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在職期間中に働きながら転職活動はあり?メリット・デメリットや成功のコツを解説

在職期間中に働きながら転職活動はあり?メリット・デメリットや成功のコツを解説

退職してから始める転職活動とは異なり、「在職中の転職活動は忙しくて大変」というイメージをもっている人もいるでしょう。実際、現業と並行しながら転職活動を進めるため、思うように時間を取れないのがもどかしい点です。しかし、経済的な安定をはじめ、在職中の転職活動だからこそ得られるメリットも実は数多くあります。

この記事では、在職中と退職後における転職活動の違いや、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。また、働きながら転職活動する際の手順や成功のポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

企業側の印象の違い

「まだ在職中なのに転職活動をしていると、応募先企業に与える印象が悪くなるのではないか」という不安を抱えている人もいると思います。

しかし、転職は労働者の権利です。在職中に転職活動を始めても、何ら問題はありません。在職中か退職しているかによって、応募先企業に与える印象の差はほとんどないといっていいでしょう。

ただし、新しく就職するかもしれない応募先企業には、在職中であることや現在の仕事の状況を正直に伝えましょう。たとえば「自分が担当しているプロジェクトがもうすぐ終わりますので、入社日は区切りの良い○月○日からにしたいと考えています」など、いつから入社できるのかを伝えたうえで最後まで責任をもって仕事に取り組む姿勢を見せると、応募先企業に好印象を与えられる可能性があります。

在職中に転職活動する際の流れ・手順

在職中の転職活動は、具体的にどのように進めればいいのでしょうか。本章では、働きながら転職活動する際の手順について5つのステップで解説します。

※転職活動にかかる日数について詳しくは、『失敗しない転職活動の流れとは? 必要な期間と準備の進め方』の記事をご覧ください。

STEP1:情報収集・自己分析

まずは転職活動の準備として、入念に自己分析をします。キャリアビジョンや経歴、強み・弱みを整理したうえで、自分に合うような業界・職種・企業を見定めましょう。また、応募先を決める際には入念な情報収集も欠かせません。ホームページや業界誌で企業について深掘りし、「どのような人材が必要とされているのか」「経営方針や事業戦略に共感できるか」「社風と自分の価値観との相性は良いか」などを見極めておくことも不可欠です。

特に働きながらの転職活動では現業が忙しいため、いかに情報収集の時間を確保するかがカギになるでしょう。

STEP2:求人への応募

転職エージェントや転職サイト、ハローワークなどを通じて、希望の求人に応募します。その際、応募先企業ごとに求められるスキルや経験を考えながら、履歴書・職務経歴書の内容を最適化することが重要です。また、面接での言葉遣いや質問への回答などは、慣れていないととっさに出てこない場合もあります。友人や知人、転職エージェントのサポートも受けながら、事前に模擬面接をして、受け答えを練習しておくことも重要でしょう。

STEP3:選考~内定

各企業で面接を受け、内定獲得を目指します。在籍中の転職活動では、現業の就業時間と被らないよう、面接時間の調整が必要です。退勤後の時間帯に面接を入れたり、業務に支障のない範囲で有給休暇を取得したりすることも一つの方法でしょう。無事に内定をもらえたら、あらためて応募先に入社予定日や労働条件を細かく確認します。特に入社予定日に関しては、現職の退職手続きを無理なく進めるためにも正しく把握しておきましょう。

STEP4:退職の意思表示

現職の企業に対して、退職の意志と退職希望日・退職理由を伝えます。直属の上司と1対1で面談の時間を設けてもらい、対面で伝えることが大切です。退職希望日に関しては希望を押し通すのではなく「相談したい」というスタンスを示すようにしましょう。退職の意志を伝えるタイミングについては、基本的には就業規則で決められた期限に従います。遅くても1ヶ月前には意思表示しておくと、業務の引き継ぎがスムーズになるでしょう。

STEP5:業務の引き継ぎ~退職

退職日が決まったら、それまでに業務の引き継ぎや退職届の提出、各種備品の返却を進めます。取引先や担当顧客、同僚にも挨拶をし、今後も良い関係を築いていけるよう配慮することが肝心です。また、有給休暇が残っている場合には、できるだけ繁忙期を避け、業務に支障ない日程で取得することも円満退職のポイントといえます。

※退職のタイミングや必要書類について詳しくは、『退職手続きガイド いつ出す?いつもらう?必要書類チェックリスト』の記事をご覧ください。

在職中に転職活動するメリット

在職中の転職活動は、退職後の転職活動と比べてどのような利点があるのでしょうか。本章では、在職中に転職活動するメリットについて解説します。

経済的な余裕を得られる

退職後の転職活動は、無収入の状態で進めなければいけません。転職活動には、生活費のほかに交通費や書類の印刷代、スーツのクリーニング代といったさまざまな費用が必要で、活動期間が長引くほど負担が増していきます。一方の在職中であれば、現職で定期的な収入を得ながら転職活動できるため、経済的な余裕を得られるのがメリットです。退職後の転職活動と比べると金銭的な安心があるため、精神的なゆとりも生まれやすいでしょう。

