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転職回数が多いのは不利?転職経験をポジティブにアピールする方法

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働き方や仕事に求める条件は人それぞれで、入社後定年まで勤め上げる人がいる一方、キャリアアップを目指して転職を繰り返す人もいます。日本では、終身雇用制度が長く定着していたため、「転職回数が多いと再就職に不利になる」と思われがちです。しかし、転職回数が多いと絶対的に転職が難しいのかというと、必ずしもそうではありません。転職の多さを上手にアピールし、これまでの経験を活かして即戦力として歓迎される場合もあります。今回は、転職回数が多いと不利と言われる理由や転職が多い人の特徴、さらに転職回数の多さをポジティブにアピールするための職務経歴書の書き方や面接のコツなどについてご紹介します。

<目次>

  • 1. 転職回数が多い人は不利?
  • 2. 転職回数が多い人の特徴
  • 3. 転職回数の多さを活かせる職種とは?
  • 4. 転職回数をポジティブにアピールするコツ
  • 5. 転職回数が多い場合の職務経歴書の書き方
  • 6. 転職回数が多くてもごまかすのはNG
  • 7. 自分のセールスポイントを明確に

転職回数が多い人は不利?

海外では、スキルアップや待遇改善のための転職は珍しくなく、より良い環境や条件を求めて短期間で転職する人も数多くいます。しかし、日本企業では、これまで終身雇用制度や年功序列などの雇用形態が浸透していたため、一般的には転職回数が多いと不利だと言われています。

もちろん、日本でも、転職回数が採用の際にそれほど影響しない業種や企業は多数存在しますが、やはり、転職回数は3回以上あると「多い」と見られがちです。業界や業種、年齢にもよりますが、転職回数の多い人、職場への定着性がない人を書類選考の段階で不採用にするという企業も実際に存在はします。
とはいえ、最初に入社した会社がどうしても合わなかったり、入社後に業種や職種のミスマッチを感じたり、家庭の事情で転職せざるを得なかったりすることもあるでしょう。そういった場合には、どうするのが適切なのでしょうか。

そこで、「転職回数が多いと再就職に不利」と言われるのはなぜなのか考えてみましょう。まずは、入社後の定着性が疑問視されることです。会社側としては、費用や時間をかけて採用活動を行うため、当然長く働いてくれそうな人を採用したいと考えます。転職回数が多いと「忍耐力やストレス耐性がないのではないか」「入社してもまたすぐに辞めるかもしれない」とネガティブな印象を持たれがちです。

また、転職回数が増えると、結果的に1社あたりの在職期間が短くなることも理由として考えられます。中途採用は即戦力としての人材を募集することが多く、1社あたりの在職期間が短いと、採用担当者から「スキルや経験が身に付いていないのではないか」と思われることがあります。短いと判断されやすい1社あたりの在職期間は半年~1年程度です。特に、異なる職種を転々としている人については、キャリアの一貫性についても疑問符をもって見られ、「飽きっぽい人」と評価されてしまうかもしれません。

選考の際にこうした懸念点が挙がることから、本来は優秀な人材であったとしても、転職回数が多いと採用に至らないケースがあるのが現状です。

転職回数が多い人の特徴

転職回数が多い人は考え方によってはそれだけいろいろな経験をし、それぞれの職場でスキルを磨いてきたと考えることもできます。また、高い目標を常にもち続け、キャリアアップを目指す行動力をもった人とも言えるでしょう。

●経験が豊富

転職回数の多さは、転じて豊かな経験をもっていることにもなります。特に、採用企業と同じ業界や職種を数社経験している場合、業界の情報や業務に必要なスキルは、十分兼ね備えていると見られるでしょう。そのため、転職後もすぐに成果を出すことが期待されます。
即戦力が求められる中途採用では、新入社員のような研修などは行われない場合がほとんどです。同じ業界での経験値の高さは、転職時にメリットになります。

●適応力が高い

1社しか経験していない人と複数の企業に在籍経験がある人では、会社ごとの「当たり前」の認識に大きな違いがあります。転職経験がなく1社しか知らない人の場合、今の職場で当たり前に思っていることが、実はその企業独特のルールや文化に過ぎないかもしれません。

たとえば、1社目でベンチャー企業に在籍していて、初めての転職で大企業に就職した場合、それまでは個人の裁量が大きかったのに対し、大企業ではチームワークが重視されるため、仕事の進め方も異なります。そのため、前職と同じように何でも自分一人でこなそうとすると、周囲から反感を買うケースもあります。
一方、転職回数が多い人は、企業ごとに独自のルールがあることを理解しているため、会社そのものを広い視野で客観的に捉えられます。複数の企業に在籍して異なる「常識」を見てきたからこそ、「会社とはこうあるべき」という固定観念にとらわれず、新しい職場のルールをすぐに受け入れることができます。

