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外資系企業といえば、「ハードワーカー」「高給取り」「実力主義者」など、バリバリ仕事に取り組む人材だらけのイメージがある。そんな現場を間近にし、作品のネタにしたのが「外資系OL」のずんずんさんだ。
ずんずんさんの代表作は、『外資系OLは見た! 世界一タフな職場を行き抜く人たちの仕事の習慣』(KADOKAWA/中経出版)。公開プロフィールには、「地方の三流私立大学卒業後、就活に失敗」「ラッキーパンチで英系投資銀行への転職を成功させる」「ついカッとなってシンガポールに移住」など、実にユニークな来歴が並ぶ。
現在はシンガポールでグローバルITカンパニーに勤務している彼女は、どのようにしてキャリアを積み上げてきたのか。本人にお話を伺った。
顔出しNGのずんずんさんをシンガポールの日本料理屋で撮影(イラストは本人自筆)
――ずんずんさんは、もともと外資系指向だったんですか?
いえ、当初は丸の内OLになりたかったんです。
――丸の内OLに。
はい。本当に、丸の内OLというものになりたかった。
――ちなみに、1社目の勤務地は。
埼玉です。
――隔たりがありますね。
そうですね。しかも、そこが今で言う「ブラック企業」でした。
――具体的には、どのような?
メーカーの事務をしていましたが、まず、朝の8時から掃除があるんです。だから、7時半には出社しないといけない。8時から従業員全員で掃除をしたら、ラジオ体操をして、朝礼をして。
全体の朝礼の後で、今度は部署ごとの朝礼。部長が「今日もがんばりましょう」みたいな話をして、それから創業者の本をグループで輪読します。
――朝のルーティンだけで、もうお腹がいっぱいです。
それで仕事が9時−17時で終わればいいのですが、業務が片付くのはいつも23時過ぎ。通勤に1時間半くらいかかっていたので、日付が変わる頃に家に帰り、6時には家を出て、の繰り返しで……。
1年くらいで心も体も壊してしまい、「私の人生違うな」と思ったんです。ブラック企業に搾取されて、愚痴をこぼしながら我慢して、そのまま人生を終えるのは違うな、と。それだったら「人生で一度は丸の内OLになりたい」と思うようになったんです。
――そこで結び付くんですね、丸の内OLと。
丸の内OLが具体的に何をするのかはわからなかったんですが(笑)、アイコンとしての丸の内OLに強く憧れて。
――あ、じゃあもしかして、外資系企業じゃなくても、丸の内に会社があればよかったのでは?
はい(笑)。外資系企業の面接を受けたのはたまたまというか、丸の内には外資系企業がたくさんあるので、必然というか。
――なるほど。「外資系OL」のずんずんさんを生み出したのは、ある意味では1社目のブラック企業なんですね。少年漫画の主人公が強敵にやられて強くなる、みたいな。
やっぱり人間、一度くらい死にかけないとダメですね。死ぬときに後悔するのは何か、そこで初めて気づきますから(笑)。
――「自分がこうありたい」っていう理想をいつしか閉じ込めてしまうこともあるんじゃないかと思うのですが、ずんずんさんはなぜ、そうはならなかったのでしょうか。
自意識は大きめですからね。閉じ込められてたまるか!ってくらい。もはや私が自意識なのか、自意識が私なのかわからないんですが(笑)。
私は人間には2つのタイプがいると思っています。それは、自意識を檻の中に閉じ込めて自分に妥協するタイプか、自意識が檻を破って自分ごとストレッチしていくタイプか。私は完全に後者です。転職は無謀だったかもしれないし、自信があったわけじゃないけど、自分との約束は守りたかったんです。
――「自分との約束」とは、どういうことですか?
