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役員の転職は難しい?制限の有無やハイクラス転職で気をつけたいポイント

役員の転職は難しい?制限の有無やハイクラス転職で気をつけたいポイント

同じ転職でも、一般社員と異なる点が多いのが役員の方の転職です。一般社員の方と同じようにステップアップするため自ら転職するほかに、ヘッドハンティングや紹介などで転職をするケースが多くなります。
この記事では役員の転職に関する基礎的な知識と、転職時の注意点・ポイントを詳しく解説します。

役員でも転職は可能

「難しい」と言われる役員の転職ですが、結論から言うと転職することは可能です。
実際に多くの企業が、役員クラスの採用を行っています。転職市場では、役員の転職を「エグゼクティブ転職」「ハイキャリア転職」「CxO転職」などと呼ばれています。

企業側が役員クラスを外部から採用する背景には、以下の強い狙いがあります。

  • ● 事業の安定や拡大を図りたい
  • ● 早いタイミングで結果を出したい

他社で確かな実績を残してきた優秀な人材に、自社の役員に加わってほしいと考える企業は年々増加傾向にあります。

役員が転職を考えるきっかけは?その理由

一方、そうしたニーズのある役員クラスの方が、転職を考えるきっかけは、大きく2つあります。

自分が貢献できる組織に移りたい

1つ目のきっかけとして、役員クラスの方が所属する企業の状況が変わり、自分や会社のことを考えて転職するケースが挙げられます。自分が貢献できる余白がある組織で、新たなキャリアを頑張りたい。社内で自身の役割を一通り果たし、後任も育成できたタイミングで、次世代のためにポストを空けたい。さらに上のキャリアやポジションが望めないので、転職を考えたい。こうした動機から転職するケースです。

特にオーナー企業などで役員を務めている方に多く見られます。創業者一族が上層部を占めていると、執行役員にはなれても取締役(専務や常務などを含む)になれないなど、一定以上のキャリアアップやポジションを見込むことは難しくなります。状況が停滞したまま今後も働き続けるのかと自問したときに、残りのキャリアが十分にある世代であればもう一花咲かせたいと考えることもあるでしょう。

経営者と方針の違いが顕在化

社長や他の役員との相性が合わず、任期満了のタイミングで退任するケースもあります。社長が代替わりして先代の子息が引き継いだことで、これまで取り組んできた方向性と合わなくなったという相談も、パソナキャリアではよく耳にします。

また、ベンチャー企業においても、急成長を遂げた場合や外部から採用した幹部の存在などが影響するケースがあります。その結果、経営者と方針が食い違い、手腕を発揮できなくなることも少なくありません。

その他にも、ヘッドハンティングや紹介などによって、現在よりもっとキャリアアップをしたいと考えるケースもあります。

転職理由は正直に伝えた方がいい?

「自分の役割は果たせた」といった前向きな理由を除き、応募先企業に転職理由を伝える場合は基本的に表現方法に工夫が必要です。例えば、ネガティブな転職理由も、以下のようにポジティブに言い換えられます。

本音の転職理由 ポジティブに言い換えた例
社長と方針が合わず、やりづらかったため退任した。 経営体制の転換期を迎える中で、これまで私が担ってきた成長戦略とは方向性が変わるタイミングだった。
組織にとって最適な体制を優先すべきと判断し、自身の経験がより活かせる環境で新たな価値を提供したい。
幹部間の足並みがそろわず、やりづらい環境だった。 組織として合意形成に時間を要する場面が増えていた。
よりスピード感を持って意思決定できる環境で、自身の推進力を活かしたい。

ただし、転職エージェントを利用している場合、コンサルタントにはネガティブな理由であっても正直に伝えるのがおすすめです。
退任したい理由がわかれば、同じ要因が再発しにくい求人を紹介しやすくなるためです。

くわえて、本音で話していただくことで、より精度の高い求人マッチングを実現し、企業への推薦・フォローアップもさらに戦略的に実施できるようになります。
それにより、満足度の高い転職につながるでしょう。応募先への伝え方はコンサルタントが一緒に考えますので、転職活動を伴走するパートナーとして頼ってみてください。

役員に含まれる役職は?

