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【例文付】転職理由の書き方、面接での伝え方 模範解答は?

【例文付】転職理由の書き方、面接での伝え方 模範解答は?

転職理由は、履歴書や職務経歴書といった応募書類や面接での採用選考時に、必ず聞かれる質問だといっていいでしょう。

そこで今回は、実際の転職理由ランキングを踏まえた上で、転職理由のまとめ方や理由・職種別の回答例文、ネガティブな理由のポジティブ変換例、年代別転職理由の上手な伝え方などについてお伝えします。

あなたの転職理由を教えてください。

転職活動の際、必ずといっていいほど聞かれる質問が転職の理由です。転職にあたって、まず自分自身の転職理由をまとめるところから、活動が始まるといっても過言ではありません。では、実際に年代別の転職理由のランキングを見てみましょう。

年代別 転職理由ランキング

厚生労働省の令和2年転職者実態調査「表16 性・年齢階級・現在の勤め先の就業形態、自己都合による離職の理由別転職者割合」の表グラフ

参考:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」より

厚生労働省の「令和2年転職者実態調査の概況」によると、自己都合による退職の理由は、年代によって異なる傾向があるとわかります。20代では、人間関係と仕事内容そのものが転職の動機となりやすく、30代では勤務時間や勤務地、休日などの労働条件の改善や会社の将来性に対する不安から転職する人が多いといえます。

40代になると、30代同様に労働条件の改善に加えて、仕事内容そのもの、能力や実績に対する適切な評価が転職に求められているといえるでしょう。50代の場合、人間関係や仕事内容、給与の低さを変えたいという希望が主な転職理由になっています。

転職の理由を聞かれるのはなぜか?

採用企業側も、応募者に建前があることを十分承知しているでしょう。その上で、転職理由を聞く目的は、個々人によって異なる企業研究の深度や転職への期待、こだわりのポイントなどを確認するためといえます。つまり、自社に入社したいという熱意や転職に求めるものを確認するためです。

前職の退職理由を聞く理由は、自社とのミスマッチを避けることに加えて、定着しそうかどうかを判断するためといえるでしょう。採用選考時のミスマッチや入社後の早期退職は、転職者と採用企業のどちらにとってもメリットがありません。

転職理由は本音で語る?嘘をつく?

転職理由は、本音を上手に表現するのがいいでしょう。採用企業側も、転職希望者が前職への不満から転職活動していることは理解しています。本音を隠しすぎてしまうと、ミスマッチや早期退職につながりかねません。それはどちらも望んではいないはずです。

転職で何を実現しようとしているのかをしっかりと言語化しましょう。年収アップや勤務条件の改善、やりがいのある仕事や新しいポジションの獲得、既存の人間関係からの脱却など、人によって転職の理由は異なるのが自然です。自分にとって何が軸となっているのか見定めましょう

仮に、転職理由がないと思える場合でも何かきっかけがあったはずです。「誰かに誘われた」「前職より魅力を感じた」「挑戦したかった」というように、振り返り、掘り下げて考えてみましょう。

転職理由の回答をまとめるときのポイント

男性と女性がノートパソコンの前で悩んでいるイラスト

転職理由を伝える際、どのように回答をまとめるかは重要です。それが履歴書や職務経歴書といった文章で伝える応募書類なのか、口頭で伝える面接なのかを問わず、転職に何を求めるのかをビジネスシーンにふさわしい表現にまとめましょう。そこで重要になってくるポイントをお伝えします。

ネガティブな内容をどう前向きに言い換えるか?

多くの場合、転職の理由は現職に対する不満に端を発しているといっても過言ではありません。ネガティブな内容を、どのように前向きに言い換えるかが求められるといえます。

たとえば、会社の将来性に不安があるという理由の場合、「IT化が遅れて競争力が下がっている」「業界の成長率が年々下がっている」「新しい技術・テクノロジーの発展により、仕事の進め方が大きく変わっている」といった理由であれば、前向きと判断されやすいといえるでしょう。

応募先を持ち上げすぎても好印象につながらない

転職活動の中でよくあることのひとつに、応募先を持ち上げるという行為があります。自分が転職を希望する会社について期待値を込めて褒めるのは自然なことですが、やりすぎは逆効果になりかねません。あまりに極端になると、入社意欲や熱意の表れではなくリップサービスと受け取られる可能性があります。

志望動機に結びつける

前職で実現できなかったことを踏まえて、だからこそ転職して自分のやりたいことを実現させたいという流れを作り、志望動機へと結びつけましょう。ただ不平不満を並べるだけでは何も生み出さないので、具体的なエピソードを持ち出して説明することをおすすめします。

仕事内容が自分には合わなかったという場合を例に取ってみましょう。自分の能力や経験に見合った業務につけるよう異動希望を何度となく出したものの、人員の関係で受け入れてもらえなかったため、転職に至った、応募先企業ではそれが実現できると考えているというようにまとめます。

履歴書での書き方、面接での伝え方の違いは?