「こんな自分になりたい」っていう理想を持つことはある意味、自分との約束ですよね。それを守れないと、どんどん自分がみじめになってしまう。そうさせないためにも、今あるものをどう利用して、自分の理想に近付くか。これを常に考えておくのは大事だと思います。
――自分との約束を果たし、埼玉のメーカーから外資系企業に転職し、晴れて丸の内OLになったわけですね。
はい(笑)。ただ実は、「お前は何回転職しているんだ」と怒られそうなくらい転職しています。本来は転職ってあんまりしないほうがいいと思っているのですが、「これ以上ここにいても何も得られない」と判断したら辞めていい、というのがマイルールです。
人によって大切にするものが違うじゃないですか。給料なのか、知識や経験なのか、安定なのか。私は知識や経験がほしいので、トップランナーと比較して、自分に何が不足しているのか、それを手に入れるにはどうすればいいのかを、いつも分析しています。
――そもそも、外資系企業ってどうすれば転職できるものなのでしょうか。
私の場合は、普通に求人サイトで見つけました。履歴書を提出したら面接に呼ばれて、いつの間にか採用されていました。
――とはいえ、外資系企業の面接には英語が必須だと思いますが……。
当時は英語があまり話せなかったので、面接では逆質問をしました。自分じゃなくて、相手に話させようと思って、あらかじめ英語でいくつも質問事項を準備して。そこが気に入られたのか、採用してもらえたものの、入社してからは大変でしたね(笑)。
別の外資系企業に転職したときは、逆質問じゃなくて、英語の面接の本を丸暗記して、想定質問集を用意したんです。そしたら想定通りの質問が出されて、ヤマが当たって。面接官が「こいつ英語できるじゃん」って勘違いしてくれた。
――だからプロフィールに「ラッキーパンチ」と。
自分でも、よくやったものだと思います。社会人になるまでピザの注文もできないくらいのコミュ障だったのですが。
――外資系企業での仕事やシンガポールでの生活には、「ラッキーパンチ」ではない本物の英語力が必要だと思います。ずんずんさんはどのようにして、その英語力を身につけたのでしょうか。
外資系企業だと、社内の日本人同士の会話も英語なので、できないと馬鹿にされちゃうじゃないですか。しょうがないから英語を勉強し始めたんです。そもそも勉強自体が好きではなかったので、勉強のやり方の本から読みました。
ただ、やはりというか、個人勉強だけで思うように学習が進まず、一度思い切って留学しました。結局、英語力が飛躍的に伸びたのは、現地(シンガポール)の企業で日常会話まですべて英語という環境に身を置くようになってからですね。
――あえてそんな環境に身を置こうと、自ら決めたのでしょうか。
いえ、まさかこんなに日本人がいないとは、完全に誤算でした。ただ、強制的に英語を話す環境じゃないと、英語力は向上しないのかもしれないですね。
――自分を追い込むことで、とにかく努力できる環境を作り出した、と。
努力といえるほどの努力をできたのか、正直なところわかりません。いま自分が持っている知識から導き出せる、できる限りの努力をしているだけなので。
「英語ができないから逆質問にする」とか「英語の面接の本を丸暗記する」とか、まさにそうですよね。今だったらインターネットでいろんな情報が引き出せるし、闇雲に一人でがんばるよりは、努力の方向性を決めやすいのではないかと思います。
――丸の内OLになりたい人はたくさんいても、実際になれる人はそうはいないのかもしれません。何がそのキャリアを分けるのでしょうか。
若ければ若いほど、みんな自分が特別な存在になれると思い込んでしまうけど、実際に特別になるにはつまらない努力の繰り返しが必要ですよね。その現実とどう向き合うかだと思います。
例えば、1社目の次に転職活動をしていたときに「キミの学歴じゃ、丸の内OLなんか無理だ」って言われたことがあります。でも、やってみたらなれました。周りに無謀だと思われても、とにかく一度飛び込んでみるのは大事な選択ですね。
――そこから一歩後押しをするとしたら、どんな声を掛けますか。
大抵は諦めてしまうじゃないですか。「みんなが言うから無理だ」とか。いつの間にか自分の願望を抑圧して、現実に妥協して生きていくというか。でも、その「みんな」って誰なのかな、って。
