最速3分で自炊カレー！？　ビジネスパーソン向け「しかない料理」3品

• 働くコト研究所

更新日：2022.03.04

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忙しいときほど「食事」の優先順位は下がってしまいがち。外食や出来合いの弁当などでサッと済ませたいところですが、栄養バランスや食費を考えると、本当は自炊をしたい……。そんなビジネスパーソンには、時短かつ手元にある食材でも手軽に自炊ができる「しかない料理」を紹介したい。

 

 

ビジネスパーソンにぴったりの「しかない料理」とは？

「しかない料理」は、材料が○○しかない、時間が○○分しかない、かけられる食費が○○円しかないなど「しかない」ばかりの状況でも、誰でも簡単に、おいしく、満足できる料理のレシピだ。

 

そんな「しかない」レシピ提唱者の料理研究家・五十嵐豪さんに、ビジネスパーソン向けの「しかない料理」を伝授してもらおう。今回ご紹介してくれたのはこちらの3品。

 

 

一見、どれも手の込んだ料理に見えるが、実際はすべて「時短かつ手元にある食材でも手軽に自炊ができる」という、しかない料理のテーマに沿ったもの。それでは、実際の作り方を確認していこう。

 

 

健康にもいい!? 最強時短メニュー「トマトだけカレー」

 最初に教えてもらったのがこちら、調理時間わずか3分で完成の最強時短メニュー「トマトだけカレー」。 

 

 

[材料]

トマト缶詰　１巻缶（400g）

固形カレールー　2かけ

醤油　小さじ1

 

材料はこれだけ。よく特売でも見かけるトマトの缶詰は、ついまとめ買いして余らせてしまうこともあるだろう。固形のカレールーも、全て使いきれないまま冷蔵庫に眠ってしまいがちだ。それらを活用するこのレシピでは、水は一切使わない。

 

  

 

まずは鍋に入れた缶詰のトマトを、ヘラなどでつぶしながら中火で加熱する。軽く煮立ってきたところで、カレールーを投入。トマトと同様に潰しながら溶かす。ルーが溶けたところで、ひと煮立ちさせたら火を止め、醤油を入れて混ぜれば完成だ。

 

「醤油は缶詰トマトの独特の臭みを和らげ、味に深みを出してくれます」（五十嵐さん）

 

 

実際に食べてみると、水を一切使わずに仕上げたためか、濃厚な味わいが口の中に広がっていく。わずか3分で完成したとは思えない仕上がりだ。缶詰トマトは、リコピンが豊富に含まれているため、抗酸化作用なども期待でき、時短ながら身体にもよい。いいことづくしの一品だ。

 

 

疲労回復にビタミン補給！ 「鶏ひき肉しかないときの海苔巻きつくね」

続いてのメニューは「鶏ひき肉しかないときの海苔巻きつくね」。自炊にかける時間の余裕がなくてもガッツリ肉を食べたいときにおすすめだ。

 

 

[材料]

鶏ひき肉　150g

マヨネーズ　大さじ1

醤油　小さじ2と1/2

片栗粉　大さじ1

酒　大さじ1

みりん　小さじ2

海苔　1/2枚

ごま油　小さじ1

柚子胡椒　適量

  

「鶏ひき肉」と「海苔」以外に必要なのは、常備されているような調味料ばかり。柚子胡椒はあればベストだが、なくても問題ないとのこと。

  

 

ボウルに鶏ひき肉、マヨネーズ、片栗粉、醤油、みりんを入れてよく混ぜ合わせる。ここでのポイントはマヨネーズだ。

 

「鶏ひき肉は加熱することでタンパク質同士がくっついて、身が固くなってしまいやすいのです。マヨネーズによりその結合がゆるやかになり、ふわっとした食感を生み出せます」（五十嵐さん）。

 

スプーンなどで押し潰しながら混ぜ合わせれば、タネの下ごしらえは完了。

 

 

 混ぜ合わせたものをハンバーグ型にするときには、ごま油をちょっと手につけることで、材料が手にくっつくにくくなるそうだ。

 

今回の分量であれば、3個ぐらいのハンバーグ型を作るのがサイズ的にちょうどよい。あとは、海苔を巻いて焼くだけ。海苔は巻きやすいように、先にハサミなどで縦長にしておこう。

 

 

フライパンにごま油を入れ、成形したタネを中火で焼いていく。1分30秒ほどしたらひっくり返し、酒大さじ1を回し入れ、弱火にしたら蓋をして2分ほど蒸し焼きにすれば完成だ。

 

 

熱々のうちに頬張ると、想像以上のふんわり食感。さらに海苔の風味がアクセントとなって、これはご飯もすすみそう……。お酒のアテにもぴったりだ。

 

鶏挽き肉には、疲労回復の効果が期待できる「ビタミンB1」が含まれているため、1日の終わりを締めくくるには最適なメニューだという。

 

 

ついつい飽きてしまう「そうめん」をチヂミにアレンジ

 最後に、みなさんの台所の引き出しに眠っているかもしれない「そうめん」を使った「そうめんチヂミ」はいかがだろうか。

 

 

[材料]

そうめん　100g（1束）

卵　1個

鰹節　2g

塩昆布　6g

青のり　小さじ1

小麦粉　大さじ1

ごま油　小さじ2

（タレ）醤油と酢を1:1

 

このメニューには「塩昆布」と「鰹節」が欠かせない。この2つはさまざまな料理で簡単に味わいを足すことができるため、「しかない」レシピのために常備しておくとよいとのこと。

 

 

そうめんはさっと茹でて水で冷やし、包丁で適度な大きさに切る。多めに茹でて余ってしまった分を使ってもOKだ。そうめんを切るのは「他の材料と混ざりやすくなり、味が均一になるから」だそう。

 

 

ボウルに、そうめん、卵、鰹節、昆布、青のり、小麦粉を加えて、よくかき混ぜる。混ぜ合わせたタネを、ごま油を入れて熱したフライパンに投入する。

 

 

一般的なチヂミの材料と違い、水気がないため、フライパンの中で簡単に丸く成形ができる。普段あまり料理をしない人でも、簡単に作ることができるはず。

 

 

成形がしやすいため、写真のようにコンパクトタイプのフライパンがなく、「大きなフライパンしかない」場合でも問題なく調理できる。両面とも中火で3分ほど焼けば完成！

 

 

表面はカリッとしているが、中はそうめんの弾力そのままにもっちりしている。いくつもの食感を楽しむことができ、食べごたえも十分だ。ごま油の香りが食欲をそそる。

 

 

「しかない料理」で「しかたない」から卒業を

 

五十嵐さんは「みんなが忙しさに追われて、料理など、生活におけるクリエティブさを失っているように感じた」と、「しかない」料理を提唱するようになったきっかけについて話してくれた。時間がないから「しかたない」と片付けるのではなく、「しかない料理」で創造性を育みつつ、お腹も心も満たしてみてはいかがだろうか。

  

（黒宮丈治＋ノオト）

 

〈取材協力〉

五十嵐豪／料理研究家

http://foodcreativefactory.com/