職歴にブランクが生じない

退職してから転職活動すると、職歴に空白の期間(ブランク)ができる場合があります。ブランクが長くなると、応募先の企業から「業務の感覚が薄れているのではないか」「仕事への意欲があまり高くないのではないか」と疑問を持たれてしまう可能性も否定できません。その点、在職中に転職活動すれば、ブランクを挟むことなく次の職場へ移ることができます。企業からマイナスイメージを持たれにくくなるのも、メリットといえるでしょう。

現職に留まるという選択もできる

退職してから転職活動すると、「次の職場を早く決めなければいけない」というプレッシャーで、多少妥協して応募先を選んでしまう可能性があります。結果的に応募先とのミスマッチが起こり、早期退職につながる場合もあるかもしれません。その点、在職中の転職活動では、今後のキャリアについて冷静に判断しやすくなります。まだ現職に籍はある状態なので、最適な応募先が見つからなければ現職に留まるという選択もできるでしょう。

在職中に転職活動するデメリット

在職中の転職活動には、退職後の転職活動と比べてデメリットがあるのも事実です。本章では、在職中に転職活動するデメリットについて解説します。

十分な時間を確保できない

在職中の転職活動は、現職の業務と並行しなければいけないため、十分な時間を確保しにくいのが難点です。自己分析や企業研究、書類作成、面接対策などにも、思うように時間を使えないもどかしさもあるでしょう。また、面接のスケジュールを組む際にも、どうしても現業が優先になってしまいます。平日にしか面接が行われない企業の場合は、就業時間外の時間帯や有給休暇などを使うしかなく、融通が利きにくいのがデメリットといえます。

入社日が制限される

働きながら転職活動する場合、入社日が制限される可能性もあります。というのも、現職での退職手続きや業務の引き継ぎに時間がかかる関係で、新しい企業への入社日がずれ込むケースがあるからです。また、現職の企業から強い引き留めにあったり、繁忙期の場合「○月○日までは在籍してほしい」と要請されたりする事例もあります。結果的に新しい職場から提示される入社希望日に応えられず、待ってもらうリスクが生まれかねません。

多忙によるストレスがかかる

転職活動には履歴書・職務経歴書の作成や面接の準備をはじめ、想定しているよりも多くの作業が必要になります。これらの作業と現業を一人で両立させようとすると、多忙で精神的な負担を感じることもあるでしょう。また、想定通りに内定が取れないと、一人で思い悩んでしまいストレスを抱え込んでしまうことも珍しくありません。そのため、一人で転職活動をする場合は、時間的・精神的余裕をある程度事前に確保する必要があります。

在職中の履歴書の書き方

在職中の場合は、履歴書にもその旨を記載します。職歴欄や本人希望欄にひと言追記することで、採用担当者とのやり取りがスムーズに進めやすくなります。

職歴欄

応募先企業が重視する項目のひとつが職歴欄です。在職中の場合は、現在の会社名・所属部署名と合わせて「現在在職中」または、「現在に至る」と記載します。
また、在職中、退職後のどちらの場合も、応募先企業の採用担当者が理解しやすいように、現在の業務内容を簡単に記しておきます。

(例)
―――――――――――――――――――
平成○○年○月 株式会社○○入社
営業部所属 新規開拓を担当し、平成○○年には部内の売上達成率120%に貢献。
現在に至る。
―――――――――――――――――――

自分がどのような仕事をして業績を上げてきたのか、簡潔に説明しましょう。そうすることで、採用担当者に自身の功績が伝わります。

本人希望欄

在職中に転職活動を行う場合は、履歴書の本人希望欄を有効活用しましょう。現在働いている企業での就業時間中は、応募先企業からの連絡にすぐ応じることは難しいものです。そのため、本人希望欄で、「現在在職中のため、下記時間帯は電話に出ることができません。連絡不可の曜日および時間帯:月曜日~金曜日の9時~18時 指定時間以外はメールにてお願いいたします」といったように、連絡がとれる曜日・時間帯や可能な対応方法を指定しておくと安心です。ポイントは、先方が何度も連絡しなくて済むように、できるだけ確実に自分と連絡が取れる方法や時間帯を簡潔に提示することです。

現職を退職することが決まっている場合は退職予定日を、具体的な日程が決まっていない場合は入社可能日を記載しておきましょう。入社可能日は、面接で必ず聞かれる項目のひとつです。現在の職場に退職を申し出る際は通常1カ月前まで、どんなに遅くても2週間前には、書面で伝えなければなりません。そのため、応募先企業の入社可能日が明確に出せないときは、「○月以降でご相談させてください」と記しておく方法もあります。

