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【2021年下半期】医療・治験業界転職市場動向

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医療業界のなかでも治験業界は、新型コロナウイルスの影響を受けた時期もありましたが、現在の採用活動は活況になっています。製薬メーカーをはじめCRO(※1)業界から適応拡大や海外からの新規参入など、日本の承認に向けて多くの採用ニーズを頂戴しております。

パソナでは、最新の採用動向から、求められるスキル、CROから製薬メーカーへのチャレンジなども含め、求職者の方に合った情報提供や求人のご提案が可能です。医療業界、治験業界での転職をご検討されている方は、今後のキャリア形成も含めてぜひ、パソナへご相談ください。

※1 CRO…医薬品開発業務受託機関 (Contract Research
Organization)の略称。企業、医療機関、行政機関等の依頼により、医薬品、医療機器等の臨床開発及び臨床試験(治験)に関わる業務を受託または労働者派遣等で支援する外部機関。

医療・治験業界の採用動向について

CRO業界では、CRA(※2)を中心に治験専門職種の採用が活発となっています。昨年は新型コロナウイルスの流行を注視し、採用を控えていた企業もありました。しかし、現在は積極的に採用を再開しており、新型コロナウイルスによる中途採用の影響はほぼ無くなったといえます。

一方でCRO業界内の変化が強く感じられています。CRO各社で新たな経営統合の動きがあり、組織の強化や新しいサービスを展開するなど目まぐるしく環境が変わっているでしょう。

各社は企業の将来を牽引してくれる確かな経験とスキルのある経験者採用を活発化させています。採用ニーズはあるものの、内定獲得のハードルは非常に高くなっていると感じています。「より即戦力として活躍し、リーダーシップを発揮できる力」を持つ人材を求める印象を受けます。

実際に各企業の採用担当者にお話を伺うと「各種の業務遂行の能力・経験を持っているのは最低条件で、チームを牽引した経験やボトムアップしてくれる素質を持つ人材を求めている。」と話されます。そのため、組織や自身の周りに良い影響を与えて結果を出した経験をアピールでできるように、日々の業務に取り組んで頂きたいですね。

医療・治験業界の求人動向について

医療・治験業界の採用ニーズが高まるなか、注目の求人は「データサイエンティスト」と「未経験CRA」です。ご経験のある方やチャレンジしたいと考えている方は今がチャンスでしょう。

注目職種「データサイエンティスト」について

昨今のCRO業界では、リアルワールドデータを対象としたデータサイエンティストの需要が高まっています。薬剤の有効性・安全性のエビデンスを生むための統計解析にとどまらず、日常診療のカルテ・診療情報、いわゆるビックデータから「疾患リスク」を診断・健康ビジネスに発展させるサービスに取り組むCROも出てきています。

特に最近ではCROが自治体と連携し、新型コロナウイルスの発生警戒マップを運営するなどリアルワールドデータ解析が社会に大きく貢献していることでも話題になっています。 CROは単に製薬企業の医薬品開発の受託企業ではなく、社会に大きなベネフィットと影響をもたらす、無くてはならない存在へと進化していると言えるでしょう。

今後も、CROはデータサイエンティストの育成に力を入れていくことが予想され、統計解析の採用ニーズが高まっていくでしょう。

未経験CRAの求人がチャンス!臨床研究分野での市場拡大

未経者CRAの採用が一部の企業で活発化しています。前述のリアルワールドデータの需要の高まりから、臨床研究業界での人材ニーズが増加しており、臨床研究特化型のCROでも採用が積極的に行われています。 新薬開発の難易度が高くなり、臨床開発の市場が頭打ちになった一方で、今後、臨床研究分野での市場拡大が見込まれます。 臨床開発を経験しているCRAも当然大歓迎ですが、人員確保が追い付かないことが予想され、未経験枠の臨床研究モニター採用がスタートしています。

これまで未経験の方がCRAになれるチャンスはかなり少ない状況でしたが、今年の秋入社を目指して採用を行う企業が出てきていますので、この機会にチャレンジ頂きたいと思います。

