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ボードゲームカフェ店長直伝! ビジネスで勝つ力が身につくボドゲ5選

ボードゲームカフェ店長直伝! ビジネスで勝つ力が身につくボドゲ5選

 

懐かしの 「ボードゲーム」というと何を思い浮かべるだろうか? おそらくは「人生ゲーム」、もしかしたら「モノポリー」かもしれない。だが、ボードゲームの世界は、世間で知られているよりもずっと広く、深い。数え切れないくらいの種類があり、ファンも年々増加しているのだ。

 

商業・同人問わず、あらゆるボードゲームを売るイベント『ゲームマーケット』は、2000年初開催の来場者が400人に過ぎなかった。しかし、2年前は6500人、そして2015年秋には約9500人にまで膨れ上がっている。

 

かくいう筆者は、3年ほど前からボードゲームを買い集め始めた。実際にゲームをしていると、交渉力や判断力を総合的に問われるゲームが少なくない。これ、ひょっとして仕事にも活かすことができるのではないだろうか……。

 

というわけで、ボードゲームを遊べる『ジェリージェリーカフェ』のオーナー・白坂翔さんに、ビジネスに役立つ(かもしれない)ボードゲームについて話を聞きに行ってみた。

 

 

■『カタンの開拓者たち』

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白坂さんがまず紹介してくれたのは、『カタンの開拓者たち』(通称・カタン)。「ボードゲームと言えばこれ、というくらい有名なゲームかもしれません」と白坂さん。ジャンルとしては交渉ゲームで、ほかのプレイヤーと物々交換をしながら自分の陣地を広げていく。このゲーム、いったいどのあたりがビジネスに役立つのだろうか。

 

詳細:名作中の名作!開拓!発展!そして交渉!? カタン

 

「カタンでは条件の悪い交渉でも、言い方やタイミング次第で成立します。相手プレイヤーに今、何が足りないかを見極めて、相手がほしがるものを的確に提示するためには、交渉力だけでなく俯瞰する視点も必要です。営業職はもちろん、上司を説得するといった場面でこのゲームで掴んだ気づきが活かせるかもしれません」

 

 

■『INTRIGUE』

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もうひとつ、『カタン』とは趣向の異なる交渉ゲーム『INTRIGUE(イントリーゲ)』をおすすめしてくれた。

 

「INTRIGUEは、それぞれのプレイヤーが自分の家の子を雇ってもらい、お金を稼ぐのが目的。賃金の高い働き口に就職させるために、賄賂を差し出して交渉を持ち掛けます」(白坂さん)

 

詳細:必要なのは交渉力のみ! イントリーゲ

 

 

ゲームの流れの一例を挙げてみよう。

 

AさんがCさんに『2万ダカット(※このゲームのお金の単位)の賄賂を渡すから、月給1万ダカット賃金でうちの子を働かせてください』と持ち掛ける。

 

ここでBさんが自分の手番でCさんに、『じゃあ私は3万ダカットを渡すから、そこの月給1万ダカットのところで雇ってよ』と言う。

 

CさんがBさんの要求をのんだら、Aさんの子は裏切られてクビになり、島流しにされてしまう。

 

 

「自分が儲かるためには、嫌な交渉や裏切りもしなければいけません。しかし、敵を作ると自分が裏切られることにもつながりますので、みんなにいい顔をしながら出し抜くのです。いかに敵を作らないかは、ビジネスの場でも重要になってきます。また、仕事でどうしても嫌なことを相手に伝えなければならないこともありますが、このゲームはその練習にもなるかもしれません」

 

 

■『ブラックストーリーズ』 f:id:pasona_career:20160304113651j:plain

 

質問力を養うゲームとして白坂さんが挙げてくれたのが、こちらの『ブラックストーリーズ』だ。

 

参考:本当に起こったブラックな物語を推理し事件の真相にたどりつこう! ブラックストーリーズ

 

「『ブラックストーリーズ』は、本当にあった死亡事故の真相を当てるゲームです。出題者と質問者に分かれて、質問者が出題者に質問をしていきます。出題者は『はい』、『いいえ』、『それは答えとは関係ありません』の3つの答えでしか答えられません。ちょっとやってみましょう」

 

実際に『ブラックストーリーズ』の中の問題を一問、プレイしてみることにした。以下はその流れの一部である。

 

出題者/白坂さん、質問者/筆者

 

問題:「どえらい奴」 - 友人に自分のタフさを証明するため、男はとんでもない手段に出た。その結果、死んだ。とんでもない手段で死んだとは、一体どういうことか。

 

――死んだのは一人ですか?

白坂さん「はい」

 

――一緒にいた友人以外で、死ぬ瞬間を見ていた人はいましたか?

白坂さん「いいえ」

 

――友人は男ですか?

白坂さん「はい」

 

――道具を使って死にましたか?

白坂さん「はい」

 

――窒息死ですか?

白坂さん「いいえ」

 

――刃物による死ですか?

