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<目次>
一般的に第二新卒とは、新卒入社後3年以内の人を指します。では、社会人経験の少ない転職希望者に企業は何を求めているのでしょうか。
第二新卒は今後の成長を期待できるうえ、新卒と違ってゼロからビジネスマナーを教える必要がないことなどから、多くの企業で歓迎されています。一方で、採用担当者のなかには「またすぐに辞めてしまうのではないか」という点を不安視する人もおり、長く勤められそうかどうかを注意してチェックしています。
そのため、早期に転職を決意した経緯と理由を明確に伝えながら「今度は腰を据えて長く働く気持ちがある」と前向きにアピールすることが大切です。
名刺交換や電話応対などの基本的なビジネスマナーは、ひと通り身に付いていることが求められます。新卒と違い、社会人としての基礎を習得している点は、企業にとって第二新卒者を採用するメリットのひとつです。
第二新卒は20代という若さも武器のひとつになっています。そのため、企業にとっては、成長の可能性を感じられる人材かどうかという点も見極めたいポイントです。業務経験や実績が乏しくても、前向きに学ぶ姿勢や素直さを感じられる人には、企業も今後の成長性を期待してくれるでしょう。
応募先の企業にどうしても入社したいという情熱や、頑張って成長したいという熱意をも、企業が求めていることのひとつです。
自分が入社後に担当したい事業や希望する職種について意気込みを熱く語り、やる気と情熱をアピールしましょう。
短期、または中長期で何を達成し、5年後、10年後、20年後にどんな働き方をしていたいのかといった明確なキャリアプランを持っているかどうかによって、成長スピードは異なります。そのため、第二新卒者のキャリアプランについても企業はチェックしています。前職を早期に退職した理由と関連づけて、自分のなかで描いているこれからのキャリアプランを説明しましょう。
魅力的な自己PRを書くために、押さえておきたいポイントがあります。次の5項目を踏まえて自己分析を行い、アピールできるように準備しましょう。
入社後の自分をしっかりとイメージしてもらえるように仕事でのこだわりや、やりがいに感じること、その理由を伝えましょう。また、やりたい仕事内容、キャリアプランなど、「将来その会社でどうありたいか」を盛り込むと、志望動機にもつながります。
前職で携わっていた仕事内容や身に付けたスキルについて具体的に説明しながら、これからの仕事に活かせる点を伝えましょう。
「エクセルやパワーポイントを使った資料の作成が得意」といった基本的なスキルでも十分アピールに使えます。
もし特筆すべき実績がある場合は、新卒との違いを明確にできるので強調しましょう。
他の第二新卒にはない、自分ならではの強みをしっかりと伝えましょう。
その際、「同期入社のなかで抜擢されて、大きなプロジェクトに参加していた」「営業成績は同期で一番だった」「同世代ではあまり会えない役職の人たちを相手に仕事をしていた」などと具体的に記載することが大事です。
志望する仕事に関連した資格やスキルの取得を目指して勉強していることがあれば、伝えましょう。応募時の段階では募集職種に見合う経験やスキルがなくても、向上心や成長性のアピールになります。
上記のポイントを踏まえながらも、どうしても自己PRがうまく作成できない場合は、転職エージェントを活用する方法があります。キャリアアドバイザーが自己PRの書き方についてアドバイスをくれたり、作成した文章を添削してくれたりします。また、面接対策として模擬面接の実施を依頼することも可能です。
自己PRの作成にあたって、第二新卒者がつまずきやすい注意点があります。特に次の3点に気をつけましょう。例文も併せて紹介しますので、参考にしてください。
アピールできる経験やスキルを思いつかないと、つい学生時代のエピソードを書きたくなりますが、それだけで終わらないように注意しましょう。それでは新卒と変わらず、「前職の実績は何もないのか?」と採用担当者に受け取られてしまう恐れがあります。
学生時代のエピソードを入れる場合は、次の例のように、応募先にアピールできる内容であるかどうかで判断しましょう。
<貿易会社に応募する場合の例>
学生時代は英会話サークルに所属しており、スピーチコンテストで入賞経験もあります。TOEICは900点で、ビジネスレベルのコミュニケーションができます。
