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職務経歴書に複数社(2社以上)の経歴を書く方法は? コツやフォーマットを紹介

職務経歴書に複数社(2社以上)の経歴を書く方法は? コツやフォーマットを紹介

複数社で勤めた経験がある人は、職務経歴書の書き方に悩む点が多いのではないでしょうか。「2社以上の経歴があるとき、職務経歴は直近のものだけ書いたらいいの?」「職務要約はどうまとめたらいい?」などの疑問が生じます。

今回は、経歴が複数社(2社以上)にわたる場合の職務経歴書の書き方を解説します。フォーマットの選び方や記入例をケース別に紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

経歴が複数社(2社以上)にわたる職務経歴書の書き方

転職活動が2回目以降の場合、職務経歴書の経歴の書き方は変わってくるのでしょうか。経歴が複数社の場合に職務経歴書を書くポイントを紹介します。

職歴(転職歴)はすべて記載する

これまで2社以上の企業で勤めたことがあったとしても、直近のものだけでなく、すべての社名を記載してください。もし一部を省略すると、経歴詐称とみなされる可能性があるため要注意です。

仮に経歴を省略したとしても、入社後に雇用保険の加入歴などから明らかになります。トラブルを避けるためにも、正直に書くようにしましょう。

アピールポイントを簡潔に整理する

経歴が複数社にわたると、1社で社歴を積み重ねてきた人よりも職務経歴のボリュームが増えやすくなります。職務経歴書の適切なボリュームは、2枚程度です。ボリュームが多いとその分採用担当者が目を通しにくくなるため、極力2枚以内に収めましょう。

職歴が複数社にわたる場合は、ただ経歴を羅列するだけでなく、アピールポイントが明確になるようまとめましょう。複数社の経験が今後にどう活きるか、といった前向きな内容を記載するのが理想的です。

退職理由・転職理由をポジティブに表現する

転職回数が極端に多い場合、採用担当者から「責任感がないのでは」と人柄に不安感を抱かれる可能性があります。転職回数が多いと判断される目安は、20代で3回、30代で4回、40代で5回以上です。

IT業界やベンチャー企業、外資系企業などは転職回数を気にしない傾向にあるものの、一般的な企業ではネガティブに捉えられる可能性もあります。そうした懸念を払拭するために、転職理由を明記したうえで、志望動機欄を使って転職意欲の高さを伝えるのもポイントです。

よくある退職理由・転職理由をポジティブに言い換えると、次のようになります。

● 給料が低かった
→業績に応じた評価制度が整った環境で働きたい

● 残業が多かった
→ワーク・ライフ・バランスを重視し、効率よく業務を進められる環境で働きたい

● 同僚や先輩・後輩などとの人間関係で悩んでいた
→円滑にコミュニケーションを図り、チームワークを大切にする環境で、自身のスキルを最大限に活かしたい

● 上司の仕事への取り組み方に不満があった
→リーダーシップやチームマネジメントにおいて、学べる機会が多い環境で成長したい

● 仕事にやりがいを感じられなかった
→自分の強みを活かし、社会に貢献できるような業務に携わることで、より高いモチベーションを持って働きたい

自己PRは応募先企業にあわせて変える

複数社に応募する場合、職務経歴書のアピール内容は応募先企業ごとに調整しましょう。資格や実務経験、実績などを棚卸ししたうえで、応募先で活きそうなものをピックアップし、積極的にアピールしてみてください。

これまで関連性の薄い職種を複数経験している場合など、職歴に一貫性がない人にとっては、とくに自己PRが重要になってきます。自己PRを通してキャリアの軸や将来のビジョンを明確に伝えていきましょう。

職務要約は関連度の高いものをピックアップ

職務要約は、職務経歴書の冒頭に書く、経歴やスキル、アピールポイントなどを端的にまとめた文章です。職務要約は箇条書きを取り入れつつ3〜5行程度で簡潔に記載することで、見やすくなります。職務経歴書の中でもとくに文字数が限られている部分だからこそ、現時点での応募職種に関連するスキルを伝えるために、関連度の高い要素を抜粋して掲載しましょう。

経歴にあったフォーマットを活用する

職務経歴書には決まったフォーマットがないため、経歴にあわせてカスタマイズできます。
職務経歴書に入れる基本項目は、次の4つです。

  • ● 職務要約
  • ● 職務経歴
  • ● 保有資格・免許
  • ● 自己PR

ほかにも志望動機や退職理由などの項目を設けるケースもありますが、複数社を経験している人の場合、職務経歴のボリュームがどうしても大きくなります。ほかの項目を入れることで経歴を十分アピールしきれなくなるリスクもあるため、自分の経歴にあわせて項目を取捨選択していきましょう。

 

