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「積ん読」「三日坊主」からの卒業! ビジネス書を本当に役立てる方法は?

「積ん読」「三日坊主」からの卒業! ビジネス書を本当に役立てる方法は?

書店やAmazonに並ぶビジネスパーソン向けの「自己啓発本」や「成功本」。しかし、買ったまま読んでいなかったり、読んでも何も身につかなかったり、という経験はないだろうか? どうしたらこうしたビジネス書を本当にビジネスに役立てることができるのか。そこで今回は「成功データアナリスト」の高田晋一さんにご登場願った。

 

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高田さんは大手広告代理店グループで市場調査やデータ分析を担当し、年間数十本のプロジェクトを運用するアナリスト。本業の経歴を活かして、成功や幸福に関係する文献、データを集めて分析することをライフワークにしている。自身も『自己啓発の名著から学ぶ 世界一カンタンな人生の変え方』や『大富豪の伝記で見つけた1億稼ぐ50の教え』(ともにサンクチュアリ出版)の著者だ。

 

これまで、自己啓発本や成功本を1000冊以上分析してきたという高田さんは「そもそも読書は娯楽。基本的には好きなものを好きなように読めばいいんですよ」と前置きする。その上で、こうした本の内容を仕事や生活に取り入れるための具体的なポイントについて、次のように話してくれた。

 

「まずは、今抱えている自分の悩み、問題意識にきちんと回答を提示してくれそうな本を選ぶこと。“流行っているから” “読んでるとカッコよさそうだから”という理由で選ぶのも娯楽としては構いませんが、そうするとそもそも買って満足してしまったり、おもしろいと思っても身にならなかったり、ということが起こりがちです」

 

その上でどんな物差しを持って良書を選ぶと良いのか? 高田さんは3つのフィルタリング基準を挙げてくれた。

 

1. 著者の経歴、実績は確かか

2. 本そのものに知名度があるか

3. エビデンス、ベネフィットが提示されているか

 

「まず、著者がしっかりしたキャリアを持っているか。ただし、これは学歴や社歴を重視するという意味ではありません。例えば特定のジャンルについて “第一線で何十年も向き合ったから見える景色”というものがある。そういうプロフェッショナルな仕事をしている方の話が書かれている本は良書だと思います」

 

たしかに、ビジネス書の魅力は、大企業の社長や海外のビジネスエリートなど、自分にできない経験をしている人の考えや思いに触れられることだろう。

 

「その上で、本そのものの知名度が高いというのは多くの人が認めた証です。特に、翻訳モノは信頼できる可能性が高い。とういうのも翻訳されるのはすでに他国でベストセラーになり、話題になっているから。翻訳された時点で良書のお墨付きと思っていいでしょう」

 

そして最後のアドバイスである「根拠や効果」には、本業がアナリストの高田さんならではの意見が反映されているようだ。

 

「アナリストとしては、やはり科学的な視点に説得力を感じます。逆に、著者ひとりの経験や思いだけで何かを言い切られると、あまり信じられなくて(笑)。独りよがりにならず、客観的な根拠が示されているものを選ぶようにしています」

 

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本を手に取るまでの手がかりはつかめた。しかし、本の内容をなかなか慣習化できず、三日坊主になってしまうことも……。そんなときは、どうすればいいでしょう?

 

「代表的なところでは“手間を最小化する”こと。例えば朝のジョギングを例に考えてみましょう。ジョギングには早起き・着替え・出発といったフローがありますよね。この面倒臭さが理由で、なかなか続かない。だったら、いっそジョギングウェアを着たまま寝てみたらどうでしょう。起きたらそのまま出発できる。定着の可能性は高まるはずですよね」

 

大胆な発想だが、たしかに手間は最小化されている……!また「生活パターン化するのも有効」と高田さん。「夜寝る前に本を1冊読む」というように、行動に連続性をつける方法だ。

 

「他にも、読んだ内容をアウトプットすると、行動を定着化しやすいでしょう。重要だと思ったポイントをメモにまとめたり、書評を書いたり、周囲の人に本の内容について話したりすることは定着への大きなアシストになります。ほら、カンニングペーパーを作るときが一番頭に入る、というじゃないですか。それと同じです」

 

ただし、「それが義務になっては意味がない」と高田さんは釘を刺す。あくまで気持ちが盛り上がったときに発信するのが吉だ。

 

「無理をして、最初から最後まで全て読む必要はありません。自分も本を出しているのに、こんなことをいうのはおかしい話ですが(笑)。ビジネス書を読む目的のひとつは自分の悩みを消すことですよね。であれば、極端に言えば、本の中で役に立つと思ったパートだけを読んでもいい。合わないと思ったら、途中で止めるのもありでしょう」

 

高田さんからは最後に「今ある問題を解決するヒントがひとつでも見つかったら “ラッキー!”という気持ちで読むのがおすすめです」とアドバイスが。

 

肩の力が抜け、ゆるやかなスタンスで向き合えるようなら、準備はOK。さっそく、気になったビジネス書を手に取ってみよう。

 

(佐々木正孝/キッズファクトリー+ノオト)

 

 

<プロフィール>

 

高田晋一

 

成功データアナリスト。大手広告代理店グループにて市場調査やデータ分析を担当し、年間数10本のプロジェクトを運用。成功や幸福に関する文献・データを集め分析することをライフワークとし、これまでに1000冊以上の自己啓発本・成功本などを読破。その分析結果を書籍、各種セミナー、雑誌やWebの記事などを通じて発表、その普及に努めている。著書に『「人生成功」の統計学 自己啓発の名著50冊に共通する8つの成功法則』(ぱる出版)、『自己啓発の名著から学ぶ 世界一カンタンな人生の変え方』(サンクチュアリ出版)、『大富豪の伝記で見つけた 1億稼ぐ50の教え』がある。

 

HP:「成功データ研究所」http://successful-data.com/

メルマガ:「今日の成功データ」http://www.successful-data.com/2017/01/11/mailmagazine/

 

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