<警備会社に応募する例>
中学2年生のときから10年間、柔道を続けています。大学時代は副将を務めていました。現在でも筋力トレーニングを続けていて、体力には自信があります。
大した実績やスキルがあるわけではないのに、それを強調しすぎるのはNGです。特に同業種への転職の場合、大げさな話は採用担当者にすぐ見抜かれ、突っ込まれてしまうでしょう。
退職理由を志望動機に関連づけて説明し、採用担当者に納得感を与えましょう。
先述のとおり、採用担当者は第二新卒者に対して、「またすぐに辞めてしまうのでは?」と心配しています。退職理由は前向きな表現に言い換え、自分のやりたいことと絡めて、説得力をもたせるようにしましょう。
これまでにご紹介した内容に留意して、実際に自己PRを作成してみましょう。例文とポイントを参考に、応募先の企業ならではの特徴を踏まえた内容に仕上げることが大切です。
<例文>
現職ではOA機器の法人営業を担当しています。入社2年目となる昨年の下半期には、同期入社15人のなかでNo.1の成績を収めることができました。自分の強みは電話営業による新規開拓です。1日のコール数をただ競うのではなく、お客様それぞれのニーズをよく分析したうえで、最適な提案を行うことを心がけております。インターネット広告という無形商材の営業は初めてですが、お客様のニーズを十分に分析した営業を行うことで、必ず貴社の売り上げに貢献できるものと考えております。
<ポイント>
実績の少ない第二新卒ながら、同期でNo.1の営業成績を上げた経験と電話営業が得意であるという強みを打ち出しています。異業種への転職ですが、職種は同じ法人営業ということもあり、転職後の比較的早い段階で成果を上げられそうな期待感をもたせます。
<例文>
前職では経理を担当していましたが、学生時代からプログラミングの勉強をしていたこともあり、会計システムなどを使って仕事をするうちに、自分もシステムエンジニアとして開発の仕事をしたいと考えるようになりました。前職を退職した後はプログラミングスクールに通って勉強し、現在はPHPとJavaに対応できます。貴社のシステム開発でも、即戦力として力を発揮できると自負しております。
<ポイント>
即戦力として働けるスキルがあることをアピールしています。前職の退職理由も前向きで、キャリアチェンジも問題ないでしょう。
<例文>
前職では、コールセンターでトラブル対応を担当しました。トラブルの内容はマニュアル化が難しいため、案件ごとに柔軟に対応することが求められます。そのためビジネスシーンに必要なコミュニケーションスキルが身に付き、丁寧な対応が認められて、社内の新人賞をいただくことができました。貴社でも柔軟な対応力とコミュニケーションスキルを活かし、関係部署のメンバーの意見を積極的に聞いて業務効率化に取り組みたいと考えています。
<ポイント>
前職で得たスキルを希望している事務職でも活かせることをアピールする例文です。また、他の第二新卒にはない自分の強みとして、新人賞を受賞したことを取り上げています。
<例文>
現在は食品メーカーで営業担当をしております。販促プロモーションのための企画を手掛けるうちに、本格的に商品企画の仕事をしたいと考えるようになりました。玩具業界は未経験ですが、学生時代に玩具店でアルバイトをしていたことがあり、子供たちや保護者の方々と接するなかでひらめいたアイデアを日々、ノートに書き留めておりました。そのノートは今も大切に保管してあります。こうした経験を基に、さらに勉強を重ねて、子供たちに長く愛されるおもちゃの商品企画に取り組んでいきたいと考えております。
<ポイント>
異業種・異職種への転職ですが、学生時代のアルバイトと現職で企画に携わった経験を併せてアピールしています。また、入社後の熱意や成長意欲も感じられます。
第二新卒者の自己PRは、企業に求められることを意識しながら、熱意ややる気、自分ならではの強みをアピールすることがポイントです。応募する職種に関連づけられる場合は、学生時代のエピソードを盛り込んでも良いでしょう。
前職の在籍期間が短い人や、特別な実績がない場合でも、電話応対やパソコンの操作といった基本的なビジネススキルのなかから、アピールできる点は見つかるはずです。前職の経験をよく振り返り、自分ならではの強みを探して、説得力のある自己PRを作成しましょう。
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