●行動力がある

理由は人によって違いますが、転職回数が多い人は、常に自分に合った職場を探し、より良い環境へ移るというアクションを起こしています。見方を変えると、転職回数が多いということは、それだけ「自分の能力を最大限発揮できる場所を探してきた」ことにもなります。チャレンジ精神や向上心がなければ、いくら現状に不満があっても「転職をする」という行動に出るのは難しいでしょう。転職回数の多さは、行動力がある証拠とも言えます。

●スキルをもった人が多い

転職回数の多い人は、自分の市場価値を常に意識して働く人とも言えます。市場価値を意識しているからこそ、実績を出すことにこだわった働き方をしており、どこでも活躍できるスキルを身につけているため、転職を繰り返すことができるのでしょう。
また、転職を重ねながら人脈を広げてきたという人は、その豊富な人脈が新しい環境でも大きな強みになります。

●新しい視点をもっている

1社でしか働いたことがない人は、自身が経験した会社や業界、担当業務については詳しく、仕事を遂行する能力も高いでしょう。その半面、経験した会社しか知らないということで、気づかぬうちに視野が狭くなっていたり、考え方が保守的になってしまったりしている可能性があります。
一方、転職回数の多い人は、複数の業界や環境で働いた経験から、転職先の企業の社員にはない新しい視点を基に柔軟な発想ができる可能性があります。

転職回数の多さを活かせる職種とは?

また、転職回数が多いというだけではネガティブな印象をもたれない職種や、転職を重ねることで培った経験を活かせる業界もあります。

●転職回数を活かせる職種や業界

<外資系企業>
日本と比べて、海外では転職やヘッドハンティングが日常的に行われています。転職に対する感覚や考え方がそもそも異なり、能力の高い人は、転職によって自身のキャリアやスキルをさらに上げ、より自分を高く評価してくれる企業に転職します。そのため、転職回数が多いことをポジティブに評価する外資系企業もあります。つまり、「転職回数の多さ=キャリアの豊富さ」と判断してくれる場合があるということです。

<ベンチャー企業>
ベンチャー企業の多くも、転職回数はあまり気にせず、応募者のポテンシャルを重視する傾向にあります。そのため、大企業と比べると転職面では狙い目です。
もちろん、応募時には転職の動機や目的、前職での成果などが重要視されますので、それぞれ理由付けをきちんと行い、転職でスキルアップをしたいという意思をアピールすることが大切です。

●もともと転職が多い傾向の業界

専門性の高い技術を要する業界は、転職回数が多くても転職の成功率が高い職種です。たとえば、看護師や薬剤師は常に人手不足のため、退職してもすぐ次の就職先が決まり、転職の成功率が高い傾向にあります。
また、ITエンジニアなどの技術職には、自身の技術向上やステップアップのために転職する人が大勢います。これらの業種では、転職回数が4回以上の人でも、高い転職成功率を保っています。
小売・外食業界も転職者が多いため、ほかの業界と比べると多く求人が出ています。営業職も転職者が多く、業界にかかわらず求人が多い職種のため、未経験でもチャレンジしやすいでしょう。営業職はどの業界・企業にも必要な職種です。基本的な営業スキルやノウハウを身につけていれば、異なる業界へ転職しても、比較的早く仕事に慣れることができます。

転職回数をポジティブにアピールするコツ

転職回数が多いという経歴自体は事実のため消すことができません。そのため、転職回数が多い人は今までの経験をポジティブにアピールすることが、転職成功へのポイントとなります。

●転職理由を明確にする

転職回数の多少を問わず、転職の理由や志望動機を明確に伝えることは大切です。転職回数が多くても、一貫性のあるキャリアで転職によるスキルの成長を説明できれば、企業から有益な人材として評価されるでしょう。
また、正当な事情があって転職した場合は、その理由もはっきりと伝えましょう。たとえば、会社の倒産(会社都合)や留学、女性であれば出産、育児といった事情で転職回数が増えてしまうケースもあります。理由が正当なら、転職回数が多くなってもやむを得ないことを採用企業側も理解してくれるでしょう。嘘をつかず、正直に説明することが大事です。

●前向きな表現に言い換える

退職理由を聞かれた場合、前職や現職に対しての不満や批判を言うのは厳禁です。実際、待遇が悪かったり、人間関係に問題があったりしたとしても、他責表現は避けましょう。不満や批判は応募者自身の印象を悪くします。退職理由が待遇改善の場合は、今後の働き方にフォーカスし、前向きな表現に言い換えるようにしてください。
たとえば、もともと広報を希望していたのに、会社の業績が不振で仕方なく営業の仕事にアサインされたという場合、「会社の先行きが不安でした」「やりたくない仕事だったから」という回答は避けましょう。そのような不満があった場合も、「営業の仕事も顧客ニーズをサービスに反映させられるやりがいのある仕事でした」「しかし、自分としてはやはり広報としてのキャリアを積んでいきたいため、今回退職を決意しました」などと前向きな表現に言い換えることが大切です。

