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転勤の辞令を拒否することはできる?転勤したくない場合の対処法

転勤の辞令を拒否することはできる?転勤したくない場合の対処法

引越しを余儀なくされる転勤は、従業員にとって大きな負担となります。
介護や育児などの都合で、転勤をしたくないという場合もあるでしょう。
転勤の辞令を断ることはできるのでしょうか?辞令の強制力と、転勤したくない場合の対処法についてまとめました。
 
 
引越しを余儀なくされる転勤は、従業員にとって大きな負担になります。介護や育児などの都合で、転勤をしたくないという場合もあるでしょう。
また、配偶者の仕事をどうするのか、単身赴任するのかといった問題も起こります。このような転勤の辞令を、断ることはできるのでしょうか?
ここでは、転勤辞令の強制力と、転勤したくない場合の対処法についてまとめました。
 
 

企業からの転勤辞令を断ることは原則としてできない

残念ながら企業からの転勤の辞令を断ることは、原則としてできません。
転勤が発生する企業の場合、就業規則に異動や転勤についての規則が明記されています。
企業に雇用されるということは、就業規則について同意しているとみなされています。
そのため、就業規則に則って転勤の辞令が出た場合、基本的にそれに従う必要があるのです。
 
ちなみに、正当な理由もなく転勤を拒否した場合、企業からの辞令に従わなかったことになるため、懲戒解雇処分となってしまうおそれもあります。
安易に「転勤しろと言われたけど、嫌だから断ろう」と考えてしまうのはリスクのある行為だといえるでしょう。
 
 

転勤辞令を断れるケース

転勤の辞令は絶対に断ることはできないのでしょうか。正当な理由があると認められた場合は、転勤をしなくてもいいケースがあります。
転勤の辞令を拒否できる「正当な理由」は、おもに次の3つが挙げられます。
 

転勤はしないという契約で雇用されている

転勤をしないという雇用契約を結んでいる場合、本人の同意がない転勤辞令が不当なものとなります。
例えば、「地域限定正社員」のように、入社時に働く場所のエリアが限定されている従業員が、そのエリアを越えて転勤辞令を受けた場合は、断ることができます。
 

やむを得ないと認められる特別な事情がある

「やむを得ないと認められる特別な事情」とは、どうしてもとどまらなければならない理由となりうるものです。
とはいえ、「家を買ってしまったから」「子供が中学に入学したばかりだから」といった程度の理由では、やむを得ないとは判断されないことが多いでしょう。
「本人に難病があり、転勤を命じられた地域にかかりつけにできる医者がいない」「要介護認定を受けている母親の面倒を見られる人が、転勤によっていなくなる」などの理由は、やむを得ない事情として該当することもあります。
認められる理由かどうかは、それぞれの企業の判断によっても異なります。
少なくとも、「単身赴任をすれば解決できる」「多少不便になるが生活が脅かされるというほどの負担ではない」といった程度の事情では、転勤を拒否するほどの理由とは認められません。
 

業務上の必要性がなく不当な動機からの辞令である

不当な動機とは、上司からのパワハラによる異動などが該当します。
不当であるかどうかは、転勤先に欠員が出ているか、その従業員をその支社に転勤させる理由は明確かといった点が判断基準になります。
明確な理由もなく、これまでとはまったく違う職場で、生産性の低い仕事をさせられることになったという場合には、不当な辞令であると主張できる可能性があります。
ただし、企業側から「さまざまな経験を積んでもらう必要がある」といった理由から異動辞令を出されるケースもあるでしょう。
 
 

それでも転勤したくない場合の手段

一度、転勤辞令が出た以上は、それを覆すことは難しいものです。
しかし、「やはりどうしても転勤したくない」という場合は、次の4つの手段を検討してみてください。
 

企業に掛け合う

企業に「転勤したくない」と相談する方法です。しかし、原則として従業員は、企業の人事配置に口を差し挟むことはできません。
あまりかたくなに拒否を続けた場合、懲戒免職などの大きなトラブルに発展する可能性もあります。
なお、転勤の拒否は、正式な辞令が出る前の内示の段階であっても、基本的にはできません。
とはいえ、どうしても転勤したくない理由がある場合は、できるだけ早い段階で「転勤しないで済む道はないか」と、上司に相談してみましょう。
 

転勤した後に、元の職場に戻れる可能性があるか確認する

転勤を命じられたときは、「定年までずっと転勤先で働くことになるのか」、それとも「転勤は一時的なもので、戻ってこられる可能性があるのか」ということについて確認してみましょう。
もし、転勤が一時的なものである可能性が高いのであれば、一定の期間だけだと割り切って、転勤を受け入れるという選択肢も検討してみてください。
特に、「単身赴任になってしまうから」「家を買ってしまったから」といった理由で転勤を拒否したい場合、また数年後に元の職場に戻れる可能性が高いのであれば、我慢できるのではないでしょうか。
 

弁護士に相談する

「転勤を拒否できるだけの正当な理由があるにもかかわらず、企業が認めてくれない」という場合は、弁護士に相談してみるという方法もあります。
ただし、裁判を起こすことになった場合、企業側との関係が悪くなってしまう可能性があります。
また、必ずしも裁判で転勤の拒否が認められるとも限りません。判決が出るまでは、気まずい思いを抱えたまま企業に所属し続けることにもなってしまいます。
自分の主張が認められる可能性があるかについて、まず弁護士に相談するというのは悪いことではありませんが、実際に裁判にするかどうかは、慎重に検討する必要があります。
 

転職をする

企業からの辞令を拒否できない以上、転勤を確実に回避する方法は転職ということになります。
どうしても転勤したくないが、転勤を断る理由も思いつかないという場合は、転職を検討してみましょう。
とはいえ、職場を変えるというのも大きな決断となります。今の企業に残ったほうがいいのか、転職したほうがいいのか、冷静に判断する必要があります。
 
 

転勤辞令を機に転職をする場合の注意点

 
転勤を拒否するために転職をする場合、退職のタイミングに注意が必要です。
従業員が退職を申し出るタイミングは、就業規則によって定められています。通常、1ヵ月前までというケースが多いでしょう。
一方、転勤の辞令から実際の引越しまでは、2週間~1ヵ月程度しかない場合も珍しくありません。このような場合、実際の退職が転勤後になってしまう可能性もあります。
また、転職先が決まる前に退職してしまうことで、生活が不安定になるリスクもあります。企業にとっても、異動先が決まっている従業員が突然退職することは、迷惑です。
このようなことにならないためにも、あらかじめ自分は転勤を許容できるかどうかを考えておくことが大切です。
 

転勤をしたくない方は、最初から転勤のない働き方を選択しよう

転勤の辞令が出てから、それを拒否したり、企業を退職したりするのはトラブルの原因になります。
「転勤するのは嫌だ」と思っているのであれば、辞令が出る前に、転勤のない地域限定社員への転換や、転勤のない企業への転職を検討しましょう。
パソナキャリアでは、希望の働き方を実現するための方法や、自身に適した職場を探すためのアドバイスを行っています。
働き方に不安を感じている人は、ぜひ一度、パソナキャリアにご相談ください。

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