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SIからWEBへの転職。
「別世界と思え」という厳しい意見もあれば、「いやいや、同じエンジニアだから」と楽観視する意見も聞こえてきます。WEBに散見する個人エントリーにはなかなか自分事に思えず、「自分には無理だ」と思ってしまう人も多くいるのではないでしょうか。
実際のところはどうなのか、今回はWEB系エンジニアに転向して1年目の株式会社ファンコミュニケーションズの鈴木航さん(33歳)に聞いてみました。
ファンコミュニケーションズといえば、世界最大の成功報酬型アドネットワーク企業であり、国内最大級のアフィリエイトサービス「A8.net」でも有名な企業。
鈴木さんは、その中でAndroid・iOSを搭載したスマートフォン・タブレット端末向けのアドネットワーク「nend(ネンド)」や、「viidle(ヴィードル)」というアプリ広告枠向けビデオアドプラットフォームのSDK開発を担当しています。
一見するとSIの世界からアドネットワークの世界とかなり離れた世界への転職に思えますが、「ギャップは少なかった」と鈴木さんは言います。鈴木さんの実体験をもとに、SIからWEBへ転職したい人の『今日からできる行動』について探ってみましょう。
──前職のSI企業では10年在籍されていたとのことですが、どんな仕事をされていたのでしょうか?
鈴木さん(以下、鈴木) 新卒時代から約3年間は、携帯電話に出荷当時から入っているアプリケーションをひたすら作っていました。僕は文系で、大学時代にプログラミングの勉強をしていたわけでもなかったので、入社時の研修でC言語を学んだ後、業務や趣味の中で知識を深めていきました。
──SI在籍時にWebや自社サービスの案件には携わっていましたか?
鈴木 僕が社会人になった頃はまだガラケーの時代だったので、アプリを作るようになったのはそれよりもう少し後です。アプリ開発というよりも、大枠のOSをカスタマイズするところをやっていました。
自社サービスをやることはほとんどなかったのですが、辞めるまでの3年間は裁量の大きな仕事をさせてもらいました。ある通信会社の業務委託をしていたのですが、委託先の社員の方と仕様策定から一緒にやったり、いろいろ関わらせてもらえましたね。
──裁量がある環境にも関わらず転職を決断したのは、何かきっかけがあったのでしょうか。
鈴木 前職では凄腕のエンジニアの方をうまく活用できていなかった案件があり、開発の仕方そのものに問題意識を持つようになりました。
その人はすごく仕事ができる人で、当時はチームの進捗管理をホワイトボードに付箋を貼って管理していたのですが、彼だけ専用のホワイトボードがあるんです。彼はそこに貼られている案件を午後に出社して定時までに片付けて帰っていくんですよ。スキルはすごいのですが、勤務態度が悪いということで最終的にいなくなってしまいました。
いなくなった後も一見すると案件はきちんと進んでいたのですが、結局は彼の遺産だったんじゃないかなと思える部分も多くありました。彼が書いたコードには一切コメントがついていなかったのですが、書き換えたコードには余分なコメントが増えてかえってわかりづらくなったりもして。
──そのようなもどかしさから環境を変えようと転職を決断されたとのことですが、転職活動中は何社の選考を受けましたか?
鈴木 面接でいうと10社程度だったと思います。Web系企業を中心に、受託案件をやっているところは除いて探しましたね。
──SI時代は受託が主だったとのことですが、自社サービスをやっている会社に対してギャップを感じることはありましたか?
鈴木 最後の3年間は受託先の自社サービスに携わるという疑似体験をしていたこともあり、そこまでギャップがあるとは思いませんでした。面接で実際に話を聞いて、イメージとのズレがないかは擦り合わせるようにしていましたね。
ファンコミュニケーションズは、面接を受ける前に面談をすることができたのですが、現在の上司から「SDKの募集はあまり人気がない」という話を聞きました。
僕のようにSIからWeb系へ転職を考えるエンジニアは、「アプリを作ってみたい」という方が多いようですが、私自身はそういったこだわりがありませんでした。前職でもライブラリ開発やOSなど下回りに近いところを作っていましたし、SDKであればシステムに近いところなので、「速度が速い方が良い」など判断基準がはっきりしていてわかりやすいと思ったので。むしろそのわかりやすいところを極めていくのが下回りを作るうえでの楽しさだと思いましたね。
──選考前の面談でそこまで深い話ができたんですね!
鈴木 ベンチャーを中心に新しいことをやっていこうとしている企業は、面接前に面談を実施するところも多いと思います。お互いの理解を深めた上で選考に臨めたので、仕事に対するイメージもつきましたし、よかったです。
ちなみに、私は自作のアプリを公開したりもしていました。転職のためというよりも、たくさんダウンロードされて儲かったらいいなという気持ちでしたけど。(笑)自作のアプリの中で今一番ダウンロードされているものは、妻が「こんなアプリが欲しい」と言ってきたから作った単純なもの。意外と毎日落とされているんです。労力をかけたから売れるというわけではないことをそこで体感しました。
──「転職のため」と気負って行動するのではなく、自分のやりたいことを突き進めてみるのが良いのかもしれませんね。
鈴木 スティーブ・ジョブズが“Connecting The Dots”と言っていたように、後から振り返ればつながっていたということはあるのかもしれません。
──今後3年、5年とキャリアを積んでいく中でやってみたいことはありますか?
鈴木 オープンソースなどに関連する『モノづくり』をしてみたいですね。
──前職時代からそういった思いはあったのでしょうか?