転職理由を伝える場合でも、文章として書類に書くのと、面接時間内に口頭で話すのとでは伝え方が違います。履歴書などの応募書類に書く場合は簡潔に、面接で話す場合には書類には書き記せなかったことの補足や具体的なエピソードなどを盛り込むようにしましょう。
詳しくは、履歴書の書き方と面接での受け答え方をご覧ください。

転職理由別の回答例

男性ふたり女性ひとりがアイデアを思いつき発言しているイラスト

転職を望む理由は人ぞれぞれですが、冒頭の転職理由アンケートからもその傾向はわかります。ここでは、面接での主な転職理由の回答例を理由別に取り上げます。履歴書の場合は、より簡潔にまとめるようにしましょう。

人間関係など、環境を変えたい

人間関係を含む環境を変えたい転職理由は、よくあるものです。人には相性や個性の違い、特定の人間関係の中では実力を発揮しきれないこともあるからです。しかし、それをそのまま伝えてしまうと、同じことを繰り返すのではないかという懸念を採用企業側に与えてしまいかねません。そこで、自分が人間関係を変えたい理由と転職で何を求めているかを、できる限り明確に伝えるようにしましょう。

回答例
「前職も営業職でしたが、個人主義が徹底しており、個々に成果を上げることを求められる風土だったため、情報共有や協力体制の構築が難しい環境でした。私は周囲とコミュニケーションを取りながら仕事を進めるのが好きなタイプですが、競争を過度に推奨する雰囲気が壁となり、もどかしい思いを抱えていました。御社の組織営業力の強さは非常に有名です。私もその中で活発にコミュニケーションを取り、『個人の力をチームで活かして仕事がしたい』という考えから、転職を決意いたしました。」

ライフプランの変化

結婚や子育て、介護、U・Iターン、家族の事情に伴う引っ越しなど、ライフプランやライフステージ、ライフイベントが理由で転職を決断するケースも決して珍しくありません。配偶者の勤務地や故郷への転居、子育てや介護、看護による就業可能時間の変化などは、思いもよらぬタイミングで起こることもあるでしょう。

何が理由で転職を決意し、転職先にはどのような条件を求めているか、子育てや介護といった家族の事情の場合には、どのような対策を講じているかを提示できるようにしておくことをおすすめします。

回答例
>「一人暮らしの母の病気がきっかけで、実家で介護の補助をすることになりました。私には子どもがいまして、まだ手がかかる年齢です。前職では短時間勤務が可能でしたが、基本的には毎日出勤しなければなりませんでした。また、リモートワークには時間や日数に上限が設けられていましたので、今の状況では勤務を続けられないと判断しました。御社では、経理職でも研修後にリモートワークが可能ということで、応募いたしました。週に2回程度であれば出勤可能です。どうぞよろしくお願いいたします。」

勤務地やワーク・ライフ・バランス こだわりの条件を維持したい

転職を考えるきっかけになるのは、何も仕事内容や職場環境だけとは限りません。人生の一部として大切にしているライフワークや趣味があったり、今の住まいや地域、土地柄を非常に気に入っていたりするなど、こだわりの条件を維持したいという理由も、転職を決意させるのに十分だといえます。自分の人生を豊かにする時間が仕事にも活かされていると伝えましょう。転勤を求められて、大切なものに気づくという人は増えつつあります。

回答例
「前職で、転勤を求められたことがきっかけとなり、転職を決意いたしました。私は、ゴミ拾いや高齢者の生活支援といった、地域の皆さんとのつながりを深めていくボランティア活動を約10年続けています。活動は徐々に広がり、今ではリーダーとしてまとめ役という立場も担っています。私にとって、仕事とは異なるボランティアの世界を持つことはとても大切で、それが仕事にも良い影響をもたらしていると考えています。今回、応募させていただいたのは、勤務地限定の販売職に興味があるからです。ボランティアを続けながら、仕事でも成果を上げていくという好循環を継続していきたいと考えています。」

給与に対する不満 年収アップしたい

給与や年収というのは、会社員にとって仕事に対する評価といえます。成果を上げているにもかかわらず評価されない、給与や年収、ポジションもアップしないのでは、仕事へのモチベーションを維持できません。特に働き盛りの30~40代では、家族構成によって必要な金額も変わります。お金は大事です。「正当な評価が、より良い仕事につながる」という思いから、そうした企業の風土に共感している、という気持ちを伝えるようにしましょう。

