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「駅から徒歩15分の家に住んでいたのに、30分かかっても帰れないんです。気づいたら途中で立ち止まって、ぼーっとしていることも。ワケがわかりませんでした」
当時の様子をこう振り返るのは、マンガ家の田中圭一さん。まだ副業としてマンガ制作に取り組んでいた頃、本業で自分に合わない会社に入ったことをきっかけに、その後10年間「うつ」を抱えてきた経験があるという。
その後、ある方法で、長い「うつ」のトンネルから抜け出すことに成功。自身の体験をベースに、同じように「うつ」から脱出できた人たちをインタビューするドキュメンタリー漫画『うつヌケ』(KADOKAWA)を1月末に出版した。
仕事に精を出したいのに、不安や自己嫌悪がつきまとい、かえって成果が上がらなくなる……田中さんもまた、そんな「負のスパイラル」を経験した一人だった。どうすればそこから脱出できるのか。田中さんには、そのヒントがあった。
2001年に、知人の紹介でゲーム開発ツールの制作販売会社に転職しました。その前に玩具メーカーで営業を10年、ゲームソフトの制作会社で開発を5年経験していて。新しい会社には営業経験者がいなかったので、会社にとって僕は願ったり叶ったりの人材だったわけです。
実際、入社して1年くらいは、営業経験が活きて売上がどんどんと立ったんですよ。さらに新規市場を開拓しようと、当時流行しつつあったiモード用のソフトを作ったらそれも狙い通りに売れて。周りからは「営業やっている人はすごい」と感心され、安心していました。
でも、結局はビギナーズラックだったんです。ぼくはゲーム開発の経験があるとはいえ、それはディレクションの担当でプログラミングの経験はありませんでした。開発ツールを開発者に売るとなると、専門知識を深いところまで理解して説明できなくてはいけない。あとは、技術者という人種とも相性がよくなかったんです。僕は営業からキャリアをスタートしているので、勢いと雰囲気でなんとなく仕事をしてしまうタイプ。例えば僕がツールの利点を大きく膨らませて話そうとすると、「どうしてわざわざ大げさに言うんだ」と違和感を持たれてしまう。
それでも給料も職場環境も良好で、最初は上手くいっていた。だから、そんな悩みも、誰もが抱える些細なことだと自分に言い聞かせていました。でも、だんだんと自分と仕事が噛み合わなくなって、営業成績も振るわなくなっていったんです。
すると周囲から「最近手を抜いているんじゃないか」「漫画に気を取られて集中していないんじゃない」と疑われるようになって。「そんなことないですよ!」と明るく振る舞いながらも、実は心が折れてしまったんですよね……。
気づけばグラデーションのように、負のスパイラルにはまっていきました。電車の網棚に大型のプロジェクターとかを置いたまま降りちゃたり、降りなきゃいけない駅を乗り過ごし、引き返そうとして反対方向へ乗り換えたのに、また2駅も乗り過ごしてしまたり。
『うつヌケ』で表現したように「脳みそが寒天で包まれている」状態でした。頭の中がぼやけて、思考が何も回転していなかったんです。いろいろと原因を調べたところ、男性更年期障害でもない、脳の病気でもない、血行不良でもない……消去法で残ったのが「うつ病」でした。「まさか自分が「うつ病」になるなんて」と、絶望的な気持ちでいっぱいになったのを覚えています。
僕の場合は「自分を好きになること」が一番効果的でした。普段、仕事をしていると「おっ、がんばったね」という褒め言葉をもらえることがありますよね。それを頭の中で「今日は褒められた」「あれが“いいね”と言われた」と何回も暗示かけるように繰り返していたんです。
「必要とされた」「感謝された」という小さな達成感を、自分の中で繰り返し100回くらい唱えよう、というのが僕の提案ですね! はははははは……わっ(笑いすぎてコップからお茶をこぼす田中さん)。わわ、ごめんね。おじいちゃんかよ(笑)
僕はもともと、何かに失敗すると「自分は何をやっているんだ」「ダメダメ」と自分を責めるタイプなんです。でも、「あの苦しい状態に戻るくらいなら……」と、無理やり自分を褒めているうちに、だんだん明るくなりました。
他には、料理もいいですね。料理は、作る過程を経て「出来上がった」という小さな達成感があるでしょう。その次に一段階、「食べる」喜びがある。小さな成功体験をいくつも積み重ねていくのが大切なんです。
あとはペットの世話。「このネコたちは僕がいないと死んじゃうんだよな」と、頼られている感覚を大事にしてみるのも効果がありました。本当に小さなことでいいから、自分を褒めてあげられるような趣味や家事を見つけることをおすすめします。
睡眠時間が圧倒的に足りていない人、責任感に押しつぶされそうになっている人は、休んだほうがいいと思うんです。でも、人によっては責任感が生きがいにつながっていることもありますからねぇ。本当にケースバイケースだと思います。
僕の場合は、たまたま会社から解雇の話が来て。自分を褒め続けてだいぶ明るくなってきた頃だったので、前向きに辞めることができました。そうしたら、知り合いが「新しくデジタル漫画誌を立ち上げたいから何か原稿を書いてくれ」と話を持って来てくれた、という経緯です。
日々の成功体験を大事にしつつ、大きな決断をするときには、何が自分を苦しめているのか、「心の声」を聞いてみてください。それがわかったら、そこから遠ざかることです。負のスパイラルにもきっと、どこかに出口はありますから。
(黒木貴啓+ノオト)
田中圭一
1962年5月4日大阪府枚方市生まれ。近畿大学法学部卒業。大学在学中の1983年小池一夫劇画村塾(神戸校)に第一期生として入学。翌1984年、『ミスターカワード』(『コミック劇画村塾』掲載)で漫画家デビュー。1986年開始の『ドクター秩父山』(『コミック劇画村塾』連載)がアニメ化されるなどの人気を得る。大学卒業後はおもちゃ会社に就職。パロディを主に題材とした同人誌も創作。
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