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出張に必要な荷物をダイエット! 「ノマド出張仕事術」著者に極意を聞いてみた

出張に必要な荷物をダイエット! 「ノマド出張仕事術」著者に極意を聞いてみた

「急な出張が入って通常業務がパンクしそう」「重い荷物がかさばって、移動だけで疲れてしまった」……。社会人であれば、誰もが一度は「出張」にまつわるそんな経験をしたことがあるだろう。

 

どうにかして、出張中でも滞りなく仕事ができる手立てはないか。そんなビジネスパーソンの悩みに対して、「出張だからといって、いつもと違う方法で仕事をしようとすると、上手くいきません」と教えてくれたのは、『ノマド出張仕事術』(実業之日本社)著者で、日本最大手のオーディオブック配信サービス『FeBe』を運営する株式会社オトバンク代表取締役会長の上田渉さんだ。

 

出張時にどんな荷物をセレクトし、どのようなワークスタイルを実践すればいいのか。どんな場所でもオフィスと同じように仕事ができるという出張の達人に、その極意を教えてもらった。

 

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「まず、出張中もパフォーマンスを下げずに仕事をするためには、普段の仕事に何が必要かを把握しておくことが必要です。私の場合は、ノートパソコンとスマートフォン、充電器(パソコンのACアダプタとスマホのポータブル電源のこと)の“三種の神器”。基本的にはこれだけです」

 

えっ、それだけ? 驚くほどシンプルだが、他に必要なものはないのだろうか。例えば書類や資料は必要そうだが……。

 

「私は常日頃から、書類や資料はすべてデジタル化して、DropBoxやEvernote などのクラウドサービスに保存しています。そうすると、目的地までの移動中に資料を完成させて、現地のコンビニのネットプリントサービスで出力する、ということも可能になりますよね。あらかじめ出力した大量の紙を持ち歩く必要はないのです」

 

また、打ち合わせの席で紙の書類や資料をもらった場合も、上田さんはそれをそのまま持ち帰ることはしないという。

 

「終了後にスマートフォンで写真を撮影してクラウドに保存してしまえば、荷物を増やさずに済みます。特にEvernoteは画像内の文字を検索できるので便利ですね。セキュリティーへの配慮さえできれば、デジタル化によって荷物は大きく減らせます」

 

上田さんはオフィスや外回り中に立ち寄るカフェでも、基本的にこの「三種の神器」だけで仕事をしている。

 

「作業環境をガラッと変えると、どうしても戸惑ってしまい、パフォーマンスが上がりません。そこで、いつもと同じ環境をそのまま移動するようにしました。実際に仕事に取り掛かるときは、ノートパソコンはここ、腕時計はここ、飲み物はここと、決められた場所に置く。そうすると、どこでも自然と仕事モードに切り替わります」

 

近場、日帰りの出張であれば、たしかにこれだけで事足りそうだ。では、数日に渡る出張はどうだろう。当然、下着なども持っていくので、荷物は増えますよね?

 

「出張日数が多くても、下着は洗えばいいんですよ。例えば、3日以上の出張だとしたら、持っていく下着は2セットだけにして、コインランドリーなどを利用するのも一手。だから私は比較的長期の出張でも、いつもの仕事用のカバンに数日分の下着を放り込んだだけのスタイルが多いですね。どうしても足りないものがあったら、現地で買いましょう」

 

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出張のスタイルは持ち物以外にも、移動時間をどう有効活用するかなど、まだまだ工夫の余地はある。上田さんは新幹線や飛行機の中で、どんな「どこでもオフィス」を実践しているのだろうか。

 

「新幹線の移動であれば、ぜひ最前列の席を確保することをおすすめします。椅子の前のスペースが広めで、テーブルも他の席より大型ですから。また、電源があるかどうかもポイントなので、チケットを購入する際に車両や旅客機の種類を確認しておきましょう。新幹線が揺れる場合、そして飛行機などで作業スペースが狭い場合は、ノートパソコンを膝の上に置くと安定しますよ」

 

準備と心がけ次第では、移動中でもいつもと同じような作業環境を作ることは、十分に可能であるそう。しかし、どうしても集中力が削がれてしまいそうだが……。

 

「そのような場合は、五感を刺激して仕事のスイッチを入れることも効果的です。車内・機内がうるさいときはイヤフォンでお気に入りの音楽をかけたり、ビジネスホテルで臭いが気になるならリラックスできるアロマオイルを持ち込んだりしてもいいでしょう」

 

なお、上田さんの経験によれば、新幹線の社内で集中して仕事ができる時間は3時間が目安。それ以上の場合は空いた時間にオーディオブックを聞くなどして有効活用するか、最初から飛行機を選ぶそうだ。また、出張中は思った以上に心身が疲れているので、回復のためにも宿泊先は大浴場があるホテルを探しているという。これらはすべて、上田さんの長年の試行錯誤の賜物である。

 

「そもそも、荷物がかさばるのが嫌いなんです(笑)。あとは、自分で会社を立ち上げて、外に出る機会が一気に増えたので、限られた時間をより有効活用する方法を作り出す必要があった。いつでもどこでも仕事ができないと、現実的に間に合わないですから。打ち合わせと打ち合わせの間の15分や30分は、私にとってものすごく貴重な時間なんです」

 

上田さんは、新幹線や飛行機のチケットは自分で予約するし、コインランドリーが見当たらなければ下着を手洗いするという。大先輩のビジネスパーソンがここまでしていると聞くと、身が引き締まる思いがする……。最後に、出張の初心者向けにアドバイスをお願いします!

 

「出張はせっかくいつもと違う場所に行けるチャンスです。食べたことがないものを食べたり、見たことのないものを見たりと、自分なりの目標設定をして臨んでみてください。とはいえ、大抵はあまり時間がないと思いますので、目標は1つ2つに留めておくのがいいでしょう。出張先が名古屋なら、味噌カツを食べて帰るくらいですかね(笑)。肩肘を張りすぎず、実践してみてください」

 

(朽木誠一郎/ノオト)

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