の3つに分類できます。

生産性資産とはスキルや知識のこと

生産性資産とは、長年培ってきたスキルや知識のことです。また、それに対する上司からの評判など、社会的評価も含まれます。特に仕事で役に立つスキルや知識はその生産性を高め、所得とキャリアを向上させてくれるでしょう。

スキルや知識は自分が成長するため、また長く自分に合った環境で働くために、常にさまざまな形で新しいものを獲得する努力が必要です。

活力資産は心身の健康や良好な人間関係のこと

活力資産は、人に活力を持たせる資産のことです。例えば肉体的・精神的な健康や、家族・知人との良好な人間関係を指します。人に幸福感をもたらしてくれる心身の健康や良好な人間関係は、仕事や人生に対するやる気をかき立ててくれるでしょう。

変身資産は柔軟に自分を変えることができる能力のこと

変身資産とは、人生の変化にその都度対応し、自らを柔軟に変える力のことです。近年の仕事環境は、AI化、スマート化、デジタル化などにより大きな変化が起きやすくなっています。その変化に対応することを常に意識し、自分を柔軟に変化させられる能力のことです。

これら3つの資産はどれもキャリア資産を積み上げていくうえで、欠かせないものです。
改めて自身を振り返り、今ある資産、これから積極的に積み重ねていきたいものは何かを考え、そのためにどういった行動が必要になるかを考えることが、キャリア資産という無形資産を積み上げていく第一歩になります。

中高年に訪れる、キャリアプラトー

キャリアプラトーとは、キャリアの伸びしろがない停滞期を指します。「プラトー」は高原を意味し、中高年になり、キャリアが高い位置に達したことにより、組織内での昇進・昇格の可能性が行き詰まること。またある程度の高みに到達したことで現状に満足し、モチベーションが低下した状態のことを指します。キャリアプラトーに陥ると、やがて仕事にも悪影響を及ぼします。

自分自身は安定したなかで仕事に取り組んでいても、デジタル化やスマート化といった変化により世間や社会は変わっていきます。それに合わせ自分自身も変わり続けていくことが大切です。
中高年になりキャリアプラトーに陥らないために重要なのが、変身資産です。

キャリアを多面的に確認し、常に自分をブラッシュアップしていくことが、これからの中高年世代には求められているかもしれません。

さらなるキャリア資産の積み方、活かし方

これまでに自信の持てるキャリアを積み重ねてきたと自負している人もいるでしょう。そんな方にも、あまり自信がないという方にも役立つ、キャリア資産の積み方や活かし方を解説いたします。

まずは、自身のプロティアン・キャリアを分析

ライフステージに応じて柔軟に変化させるキャリア形成のことをいう「プロティアン・キャリア」は、変わっていく現在の新しいキャリア理論といわれています。キャリア形成のときには、まずは自分自身のプロティアン・キャリアを分析することからスタートしましょう。

キャリアと聞いてすぐに思い浮かべる職務経歴を整理することと併せて、無形資産であるスキルや資格、肉体的・精神的な健康、人間関係などについて分析します。その後そのキャリアを軸にこれからの働き方や、生き方について考えましょう。

変身資産はいかに蓄積していくか?

学生時代には積極的に資産を蓄積できた人でも、社会人になり安定的な生活を送っているだけでは資産は増えにくいものです。積極的な企業では社員教育もおこなわれますが、自らも意識して資格を取得したり、スキルを高めたりする必要があります。

自分自身の資産を蓄積していくとき、貯蓄や住宅などといった目に見えやすい有形資産とは異なり、可視化することが難しいのが無形資産。そのなかでも人生の変化にその都度対応し、自らを柔軟に変える力である変身資産は特に積み重ねが大切な無形資産の一つです。

変身資産を蓄積していくために重要なことは、多様性のある人脈をもつことと、新しい物事や経験に対して開かれた姿勢をもっていることです。

多様性のある人脈は、今まで自分が知らなかった自分を見せてくれます。慣れ親しんだ間柄の人だけではなく、多種多様な人と関わることで、自己認識を変え世間への見方が変わっていくことでしょう。これが自分を知ることに繋がり、また新しい物事に対する耐性も整います。

しかし、多様性のある人脈は、社会人としての安定的な生活のなかだけでは増やすことが簡単ではありません。自らが主体的に動き、相手に働きかけて情報を集め、様々な人と出会うことが必要です。社外の人との交流やキャリアアップを目指した転職などをきっかけに、自分とは異なる考え方や視点を持った人との出会いに恵まれることもあります。

そうして得られた異なる考え方や視点に対して、自分とは違うと切り捨ててしまうことなく、積極的に自分のこととして考えたり、認めたり、あるいは経験したりすることで、新しい自分の価値観や経験が身に着きます。その積み重ねが変身資産となるのです。

キャリア資産を生かしたキャリア形成を続ける

キャリア資産がどのようなものかがなんとなくわかっても、その分析や自分自身のキャリアを客観的に正しくとらえることに難しさを感じる人もいるでしょう。また、どうしても自身のキャリア資産を客観的に見て判断することはなかなか難しい面もあります。

今後のキャリア形成について行き詰まったら、ぜひパソナキャリアに相談してください。転職支援のプロであるキャリアアドバイザーが第三者の視点からあなたのキャリア資産の分析を行い、これからのキャリア形成にむけて、どういった資産の獲得を目指すのか、そのための方法は何か、一緒に考え、ご支援いたします。
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