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【例文付き】志望動機の書き方・話し方とは?履歴書や面接での効果的なアピール方法を解説

志望動機の書き方・話し方とは?履歴書や面接での効果的なアピール方法を解説

転職活動において、絶対に避けては通れないのが「志望動機」の作成です。志望動機は、入社意欲の強さをアピールする項目として、採用担当者からも必ずといっていいほど注目されます。そのため、履歴書・職務経歴書や面接で志望動機をより印象的に伝えるためには、事前に書き方・話し方のポイントをよく理解しておく必要があるでしょう。

そこで今回は、志望動機の構成や必須要素について、例文・テンプレート付きでわかりやすく解説します。また、志望動機の効果的なアピール方法に関して、履歴書・職務経歴書に【書く】パターンと面接で【話す】パターンにわけて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

そもそも志望動機とは?

そもそも履歴書の志望動機には、どのような役割があるのでしょうか。本章では、志望動機の定義や自己PRとの違い、重要な理由について解説します。

志望動機とは?自己PRとの違い

志望動機とは、応募先の企業で働きたいと思った理由・背景のことです。具体的には、活かせる能力や経験、企業への共感、入社後に実現したいビジョンなどを伝えることで、志望度の強さを採用担当者へアピールします。「なぜ数ある選択肢のなかからその企業・職種を選んだのか」を、根拠も含めて示すことが重要なポイントです。

一方の自己PRは、自分の強み・武器をアピールするための項目です。主に自身のスキルや実績、資格、人柄などを紹介することで、他の人材と比べた優位点をわかりやすく示します。志望動機は「なぜその企業を選んだのか」、自己PRは「入社後どのような強みを活かせるか」に重点を置くことが、大きな違いといえるでしょう。

なぜ志望動機は重要なのか

志望動機は、特に採用担当者から重要視されている項目の一つです。

というのも、志望動機の内容には、企業に対する理解度の深さや入社意欲の強さが色濃く表れます。仮に抽象的でどの企業でも当てはまるような志望動機を書いてしまうと、企業から「自社でなくてもいいのではないか」「入社してもすぐに別の企業へ転職してしまうのではないか」という印象を持たれてしまいます。企業との相性や入社後の活躍度合いを採用担当者にイメージしてもらう意味でも、志望動機は入念に作成する必要があるのです。

【書く】採用担当者は志望動機で何をチェックしている?

採用担当者は履歴書・職務経歴書の志望動機を見て、具体的にどのようなことを見極めているのでしょうか。本章では、採用担当者が志望動機でチェックしている主なポイントについて解説します。

応募先で活かせるスキル・経験があるか

採用担当者は、応募者の志望動機を見て「入社後に活躍してくれそうか」を判断しています。そのため、各求人の応募要件や職務内容を確認したうえで、それと合致するようなスキル・経験をアピールすることが大切です。必要な能力を備えているという事実が伝われば、採用担当者にも入社後の働きぶりをイメージしてもらいやすいでしょう。

応募先で実現したいキャリアプランが明確か

採用担当者にとって、「応募者が定着してくれるかどうか」は非常に重要なポイントです。そのため、志望動機には入社後に実現したいキャリアプランも盛り込み、仕事への熱意を伝えるようにしましょう。入社後の具体的な目標や働き方を説明できれば、採用担当者から「長く活躍してくれそう」という印象を持たれやすくなります。

応募先を選んだ必然性があるか

採用担当者が志望動機を確かめる際は、「応募者がどのくらい深く企業を理解できているか」を見極めるという狙いもあります。熱心に企業研究できている応募者ほど、仕事への志望度も強いといえるからです。そのため、志望動機を考える際は応募先の経営理念や事業モデル、社風などを理解し、それらを踏まえた内容にしましょう。その企業にしか言えないオリジナルな志望動機であれば、採用担当者に企業理解の深さが伝わりやすくなります。

過去の経歴と一貫性があるか

志望動機では、前職・現職を辞めた理由と、転職先を選んだ理由に一貫性があるかどうかも重要なポイントです。「前職で感じた希望や想いを、応募先でなら実現できると考えた」というわかりやすい流れにすると、採用担当者の納得感も高くなります。退職理由を今一度整理しておくことで、志望動機とも紐づけやすくなるでしょう。