白坂さん「はい」

 

――刃物で傷つけたのは心臓ですか?

白坂さん「いいえ」

 

――刃物で傷つけたのは上半身ですか?

白坂さん「はい」

 

(※問題の答えはこの記事の一番下で)

 

「このゲームでは、どう質問すれば絞り込めるかがキーになります。先ほどの問題も、最初からピンポイントに『窒息死ですか』『刃物による死ですか』と聞くよりも、『道具を使って死にましたか?』と聞く方が範囲を一気に絞り込めて、正解に近づきますよね。このような質問を考えるのは、アイデア出しによく似ています。ブレストの最初でこれをやると、頭の体操になるかもしれません」

 

 

■『レジスタンス』 

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『レジスタンス』は、正義の味方とスパイに分かれて、誰がスパイかを探すゲーム。スパイになった人は、自分の正体がバレないように正義の味方のふりをしなければならない。

 

詳細:この中に裏切り者がいる!革命がテーマの人狼系ゲーム レジスタンス

 

「自分の正体がバレないようにするゲーム全般を、正体隠匿ゲームと呼びます。この手のゲームは、社内で複数人を説得する練習になると思いますね。プレイヤーの中で誰がスパイなのかを見破る推理力はもちろん、スパイだと思う人物にみんなで投票して追放していくので、たとえ自分だけ正解がわかっても、周りを説得して怪しい人物に票を集められなければ意味がありません」

 

たとえ自分がスパイに投票していても、ほかのプレイヤーが投票していなければ、自分の一票だけではそのスパイは追放できないのだ。

 

「正しい推理を話せばいいかというとそうでもなくて、状況の理解が追いついていない相手にいくら説明しても、『なんか難しいこと言っているから怪しい』と、逆に自分が疑われてしまうこともあります。理詰めで説得するのが効果的な人もいれば、感情論で心を掴んだ方が上手くいく人もいます。ビジネスの場でも、クライアントや上司のタイプによって、言い方を変える必要が出てきますよね。『レジスタンス』では、そのような説得における立ち回りを学べるのです」

 

 

■『キャット&チョコレート』

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プレゼンの現場などで、臨機応変な受け答えを鍛えられそうなゲームが『キャット&チョコレート』だ。ちなみに、あのきゃりーぱみゅぱみゅさんが「このゲームが面白い」とSNSに投稿したことで、人気になったゲームでもある。

 

「『キャット&チョコレート』は、手持ちのカードを使って、お題を解決するゲームです。お題は解決できないようなものばかりなのですが、それでもどうにか周りを説得できるような解決法を提案します。例えば、いま僕が引いた『ゆるキャラ』『チョコレート』『口紅』のカードから2枚を使って、この『会社が倒産する』というお題を解決しなければなりません」

 

詳細:重要なのはひらめき力!?アクシデントを無事乗り切ろう! キャット&チョコレート 日常編

 

筆者自身がパッと思いついたのは、「ゆるキャラをかたどったチョコレートを売る」「自社商品の口紅と、ゆるキャラをコラボさせる」といったアイデアだった。でも、それでは倒産を免れられそうにない。

 

「実はこれ、“解決する”にこだわってプレゼンしてもダメなんです。たとえ解決していなくても、オチがついていて面白かったり、その手があったかというものだったり、周りを『おぉー!』と言わせるのがキモ。トークだけで笑わせるのも強いです。お客さんに突っ込まれたくないことを言われたときの切り抜け力だったり、その場その場の口八丁手八丁だったりが身につくはずです」

 

なるほど……。白坂さんならこのお題をどう解決するのかを聞いてみたところ、「いや、うーん……。これは難しいですね。思いつきませんでした(笑)。このゲーム、結構難しいんですよ!」と笑顔で上手に切り抜けられてしまった!

 

白坂さんは、ボードゲームとビジネスの関連性について、最後に以下のように話してくれた。

 

「どのボードゲームにも共通して求められるのは、ほかのプレイヤーがいまどうなっているか、全体状況を把握する視点ですね。さらに、勝利までにはどのルート(選択)が最適かを考える能力。これはビジネスでも大事な要素ですよね」

 

ボードゲームには様々なかけひきがある。これを意識しながらボードゲームをプレイしておけば、仕事中 「あ、これボードゲームでやったところだ!」と思う日がくるかもしれない。懐かしの「あ、これ進●ゼミでやったところだ!」のように。

 

(取材・文/朝井麻由美+ノオト)

 

 

※『ブラックストーリーズ』の問題の答え

 泥酔していた男2人が、自分の男らしさを証明するために、自分で自分の体をそれぞれ傷つけて見せつけていた。最初はつららなどを使って傷つけていたが、徐々にエスカレート。男Aがチェーンソウで自分のつま先を切って、「ほら、こんなに切っても大丈夫だ!」と言い、血だらけになった。それを見た男Bは、負けじとチェーンソーで自分の首を切断した。

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