職務経歴書のフォーマットは3種類

職務経歴書の職務経歴欄のフォーマットは、「編年体式」「逆編年体式」「キャリア式」のうちいずれかを採用するのが一般的です。それぞれのフォーマットの特徴を紹介します。

編年体式|成長過程をアピール

編年体形式のポイント

もっとも一般的に使われるフォーマットで、時系列に職歴を記載する方法です。履歴書の職歴と同じ順番で並ぶので、採用担当者が履歴書と見比べやすいうえ、スキルや経験を積み重ねてきた経緯を伝えられます。転職回数が比較的少ない場合や、社内での異動が少ない企業を経験してきた場合には、編年体式がおすすめです。

逆編年体式|直近の経歴をアピール

逆編年体形式のポイント

編年体式の時系列を逆転させて、最新の職歴から遡って記載するフォーマットです。現職または前職の経歴が真っ先に目に入るので、採用担当が現在のスキルや実務経験が応募先とマッチするかどうかを判断できます。即戦力を対象とした求人に応募する場合や、現在の仕事が応募職種に直結する場合に向いています。

キャリア式|専門性と幅をアピール

キャリア形式のポイント

職種や事業領域、プロジェクトごとに職歴を整理して記載するフォーマットです。キャリア式では、各領域の専門性と幅の広さを同時にアピールできます。転職回数が3回以上の場合は、キャリア式を選ぶことで職歴が伝わりやすくなるでしょう。ただし、幅が広い分アピールポイントがぼやけやすいため、応募先にあった軸を定めて記載することが大切です。

【ケース別】経歴が複数社にわたる職務経歴書の記入例

経歴の数や特徴ごとに、職務経歴書を書くポイントを具体的に紹介します。

経歴が2社までの場合

経歴が2社の場合、職務経歴欄のフォーマットは成長プロセスを明確に伝える「編年体式」が適しています。応募先が外資系やIT業界など、即戦力を重視する傾向にある企業の場合は、逆編年体式を採用するのもおすすめです。

■ 職務経歴

20XX年4月〜20XX年3月 〇〇〇〇株式会社

期間 業務内容
20XX年4月〜
20XX年3月
茨城支社にて〇〇地域の電機メーカー向け工作機械の営業
【営業スタイル】新規開拓(4割)、既存クライアントのフォロー営業(6割)
【製品】〇〇〇〇
【クライアント】大手電機メーカー
【売上】20XX年 約XXXX万円(目標達成度XXX%)
20XX年4月〜
20XX年3月
東京本社にて大手電機メーカー向け工作機械の営業
【営業スタイル】既存クライアントのフォロー営業
【製品】〇〇〇〇
【クライアント】大手電機メーカー
【売上】20XX年 約XXXX万円(目標達成度XXX%)

20XX年4月〜20XX年3月 〇〇〇〇株式会社

期間 業務内容
20XX年4月〜
現在
東京本社にて産業用電気機器の提案営業
【営業スタイル】新規開拓(3割)、既存クライアントのフォロー営業(7割)
【製品】〇〇〇〇
【クライアント】大手自動車メーカー
【売上】20XX年 約XXXX万円(目標達成度XXX%)

経歴が3社以上の場合

3社以上を経験している場合は、キャリア式を選んだうえで経歴の一貫性を伝えることを意識しながら作成しましょう。文字数が多くなりやすいので、応募先にあわせてアピール内容を絞り、メリハリをつけるのもポイントです。

■ 職務経歴

【設計・開発】

プログラマーとして、金融系システムのテスト・開発工程や保守運用を担当。プログラミングを通してITの基礎知識やスキルを身につけつつ、PLとして基本設計やチームの進捗管理も経験しました。

期間 業務内容 環境 役割
20XX年4月〜
20XX年12月
株式会社〇〇〇〇 大手銀行の電子取引システム
【担当】業務システムの追加開発プロジェクトにおける開発、テスト、保守運用
WindowsNT
VB
Oracle
メンバープロジェクト要員12名
20XX年1月〜
20XX年8月
株式会社〇〇〇〇 ネット銀行の契約管理システム
【担当】新規開発プロジェクトの基本設計、開発、テストドキュメントの作成
HP-UX
C
Oracle
開発チーム リーダー
【担当】進捗管理
プロジェクト要員10名

【要件定義・設計】

アプリケーションエンジニアとして、営業による保険販売からWeb上での販売への移行にともなうシステム開発を担当。

期間 業務内容 環境 役割
20XX年9月〜
現在
株式会社〇〇〇〇 生命保険会社の保険取引システム
【担当】顧客管理システムの要件定義、基本設定、詳細設計、開発、テスト
運営フェーズではDBのチューニングを実施
Solaris
Oracle8i
J2EE
CORBA
WebLogic
プロジェクトリーダー
【担当】工数見積、進捗管理、人員管理(社員20名、協力会社10名)
プロジェクト要員30名

