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皆さま、初めまして。
渋谷で野球のエンジニアをしている中川伸一と申します。 エンジニアのコミュニティやネット上では「シンヨーク(@shinyorke)」や「野球エンジニア」と呼ばれています。
今年(2018年)2月から、野球データ解析・分析のベンチャー「ネクストベース」のCTO(野球エンジニア)として、
といった事業を、エンジニアリングの側面でフルサポートしています。
「野球のデータ」に携わる仕事は昔からの夢で、「なるんだ!」の気持ちをもって活動した結果、縁あって野球エンジニアになれました! という話をする機会を「Developers Summit 2018」でいただきました。
このエントリーでは、私が野球エンジニアになるまでの振り返りと、現在取り組んでいる仕事の話、および「なるんだ!」を実現するキャリア設計の勘どころをお伝えしたいと思います。
私は、高校生の頃から野球のデータにたいへん興味がありました。朝のスポーツ新聞で試合結果や好きな選手の成績を眺めては、「ヒットがあと2本出たら打率3割だ」「今日9回投げて自責点2以内なら防御率が2点を切るぞ!」といった視点でデータを計算し、夜にテレビやラジオの中継で答え合わせするのが大好きでした。
社会人になってからも、手段がスポーツ新聞からインターネットの速報・成績データに変わった以外は、同じように成績データを見ては打率や防御率などを暗算して楽しんでいました。
そんな中、2004年(当時24歳)に見たメジャーリーグの番組で、
といった、「データから客観的にプレイを評価し、選手・チームを改善していく」概念が紹介され、たいへん強い衝撃を受けました。
「マネー・ボール」と呼ばれるこの理論は、同名の書籍および映画で世に広まり、現在に至るまで野球(と他の球技)のデータ分析・解析に大きな影響を与えています。
新しい野球理論に衝撃と感銘を受けた私は、すぐさま書籍を購入。何度も読み直し、瞬く間に「新しいデータ野球」の虜(とりこ)になりました。その後は、日本およびアメリカの野球雑誌やWebサイトでいろいろなデータを探し、感想や見解をSNSに投稿するようになりました。
また、エンジニアとしても、データ好きが興じて5年ほど前(2013年)にハマっていた野球のソーシャルゲーム「ファンタジーベースボール」に勝つためのツールを作ったり、インターネットで手に入る情報を基に、マネー・ボール理論やセイバーメトリクス(野球データを統計学的アプローチで分析する概念・手法)を駆使して野球を分析するようになり、次第にこんな夢を持つようになりました。
「いつの日か、私もマネー・ボールのような仕事がしたい!」
「野球の仕事をやるんだ!」と決意したのが3年前(2015年)で、実際に野球の仕事を始めたのが今年(2018年)です。この間にどのようなマイルストーンがあったのか、エンジニアとしてビジネスマンとしての転機が訪れた4年前(2014年)からお話していきます。
そのころ勤めていたベイカレント・コンサルティングでは、数々のプロジェクトを通じて次のような経験を積むことができました。
キャッチアップと実践にかなり苦戦しましたが、習得した知見でできることが増えると楽しくなり、いつの間にか前述した野球ツールの開発やデータの分析を、Pythonとアジャイルを駆使して趣味で実践するようになりました。
そして迎えた2014年(34歳)の春、これらの知見やノウハウが「メディア事業で通用するかどうかチャレンジしたい!」という気持ちが強くなり、縁あってリクルート住まいカンパニー(SUUMO)にジョインしました。
リクルートでは、新規事業から、Webアプリプラットフォームの企画開発、既存Webサイトのリニューアルなどを経験しました。
一方、その頃、プライベートで継続していた野球データ分析に関するエンジニアリングの話を、Pythonのカンファレンス「PyCon JP 2015」のトークとして応募したところ採択され、発表しました。
結果は大盛況に終わりました。応援してくれる友達や聴衆から暖かい応援とフィードバックをもらうとともに、「俺は野球のエンジニアになるぞ!」と初めて人前で宣言をしました。
この宣言後、あらためて自分のキャリアに向き合った結果、「小さな組織・小さなチームで、何でもやる経験が必要!」と思い立ち、ベンチャー企業へのキャリアチェンジを決めました。
「野球エンジニアになるぞ!」の目標からキャリアを組み立てる「逆算のキャリア設計」の始まりです。
リクルート退職後にお世話になったスポットコンサルのベンチャー「ビザスク」では、
といった、小さいチームならではの経験をたくさん積むことができました。
また、その後にジョインした実名グルメサービス「Retty」でも、上記のミッションに加えて次の体験ができました。
共に未経験のミッションが多かったのですが、常にイシューに分けて小さく実施して振り返る「アジャイル」な思想とプロセスで乗り切ることができました。
これらはエンジニアだけやるなら必ずしもやらなくていい、中には「エンジニアの仕事じゃねえ」と言って断ってもよさそうな仕事もあったかもしれませんが、
「未知の世界である”野球界”に行く前に、IT事業でやり得ることは何でもやるぞ!」
と心の中で決めてベンチャーに行ったので、特に苦にはなりませんでした(嫌だなと思ったことは何度かありますが……苦笑)。むしろ、多くのエンジニアが経験していないキャリアを積むことが多く、たいへん多くの学びを得ました。
「エンジニアのビジネス貢献はプログラミングだけではない」