役員とは、会社の業務執行や監督を行う幹部のことです。
「役員」と定められている役職にはどの役職が該当するのでしょうか。会社法で定められている3つの役員と業務内容を押さえておきましょう。

取締役(代表取締役含む)

会社法によって、株式会社は必ず1名以上、取締役会を設置するなら3名以上の取締役を置くように定められています。その中でも、取締役会で代表に選出された人が代表取締役に着任し、業務遂行におけるすべての権限を持つことになります。

必ずしも代表取締役=社長というわけではなく、社長と代表取締役をそれぞれ別の人が務める会社もあります。社内の業務を社長が、社外との契約・提携交渉などを代表取締役の肩書を持つ会長が務める、といったやり方です。

会計参与

会計参与は、2006年5月に施行された会社法で新設された役職。会計の専門家として、取締役と共同し、計算書類等を作成する職務です。

会計参与になれるのは、税理士・税理士法人・公認会計士・監査法人と定められています。

監査役

監査役とは、株主総会で選任される役職で、会社に法令違反や不祥事がないかを監視する役目を担います。

会社法では、株式会社が監査役を設置するかどうかは原則として任意とされています。しかし、組織の透明性を確保するため、「取締役会を設置している会社」や、上場企業を含む「株式公開会社」においては、監査役を設置することが法律で義務付けられています。(※一部の特殊な組織形態を除く)

執行役員と役員の違い

執行役員とは、従業員の中で何らかの役職を持つ者が、上層部の決定を実際に業務として行うという職務を担います。

取締役や会計参与などの場合、退職しても失業保険は適用されませんが、雇用型の執行役員は従業員と同じ労働三法の労働者に該当するため、失業保険の適用も可能です。

一方、会社と対等な委任契約を結ぶ委任型の執行役員という働き方もあります。取締役と同様に労働者には該当しないため、原則として失業保険は適用されません。

執行役員は、取締役などと従業員のパイプ役という重要なポジションであり、一般的に「役員」とだけ言う場合には執行役員を含めて考えることもありますが、会社法で設定された役員ではありません。

役員の転職は難しいと言われる理由は?

一般社員の転職とは異なり、役員の転職は難しいと言われています。
難しいと言われる理由としては、どのようなことが考えられるのでしょうか。

ポジションの採用枠がそもそも少ない

役員の転職が難しいと言われる理由として最も多いのは、ポジションの枠がそもそも少ないことです。

役員向けの求人はありますが、企業における従業員の人数と役員の人数の差が大きいように、求人数も一般社員と比べると明らかに少ないです。しかしながら、後継者のいない中小企業や、新しい事業に乗り出す予定の企業など、ビジネスを牽引してくれることに期待して積極的に役員を採用する企業も多く存在します。

プレイヤー採用とは異なる選考プロセスがある場合も

役員の転職では、書類選考や面接といった通常の選考プロセスではなく、選考要素のある会食などが採り入れられるケースもあります。そうした場では、社長や経営層との考え方の相性を見られるのが一般的です。

縁やタイミングなどの要素が大きいものの、本来は相性が良い会社であるはずが、準備不足で「伝わるようにアピールできなかった」となってしまうリスクもあります。応募先企業の社長や役員の名前は、調べれば分かるケースがほとんどです。事前に社長や役員の考え方や人柄について情報収集し、正しく理解したうえで選考に臨みましょう。

生え抜きの社員・役員との関係性の難しさ

役員であっても転職するのであれば、ある程度出来上がった企業風土の中に飛び込むことになります。そのため、社長や他の役員だけでなく、各部署の部長をはじめ、部下として任される社員との相性も重要な選考要素になります。

転職先の企業には、生え抜きの社員・役員が存在し、経営層にいきなり入らなければいけない難しさがあります。企業文化を理解したうえで、経営の舵取りを担わなくてはいけないことも、転職を難しくしている理由と言えます。

期待値が高い

周囲からの期待値が高いことも、役員の転職のハードルを上げている要因の1つです。役員候補であれば、経営陣は業務拡大や業績向上を担う立場として、手腕をふるってほしいと考えるのは当然のことでしょう。

経営側に参加する立場である以上、大きな結果を強く求められることが考えられます。着任直後から業績改善や組織改革の成果を求められるケースも少なくありません。

代表取締役の退任には、手続きが必要

ここまで触れてきたように、役員の転職には一般社員の転職と違って難しい要素が絡み合ってきます。中でも、代表取締役を退任して転職する場合には、以下のような手続きが必要になります。