キャリアに一貫性がない場合

異業界・異業種間での転職をしてきた場合は、キャリア軸を明確にしてアピールしましょう。職務経歴欄が統一感のない書き方になりやすいため、応募先との相性がいい仕事内容や実績は具体的に記載し、関連性が低いものは最低限のみ記入するなどの強弱をつけていきましょう。また、職務経歴や自己PR、保有資格などの欄でも、キャリアの軸が伝わりやすいよう要素の取捨選択をしていくのもポイントです。

■職務経歴

【講師職】英語を中心とした中高生への学習指導経験を通じて、英語スキルを向上させ、TOEIC800点を達成

期間 業務内容
20XX年4月〜
20XX年3月
株式会社〇〇〇〇 〇〇校
中学生・高校生を対象とした補講中心の個別指導を実施。
担当科目:英語・国語・社会
20XX年4月〜
20XX年3月
株式会社〇〇〇〇 〇〇校
大学受験向けの予備校にて、高校生への集団指導を実施
担当科目:英語

【事務職】 講師職を通して培った英語力をもとに、英語を活かせる事務職を経験
事務としてのスキルを身につけながら、ビジネス英語の実務経験を蓄積

期間 業務内容
20XX年4月〜
20XX年3月
株式会社〇〇〇〇 海外営業部
営業アシスタントとして貿易事務業務を担当。
取引社数:○社
20XX年4月〜
現在
〇〇〇〇ホールディングス株式会社 日本支社
営業事務兼秘書として、アメリカ国籍の上司のフォローや、海外支社とのやり取りを担当
担当上司:○人
担当支社数:○件

経歴が複数社にわたる職務経歴書の注意点

経歴が複数社ある場合に、職務経歴書の作成で気をつけてほしいポイントを紹介します。

在籍期間が短い場合は退職理由を補足する

1社あたりの在籍期間が3年未満の場合は、早期離職として採用担当にネガティブな捉え方をされやすい傾向にあります。そうした懸念を払拭するために、退職理由を説明する文を入れて補足すると効果的です。直近の経歴の場合は、「退職理由」として独立した欄を設けてもいいでしょう。それ以外のケースでは職務経歴欄に端的に記載し、面接で詳しく説明するとスムーズです。ただし、前職への不満を挙げるといったようなネガティブな表現にならないよう、注意しながら記入しましょう。

職歴が多くて枚数が多くなる場合

職務経歴書は通常2枚、多くても3枚程度に抑えましょう。長くなることで、採用担当者に目を通してもらえない可能性が高くなることが理由です。また、無理に2枚以内に収めようとして余白を少なくしてしまうと、かえって見にくくなるので避けてください。

【Q&A】職務経歴書に複数社の経歴を記載する場合のよくある質問

複数社にわたる職歴の職務経歴書を書くうえでの、疑問・質問にお答えします。

Q.職務経歴書に複数社の経歴を書く順番は?

2社であれば時系列順の編年体式を採用するのが一般的ですが、3社以上であれば最新の経歴から遡る形で書く逆編年体式や、プロジェクト単位で記載するキャリア式を採用するのがおすすめです。ただし、社内での異動が多くてボリュームが増えてしまうケースもあるので、社歴だけでなく柔軟に判断するといいでしょう。

Q.アルバイトのみで複数社の経験がある場合、職務経歴書はどう書く?

アルバイトの経験は基本的に、職務経歴書には記載しません。

しかし、アルバイトや有期雇用(派遣など)の経験しかない場合や、アルバイト経験が応募職種に直結する場合、正社員からジョブチェンジした場合などは記入するケースもあります。その場合は、仕事への責任感や、応募職種に活かせるスキル、学ぶ姿勢などをアピールできる要素を優先して記載するといいでしょう。

Q.職務経歴書には勤務した企業名をすべて書かなくてもいい?

職務経歴書も履歴書も、経歴はすべて記載するのが原則です。一方で職務経歴書では、これまで勤務した企業名や職務内容のすべてを同じボリュームで書く必要はありません。経歴が複数社にわたっていてスペースに余裕がない場合、文量にメリハリをつけながら記載するといいでしょう。

まとめ

複数社の経歴がある場合、職務経歴書のボリュームが増えやすいため、応募先にあわせてアピール内容を取捨選択することが大事になってきます。職務経歴書のフォーマットは3種類ありますが、転職回数やキャリアの一貫性などから、自分に適したものを選びましょう。アピールポイントを整理しながら、採用担当者にとってわかりやすい職務経歴書づくりを心がけてください。

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この記事の監修者
監修者写真
斉藤史郎マーケティング統括部

主に、IT/Web業界担当として法人営業、キャリアコンサルタントの経験を経て、現在は法人マーケティングに従事。

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