医療・治験業界の求職者動向・転職事例

医療・治験業界の求職者は、CROのCRAをされている方のご相談が多いです。特に20代、30代の転職理由では「メーカーへ行きたい」「もっと経験が積める環境に行きたい」というものです。 40代50代のベテラン層の方は製薬メーカーからCRAへご転職される方も増えています。

メーカーに行きたいというCRAの方は納得感のある転職理由を

メーカーへ行きたいという転職理由の方は多いですが、面接において「メーカーで何をやりたいのか」という点をしっかりとアピールできなくてはいけません。「クライアント側だから」「自社製品を持ちたいから」など漠然とした転職理由では「ぜひ、弊社で働いて欲しい」という評価が得られないのが現実です。

CROと製薬企業では役割が違いますし、業務内容では臨床企画のように異なる部分もあれば、モニタリング業務のように同じ業務もあります。また、自社の製品開発に携われる一方、開発経験できる疾患領域が狭まってしまうこともあります。

転職理由が「経験を積みたい」という方であれば、ICCC案件を豊富に保有するCROや難易度の高い医薬品の小規模試験を複数プロトコール担当できるCROでも転職理由が叶います。必ずしもメーカーへの転職だけが最適解では無く、「本当にやりたいことは何なのか」にフォーカスして一緒にキャリア形成を考えさせていただきます。

製薬メーカーからCROへ。新薬開発コンサルタントとしての活躍

昨年に引き続き、今年も製薬メーカーでは希望退職者の募集が行われており、現職に不安を抱える製薬メーカーの40代、50代のベテラン層の求職者が急激に増えています。なかでも、新卒から勤められ経験社数が1社という方が多いです。

転職先としては他社の製薬メーカーが選択肢の一つとして上げられますが、CROという選択肢を選ばれる方も増えています。メーカーでの経験をもとに新薬開発コンサルタントとして、CROの立場から製薬メーカーの開発戦略立案~プロジェクトマネジメントを手掛けるようなポジションがおすすめです。単に製薬メーカーが発注側でCROが受注側と言う関係ではなく、製薬メーカーでの経験を新しい形で活かし、対等なパートナーとして活躍されています。

医療・治験業界の採用・転職トレンドについて

製薬メーカーで治験専門職の採用が積極的に行われています。一方で、知見専門職の転職の難易度は決して低くありません。派遣就労型CRAとしてメーカー企業での経験を積んでから転職をすることもキャリ形成の戦略でしょう。

CROから製薬メーカーへ、転職チャンスが広がっています。

これまでは臨床試験をCROへアウトソースしている企業が多かったですが、近年では臨床試験を内製化している製薬メーカーが増えました。それにともなって、治験専門職を積極的に採用する製薬メーカーが増えています。

その理由として、アンメットメディカルニーズを満たすべく開発難易度の高い医薬品の臨床試験が増えてきており、自社内での開発ノウハウの蓄積が求められてきたことが挙げられます。
今までCROへ臨床試験を外注し、CROの開発レベルはどんどん上がっていくものの、その反面、製薬メーカー内でのノウハウが蓄積しづらくなっていました。
そこで治験専門職の中途採用をすることで、ノウハウの蓄積、組織の強化、治験人材の育成へと繋がり、開発の競争力を上げることを目指しています。この流れから製薬メーカーの求人が増えてきていると感じています。下半期もこの傾向は続くのではないかと予想しています。

派遣就労型CRAの経験を積んで中長期的なキャリア形成の戦略を描く。

製薬メーカーの求人が増えている一方で、製薬メーカーにチャレンジする方も増えており、募集枠を奪い合っていることは事実です。メーカーの求人へチャレンジされる方の半数以上がCROに在籍している方ですが、競争率が高いため経験をどうアピールするかが重要になってきます。

昨今では、派遣就労型CRAとしてメーカーのなかで経験を積んでから、メーカーへの転籍を目指すCRAの方が増えています。また、FSP部門でメーカーのSOPの下で経験を積んで転職される方もいます。
新薬開発の難易度が上がってきているなかで、高品質な試験を行うため派遣就労型CRAやFSP部門CRAが活用されていることも一つのトレンドと言えるでしょう。