【書く】志望動機のフォーマットと文字数

履歴書・職務経歴書の志望動機を書く際、フォーマットや文字数をどうすべきか迷う人も多いかもしれません。本章では、志望動機に適したフォーマットや記入方法、文字数などについて解説します。

履歴書の最適なフォーマット

履歴書のフォーマットは、実は一つではありません。応募先企業の指定フォーマットがあればそれに従いますが、特に指定がない場合は、自分がアピールしたい点を強調しやすいものかどうかを基準に選ぶと良いでしょう。

例えば、未経験や応募する職種の業務経験が不足している場合は、自己PRの記入欄があるフォーマットを選ぶようにしましょう。職務経歴でアピールできる項目がなくても、自己PR欄があれば「これまでの経験をどう活かそうと考えているのか」「どういったスキルがあるのか」を書くことができます。そうすることで、一見足りないと思われかねない職務経歴をフォローすることが可能です。

手書きでもPC入力でもOK

履歴書をパソコンで作成するか、あるいは市販の履歴書を買って手書きで記入すべきかについては、求人の募集要項を確認してみましょう。書き方の指定があればそれに従い、特に指定がなければ、どちらでも問題ありません。ただし、近年はPCで作成される方が圧倒的に多い印象です。メールやインターネット上で応募書類のやりとりをする場合も、わざわざ手書きで作成する必要はありません。手書きの指定がないなら、ほとんどの方はPCで作成して問題ないでしょう。

もし手書きで履歴書を作成する場合は、読みやすさが大切です。字がきれいであるに越したことはありませんが、自分の字に自信がない場合も丁寧に書くようにしましょう。雑に書いた文字は相手にも伝わってしまいますので、注意が必要です。

手書きで履歴書を作成する際は、黒のボールペンを使って記入します。書き損じた際には修正液などは使わず、新しい履歴書の用紙に書き直します。消せるボールペンや、シャープペンシル、鉛筆での記入はNGです。

志望動機の文字数

志望動機は、選考を受ける会社への入社意志を表示する文章でもあります。そのため、短すぎるのはNGです。手書き・PCに関わらず、志望動機や自己PR欄は300字程度を目安に書くようにしましょう。文字量が少ないと、応募意欲を疑問視される可能性があります。

履歴書の志望動機欄が小さくて書ききれないという場合は、志望動機書を別書類として添えても良いでしょう。その場合は内容が散漫にならないよう、簡潔にわかりやすく記載し、多くともA4用紙1枚800字程度にまとめることをおすすめします。

【書く】志望動機を履歴書・職務経歴書に書くときの流れ

志望動機はいきなり履歴書・職務経歴書に書き始めるのではなく、まずは思考を整理することが大切です。本章では、志望動機を書くときの流れについて4つのステップで解説します。

01自分の転職理由をあらためて整理する

志望動機を一言でいえば、「前職で成しえなかったことを、応募先でなら実現できると感じた」という内容を述べるものです。そのため、まずは前職で成しえなかったこと(転職の理由)をあらためて整理してみましょう。

例えば、「もっと大きな規模の案件に携わりたい」「成果を正当に評価してもらいたい」「共感できる社風のもとで働きたい」などが挙げられます。また、こうした不満や要望をどのような瞬間に感じたのかも、細かく思い出しておくことがポイントです。転職したいと感じた経験について、具体的なエピソードで話せるようにしておくと、志望動機を組み立てやすくなります。

02応募企業を研究し、特徴を見つける

続いては、応募企業のことを入念に研究し、求職者として魅力的に感じるポイントを見つけましょう。

例としては、「経営が安定している」「社員一人ひとりの裁量が大きい」「給与水準が高い」など、さまざまな点が挙げられます。福利厚生や勤務体系、オフィスの立地、社風、経営方針、社長の人柄にいたるまで、多面的に企業の特徴を見つけることがポイントです。

企業理解を深めるためには、できるだけ幅広い情報源を駆使することも重要です。企業のホームページや求人情報だけでなく、IR情報、経済紙・ビジネス誌などもチェックし、企業の魅力を深掘りするよう心がけましょう。