  • ● 取締役の辞任届提出(自動的に代表取締役も辞任となる)
  • ● 後任の取締役を選任(退任後、定款で決められた人数を下回る場合)
  • ● 法務局への登記変更の申請
  • ● 銀行、主要取引先、管轄官庁など、関係各所への通知・届け出
  • ● Webサイト・会社案内などの修正

後任の取締役を選任する場合は、株主総会を開き、議事録や就任承諾書などの提出が必要です。
一般社員とは異なり、周囲を巻き込んださまざまな手続きが必要なことから、その煩雑さが原因となって、役員の転職を難しくしているとも考えられます。

役員の転職には制限がある? 気をつけたいトラブル

役員の転職には、役員ならではのトラブルが起きる恐れがあります。注意しなければいけないトラブルをピックアップしますので、スムーズな転職にするために留意しましょう。

職業選択の自由は役員も同じ

日本国憲法では職業選択の自由を定めているため、役員の転職が憲法に違反するということはありません。会社法では「競業、及び利益相反取引の制限」を定めていますが、これは役員在任中における制限なので、退職後には適用されません。

憲法・法律の面において、役員の転職に制限が課されていることはなく、職業選択の自由は役員も同じです。

競業避止義務も生涯にわたって禁止はできない

企業は従業員に対し、競業避止義務を課すことができます。競業避止義務とは、在籍していた企業と競合に値する企業や組織に属することや、独立して会社を設立するといった行為を禁ずるものです。

競業避止義務は就業規則などで定められていますが、その有効性のある期間は一生涯というわけではありません。ただし、定められた期間内の違反は損害賠償請求などに発展する可能性がありますので、注意が必要です。

それ以外にも気をつけたいポイントは?

会社の重要な地位にいる役員だからこそ、注意しなければいけないポイントもあります。

  • ● 顧客情報を使った営業活動
  • ● 機密情報の漏洩(機密保持義務違反)
  • ● 従業員の引き抜き

などは、訴訟につながる可能性のある行為です。
転職後に係争問題とならないよう、十分に配慮することが大切です。

役員だからこその円満転職のために

役員という重要な立場にいる人が抜けるということは、どの企業にとっても大きなダメージを受けることになります。そのため、在職していた企業に必要以上の迷惑をかけず、自身のさらなる成長のためにも、円満退職を心掛けましょう。

ここでは役員クラスの円満退職のために守りたいマナーを4つご紹介します。

任期途中での転職を避ける

基本的に任期の途中であっても役員を辞任することは可能ですが、任期途中での転職は避けるべきです。役員の任期は通常で2年(※例外あり)であり、任期満了の時期であれば辞任を表明しなくても自動的に退任となります。

 

任期中に退職を表明して取締役に欠員が出る場合には、後任の就任までは権利義務が生じてしまうため、転職活動に支障をきたす可能性も否めません。任期満了で転職というのが円満退職のポイントになると言えるでしょう。

 

退職する企業に損害を与えない

秘密保持義務を守るなど、退職する企業に対し損害を与えないこともマナーの1つです。

役員だからこそ、一般の社員とは異なる機密情報に触れています。万が一、転職先の企業でその情報を使用するようなことがあれば、元の企業には多大な損害を与えてしまう恐れがあります。

自分の立場の重要性を再認識し、損害を与えるような行為は絶対にしないよう心掛けてください。

同業他社への転職は避けるか、公表を急がない

同業他社へ転職するのは避けた方が賢明です。それでも転職先が同業他社になる場合は、転職の意向を公表することも急がない方が良いでしょう。

今までの経験を発揮するには、同業他社は最高のフィールドですが、在職中の企業で働く人間にとっては脅威となってしまうことも事実です。無理な引き留めがあったり、働きにくくなったりする可能性もあります。

同業他社へ転職することが決まった場合は、離職して入社するまでは公表を控える方がよいでしょう。在職していた企業にとっても、自身にとっても無用なトラブルを避けられます。

