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ありがた迷惑な「クソバイス」の対処法って? 提案者の犬山紙子さんが解説

ありがた迷惑な「クソバイス」の対処法って? 提案者の犬山紙子さんが解説

ビジネスシーンのあちこちで飛び交う「クソみたいな」……おっと失礼、「役に立たない」アドバイス、それが「クソバイス」である。「世の中には、まともに聞かなくてもいいアドバイスもあることを知ってほしいんです」と話すのは、「クソバイス」という言葉の生みの親である犬山紙子さん。このクソバイスについて、具体例を交えながら、上手なかわし方を解説してもらった。

ビジネスシーンにありがち? 「クソバイス」の定義とは

犬山さんの説明によると、ビジネスシーンにおけるクソバイスは、上司から部下に、または同僚同士で展開されるケースがもっとも多いそうだ。
「クソバイスの定義は、『相手から求められてもいないのに、上から目線で持論を押し付ける』こと。それも、相手の詳しい事情を知らずに、一方的にアドバイスするケースがほとんどです」
いくつか具体例を挙げてもらった。

「仕事ばかりしていると婚期逃すよ」
「もっと女性らしいファッションやメイクをしたほうが、いいんじゃない?」
「(女性に向かって)ランチに1人でラーメン屋とか、ほどほどにしなよ」
「(男性に向かって)まだお前は結婚していないから一人前じゃない」
「(男性に向かって)ゆとりはお金を使わないな、酒を飲んで、車や時計を買ったほうがいいぞ」

こうして挙げてもらうと、プライベートに関する内容ばかりであることがわかる。場合によっては、部下からもこの手のクソバイスを受けることがあるそうだ。
「これらのアドバイスは直接仕事には関係ないし、ただの余計なお世話ですよね。結婚に関することであれば、相手が『結婚したいと思っている』と勝手に決め付けた上で、『結婚することが重要』という持論を押し付けているだけにすぎません。上司、先輩だからといって、プライベートにまで口出ししていいものではないので」

より良いパフォーマンスを発揮するための助言は「アドバイス」

では、アドバイスとクソバイスの境界線は、どこにあるのだろうか? 犬山さんによれば、「相手の事情をちゃんと聞いた上で話しているか」がポイントになるとのことだ。
「仕事に直接関わることへのアドバイスは、当然、事情を知った上での助言であることが多く、むしろありがたいものですよね。たとえば、上司が部下の仕事ぶりを見て指導するのは必要なことです。

ただし、頭ごなしに『自分がこうしているから』と効率の悪いやり方を押し付けるのはクソバイス。そうなる可能性をなくすためにも『何故そのようなやり方をするのか』という、更に詳しいヒアリングするのが大切かと思います。
また、『もっと飲みにケーションしろよ』など、勤務時間外のことにまで一方的に口出しすると、クソバイスになる可能性は十分あり得ます」
つまり、相手の事情を考慮し、より良いパフォーマンスを発揮するための助言であれば、正真正銘の「アドバイス」になるというわけだ。

クソバイスは「おもしろいですね」で受け流せ!

持論を押し付けるクソバイスは、まともに受け取るとイライラが募ったり、傷ついてしまったりする。そんなときに効果的なのが、「おもしろいですね」という切り返し方だと、犬山さんは言う。
「クソバイスには『なるほど』と納得するのではなく、『おもしろいですね』と切り返すのがオススメ。『その考え方はおもしろいですね』と相手に言っているようで、自分では『そんなおかしなアドバイスをするなんておもしろいですね』と思いながら言えるので」

また、クソバイスには、実は「相手のコンプレックスが隠れている」と犬山さん。
「『早く彼氏作りなよ』と言う人は恋愛に対して、『もっとオシャレすれば?』と言う人はファッションに対して、コンプレックスを抱いている傾向があります。クソバイスをされたら、『この人、こんなコンプレックスがあるんだな』と思えば自分を責めずに済むので、楽になれます」

一方で、クソバイスをしてしまう危険性は誰にでもある。助言をするという行為に「気持ち良さ」を感じたら要注意だ。
「クソバイスは自分の常識を押し付けることで、裏返せば『自分の生き方を肯定してほしい気持ちの表れ』でもあります。だからクソバイスに相手が納得すると、とても気持ちがいい。もしそうなっていたら、注意してください」

クソバイザーにならないためには、世の中の『多様性』を認めることが一番大切だ。「10人いれば10通りの、100人いれば100通りの価値観があるはずですよね。相手にそれを押し付けるのは無理があります」(犬山さん)。
無意識にクソバイスしてしまう人、その発言によって傷ついてしまう人、ストレスを溜めてしまう人。今一度、自身や周りの言動を振り返ってみてはいかがだろうか?

(高良空桜+ノオト)

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