03転職理由と企業の特徴をひもづける

次は、01で考えた転職理由と、STEP2で洗い出した応募企業の特徴を照らし合わせて、重なる部分を探しましょう。

例えば、「より成長できる環境で働きたい」という転職理由を持っている場合は、応募企業の「社員一人ひとりの裁量が大きい」という特徴が非常に魅力的に見えるはずです。このように自分の転職理由と応募企業の特徴を重ね合わせてみると、応募企業だからこそ実現できるキャリアや働き方が見えてきます。それこそが、志望動機で表現すべき内容です。

04志望動機としてまとめる

最後は、志望動機を文章としてわかりやすくまとめましょう。

構成としては、最初に「私が貴社を志望する理由は○○である」と結論を述べます。そのうえで、転職を決意したエピソードや応募企業の魅力について説明していく流れが自然です。そして、最後に「貴社へ入社して貢献したい」という決意表明で締めくくると、志望意欲の強さが伝わりやすくなります。

ちなみに履歴書・職務経歴書で応募企業のことを指す場合は、「御社」ではなく「貴社」という表現を使うこともポイントです。面接のように口頭で話す場面では「御社」を使用するので、意識して使い分けましょう。

【書く】好印象な志望動機を書くためのポイント

志望動機を書くときには、いくつかのコツを押さえておくことでより魅力的な内容に仕上げられます。本章では、志望動機で採用担当者に好印象を与えるためのポイントについて見てみましょう。

長期的なキャリアプランを見据える

志望動機の内容は、長期的なキャリアプランも見据えたうえで考えることが大切です。というのも、実現したいキャリアビジョンを志望動機に盛り込めば、採用担当者にも「一時的な感情で転職するわけではなさそう」と計画性の高さを感じてもらえます。

また、将来を見据えた転職であれば、入社後に長く定着しそうな印象も持たれやすくなります。志望動機に説得力を持たせる意味でも、将来成し遂げたい目標や仕事選びの軸などを、今一度整理しておくようにしましょう。

後ろ向きな転職理由は、前向きに表現する

退職・転職の理由については、できるだけネガティブな内容は避けましょう。特に前職の上司や同僚に対する愚痴、待遇への不満などを直接的に表現するのは望ましくありません。周囲や自社への批判は、「責任を他人に転嫁する人なのではないか」「また同じような理由で退職するのではないか」という印象を持たれやすいためです。

もし転職理由が後ろ向きになりそうな場合は、ポジティブに言い換えることがポイントです。例えば、給与への不満が転職理由の場合は、「スキルがより正当に評価される環境で活躍したい」といった言葉で表現します。人間関係への不満が転職理由の場合は、「チームワークをより強く発揮できる環境で働きたい」と伝える方法もあるでしょう。“前向きな転職”であることを伝えられると、採用担当者から良い印象を持たれやすくなります。

企業側の“採用メリット”も意識する

志望動機は、自分の「入社したい」という想いを一方的に伝えるためだけの項目ではありません。大事なのは、採用担当者に「この人材を採用したい」と感じてもらうことです。そのため、企業側の採用メリットも意識して、志望動機を考えることが不可欠といえます。

例えば、「残業を今より少なくしたい」「仕事量をもっと減らしたい」といった転職理由は、企業側から見ると採用メリットをあまり感じられません。一方「スキルをさらに伸ばしたい」「裁量をより強く発揮したい」といった転職理由であれば、入社後の活躍イメージが持てるため、採用メリットを感じやすくなります。このように求職者目線を離れ、読み手である採用担当者の感情を想像すると、より説得力の高い志望動機を書けるでしょう。

【書く】こんな志望動機はNG!避けたいポイント

志望動機に対して、採用担当者から悪い印象を持たれてしまうのは避けたいところです。そこで本章では、志望動機を書く際に避けるべき“4つ”のNGポイントについて解説します。

具体性が足りない

「理念に共感したから」「今までのスキルを活かせると思ったから」など、抽象的な志望動機はどの企業にでも当てはまる内容になってしまいます。採用担当者からも、企業理解が浅いと判断されかねません。大切なのは、エピソードに具体性を持たせることです。例えば、理念への共感を志望動機に挙げるのであれば、「具体的にどのような部分に共感したのか」「仕事でどのように活かせそうなのか」まで含めて伝えることを意識しましょう。

