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キャリア形成とは? その考え方 年代別ポイントと今すぐできること

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働き方の多様化が求められている時代。たとえハイキャリアのビジネスパーソンであっても、キャリア形成は避けては通れません。国もその重要性を認識し始め、文部科学省、厚生労働省などがサポート体制を整え始めています。では、キャリア形成をしようとするとき、私たちは何を、どう考えればいいのでしょうか? キャリア形成の考え方と、そして今すぐできることを紹介します。 

キャリア形成とは?その意味・目的と考え方

以前は「終身雇用」の考え方が主流だったため、企業で働く人にとって重視すべきは“組織で昇進するためのキャリア”でした。しかし最近は転職、副業、フリーランスへの転身などを含め、働き方が多様になった結果、一つの会社を軸にキャリアを考えるのではなく、広い視野で「10年後、20年後、どこでどんな仕事に就いていたいのか」を明確にデザインする時代がやってきました。そしてその理想の自分に近づくために「今、どんなキャリアを積めばいいのか?」と考えることがキャリア形成の考え方です。

ハイクラスのビジネスパーソンも例外でなく、自身のキャリア形成について考えておかないと、あとで取り返しのつかない事態になることもありそうです。

キャリア形成をしておくことの目的・メリットは?その必要性

キャリア形成をしておく目的には、次のステージへスムーズに移行する、または希望通りの職種にスイッチすることも含まれます。例えば突然、会社が倒産したとしても、キャリアをしっかり形成しておけば、次の転職先はスムーズに決まる可能性が高いでしょう。“転ばぬ先の杖”として、キャリア形成をしておくことは、将来の自分への投資でもあると考えられます。

キャリア形成のあり方 その内容は?

キャリア形成のあり方として望ましいのは、目の前の仕事をしっかりこなしながら、さらにその先のビジョンを明確に持つことです。

キャリア形成のベースは「リーダーシップ」をとり先頭に立つタイプか、それとも「専門性」を特化させてスキルアップを目指すタイプかの概ね2つに分かれると思います。

それは個人の適性や、現在の役職、職種によっても異なります。
またライフスタイルによっても、キャリア形成の内容は当然変化してきます。身に着けるべきキャリアは、その時々で変わります。そのため、状況に応じて柔軟に対応できる姿勢が重要になってくるのです。

時に失敗することもあるキャリア形成の課題

キャリア形成は長いスパンで行わなければいけません。しかし現時点の状況や、世の中の情勢などを見誤ると、必要だったキャリアを身につけられず、ただ時間を浪費しただけという結果に終わることもあります。

一定以上のキャリアを持った人は、将来の展望を見据えて目標を立てることが重要になってきます。

しかしここでも“動機”や“意志”だけに注力して、個人の“能力”や“適性”を考慮しないプランを立ててしまうと、結局、それは夢物語に終わってしまうことにもなりかねません。キャリア形成を考えたとき、等身大の自分をきちんと理解し、そこで築いていけるキャリアは何かを見定めていくことが成功への一歩だと言えます。

キャリア教育、キャリア支援に国も力を入れている

国も今後のキャリア形成の重要性を提唱し、学校教育におけるスキル向上の教育や、キャリアアップするための支援体制を整え始めています。具体的に見てみましょう。

文部科学省による、学生に向けたキャリア教育

文部科学省は「一人一人の社会的・職業的自立に向け,必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して,キャリア発達を促す教育」という定義を基に、小学校から高等学校まで成長に合わせたキャリア教育推進のプログラムを提示しています。

小学校 働くことの大切さの理解、興味・関心の幅の拡大等、社会性、自主性・自律性、関心・意欲等を養う
中学校 社会における自らの役割や将来の生き方、働き方などを考えさせ、目標を立てて計画的に取り組む態度を育成し、進路の選択・決定に導く
後期中等教育 生涯にわたる多様なキャリア形成に共通して必要な能力や態度を育成し、これを通じて勤労観・職業観等の価値観を自ら形成・確立する
高等教育 学校から社会・職業への移行を見据えて、自らの視野を広げ、進路を具体化し、それまでに育成した社会的・職業的自立に必要な能力や態度を伸張・深化させる取り組みを教育課程の内外での学習や活動を通じて充実

出典元:文部科学省 キャリアの推進

さらに大学では、生き方や働き方を設計する力をつけるための「キャリアコア科目」などを設置しているところもあります。ほかにも学生にキャリア形成レポートの書き方指導などを行い、今後の課題を見つけサポートする学校もあるようです。

厚生労働省による、キャリア形成サポートセンターや支援制度

厚生労働省でも“労働者のキャリア形成促進”を目的とした、「キャリア形成サポートセンター」や、「キャリア形成支援」制度を設けています。 

・キャリア形成サポートセンター

キャリア形成サポートセンターは、現在働いている人に“ジョブカード”を記載してもらい、それを基にキャリアコンサルティングを無料で受けられるようサポートする窓口です。相談は対面、オンラインどちらも可能。今後のキャリアの相談、スキルアップ・キャリアアップの悩みなどを話すことで、主体的なキャリア形成ができるよう支援をしていきます。

・キャリア形成支援

個人に向けた支援としては、「キャリアコンサルティングの育成」。雇用保険に加入している(していた人)が、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講し、修了すると、かかった費用の20%(上限10万円)を補助してくれるシステムがあります。

企業に対しては現在の仕事にプラスになる技能や知識を習得するための制度を導入すると、経費や賃金の一部を助成してくれます。

他に、雇用する労働者に対して、職業訓練などを計画に沿って実施した場合の訓練経費や、期間中の賃金の一部を企業に支援する“キャリア形成促進助成金”という補助金制度などがあります。

企業におけるスタッフのキャリア形成

文部科学省、厚生労働省がキャリア形成の支援を始めたことで、企業側も社員のキャリア形成を積極的にサポートするところが増えました。最近では管理職が「部下のキャリア形成を考えた指導をするように」と要求されることも増えています。

管理職自身の、先を見据えたキャリア形成

一方、ハイキャリアの管理職も、部下の指導だけでなく自分のキャリア形成について考えなければなりません。5年、10年先を見据えて「いま、自分にとって必要なことは何か?」を常に意識しておくことも、有能なビジネスパーソンには求められています。

キャリア形成のための6つのステップとは?