家族かもしれないし、友人かもしれないし、一般常識のように見えないものかもしれないけど、実際には5人くらいなんじゃないかと思うんです。そんな少数の人たちに、自分の人生を左右されてもいいのかと、私は思っています。
ちなみにブックファースト新宿店様ではこのようにディスプレイされているそうです!私がシンガポールでコピック探して描いた色紙が新宿で飾られていると思うとかんがいぶかい pic.twitter.com/k5fmNc0r
— ずんずんのずんずんいこう (@zunzun428) 2012, 12月 3
――ずんずんさんは外資系企業に勤務されながら、これまでに『外資系はつらいよ』(中経☆コミックス)『外資系OLは見た!世界一タフな職場を生き抜く人たちの仕事の習慣』(中経出版)など、外資系企業をテーマにした著書を出版されたり、Webメディアに連載されたりと、作家活動にも取り組まれています。きっかけは何だったのでしょうか。
別に目指していたというわけではないんです。もともとはTwitterを黎明期にやっていて、最初はかわいいアイドルの写真をアイコンにして、ずっと下ネタをつぶやく活動をしていました。
――「ずんずん」で画像検索すると、いまだに某女性アイドルの顔写真がヒットします。
今思えば当時は心が病んでいたんですね……。
――いえいえ、ある意味、たくさんのネットユーザーの心を癒やしたはずです。それは外資系企業にいた頃ですよね。
そうです、外資系企業を辞めるか辞めないかの時期で。当時、Twitterのお友だちが「ずんずんさん、面白いから本を出せばいいんじゃない」と言ってくれたんです。
その当時、ブログが本になるという流れがあったので、ブログを始めました。そのブログを読んだメディアの編集者さんが、「寄稿しないか」と言ってくれて、その記事の自筆イラストを見た出版社の編集者さんからコミックエッセイのお話を頂きました。
――ずんずんさんと言えば、かわいらしいイラストのイメージです。
昔は絵ばっかり描いていたんですよ。でも、学生時代は「オタク」と言われていじめられてしまって。だからこそ、自分がプロとしてコミックエッセイを出版できたのはすごい達成感があったし、オタクとして最大の自己実現になったかと思います。
――新刊の『エリートに負けない仕事術(仮)』(大和書房)で著作はすでに3冊目になりますよね。ずんずんさんのキャリアは「自己実現」がキーワードかもしれません。
多くの人は、何がやりたいのかわかってないんじゃないかと思うんです。色んなことに迷っていても、最低限の準備はしなければいけない。
――勝負の前に、しっかり準備をするのが大事だ、と。
はい、自分の価値を最大化するように。チャンスはいつ来るかわからないから、それに備えてしっかり準備をしなきゃダメじゃないですか。知らない間にみんなにもチャンスが訪れているのに、単に見逃しているだけなのかもしれないですからね。
――率直な疑問なのですが、ずんずんさんは最終的に何になりたいんですか?
私が聞きたいくらいです(笑)。でも、ずっと持ち続けている目標は、「ベストセラー作家になる」、そして「大企業で出世する」です。
――どちらも達成するのは、なかなか難そうですが……。
もちろん、そう思います。ただ、何かを犠牲にして何かを達成するのではなくて、どちらも全力でやれば、どちらも達成できるかもしれないですよね。
最初から華やかなキャリアなんて設計できないと思うんです。みんな経験をつなげてキャリアパスを形成している。だから、ユニークな経験を積み重ねて、自分の価値を最大化していきたいと思っています。
――なるほど。初めから何かを諦めてしまうのは、よくない傾向ですよね。
あとは、ビルを建てたいです。
――ビルを。
はい、ビルを。
――それは、成功の象徴としてのビル、でしょうか。
そうです。ビルの名前は『自意識の塔』にしようと思います。
――ぜひ、目立つ場所に高いビルを建ててほしいですね。
本、もっと売れるといいな。
(インタビュー・文/朽木誠一郎)
ずんずんさん
グローバルIT企業に勤める、公私ともにプロ外資系OL。趣味はコーチング。著書に『外資系はつらいよ OLずんずんが見た資本主義帝国♪の全貌』『外資系OLは見た!世界一タフな職場を生き抜く人たちの仕事の習慣』がある。新刊『エリートに負けない仕事術(仮)』を2016年2月に発売予定。自称ツイッターの天使(@zunzun428)。
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