消費者の視点しか持っていない

「社名をよくCMで見かけるから」「商品を愛用しているから」というユーザー目線の志望動機は、採用担当者から評価されにくい内容です。というのも、採用活動で企業が求めているのは、ファンではなく社員です。応募者が消費者の視点しか持っていない場合、入社後に貢献してくれるかどうかがわかりません。そのため、志望動機を書く際は、自分を採用することによって得られる“企業側”のメリットを強く意識するようにしましょう。

受け身な志望動機になっている

「研修が充実していそうだから」「入社後に学ばせてもらえそうだから」という志望動機は、採用担当者から受け身な印象を持たれてしまいます。大切なのは、入社後に活躍したいという能動的な姿勢を伝えることです。仮にスキルが足りていないと感じた場合は、今後自己研さんして習得したいという主体性を示すようにしましょう。

待遇や休日だけが理由になっている

「プライベートの時間を増やしたいから」「オフィスが家から近いから」「給与水準が高いから」など、労働条件を全面に押し出した志望動機は、仕事への消極的な姿勢が採用担当者に伝わってしまいます。そのため、志望動機を考える際には、あくまで待遇面の話はサブにして、入社後の貢献意欲に焦点を当てることがポイントです。

【書く】当てはめれば完成!志望動機のテンプレート

当てはめれば完成!志望動機のテンプレート ①魅力的に感じた理由を端的に提示する(結論)私が貴社に志望する理由は●●です ②魅力に感じるに至った経緯を具体的に説明する(背景の説明) なぜなら私は前職で●●という状況でした ③どのように貢献したいか意思表示する(決意表明) 入社後は貴社の●●に貢献したい所存です

志望動機を書くときには、論理的にわかりやすい構成(テンプレート)に当てはめて書くことで、採用担当者に内容がより伝わりやすくなります。本章では、志望動機のテンプレートを紹介しますので、ぜひ履歴書・職務経歴書を書くときの参考にしてみてください

1.「私が貴社を志望する理由は○○です」(結論)

志望動機の書き出しは、その企業へ応募した理由をひと言で伝えましょう。

例えば、「裁量の大きさに魅力を感じたため」「努力が正当に評価される社風に惹かれたため」などの内容です。結論ファーストを心がけることで、採用担当者によりスムーズに内容を理解してもらえるようになります。また、冒頭で応募の理由を明確にしておけば、文章の途中で方向性が変わってしまう心配もなくなるでしょう。

  • ・「私が貴社を志望した理由は、○○です」
  • ・「私は貴社の○○という点に強く惹かれ、応募いたしました」
  • ・「私がこのたび貴社を志望したのは、○○に魅力を感じたためです」

2.「なぜなら私は前職で○○という状況でした」(背景の説明)

続いては、書き出しで述べた応募理由を、詳しく説明しましょう。

具体的には、前職での業務内容や、前職で抱えていた課題と要望、長期的にかなえたいキャリアの展望などを伝えます。具体的なエピソードが添えられていると、よりイメージの湧きやすい志望動機になるでしょう。

また、この部分では、自分の業務スキルについて触れることも重要です。求人広告の「応募資格」をすべて満たしていることが伝われば、採用担当者から即戦力として認識されやすくなります。

  • ・「私は前職で○○の業務を担当しており、○○という葛藤を感じていました。より○○な環境に身を置きたいと考え、○○という特徴を持つ貴社を志望しました」
  • ・「私は前職で○○という業務に携わり、○○というスキルを身につけるなかで、○○というキャリアの展望を抱くようになりました。そこで、理想のキャリアを実現すべく、○○な魅力を持つ貴社への応募を決意しました」

3.「入社後は貴社の○○に貢献したい所存です」(決意表明)

締めくくりは、入社にあたっての決意を表明しましょう。

例えば、「貴社の事業拡大に貢献したい」「貴社の中核的な存在として活躍したい」などが挙げられます。最後に貢献意欲の強さをアピールすることで、採用担当者にも採用メリットを感じてもらいやすくなり、好印象につながるでしょう。

  • ・「入社後はこれまでの経験を活かし、貴社の○○に貢献したい所存です」
  • ・「入社後は一刻も早く戦力になれるよう努力し、貴社の○○に寄与したいと考えています」