メーカーへの転職を目指されているCROの方は、まずは、派遣就労型でメーカーのなかで経験を積むことも一つの手でしょう。「急がば回れ」という言葉のように中長期的なキャリア形成の戦略をとることで理想の仕事に携わることができると思います。

求職者の方へメッセージ

自分ひとりで転職活動を進めると気づかないことがたくさんあります。是非、ご自身のキャリアに寄り添って、「何をやりたいのか」を一緒に考えてくれる良きパートナーを見つけてください。
私も皆様の良きご転職のパートナーとしてご支援できるよう努めて参ります。皆様のご相談をお待ちしております。

〈話し手 プロフィール〉

MED業界 治験ユニット リーダー 斎藤優介

外資系製薬メーカーでのMR経験を活かし、メディカル業界の転職サポートに従事。特に治験専門職各種の転職のサポートを得意とし、治験チームのリーダーを務める。人の心に寄り添えるようにとメンタルヘルスマネジメント、産業カウンセラーの資格を取得。ご転職者に親身に寄り添ったヒアリングや手厚い面接対策など、転職への勇気を持ってもらうことをモットーにして活動。

医療業界の経済状況・今後の市場予測

遠隔医療のほか、医薬品業界でもDXの活用が進む

コロナ禍における医療機関での2次感染を防ぐなどの観点から、急速に普及したのが遠隔医療の分野です。2020年にはオンライン診療が時限的な措置として導入されました。政府は、2021年6月にオンライン診療の恒久化に向けた取りまとめを行い、同年秋に指針改定を目指す予定です。

富士キメラ総研によると、2025年の市場規模は、遠隔医療関連が2019年比79.3%増の432億円、スマートウェアソリューションが同300.0倍の300億円となる見通しです。特に成長率が高いのは、電子問診システムやオンライン診療システム、クラウド型電子カルテです。

オンライン診療システムを提供する主な企業としては、エムスリー、オプティム、MRT、メドレー、メドピアなどが挙げられます。また、クラウド電子カルテを手掛ける主な企業には、富士通、パナソニック、セコム、イメージワン、ファインデックスなどがあります。

医薬品業界は政府の薬剤費抑制策が継続しており、2025年までの医薬品市場予測によると、日本の成長率は-2%~+1%と大きな成長が見込めない状況となっています。

一方、製薬業界ではデジタル技術の活用が急速に進んでいます。デジタルセラピューティクス(DTx)や治療支援ソリューションの分野では、「中枢神経領域」「認知症・介護」「糖尿病」といった領域で協業が盛んに行われてきています。 大塚製薬は、米クリックセラピューティクスとうつ病向けの治療用アプリを開発しており、糖尿病の治療用アプリはアステラス製薬、テルモ、大日本住友製薬の3社が開発中です。

医療AI市場は2026年までに9倍になる見通し

医療には「予防」、「診断」、「治療」の段階がありますが、AIはこれらすべての段階で活用されています。医療従事者の人材不足や経験不足が問題となっている現状において、医療AIは患者・医療従事者の双方にとって大きなメリットをもたらしています。

2020年時点で49億ドルと推算される医療AI市場は、2026年までに452億ドル規模になる見通しです。医療業界におけるAIの活用は、初期は画像認識に関するものが中心でしたが、今後は問診・診断支援系などへの活用も増えていくことが見込まれます。

Fisco

株式会社FISCO

1995年に設立、2006年上場。金融情報配信会社として、株式、為替、債券、仮想通過といった金融情報を広く取り扱う。各投資市場に対する深い理解と洞察に基づき、初心者からプロまで、投資家を支援する各種金融サービスを提供している。全国の金融機関約250社向けに金融情報を提供しているほか、個人向けではヤフーファイナンス、LINEニュース、SmartNews、Gunosyなど、国内の主要なサイトやアプリに金融・経済系コンテンツを提供している。


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