結婚のタイミングで転職を考える男性・女性が気を付けたいこと
結婚を機に転職を考えているけれど、悩ましいのはそのタイミング。
「結婚で生活が大きく変わる中、同じタイミングで転職して大丈夫なのか」「結婚することが面接で不利にならないか」「結婚と転職、どちらを先にすればいいのか」など、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
結婚を機に転職するタイミングは、男性と女性の場合で考慮するポイントが違いますし、ライフスタイルの考え方によっても違ってきます。
ここでは、男性・女性の結婚と転職のタイミングを見極めるポイントをご紹介します。
男性の転職は基本的に「結婚前」がおすすめ
男性が結婚を機に転職する場合、基本的には結婚前に行うことがおすすめです。
結婚後の転職は、たとえ共働きであっても、家族に与える影響が大きく、転職に踏みきること自体が難しくなりやすいでしょう。
転職活動は、在職中から行い、仕事が途切れることなく新しい会社に移るのが理想的です。
しかし、場合によっては、自分に合った転職先を見つけるのに時間がかかり、離職期間が生じることも考えられます。
自己都合で離職した場合、3ヵ月間は雇用保険の給付が受けられないので、その間は無収入状態になります。
結婚後に、家族の生活を支える立場でこのような状態になると、経済的に大きな痛手となることは避けられません。
そうなると、「早く収入を得なければ…」と焦って、十分に検討をしないまま、転職先を決めてしまう可能性は高くなるので納得のいく転職は難しくなるでしょう。
男性が転職する際のポイント
結婚前に転職する場合には、結婚後の生活を想定した上で、パートナーと話し合い、転職先を選ぶことが大切です。
転職する際にチェックするポイントを紹介します。
- ■収入
- 収入アップは、男性が結婚を機に転職を考える動機の一つです。
家計を支えるだけの収入が得られるのかと同時に、入社後の給与アップの可能性はあるのかなど、将来性にも目を向けてみるのがおすすめです。
- ■家庭との両立
- 「家族と一緒に暮らすために、転勤のない仕事に就きたい」「家族との時間を持つため、残業の少ない仕事に移りたい」など、家族との時間を確保することも、男性が結婚を機に転職する理由の一つとなっています。
特に転勤の有無は、子供の教育やパートナーの仕事にも大きな影響を与える要素です。
お互いにどんな暮らしがしたいのかを話し合っておくことが、後のトラブル防止にもつながります。
- ■住宅ローン
- 住宅の購入を考えている場合は、住宅ローンについても考えておくといいでしょう。
住宅ローンを組む要件として、勤続年数1年、3年といった定めを設けている金融機関は少なくありません。
そのため、住宅ローンを組む場合は、転職直後だと難しい場合があるので、転職前に組んでおくか、転職後1~3年経ってから組むかの2択になります。
面接での転職理由の伝え方(男性編)
男性の場合、面接の際に「転職の理由は結婚である」と伝えることは、「結婚して家族を支える立場になるなら、長く働いてくれそうだ」「責任感がありそうだ」など、肯定的に受け取られることが多いでしょう。
応募者が長く働いてくれそうな人かどうかは、面接官の知りたいポイントなので、長く働きたい気持ちを伝えるためにも、正直に理由を話すのはおすすめです。
一方で、「残業はできるのか」「家庭と仕事をどう両立するつもりか」といった質問にも、あらかじめ回答を準備しておくといいでしょう。
女性の転職タイミングは「結婚の1年前」がおすすめ
女性が結婚を機に転職する場合のタイミングは、結婚より1年以上前がおすすめです。
その理由としては、次の3つが挙げられます。
- ・結婚後の転職は「すぐに産休・育休を取るのでは」と懸念されやすく、採用時に不利になりやすい
- ・転職後、1年間は育休を取得できないことが多い
- ・結婚直前は式の準備などで忙しく、転職活動に集中しづらい
結婚後の転職は、生活サイクルがわかっているので、より自分に合った仕事を探しやすいというメリットもあります。
しかし、「すぐに産休・育休を取るのでは」といった不安から企業が採用を控える場合も多く、すぐに子供が欲しくても転職後1年間は育休を取得できないといったデメリットもあります。
結婚の1年前までには転職しておくのがおすすめです。
女性が転職する際のポイント
結婚前に転職する場合、パートナーと話し合い、ある程度結婚後の生活を想定して、転職先を選ぶことが大切です。 その上で、女性にとって重要なポイントを紹介します。
- ■どんな働き方がしたいのかをはっきりさせること
- 結婚を機に転職する女性の場合、「今の会社では仕事と家庭の両立が難しそうなので、働き方を見直したい」という理由が比較的に多いですが、目指すライフスタイルによって理想とする働き方も変わってきます。
「子供は考えているのか」「結婚後も働きたいのか」「子供が小さいうちは時短勤務にし、しばらくしたらフルタイム勤務で働くことを考えているのか」では、企業を選ぶ基準が変わります。
まずは、どんな働き方をしたいのかをはっきりさせて、企業を選ぶ際に重視する項目に優先順位をつけておくといいでしょう。
- ■育児休業の取得実績
- 出産・子育てを考えている場合、育児休業の取得をはじめ、子育てをしやすい環境かどうかが非常に重要となります。
制度が整っているかだけではなく、実際に制度を利用した人がどれくらいいるのか、上司や同僚に子育て経験者はどれくらいいるのかなど、実態をチェックしておくと安心です。
- ■収入面
- 国税庁が公表している「平成29年分 民間給与実態統計調査」によると、一年を通じて勤務した給与所得者の年間平均給与は、正規雇用の女性では376万6,000円、非正規雇用の女性では150万8,000円と大きな差が出ています。
一度キャリアダウンすると、元通りの収入を得る仕事を見つけるのは難しいことが多いので、働き方を決める際は収入面への配慮も大切になります。
面接での注意点(女性編)
結婚を考えている女性が転職する場合、採用側の企業が心配するのは「採用後、短期間で産休・育休に入ってしまうのでは」ということです。
面接では、入社後のビジョンややりたいことをしっかり伝えて、長く働きたい気持ちがあること、企業に貢献できることをアピールすることが重要になります。
産休・育休制度の取得状況、復帰後の働き方などを質問するのは問題ありませんが、「福利厚生にしか興味がないのかな」と思われないように「なぜその企業で働きたいのか」をポジティブに伝えることも大切にしましょう。
転職のタイミングに迷ったら転職エージェントに相談を
転職活動の進め方は、一人ひとりの状況によっても違ってきます。
悩んでいることがあるなら、キャリアアドバイザーがプロの視点から的確なアドバイスをしてくれる、転職エージェントを利用するのがおすすめです。
パソナキャリアは、25万人分の転職ノウハウがあり、長く派遣業を手掛けているため、女性の転職に強いことが特徴です。結婚のタイミングで転職を考えている場合は、ぜひ利用してみてください。