【書く】<職種別>志望動機の例文、良い例&悪い例

続いては、具体的な志望動機の例文・書き方の事例を見ていきましょう。職種別に良い例と悪い例を紹介しますので、履歴書・職務経歴書を書くときの参考にしてみてください。

営業職編

良い例文

私が貴社を志望する理由は、顧客満足度を深く追求できると考えたためです。私は不動産会社の営業職として、個人向けに賃貸物件の紹介や中古マンション販売の仲介を担当しています。顧客の生活をサポートする仕事にやりがいを感じていましたが、既存物件の販売では、お客様のご要望通りの紹介ができないことも多々あり、もどかしく感じておりました。次第に、お客様のご要望にお応えできる住宅や、お客様の個性を表現できる住宅の販売を手がけたい気持ちが強くなり、注文住宅販売をメインとする貴社の営業職に興味を持ちました。多くの賃貸、販売物件を取り扱ってきた経験を活かして、お客様のご要望に対し、最善の提案をすることで、理想の家づくりのお手伝いができると考えております。顧客満足度の高い営業を目指し、ぜひ貴社の事業に貢献したいです。

悪い例文

大学卒業後、不動産会社で営業職に就き、個人向けに賃貸物件の紹介や中古マンション販売の仲介を行いました。お客さまに感謝の言葉をいただくこともあり、やりがいを感じておりましたが、目標達成のために余裕のない日々が続き限界を感じたため、転職に踏み切りました。貴社の「顧客との付き合いを重視する」というスローガンを拝見し、前職とは違う働き方ができると考え、応募しました。経験を活かし、貴社業務に貢献する所存です。

ポイント

良い例文は、前職の実績を踏まえた前向きな転職であることがアピールされています。応募する企業の特色に志望動機を関連付けている点も説得力があります。

悪い例文は、目標の達成がつらいことが転職理由に見え、ネガティブな印象です。

事務職編

良い例文

私が貴社を志望する理由は、専門性を身につけたいと考えたためです。私は前職でも、総務事務の仕事をしておりました。総務部門は最低限の人員で構成されており、株主総会や社内イベントの企画、備品発注、経費精算など、業務を幅広くこなすなかで数多くの学びを得ることができました。しかし、今後のキャリアを考えた際に、総務の中でも何らかの得意分野を作ることで、より専門性を究めていきたいと考え、転職を決意した次第です。

貴社は、社内行事に力を入れており、総務部の中で専門のチームを組んでいると聞き、従業員の満足度を上げるイベント施策に専門的に取り組むことができるのではないかと考えております。私は前職の業務経験から、マルチタスクで物事を進めることや進捗管理は得意としておりますので、もしチャンスをいただけるのであればイベントを統括するポジションなどにもチャレンジしていきたいです。そして、社員の楽しめるイベントを企画・運営することで、社員の団結力や会社に対する満足度を向上させることに貢献していきたいと考えています。

悪い例文

前職でも総務事務の仕事をしておりましたので、こちらの仕事でも自分の経験を活かせると思い、応募いたしました。貴社のホームページを拝見し、社長の考え方や仕事への取り組みなどに感銘を受けました。また、貴社は残業が少なく、駅からも近いので仕事帰りに必要な買い物を済ませて帰ることができる点にも魅力を感じました。

ポイント

良い例文は、前職の実績を踏まえ、さらに目標を持った前向きな転職であることがアピールされています。

悪い例文は、残業が少ない、駅から近いことなどに魅力を感じたなど、仕事へ対する意欲が感じられません。

エンジニア編

良い例文

私が貴社を志望する理由は、生産性の高い働き方とスキルアップをどちらも実現できると考えたためです。私は大学卒業後、新卒でIT企業に就職し、7年間勤務しました。シニアエンジニアとして、顧客企業のネットワーク設計などを担当し、部下4人のマネジメントを行うとともに、スキルを共有するミーティングも定期的に開催していました。業務効率化を追求する貴社であれば、チーム全体の生産性を上げつつ効率的な開発を行うことで自らのエンジニアスキルも伸ばせると考え、この度応募いたしました。私自身が業務を通して成長することはもちろんのこと、チーム全体のスキルアップも並行して進め、業務に貢献したいと考えております。