回答例
「前職は、営業で新規顧客の開拓を担当し、月間売上トップの経験もあります。しかし、成果と評価制度がうまく連動していないことから、成果が評価につながりにくいという状況でした。営業職は自分の努力が成果につながる仕事だと思っております。年齢だけでなく、実力、実績を評価してもらえる御社で仕事に邁進したいという考えから、転職を決意いたしました。」

業績不振、会社の将来性に不安があって

企業研究などをおこない、どのような仕事内容なのかを十分に理解したうえで就職あるいは転職したとしても、実際に働き始めるとその内容が予想と違っていたり、希望する業務に就くことが叶わなかったりする場合もあります。しばらくはこのまま頑張ろう、と考える人もいれば、やはりどうしても就きたい仕事があって、望む仕事に就くために転職を決意する人もいます。

会社の業績悪化による早期退職募集など、会社都合での退職も伝え方が大切になります。
仕事に就かなくてはいけないから、「仕方なく」「取り急ぎ」応募しているのでは?と思わせないために、会社都合で意図していなかった退職をチャンスに変えるバイタリティーとして伝えていきましょう。

回答例
「会社の業績悪化が、転職を考えた理由です。今後の展望の説明と同時に希望退職の募集があり、将来的にかなり厳しい経営になる見込みだとわかりましたので、退職する決意をいたしました。この機会を、かねてより興味を持っていた職種に就くチャンスと考えています。スキルアップを重ね、これまで以上に会社に貢献できる人材となれるよう努力していきたいと考えています。」

キャリアアップ、スキルアップがしたい、更なるやりがいを求めて職種別回答例

若いサラリーマンが前向きに進むイラスト

ここでは、職種別の退職理由の回答例を見ていきましょう。キャリアアップやスキルアップ、更なるやりがいを求めてなど、前向きな姿勢や意欲につなげることがポイントです。

IT業界、SE、エンジニアの転職

IT業界では、長引く人材不足から、より良い勤務条件や職場環境を求めて転職する人が増えています。一口にIT業界といっても、SEやインフラ・ネットワーク・クラウド・Web・AIエンジニア、テクニカルサポートといった数多くの職種がありますので、なぜその職種を希望するかという説明は必須です。業界を変更したいかどうかも伝えましょう。

転職理由は、これまでの経験と今後希望するキャリアパスを考え合わせたときに、この業界や職種を希望するという組み立てにします。経験業界や構築したシステム、どのような知識やスキルがあり、今後どのような能力を伸ばしていきたいのかを盛り込むのがポイントです。

回答例
「私はこの7年間、SIerで主に金融向けの大規模システムの開発や管理を担当してきました。開発期間は数年単位と長く、大きな仕事ができるというやりがいがある一方で、より顧客企業に近い立場から成長に応じたシステムを提案したいと思うようになったのが、ITコンサルタントを希望する理由です。私の強みは、金融系システムやフィンテックについての知見があることです。開発件数こそ多くはないものの、大規模な開発案件の進め方や注意点を心得ています。また、SEとして培った提案力やコミュニケーション力、プロジェクト管理力を活用できると考えています。ITコンサルタントはSEよりもさらに高度な知識や幅広いスキルが必要になる職種ですが、努力を惜しまず御社に貢献する所存です。」

IT(インターネット)業界の転職コラム一覧

コンサル

コンサルタントには、戦略系や財務系、IT系、人事系、シンクタンク系、医療系、総合系といった分野があります。分野別に加えて、外資系か国内系か、大手かベンチャーかといった軸もあり、転職先で自分のキャリアパスをどのように構築していくつもりなのかを説明できるようにしておきましょう。

採用選考のプロセスでも、コンサルタントとしての論理的思考力や分析力、問題解決能力、コミュニケーション能力が問われていることを意識します。転職理由も結論ファーストを心がけましょう。たとえば、「私はこのようなコンサルティングを手がけたい。その理由は…」という流れで、展開させていくといいでしょう。

回答例
「私は、人事・組織コンサルティングで顧客の経営改善をしたいと考えています。この3年間、コンサルタントアシスタント(アソシエイト)業務に従事してきました。在職中には、あるIT企業の人事制度の抜本的な見直しや就業規則の策定、採用業務などに深く携わり、上場基準に引き上げることに成功しています。これまで培った経験と知識を活かして、人事・組織コンサルティング業界でコンサルタントとして更なる経験を積みたいと考えています。中小企業のコンサルティングに定評のある御社に魅力を感じています。」