ここで得たこの経験が、後の野球エンジニアへのチャンスにつながりました。
一方で、ベイカレント・コンサルティングにいたころから、
といった活動をしており、地道に分析を進めたり、プロダクトを開発したりしていました。
こうした「独学」と並行して、コミュニティでの学習も行いました。
これを繰り返しながら、上級者や有識者の知見・ノウハウをキャッチアップし、分析やプロダクトの完成度を高めていきました。
こういった活動の成果がきっかけで、PyCon JPなどの大規模カンファレンスに登壇したり、自分のブログで取り上げた分析がバズるなど、多くの方々から反響をもらうことができました。これによって「ドキュメンテーション」や「プレゼンテーション」といった、エンジニアのみならずビジネスマンとしても必要な基礎スキルも向上することができ、リクルートやベンチャーにジョインした際に、自分の大きな強みとなりました。
こうした活動で「野球エンジニア」を目指している人として認知が広まり、成果やブログ記事がネクストベースのメンバーの目に留まったことで、このようなオファーをもらいました。
「中川さんを(野球エンジニアとして)ドラフト一位指名したい」
何度かの面談とディスカッションの後でオファーを承諾し、とうとう「野球エンジニア」が誕生したのです。
現在はネクストベースのWay(理念)である、「INNOVATIONS FOR ALL ATHLETES(全てのアスリートに技術革新を)」を、IT・データ・エンジニアリングの面で実現する責任者として、前のめりに事業を進めており、主に分析プロダクト「BACS(バックス)」、自社メディア「Baseball Geeks(ベースボールギークス)」の保守運用を通じて現状の改善を進めたり、新たな分析・プロダクトに向けた準備を行ったりしています。
また、8名という小さいチームをより機能的にするため、ベンチャー時代に培った「何でもやった経験」を実践し、メンバーにノウハウを還元したり、自社サービスの「Baseball Geeks(ベースボールギークス)」片手に野球観戦をする「ドッグフーディング」にも積極的に取り組んでいます。
こうした日々の小さなイシュー・施策をコツコツと進めながら、「プロ野球・メジャーリーグの分析界隈をネクストベースが席巻する」「侍ジャパンの分析スタッフになる」という次の塁(NEXT BASE)を狙っていきたいです。
私が夢として、目標として描いていた「野球エンジニア」になれたのは、以下の4つを大切にしたからじゃないか? と考えています。
具体的にどのようなことを実践していたのか、順に説明していきましょう。
「好きこそものの上手なれ」とよく言うように、まずは「好きなことを追求してやりきる!」ことが大切だと思います。
私の場合は「野球データ」と「マネー・ボール」に加えて、「Python」と「アジャイル」という好きなものがあったことにより、この組み合わせで分析やプロダクト作りを徹底的に追求することができました。
好きなこと・得意なことのドメイン以外での強みを持つことも大切です。
エンジニアの場合、
を意識して磨き、実践し、「私の強みは○○です、これは世の中のエンジニアと比べて△△な強みがあり(以下略)」というような話を、評価面談や転職時の面接で自信をもってできるぐらいになることが大切です。こういった行動は、(なるんだ!とはまた別の文脈として)エンジニアの生存戦略としても非常に有効だと思います。
また、自社の事業を知る・詳しくなるテクニックとして、サービス・プロダクトをとにかく使い倒してフィードバックを返す「ドッグフーディング」も、かなり有効です。
エンジニアリングや人との接点、追求したいビジネス領域を鍛えるために、関連するコミュニティに参加しながら修行をするのも良いかと思います。
このような行動は、その道のプロやベテランとの接点が生まれるだけでなく、同じような課題・思いがある人と交流することにより、活力や人脈が広がり、結果として次のチャンスにつながるキッカケも生まれます。
ただ、のめり込み過ぎると「独学(独習)」の時間がなくなったり(これもすごく大切な時間です)、何より家族・友人や私生活にも支障をきたすことになるので、程よく休むことも併せてオススメします。
「野球エンジニアになるんだ!」と決めるまでは、やみくもに勉強や転職、仕事をしていた私ですが、明確に野球エンジニアを目指すようになってからは、以下を言語化・整理し、実践するようにしました。
活動の結果は発表資料・コード・ブログにまとめ、定期的に見直したり、SNSの反響などをチェックして振り返りながらやっていきました。
今思えば「野球データ使うから機械学習エンジニアになるぞ!」と安直に決めたり、やみくもに勉強会・イベントにたくさん行かなくて(必要なものだけ行って)良かったと思っています。
「私は○○エンジニアになる」という目標の立て方も良いですが、
大きい目標を立てて愚直にアジャイルに進める「逆算のキャリア設計」を強くオススメしたいです!
念願の野球エンジニアになりましたが、まだまだ道の途中。
今後も自分のキャリアを逆算し、新たな目標に向かいつつ、ネクストベースの一員として、野球エンジニアとして、ITとデータ、エンジニアリングの力で野球界を「次の塁(Next Base)」に進めていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
中川 伸一(なかがわ・しんいち)@shinyorke
Shinichi-Nakagawa
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