鈴木 少しずつですが思っていました。前職の最後の3年間はとても楽しかったのですが、「僕はそこの社員じゃない」という気持ちはやはり拭いきれませんでした。自分の勤め先から「今度はこの案件をやってください」と違う案件を振られた時点で、キャリアが途切れてしまいます。経験を積むうちに、自分が描いていたキャリアと会社が求める人物像とのズレは、確実に広がっていました。
──どういったエンジニアになることを思い描いていたのでしょうか?
鈴木 いわゆるアメリカの事業会社にいるようなエンジニアの働き方に憧れを持つようになっていました。
──具体的にはどのようなエンジニアでしょうか?
鈴木 『会社』ではなく『事業』、『サービス』への結びつきが強いエンジニアです。日本のSIは、発注側と受注側がはっきりと分かれていますよね。両者の間でコミュニケーションのギャップがあることにもどかしさを感じていました。オープンソースが広がると、自社でサービスを立ち上げる際に、外の力を借りるよりも社内に手を動かせる人がいる方がスムーズですし、そういった働き方の方が楽しいのかなと個人的には思っていましたね。
──描いていたような働き方はできていますか?
鈴木 そうですね。できていると思います。『モノづくり』に関しても、去年の社内コンテストで勝ち上がれなかったのでまだ自分の頭の中にある段階ではありますが、前職の時よりも前進していると思います。
──社内コンテストとは、どんなものですか?
鈴木 去年初めて行われたものなのですが、社長発信のコンテストで、エンジニア・営業問わず誰でも出場できるものです。優勝者はそのサービスの責任者として、サービス開発を進める権利と賞金がもらえます。決勝ラウンドに残るだけでも賞金が出るのですが、僕の上司は残っていましたね。2次審査の時点で、社長や副社長とディスカッションする機会があったのですが、結構面白かったです。いざ部屋に入ってみると、エンジニア出身の副社長が猛スピードで意見を出していて、それに社長も反応して熱い議論が交わされていくんですよ。ついキョロキョロしてしまいました。(笑)
──前職ではそのような経験はありませんでしたか?
鈴木 そうですね。前の会社では社長と意見を交換する機会はありませんでした。新鮮でしたね。
──サービス提案ができないとWeb系企業への転職は難しいのでしょうか?
鈴木 いや、今の環境は純粋にプログラムと向き合うのが好きな方には向いていると思います。アプリ開発におけるプロダクトでは、感性の割合が多くなることで実現したい内容とのギャップが出ることもあるかもしれません。対して、SDKでは純粋な実行速度や実装の容易さが重要であり、これは白黒がはっきりする領域です。
またAndroid、iOSに関わる中で、アプリのユーザではなくアプリの開発者を向いたプロダクトを作る機会は少ないと思うので、楽しめるはずです。例えば、アプリ開発であれば問題のあるコードは修正版で消してしまえばいいのですが、SDKは一回リリースしたら勝手にAPIを消したり変えたりはできないわけで、リリースする前にものすごくいろいろなことを考えます。そういった思考の仕方はSIの経験も生かせますし、スピード重視なアプリ開発にはない側面だと思いますね。
──SI企業からWeb系企業に転職を考えている方に向けて、自身の経験を踏まえてアドバイスなどありますか?
鈴木 興味があるジャンルの勉強会に出て、交流を広げておくと良いかなと思います。特にSIの仕事をしていると忙しくてなかなか時間を作れないという人もいると思うのですが、僕も時間を見つけて仕事終わりにスーツのままで行ったりしていました。
──社外に行くと自分がどう見られるかわかりますもんね。
鈴木 そうですね。自分の立ち位置もわかりますし、Googleの人と話すとやはりすごいなぁと思うのですが、そういう人たちでも『何でもできるわけではない』ということもわかります。技術レベルが高い人でも勉強会に来て、他の人の発表を聞いていたりしますからね。
それに、勉強会は自分が未熟だからといって変に扱われたりするような場でもないです。年配の方も若い方もいますし、Tシャツの方もいればスーツの方もいますし。勉強会の場で僕も新鮮に感じたのは、「エンジニアを募集しています」という会社が珍しくないということです。そこで話を聞いて、「動く(転職する)のは普通なんだな」ということもわかりました。勉強会きっかけに、タイミングさえ合えばポンと移る方も多いと思いますよ。
──内に閉じこもってしまうのではなく、外の情報を得ることは大事ですよね。今の方が充実しているという感覚はありますか?
鈴木 今の方が断然充実していますね。前職では「毎週はいらないでしょ」と思うような定例ミーティングや、夜遅くまで働くこともありました。今の方が早く帰れますし、好きな時間に休み時間を取ったり、ご飯を食べる時間も出社する時間も好きに決めたりできます。ただ、時間的ゆとりはできたのですが、家に帰ると「今日も1日やり切った」とすぐ眠くなってしまうんですよね……。それくらい仕事の時間が凝縮されているのだと思います。
* * *
鈴木さんのキャリアを振り返ると、SIとしてもどかしさを抱きながらも、転職に踏み切る前から勉強会に出席したり、自身でアプリを開発したり、『点(きっかけ)』を作っているのが印象的でした。けれど、それは転職を計画した上での行動ではなく、「やりたい」と思ったことを行動に移していたらついてきた『結果論』とのこと。今の時代は、個人でアプリを公開したり、オープンソースの開発を行ったりと、自身のエンジニアとしての取り組みを表に公開するハードルが下がってきています。自分のキャリアを思い通りにするには、大きなことをひとつやるよりも、ちょっとした行動を日々積み重ねていくのが良いのかもしれません。
(執筆者:佐野創太)
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