悪い例文

大学卒業後、IT企業でエンジニアとして働き、顧客企業のネットワーク設計などを担当しました。チームリーダーとなったことで部下のマネジメント業務が増え、エンジニアとしてのスキルアップが難しくなったことから、貴社に応募いたしました。業務の分担がきちんと行われている貴社であれば、エンジニアとしてさらに活躍し業務に貢献できると考えております。

ポイント

転職を決意した理由はどちらも明確ですが、悪い例文では前職での自ら状況に対し、改善への取り組みや努力をした痕跡が見受けられず、良くない印象を抱かれてしまいます。 

【書く】<経験者・未経験者>志望動機の書きわけ方

経験者・未経験者では、志望動機に書くべき内容も同じではありません。そこで本章では、経験者・未経験者それぞれに志望動機のポイントと例文を紹介します。

経験者「なぜ今の職場ではだめなのか」に答える

経験者として同じ職種に応募する場合、採用担当者から「なぜ前職(現職)ではその想いをかなえられないのか」「職場を変える必要があるのか」という疑問を持たれやすくなります。そのため、前職で理想のキャリアを実現できなかった理由と、応募企業だからこそ実現できる理由を、できるだけ具体的に伝えることがポイントです。

「経理職(大手)」→「経理職(ベンチャー)」へ転職するケース

私が貴社を志望したのは、裁量の大きさに魅力を感じたためです。私は現職にて経理職を6年間担当しており、日常業務から月次決算までをひと通り経験しました。個人的には年次決算や財務まですべてを身につけ、経営活動を支えられるオールラウンダーになりたいと考えています。しかし、現在は経理部門が15名という規模で、明確な分業体制が敷かれています。また、財務部門は分離されており、財務業務に携わるチャンスはほとんどありません。そこで貴社のように少数精鋭で、経理一人ひとりが日常業務から財務まで幅広い業務を担える環境に、強い関心を抱きました。ぜひ貴社に入社後は、組織に欠かせない中核的な存在として活躍したい所存です。

未経験者「スキルを補おうとする努力」を示す

未経験の職種に挑戦する場合は、採用担当者から「戦力になるまでに時間がかかるのではないか」という懸念を持たれやすくなります。そのため、自己研さんに取り組んでいる努力や前向きさを伝えることが一つのポイントです。足りないスキルを補おうという姿勢は、志望意欲の強さを証明することにもなります。

また、コミュニケーション能力や論理的思考力など、次の職場でも活かせそうな汎用的なスキルに関しては、積極的にアピールすることも大切です。ビジネスパーソンとしての素養が身についていることが伝われば、採用担当者にも安心感を持ってもらえるでしょう。

「総務」→「Webデザイナー」へ転職するケース

私が貴社を志望する理由は、Webデザイナーとして成長できる環境があると感じたからです。私は現職で総務として、備品管理から電話対応、経費精算、社内イベントの企画・運営まで幅広く携わっています。特に社内イベントの広報物に関しては、すべて私がIllustratorとPhotoshopでデザインを担当しています。また、チラシのデザインを変えた際の参加人数の変化についても、直近2年間で細かく分析してデータ化していました。デザインに本格的に関心を抱くようになり、現在はWebデザインのスクールに通い、Dreamweaverの操作もひと通り習得しました。このたび未経験者の応募を歓迎してくださる貴社を見つけ、迷わず応募した次第です。入社後は一刻も早く貴社の戦力となり、高品質なWebサイトの制作に貢献したい所存です。

【書く】志望動機は年代によって書き方を変えるべき?