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営業

営業職への転職理由でよくあるのは、取扱商材や顧客、手法を変更する場合や、現状よりも高い年収やポジションを狙う場合などです。商材変更とは原材料から加工品メーカーへの転職などで、顧客の変更とは法人営業か個人営業かということになります。手法には、大きくインバウンド型とアウトバウンド型の2種類があります。

つまり、何を変えたいかの希望とそれに見合う実績や能力を、転職理由として伝えると良いでしょう。ここでは、近年増加傾向にあるという、若い世代でのアウトバウンド型からインバウンド型への転職に際しての回答例を取り上げます。

回答例
「私は、この3年間、アウトバウンド営業(訪問型営業)として、多くの契約を獲得してきました。WebやSNS、メールを活用すればより効率的に営業できると提案したものの、足で稼ぐという社風だったため受け入れてもらえませんでした。インバウンド営業は、顧客が主体的に情報を収集し接触してくる待ちの営業スタイルではありますが、見せ方の工夫やアクセス解析に基づく改善のPDCAを回していくことで成約率を上げることが可能です。自分が得意とするデジタルスキルを活用できることに加えて、新たにマーケティングにも挑戦することで、御社の成長に貢献したいと考えています。」

営業職の転職コラム一覧

経理・総務

経理や総務といった事務職はどの企業においても必要な職務で、人気が高く、転職活動が困難な職種の一つです。IT化がますます進む現在、業務効率化が進み、誰でもできる仕事ではなく、強みを武器に活動することが必要です。

分野を絞り、そこでのエキスパートを目指して転職する方向性で考えることをおすすめします。たとえば、総務なら株主総会を開いた経験や、経理なら決算業務の経験、経費の承認フローを構築し〇%工数を削減といった、具体的な実績があると大きな強みになるでしょう。

回答例
「前職では、システムインテグレーターとして経理業務を担当しておりました。企業規模が大きいこともあり、業務ごとに分業が図られているのが特徴でした。私の担当は月次決算や年次決算などの会計決算と、税務申告をはじめとする計数管理です。会計決算と計数管理はそれぞれ3年経験し、ひと通りのノウハウを身につけました。 しかし、個人的な願いとしては、資金管理や経営管理までトータルで手がけ、経理として企業に不可欠な人材になることです。独立系システムインテグレーターとして少数精鋭で経理業務をトータルに手がけていらっしゃる御社であれば、自分の経験を活かし、さらに自分のスキルの幅も広げられると思い志望いたしました。同業界の経理業務で培った実績を活かし、御社の成長に寄与したいと考えております。」

管理職・事務職の転職コラム一覧

ここが心配、ネガティブな要素がある時は?

ノートパソコンの前で頭を抱える女性のイラスト

退職理由を説明する際、懸念点やネガティブな要素がある場合の対処を見ていきましょう。誰もが円満退社をするとは限りません。そうした要素をどのようにポジティブに回答するがかポイントといえます。

空白期間、ブランクがある時

在職期間に1か月間といった空白や、数か月から半年、もしくはそれ以上の期間にわたるブランクがあるという人もいるでしょう。転職先の都合で在職期間に空白が生じたり、療養や介護、育児などの理由から数年単位のブランクがあったりするのは、マイナスとは限りません。

勤務条件の関係などでの空白は、そのような条件だったと伝えて良いでしょう。旅行や休息といった場合は、次の仕事に備えてリフレッシュしていたとすると印象が良くなります。数か月から半年以上のブランクの場合、働けなかった理由を伝えた上で、そこから得た学びや経験の幅を仕事に活かしたいとまとめましょう。

たとえば、空白期間が生じた理由については「勤務開始日の関係で空白が生じた」「残念ながら採用時のミスマッチで早期退職し、空白期間ができてしまった」「次の仕事に備えて旅行しリフレッシュした」などが考えられます。ブランクについては、「体調不良から退職し療養に専念した」「家族の急な病気で看護が必要だった」「近くに頼れる親族がおらず、育児に費やす時間を取ることにした」のように説明しましょう。

キャリアチェンジで未経験業種、職種に転職するとき

就職先や配属先が希望とは異なるものだった、仕事で経験を積んでいくうちに関連する分野に興味が広がったなど、キャリアチェンジの理由は人によって異なります。未経験業種や職種に挑戦したいときには、現在希望の仕事に就いていない理由に加えて、転職後に活用できるスキル、経験、意欲、資格、将来的な展望などを伝えましょう。

応募時点では「未経験者歓迎」や「未経験者可」となっていても、実は経験や知識のある人材のほうが好まれることもあるかもしれません。関連する知識や応用できそうなスキルなどがない場合には、現在勉強中として意欲を示すのもひとつの方法です。