在職中に転職活動を行う際のポイント

在職中の転職活動は時間や条件面で制限があるため、成功させるには工夫が必要です。以下に挙げる3つのポイントを押さえておきましょう。

有休を活用する

ひとつ目は、在職中の企業の有給休暇を活用することです。転職を決意したら、有休が何日残っているかを確認しておきましょう。応募先企業の面接が平日の日中に決まったときは、有休を使って対応するようにします。
在職している企業の業務中に抜け出して面接を受けに行くのは、就業規則の違反となるため、発覚したときに問題になる場合があります。面接日が決まったら、早めに有休を申請しましょう

在職中の企業へ配慮する

次は、在職中の企業への配慮です。転職が決まれば、これまで勤務していた企業には少なからず迷惑をかけることになります。その迷惑を最小限に抑えるために、応募先企業に伝える入社可能日は、現職の引き継ぎ期間を考慮しましょう
また、転職が決まれば、残っている有休を消化したいと思うかもしれません。その場合は、残された業務内容を踏まえて計画を立て、上司に相談したうえで企業に迷惑をかけないようにして休みましょう。

オンライン面接を活用する

近年は新型コロナウイルスの影響により、Web会議システムやテレビ電話を使った「オンライン面接」が増えています。オンライン面接であれば面接会場への移動がなくなるため、手間を削減することが可能です。働きながらの転職活動でもより多くの面接を受けられるようになるため、積極的にオンライン面接を活用してみましょう。

転職エージェントを活用する

最後は、転職エージェントや転職サイトを活用することです。条件に合った求人を効率よくピックアップしてもらえるだけでなく、応募書類作成のアドバイスなども受けることができます。転職希望者を数多く見てきたキャリアアドバイザーから役立つ助言を得ることで、書類選考や面接の通過率を上げることも可能でしょう。
また、キャリアアドバイザーが応募先企業との間に入り、煩雑な面接時間の調整もしてくれます。多忙な在職中の転職希望者には心強い味方となるでしょう。

在職中に転職活動する際のQ&A

在職中の転職活動に関して、不安点や疑問点を持っている人も多いかもしれません。本章では、在職中の転職活動にまつわる疑問をQ&A形式で紹介します。

在職中の転職活動がバレないようにするには?

在職中の転職活動が現在の職場にバレてしまうと、強い引き留めにあう可能性もあります。できるだけバレないようにするには、周囲に心配させないような工夫が欠かせません。例えば、仕事に支障が出るほど有給休暇を使い過ぎないことも一つのポイントです。また、転職活動に関する履歴が残ってしまうと、同僚が目にする可能性があります。社用のPC・携帯電話は転職活動に使わず、SNSでも転職活動の話題には触れないことが肝心です。

在職中の転職活動は違法なの?

日本では日本国憲法第22条第1項において、「職業選択の自由」が認められており、誰しも自分の意志で自由に転職先を選べる権利を持っています。そのため、在職中に転職活動すること自体が違法になることはありません。

ただし、「競業避止義務」の契約を企業と結んでいる場合は注意が必要です。競業避止義務とは、在籍企業の不利益になるような競業行為を禁止する決まりのことです。競業避止義務の契約を現職の企業と結んでいる場合、地域や役職によっては、退職後に同業他社へ転職することが制限されることもあります。契約違反の場合は不法行為となり、訴訟に発展することもあるため、転職活動の前に現職での契約関係を確認しておくことが重要です。

「いつから働けますか」と聞かれたらどう答えるべき?

「いつから働けますか」という応募先からの質問には、志望度の強さを確かめたいという面接官の意図も含まれています。そのため、「すぐにでも入社したいのですが」といった言葉で入社意欲の高さを伝えたうえで、入社希望日とその理由を伝えるようにしましょう。基本的に内定をもらってから現職の退職手続きを完了させるまでには、1~2ヶ月程度かかります。それを踏まえて、あくまで現実的なスケジュールを伝えることが大切です。

今の職場に配慮しつつ、効率の良い転職活動を

転職を思い立ったら、計画的にスケジュールを立てることが大切です。転職活動中は、面接の時間以外にも履歴書や職務経歴書の作成などに時間がかかります。また、通過の連絡から次の選考まで日が開かず、準備時間の確保が大変なときもあります。現在手掛けている仕事が多忙な時期に転職活動をすると、途中で挫折してしまう恐れもあるため、在職中の会社に迷惑をかけないようなスケジュールを立て、効率良く転職活動を行いましょう。

また、在職中の転職活動で転職エージェントを活用すれば、転職コンサルタントから手厚い支援を受けられます。自分に合う求人を数多く案内してもらえたり、企業との年収・日程交渉を代行してもらえたりするのは大きなメリットです。転職エージェントは多忙な転職活動を支える、心強い味方になってくれるでしょう。ぜひ在職中の転職活動に臨む際には、ハイクラス向け転職エージェントサービスのパソナキャリアへお気軽にご相談ください。

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