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副業を始めるなら「確定申告」について知っておこう

副業を始めるなら「確定申告」について知っておこう

「まだ確定申告が終わらない」。3月中旬ごろに、フェイスブックやツイッターで、悲鳴をあげる自営業者やフリーランスの投稿を見かけた人も多いのではないだろうか。副収入を得る方法として副業に注目が集まっているが、副業を始めれば個人はノータッチで済んでしまう税金の問題と、向きあわざるをえない。

 

今回は副業の入門編として、「確定申告」について事前勉強をしてみよう。税理士の伊藤英佑先生に、初心者が確定申告で気を付けることや、「青色申告」「白色申告」の違いなど教えてもらった。

 

20万円を超えたら確定申告が必要

 

 確定申告とは税金の申告手続のこと。会社に勤めていれば会社が代行してくれるが、起業や副業をする場合には自分で手続きをする。1月1日~12月31日の収入と支出を計算し、所得を算出した申告書を税務署に提出して、所得税額を確定させるものだ。

 

副業を始めたら確定申告は絶対に必要でしょうか。

 

「すべての収入を合算して所得税は計算されます。ただし、副業をしている場合には、現在勤めている会社以外からの所得が20万円を超えるとき、所得税の確定申告をする必要があります。この20万円とは、収入から経費を除いた金額のことなので、必要経費によって20万円より少ない額しか残らない場合には申告は必要ありません」

 

確定申告というと「青色申告」と「白色申告」をよく耳にしますが、それぞれどのような特徴なのか教えてください。周囲の話を聞いていると「青色=面倒くさい」というイメージですが……。

 

「簿記には『単式簿記』と『複式簿記』の2種類があります。『単式簿記』とは、現金出納帳をつけ、その残高を基準に記録すること。一方、『複式簿記』は、ひとつの取引について残高だけではなく、それをお金の動き全体を「借方」と「貸方」の2面の方向から記録します。白色申告は『単式』、青色申告は『複式』なので、確かに面倒だと感じる人が多いのかもしれませんね」

 

それなら「白色申告でいいのでは?」と思ってしまいますが、青色申告をするとどのようなメリットがあるのでしょうか。

 

「ちゃんと青色申告での記帳をしていれば事業所得の所得額から65万円控除ができます。白色申告の場合は、記帳そのものはお小遣い帳程度の簡単なものですが、控除額は基礎控除の38万円なので、その差は大きいですよね。さらに青色申告では家族の給与を経費にすることや、赤字を3年までは繰り越すこともできます」

 

そんなメリットがあったのですね。最近では、クラウドソフトに数字を打ち込むだけで、青色申告の準備を完了させる仕組みもあるため、それを利用すると簡単につくれるそう。初めて確定申告をするにあたって、知っておくべきことはありますか?

 

「青色申告の場合には、2期連続で期限後に申告書を提出遅延すると『青色申告の承認』が取り消されてしまいます。すると、控除をはじめとしたメリットが受けられなくなり、1年間は再申請もできません。」

 

青色申告はお得なことが多いぶん、帳簿が複雑で締め切りが厳しいですね。

 

「帳簿をつける作業を本人がどう捉えるかによりますが、ある程度の収入がある場合には、青色申告にしたほうがお得だと思いますよ。確定申告は、収入以上に支払う仕組みではありません。怖がらずに安心して書類を提出してくださいね」

 

イメージだけで面倒だと思いこんでいた確定申告は、話を聞いてみると、手間を掛けるだけその分メリットもありそうだ。副業を始めたときには、20万円以下と思わず、高く目標をもち稼いでいこう。

 

(小松田久美+ノオト)

 

※2017年5月2日現在の情報です。

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