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老後には1800万が必要! ファイナンシャルプランナーが教える貯金のコツ

老後には1800万が必要! ファイナンシャルプランナーが教える貯金のコツ

給料日前になって「今月はなんとなく、お金を使いすぎた気がする……」と思うことはないだろうか。そんな生活ではなかなか貯金まで手が回らないし、そもそも貯金できなければ結婚や出産などのライフプランもままならない。

 

一般的なビジネスパーソンに必要な貯金は、いくらくらいなのだろうか。そのための貯金法と合わせて、ファイナンシャルプランナーの平澤朋樹さんに教えてもらった。

 

 

「老後の生活費」はいくらあれば安心?

 

人生で起こり得るさまざまなライフイベントには、いくらくらいかかるのだろうか? 「結婚」「出産」「老後の生活」など、それぞれの費用の目安を算出してみよう。

 

  • 結婚費用:約440万円

 「これは、結納・婚約~新婚旅行までにかかる費用の総額です。ただし、一時的にこの金額を負担するとしても、ご祝儀の目安である約230万円、親の援助の目安である約180万円を考慮すると、実質負担は約30万程度でしょう。うまくやりくりすれば、自己負担ゼロの場合もあり得ます」

 

  • 出産費用:約49万円

 「これは、入院料・室料差額・分娩料・検査・薬剤料・処置・その他の費用の総額です。ただし、健康保険から、出産育児一時金として1児につき42万円が支給されるので、覚えておきましょう(条件により変動する場合あり)」

 

  • 教育資金:約950万円

「これは、子供1人が幼稚園から高校まで公立、大学のみ私立の場合の総額です。教育資金についても、国から児童手当が、0~3歳までは月1万5,000円、3歳~小学校修了前までは月1万円(第1子・第2子)、1万5,000円(第3子以降)、中学生は月1万円支給されるため、こちらも覚えておくようにしてください(年収が約960万円以上だと制限あり)」

 

  • 老後の生活費:約27万円/月

 「これは、男性65歳以上、女性60歳以上の高齢夫婦無職世帯の支出の目安です。年金収入を月21万円とすると、一般的な生活水準を保つ場合、月6万円ずつ貯金を切り崩すことになります。65~90歳まで存命だと仮定すると、必要な貯金額は合計約1,800万円。上場企業で38年勤め上げると、大体2,000万円ほどの退職金がもらえますが、これは恵まれたケースです。また、この支出には医療費や介護費、自宅のリフォーム費用などは含まれていないため、退職金だけで安心して暮らせるとは言いきれません」

 

 

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1,800万円を貯金するために必要なこと

 

しかし、若手のビジネスパーソンに「老後の費用が1,800万円必要」と言っても、なかなかピンとくる金額ではないだろう。そもそも、収入のうちどれくらいの割合を貯金すればいいのだろうか。

 

「独身のうちは、手取り月収の20%以上を目標にしましょう。30%貯金できればベストです。たとえば、手取り20万円なら、4万円以上が目標金額になります」

 

とは言え、毎月手取りの30%以上を、数十年に渡り貯金し続けるのはハードルが高い。ここで、貯金を習慣づけるためには、「家計簿アプリ」がピッタリだと平澤さんは言う。

 

「貯金の最大の敵は、何に使ったかわからない使途不明金。家計簿をつけてお金の出入りを管理しなければ、いつまで経っても貯金は増えないでしょう。最近ではレシートを撮影するだけで自動的に支出を計算してくれたり、ネット口座と連携して資産状況が一目でわかったりするアプリがあります。この手のアプリで収支の管理を続ければ、自分が何にお金を使いすぎているかが明確になり、結果的に貯金も増えやすくなります」

 

また、お金の出入りの管理と合わせて節約に取り組むことで、貯金のスピードはさらに向上する。平澤さんによれば、貯金のコツは以下のような使途不明金のコストカットだ。

 

  • 光熱費よりも通信費を見直す

 「単身世帯の場合、水道・電気・ガスなどの光熱費を削っても月数百円なので、あまり大きな金額にはなりません。それよりも、携帯電話やインターネット回線の料金プランが、自分にとって最適かどうかを確かめましょう。何年間も同じプランを使いつづけている場合、見直しをすることで、大幅に支出が抑えられることもあります。キャリアに縛られないSIMフリーの端末に変更するのもいいでしょう」

 

  • 銀行口座やクレジットカードは用途にあわせて使い分ける

 「銀行によっては、コンビニや郵便局でのATM利用手数料や他行への振込手数料が無料になる特典があります。自分にとってお得な銀行口座をいくつか持ち、使い分けてみては? また、クレジットカードは家電や家具など大きな支出にのみ使用し、日用品には使用しないようにしましょう。クレジットカードの多用により現金を使っている感覚がなくなり、使いすぎてしまう傾向があるからです」

 

  • 「ラテマネー」をカットする

 「ラテマネーとは、“とくに大きな幸せを生んでいるわけではないが、毎日なにげなく買っている小さな買い物(たとえば、カフェで買うコーヒーなど)”を指します。仮に、毎日400円の出費が20日間積み重なれば8,000円です。意外と大きな金額になってしまいますよね。例えばこれをマイボトルにしてお茶を淹れるようにすれば、1カ月に5~6千円は貯金できてしまいます」

 

お金の出入りを把握するだけでなく、「このような使途不明金を洗い出すことで、節約ができるようになる」と平澤さん。月に貯金できるおおよその金額が見えてきたら、「先取り貯蓄」をするのがおすすめだそうだ。

 

「先取り貯蓄とは、給料が振り込まれたら貯金分を先に抜き、残りのお金でやりくりすることです。しかし、これだけでは生活が味気のないものになってしまうのも事実。働き盛りのビジネスパーソンは本を読んだり、セミナーに参加したりするなど、自己投資も大切です。収入-貯蓄-自己投資=支出として、お金の出入りを管理しましょう」

 

嫌でも向き合わなければいけないお金の問題。20代、30代のうちに管理のコツを身につけておくと、ライフステージの変化にも柔軟に対応できそうだ。ここまで紹介した内容のうち、取り組みやすいものから手を付けてみてはいかがだろうか。

 

(小林香織+ノオト)

 

<取材協力>

平澤FP事務所 平澤朋樹

http://fphirasawa.com/

 

 

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