退職間際の契約書等は内容をよく確認する

退職間際に提出を求められた契約書等は、内容をよく確認しておいてください。

役員の退職の場合、競業避止義務の期間などが記載されていることがあります。納得のいかない内容の場合は、署名を拒否することも可能です。

内容に納得がいかない場合や、締結に際して強要があった場合は、速やかに弁護士に相談することをおすすめします。

成功する役員転職に大切なこと

役員が転職を検討する場合には、忘れてはいけない大切なものがあります。「こんなはずじゃなかった!」と後悔することがないように、3つのポイントを押さえておきましょう。

実績やスキルだけではない、企業風土の相性

いくら実績やスキルが十分であったとしても、転職先の会社の持つビジョンや社風に合わなければ、部下となる社員はついてきてくれません。

企業を選定する際には、企業風土との相性も重要になってくるのです。

転職先の企業風土に自分が合うかどうか、他の役員や社員とうまくやっていけるかといった部分での見極めもしっかりと行うようにしましょう。

ポジションや役員報酬にこだわりすぎない

ポジションや役員報酬にこだわりすぎず、役員待遇ではない形で入社し、現場で実績を積んでいくというキャリアの歩み方もあります。経験や実績を積んだうえで、タイミングを見て役員に昇格する方が役員になってからスムーズな場合もあります。

また、在職している企業より、転職先の企業規模が小さい場合は役員報酬が低くなりがちです。そのぶん、成長性ややりがいの面で優れていることもあります。

このように入社後に実績を積み重ね、将来的な役員登用や報酬アップを目指すという長期的な視点を持つことも、ご自身の選択肢を広げるための1つのアプローチ策です。

ゆずれないものを明確にする

「これだけはゆずれない」というものを明確にしておくことも大切です。転職先の候補が複数ある場合、条件面を見比べて比較検討をし、自分にとって何が一番大切なのかを見極める力も必要になってきます。転職することで何を得たいのか、将来的なビジョンは描けるのかなど、転職における自分の考えを熟慮しましょう。

希望条件が多岐にわたる場合、転職のハードルが高くなる傾向にあります。ご自身のキャリアにおいて必須ではない条件を見直すことも、理想の転職をかなえるための大切なステップです。

自力で条件を整理できない場合は、まずは転職コンサルタントによるサポートを利用してみてください。コンサルタントに対して壁を作らずに本音で話すことを意識し、コンサルタントに自分を理解してもらうことで、より理想的な求人を紹介してもらえる可能性が高くなるでしょう。

幅広い範囲の求人を検討する

役員として働く方は、社外の人脈も多い傾向にあるため、ご自身のコネクションで転職を進めていくケースも珍しくありません。ただし自分の人脈で探そうとすると、求人の範囲が限られてしまい、可能性を自ら狭めてしまうリスクもあります。

選択できる求人の幅を広げたいのなら、非公開求人を紹介してくれる転職エージェントの利用をご検討ください。役員の求人は重要な人事情報を含むため、一般には公開されない非公開求人として、限られた人材紹介会社などを介して探されるケースがほとんどです。

そのうえ、転職エージェントに相談しておけば、採用担当者から「こんな方がいたらいいんだけど⋯⋯」と相談された際に、担当のコンサルタントから「この方はどうですか?」とあなたを紹介してもらえる可能性もあります。

納得のいく「次の一歩」を、戦略的なパートナーと共に

役員の転職は、単なる職位の移動ではありません。これまでの実績を汚さぬよう「円満な退任」を果たし、かつ「自身の価値を最大化できる新天地」を見極めるという、極めて難易度の高いミッションになります。

しかし、現職での立場が重い方ほど、周囲に相談できず1人で抱え込んでしまうことも少なくありません。
パソナキャリアでは、ハイクラス転職に精通した専任コンサルタントが、あなたの「右腕」として伴走します。

リスク管理の徹底
競業避止義務や退任交渉など、役員特有の懸念点について、数多くの成約実績に基づいたアドバイスを提供します。

「相性」の可視化
経営層との会食選考を打診するなど、非公開求人票の行間にある情報までお伝えできるように努めます。

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この記事の監修者
監修者写真
パソナキャリア編集部

転職エージェントの視点から、転職活動の始め方、自己PRの作り方、面接対策や円満退職の秘訣まで、転職ノウハウをわかりやすくコラムでご紹介します。

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