平成13年5月に発表した厚生労働省の「キャリアコンサルティング技法等に関する調査研究報告書の概要」によると、「自己理解」 「仕事理解」「啓発的経験(意思決定を行う前の体験)」「キャリア選択に係る意思決定」、「方策の実行(意思決定したことの実行)」「仕事への適応」の6つのステップを繰り返すことで、キャリアは形成されていくと提唱しています。

そしてキャリアコンサルタントが、ビジネスパーソンとカウンセリングするときは、この6つのステップをヒアリングし、サポートしていくことが多いそうです。

自己理解 仕事、職務に関して「自分自身」を理解する。
仕事理解 仕事の内容や職種を把握し、その先のキャリア・ルートを理解する。
啓発的経験 選択や意思決定の前に、まず体験してみる。
キャリア選択に係る意思決定 キャリアコンサルティングから提示されたキャリアから、選択する。
方策の実行 キャリア・ルートや、キャリアの方向性などを決定し、実行に移す。
仕事への適応 新しい仕事への適応。

年代別のポイントと、キャリア形成の例

キャリアの形成に年齢制限はありませんが、働けるタイムリミットは決まっています。また働いている期間によっても、考えなければならないキャリア形成はかわってきます。次は年代別に、キャリア形成をどう考えればいいのかを見てみましょう。

30代のキャリア形成 「社内での自身に対するニーズを探る」

新卒入社から転職をしていなければ、仕事にも十分に慣れてきた頃です。部下もでき、一通り仕事を回せるようになった、そんな30代は、これまで自分がどんな仕事をしてきたのかを分析することが大切です。そして社内で自分に求められている役割は何かを考え、今後、どのように貢献できるかを考えた上での、キャリアアップが求められます。まずは自身の強みを見つめ直し、社内での位置を俯瞰することから始めましょう。

40代のキャリア形成 「マネジメントスキルを身に着ける」

目の前の仕事、与えられた役割を確実にこなしていくことを求められる30代と比べて、40代は仕事全体を円滑にまわすマネジメントスキルが求められます。リーダーシップを発揮する場面も増え、人材の育成を任せられる機会も多くなるでしょう。今までは自分流のやり方や意見を押し通していた人も、部下を持つと、これまでとは状況が変わってきます。年代や性別により異なった価値観を受け入れ、意見に耳を傾けて、冷静に判断していくスキルが必要とされます。

女性のキャリアプランで、気をつけたいこと「ライフプランに柔軟なプランを考える」

女性は結婚や出産などのライフプランも考えたうえで、キャリア形成をすることが大切になっていきます。

状況に応じてキャリアプランが変わってしまうこともあるでしょう。その時は「どうすれば自分は幸せか?」をまず考えましょう。そして出産や育休などをとっても働き続けることができるのか、復帰後はどのような働き方をしたいのかなどをイメージした上で周囲の声に流されず、臨機応変にプランを変更するなど、柔軟に対応することを心がけましょう。

キャリアプランについてはこちらの記事もぜひ参考にしてください。

具体的にキャリア形成をしていくための方法は

キャリア形成について色々な方向から見てきましたが、今すぐにできる具体的なキャリアアップの方法についていくつか挙げてみます。

資格取得に励む

キャリア形成に必要な資格は、いまから勉強しても遅すぎることはありません。キャリア支援制度などを上手に活用して必要な資格を取得してみましょう。
やみくもに資格取得をするのではなく、今の仕事に役立つ、あるいは今後目指すキャリアに必要な、役立つ資格は何かを十分にリサーチしてから、取得を目指しましょう。

企業が実施している教育研修、職業訓練

企業の教育研修、職業訓練に積極的に参加してスキルアップを目指すのも、今できるキャリア形成の1つの方法です。
社内でのキャリアアップを目指す場合、仕事や昇進に直結する研修や訓練であることが多いので積極的に取りにいきましょう。

セミナーや本で独学

プライベートな時間にセミナーに参加したり、本を読んだりして有効に過ごす。そんなルーティンを習慣化して、キャリア形成のベースを作っておきましょう。

転職して、より求めるスキルが身につく仕事に従事する

従事している仕事で身に着くスキルの、さらにその上を目指したいなら、あるいは、自身のキャリアプランに必要なスキルが、現職では身に着かないと判断するのであれば、転職という選択肢も検討する必要があります。

第三者に相談する

キャリアサポートセンターや、転職エージェントなどを利用して、キャリアコンサルタントに相談するのもおすすめです。現在の自分を冷静に判断してくれる第三者の意見は、キャリア形成を考える上でとても参考になります。

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キャリア形成は一人で考えていると、自分を過大または過小評価してしまいがちです。キャリアコンサルタントなど、プロに相談することで、今まで知らなかった自分の可能性に気づくこともできます。パソナキャリアではキャリア形成などの相談も無料で行っています。まずは登録してみてください。