「家族の期待に応えて一度はその道を選んだものの、やはり自分のやりたいことを諦めきれなかった」「(病気やケガなど)自分の価値観が大きく変わる経験をして、この仕事に就きたいと思うようになった」「仕事で一定の成果を上げることができ、新しいことに挑戦したくなった」などのように、前向きにキャリアチェンジの理由を説明できれば納得してもらいやすいでしょう。

転職回数が多い、前回の転職から期間が短い

転職回数が6~7回と多めの場合や早期退職制度を利用した場合、前回の転職からの期間が短い場合などには、転職理由の説明に少し工夫が必要です。欧米では、転職を重ねることでキャリアアップを実現するのが一般的ですが、日本では一部に転職回数の多さを好まない傾向があります。

そうした場合には、自分の転職回数の多さには理由や目的があると伝えるようにします。仮に転職回数が多いとしても、経営悪化やスキルアップのための学び直し、体調不良、家族の事情、妊娠・出産など、合理的な理由や一貫性が感じられれば、採用側も理解を示します。ポジティブな表現に言い換えて、自分のセールスポイントをアピールしましょう。転職回数の多さを隠そうとごまかすのは、経歴詐称に該当します。

退職理由は、「急激な経営悪化により退職を決意した」「パートナーが転勤族で一定の期間で退職せざるを得なかった」「語学留学のための資金作りだった」といった説明をしましょう。自分のアピールや今後の展望については、「これまでの経験から培った対応力・営業力には自信がある」「ほかの企業を見ているからこその問題発見力と提案力がある」などのような説明をおすすめします。

転職する年代によっても異なる、転職理由回答の注意点

様々な年代の人の顔アイコンが並んだイラスト

冒頭で、年代によって転職理由が異なることに触れました。ここでは、各年代で多く見られる退職理由と転職時の志望動機としてどのようにアピールしたら良いかをお伝えします。

20代に多い転職理由 人間関係と仕事内容

20代に多かった転職理由は、人間関係と仕事内容です。人間関係では誰かの非難や批判は控え、自分が望む人間関係ではなかった、努力したものの望むような人間関係を構築できなかったとしましょう。それに加えて、転職先ではどのような関係性を求めているかを説明するようにします。

仕事内容そのものを変えたい場合は、希望の仕事に就けなかった理由と早めにやり直したい、新たに挑戦したいという意欲を伝えると良いでしょう。20代は、学生から社会人へと大きな変化を経て、人間関係や仕事そのものといった課題が多く見られる年代ともいえます。

30代の転職理由はこう答える

20代の人間関係や仕事内容そのものという理由とは異なり、30代では会社の将来性や給与以外での労働条件に対する不満、不安といったことが転職の理由になってきます。女性の場合には、結婚や出産、子育てというライフステージの変化によって、勤務条件が合わなくなってくるケースも珍しくありません。

会社の将来性に疑問を感じる場合には、成長する会社で自分自身ももっと成長したいという意欲や応募先の業界、業種のトレンドや中長期での市場予測といった将来性への期待、家族が生活するために必要な額を稼ぎたいといった方向で転職理由をまとめるようにしましょう。

40代、50代 ハイクラス転職はどうまとめるか?

40~50代になってくると、役職についたり経営者に近い立場になったりする、いわゆるハイクラスの人が増えてきます。給与以外の労働条件や仕事内容の改善に加えて、自分の能力や実力が正当に評価されないという理由が目立つのもこの年代の特徴といえるでしょう。

親の介護や子どもの進学、自分自身の健康などが理由で転職を希望する場合には、ライフプランの変化が理由となります。そうではなく、もっと裁量権のあるポジションを得たいということであれば、ハイクラス転職です。これまでの経験や実績から、自分が適している理由をまとめるようにしましょう。

不安があるなら、一度相談しよう

転職する際に必ず求められるのが、転職理由の説明です。今回は、理由別や職種別といった転職理由の回答例文を取り上げていますが、それが必ずしも正解というわけではありません。転職のきっかけや理由は本当に人それぞれだからです。

「転職理由をどのようにまとめたらいいかわからない」「上手く説明できるか不安」「良い言葉が見つからない」といった悩みや不安があるなら、一度プロに相談することをおすすめします。自分を客観的に見てくれる相手からのアドバイスを参考に、納得のいく転職理由を作成しましょう。

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この記事の監修者
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パソナキャリア編集部

転職エージェントの視点から、転職活動の始め方、自己PRの作り方、面接対策や円満退職の秘訣まで、転職ノウハウをわかりやすくコラムでご紹介します。

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