人材に求められる役割やスキルは、年代によっても多少変わってきます。そこで本章では、20代・30代・40代という年代別に、志望動機を書くときのポイントを紹介します。

20代が志望動機を書くときのポイント

20代は、30代以降の人材と比べるとどうしても専門的な業務スキル(テクニカルスキル)やマネジメントスキルで差をつけられやすくなります。そのため、志望動機では、20代ならではの強みを持っていることをアピールするのも有効な方法です。

例えば、積極的に新しいスキルを吸収できる「学習意欲」、スピーディに行動に移せる「行動力」、変化に対して柔軟に対応できる「素直さ・柔軟性」などが挙げられます。たとえ十分な専門性が身についていなくても、基礎力の高さや成長の可能性を採用担当者に感じてもらうことで、好印象につなげられるケースもあるでしょう。

また、第二新卒の場合は、「なぜ前職を短期で辞めたのか」を問われやすいのが特徴です。そのため、志望動機では長期的なキャリアを見据えていることを伝え、あくまで前向きな転職であることをアピールしましょう。

30代が志望動機を書くときのポイント

30代は、20代の若手層と比べると、ポテンシャル採用の機会は減ってきます。逆にいえば、どれだけ即戦力としての資質をアピールできるかが重要です。志望動機においても、応募職種で必要とされる専門的なスキルや知識、マネジメントスキルなどがすでに身についていることを示すようにしましょう。

また、30代は若年層よりも高いポジションに就く機会が増えます。そのため、管理者側の立場として、より深い企業理解を求められやすいのが特徴です。志望動機を書く際にも、応募企業のコーポレートサイトや社長インタビュー、IR情報などを幅広くチェックし、企業の魅力をより深く読み解くようにしましょう。

40代が志望動機を書くときのポイント

40代以降の転職活動で提出する履歴書では、職務経歴の重要性が高まります。40代ともなると、社会人としての経験や職務経験も豊富なはず。それら全てを羅列するのではなく、求人企業の求める応募要件を洗い出し、自身の経験の中で合致するもの、またそれに代わる経験を記載しましょう。

志望動機の書き方は、これまで説明してきた内容に加え、マネジメント層としてどのような形で業務貢献をしてきたか、チームを任されたときにどのように導いてきたか、それらの経験をどのような形で志望企業に還元できるか、といった「企業への貢献度」を述べることが必要です。また、志望企業の経営方針や経営戦略に対する理解や共感も必要になります。

自身の実績を記載する際に気をつけたいのは、「自慢話」にならないようにすること。実績は「事実」を裏付けるための材料として、簡潔に伝えるように心がけましょう。

【話す】面接で志望動機を伝えるときのポイント

面接では、あらためて志望動機を話す機会が設けられます。その際は、基本的に履歴書・職務経歴書で書いた志望動機をわかりやすく伝えれば問題ありません。

ただし、面接の場合は時間制限や話し言葉ならではのルールも意識することが不可欠です。そこで本章では、面接で志望動機を伝えるときのポイントについて解説します。

履歴書・職務経歴書と一貫性を持たせる

採用担当者は、履歴書・職務経歴書に書かれた志望動機に目を通したうえで、書類選考の合格判定を出しています。そのため、面接で万が一応募者側が別の志望動機を話してしまうと、採用担当者の期待を裏切ることになりかねません。だからこそ、面接では履歴書・職務経歴書に書いた志望動機を、相違なく伝えることが肝心です。

また、志望動機を文字で伝えるのと口頭で伝えるのとでは、採用担当者の感じ方も違います。そのため、「すでに書類で読んでもらっているから大丈夫」と思わずに、面接では志望動機を省略せずに伝えることも大切です。

万が一志望動機の内容を忘れてしまいそうな場合は、あらかじめ履歴書・職務経歴書のコピーをとっておき、面接の当日までに見返しておくようにしましょう。

1~2分程度で話せるように準備する

3段構成で話す面接で志望動機を話すときの順序 ①結論(志望理由) ②理由(志望に至る経緯) ③入社後どのように貢献したいか

面接で一方的に長く話しすぎてしまうと、採用担当者が次の質問に移れなくなります。そのため、志望動機を聞かれた際には、1~2分程度でまとめて話すことが大切です。

書き言葉の300文字は、通常の会話スピードであれば1分~1分半程度に収まります。面接前に履歴書・職務経歴書の志望動機を口に出してみて、スムーズに読めるよう準備しておきましょう。

貴社を「御社」に言い換える

履歴書・職務経歴書のような書面では、応募企業に対して「貴社」という言葉を使うのがマナーです。しかし、面接のように口頭で話す場では、「御社」という言葉を使用します。というのも、「きしゃ」という響きは、「記者」や「帰社」など、同音異義の言葉と聞き間違えやすいためです。