●目標をはっきりアピールする

転職回数が多くても、目標を叶えるためならマイナスにはならないでしょう。たとえば、「将来、税理士を目指しており、その目標に近づくためにスキルアップできる環境を数多く経験してきました」など、これまでの転職が応募先企業の職種に就くためのスキルアップを目的としていたことをきちんと説明できれば、良い印象に変えられます。

●面接で聞かれる可能性が高い質問に備える

面接の前には自己分析をしっかりと行い、経歴のネガティブな部分を質問されても、プラスの回答ができるように準備しておきましょう。職歴が多い場合、「なぜ前の会社をすぐに辞めたのか」「なぜ職種に一貫性がないのか」などと聞かれることは容易に想定できます。
「より能力を発揮できる環境でスキルアップをしたいから」「自分が本当に向いている職種を見つけるためにチャレンジした」などと、面接官が納得できる答えを考えて用意しておきましょう。

転職回数が多い場合の職務経歴書の書き方

転職回数の多い人が職務経歴書を書く際は、過去の転職経験をポジティブに捉えてもらえるように、書き方を工夫しましょう。

職務経歴書は、「時系列に沿って書く」という決まりはありません。転職回数が多い人は、職務経歴書に記載する職歴を業務内容別に書くと良いでしょう。過去に経験した仕事を職種ごとに分け、経験したポジションやアピールしたい実績などを具体的に記載します。時系列に沿わず職種ごとに記載することで、職歴の多さが目立たず、経歴に一貫性が出ます。

ここでは、実際に転職回数が多い場合の職務経歴書の書き方をご紹介します。営業と接客業の職種経験がある人を例にまとめていますので、参考にしてみてください。

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<営業>
生命保険の外交員、学習教材の販売、富裕層を対象とした投資用不動産
・○○生命の外交員として、担当エリアの20XX年度年間売り上げ〇万円を達成
・20XX年より△△不動産の営業部次長に就任。営業利益△%増に貢献

営業に関する職歴
20XX年X月~20XX年X月 ●●生命保険
20XX年X月~20XX年X月 △△株式会社 小学生向け学習教材販売に従事
20XX年X月~現在 〇〇不動産 富裕層を対象とした投資用不動産の営業に従事

<接客>
女性向けカジュアルファッションアイテムの販売、雑貨の販売
・20XX年度優秀販売員として表彰:リピーター客の増加に貢献
・20XX年より△△店エリアマネージャー:雑貨の売り上げを前年比△%に増益

接客に関する職歴
20XX年X月~20XX年X月 株式会社●● □□店に勤務
20XX年X月~20XX年X月 △△株式会社 雑貨販売に従事
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転職回数が多くてもごまかすのはNG

転職回数の多さを知られたくないからといって、過去の経歴をごまかすのはNGです。企業に提出する履歴書には年代順に、在籍していたすべての会社名を記載します。
履歴書に虚偽表記をすることは、経歴詐称にあたります。なかには、在籍期間が数カ月しかないなど記載したくない職歴があるかもしれません。しかし、履歴書で経歴詐称をして後日明るみになった場合は、内定取り消しなどに至る恐れもあります。転職回数の多さは隠すのではなく、自己PR欄などで前向きにリカバーすることを心掛けましょう。

職歴が多くて履歴書に書ききれない場合は、職歴欄の大きな履歴書を選びましょう。それでも職歴を書ききれない場合は、職務経歴書に詳細を記載してください。その際、履歴書には抜粋した職歴のみを記載し、最後に「(他、◯社を経験。詳しくは職務経歴書に記載)」と書くようにします。

自分のセールスポイントを明確に

転職活動を成功させるポイントは、自分が「これなら誰にも負けない」と考えるセールスポイントを企業側へ明確に伝えることです。「企画力」「人脈」「営業力」など、希望する職種によって軸を決め、それに合ったスキルを強調することが大切です。
採用担当者は、会社の未来を担ってくれる人材を見極めるため、とても厳しい目で採用面接に臨みます。そのため、面接などでは転職回数が多いことについて、理由を詳しく質問されることもあるでしょう。しかし、転職回数が多いことに対し、引け目を感じる必要はありません。それぞれの転職先で身に付けたスキルを活かし、企業に貢献できるということをきちんとアピールすることが大切です。