そのため、面接で志望動機を話すときは、貴社を御社という言葉に言い換えることを意識しましょう。

言葉に熱意を乗せて伝える

志望動機は、「入社したい」という想いを応募企業へストレートにぶつける重要な項目です。そのため、面接で志望動機を聞かれた際には、言葉に熱意を乗せて伝えるようにしましょう。

例えば、力強く抑揚をつけて話したり、明るい表情で伝えたり、手振りを交えたりするのも一つの方法です。入社意欲の強さが言葉や態度で伝わるよう、感情をこめて話すことがポイントといえます。

深掘りの質問を想定しておく

面接では、志望動機を一方的に伝えて終わりではありません。その後、すぐに採用担当者から深掘りの質問をされる可能性も高いでしょう。そのため、採用担当者に疑問を持たれそうな箇所については、事前に回答を考えておくことが肝心です。

例えば、「なぜ前職では実現できないと思ったのか」「弊社(応募企業)に興味を持ったきっかけは何か」「他業界ではなくなぜこの業界なのか」「異動の可能性があるとしたらどうか」などの質問は、聞かれやすい傾向にあります。あらかじめ答え方をイメージしておくことで、面接でスムーズに言葉が出てくるようになるでしょう。

転職の志望動機にまつわるQ&A

志望動機に関する疑問点や不安材料は、転職活動へ臨む前に解消しておくことが肝心です。そこで本章では、転職の志望動機にまつわる疑問をQ&A形式で紹介します。

浅い志望動機しか浮かばない場合、どうすればいい?

志望動機が浅いと感じる場合、企業研究が足りていない可能性があります。応募先の事業状況や経営課題、企業風土、商品のこだわりなどをよく理解して、「自分の考えと近い部分はあるか」「自分だからこそ貢献できる方法はあるか」を今一度検討しましょう。志望先と自分だけの“接点”が見つかれば、より深い志望動機になります。

志望動機を使い回しても問題ない?

基本的に志望動機は、使い回さないことをおすすめします。企業の特徴は1社1社異なるため、応募したいと思った理由や共感できるポイントもそれぞれ違うはずです。他社と同じ志望動機を使うと、採用担当者から「どの企業でも当てはまるのでは」と思われてしまう可能性が高いため、応募先ごとに内容を考えるようにしましょう。

ハイクラス転職の志望動機を考えるコツは?

ハイクラス転職では、経営上欠かせない管理職や専門職が採用されるため、視座の高さが求められます。そのため、「自分の強みが応募先の経営にどのような好影響を与えられるか」を志望動機で伝えることが重要です。応募先のIR資料やコーポレートサイトなどを読み込んで、経営方針・事業戦略を深く理解するようにしましょう。

志望動機に自信がないときは、添削サービスを活用しよう

志望動機を企業へ提出する前に、一度必ず採用担当者の立場に立って読み返すようにしましょう。客観的な視点から見た際に、あなたが魅力的な人物に見えるように書けていますか? また、きちんとあなたのことを理解してもらえるような内容になっているでしょうか?

書いた内容に自信が持てない場合は、友人や家族など第三者に確認してもらうと良いでしょう。自分を良く知る人物に見てもらうのが恥ずかしい場合は、転職エージェントの書類添削サービスを活用するのも一つの方法です。転職エージェントに相談すれば、個別面談を通じてスキルの棚卸しや応募書類の添削などもサポートしてもらえます。また、面接前に転職コンサルタントに模擬面接の場を設けてもらい、志望動機の効果的な伝え方についてアドバイスをもらうことも可能です。志望動機の書き方・話し方に自信が持てない方は、一度相談してみてはいかがでしょうか?

ハイクラス向け転職エージェントのパソナキャリアでは、支援実績の豊富な転職コンサルタントが、履歴書・職務経歴書の添削から求人紹介、面接対策、企業との年収交渉まで一貫してサポートします。ぜひ転職を検討の際には、パソナキャリアへお気軽にご相談ください。

この記事の監修者
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近田知営業統括本部マネージャー

管理部門(経理財務・法務・経営企画等)ハイクラス領域専門部署にてキャリアコンサルティングに従事。現在はハイクラス・管理職向けのセミナー・イベントを通じて転職後のキャリア構築をお手伝いしています。

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