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お金は「稼ぐ」より「使う」ほうが大切? 資産を増やすための原理原則

お金は「稼ぐ」より「使う」ほうが大切? 資産を増やすための原理原則

現代社会を生きる上でなくてはならないものといえば、お金は確実にその一つに挙げられるだろう。そして未来に対して不安を覚えるほど、お金を使うことに保守的になり、貯めることばかりに目がいきがちだ。
しかし、「お金は稼ぐよりも使うほうが大事」と断言するのは、『フェラーリはクラウンよりも安かった! 3億円つかってわかった資産のつくり方』(ビジネス社)の著者であり、飲食店の経営事業を展開するSBIC代表取締役の鬼頭宏昌さんだ。
32歳のとき、経営していた外食チェーンを6億5,000万円で売却し、多額の資産を手に入れたという鬼頭さん。事業を拡大させ続けるその経験則から、お金の原理原則を教えてもらった。

なぜ、お金は「稼ぐ」よりも「使う」ほうが大事なのか

消費を抑えて、なるべく多くのお金を貯蓄に回す。これはごく一般的な資産の増やし方だろう。しかし、「貯金だけでは、お金の価値は下がる一方」と鬼頭さんは指摘する。
「なぜ貯金が損なのか。その理由は、現代の社会システムを長期的に見ると、確実にインフレが進んでいくからです。モノやサービスの価格が上がっていけば、相対的にお金そのものの価値は下がり続けます。稼いだお金をどんどん使い、価格以上の価値に変えていくことが大事なのです」
お金そのものに価格以上の価値を持たせるには、金融商品や不動産などに投資するだけでなく、自分自身のスキルや経験を積むことも当てはまるという。鬼頭さんは「若いうちこそ積極的にお金を使うべき」と力説する。
「たとえば、同じ1億円を手にするにしても、30歳と50歳では圧倒的に前者のほうが価値は高いと思います。世界一周旅行をするにしても、若いほうが体力はあるでしょうし、その経験はその後の生活の糧になりやすい。若いうちに培ったスキルや経験が、のちの資産に変わるのです」

20代で知っておきたいお金の原理原則

鬼頭さんいわく、資産を増やすためには「お金の原理原則」を知っておく必要があるとのこと。事業の売却や銀行からの借り入れを元手に、鬼頭さんが3億円を使ってわかった成功の4法則をまとめてみよう。

1)好きなものにお金を集約させる

「『好きこそものの上手なれ』といいますが、熱中できるテーマに絞れば、それについて調べることや考えることが苦にならないはず。一つのテーマへの投資を重ねていくうちに、市場価値や相場観も自ずと身につきます。株を買うにしても、自分にとって身近な業界に絞ったほうが賢明です」

2)常にお金の出口を考える

「お金の価値を高めるには、モノを買うときに入口(いくらで買うか)だけでなく、出口(いくらで売るか)を考えるべき。大きなお金を使うときには、将来的に需要があるかどうかを常に視野に入れておきましょう」

3)価値と価格は、必ずしもイコールではない

「同じお金を出すなら、価値や満足度がより高いもの、価値が一緒なら安いものにお金を出す。これが豊かになるための法則です。価格と価値は、必ずしもイコールではありません」

4)いたずらに借金を恐れない

「借金に抵抗がある人は多いと思いますが、確実に価値が上がるものに投資するなら、いたずらに恐れる必要はありません。また、借金できるかどうかは、その人の稼ぐ力や返済能力を判断してのもの。借金も資産のうちですから」

資産を増やすだけじゃない!心を豊かにする「パトロン的消費」

お金の価値を高めることに重きを置いている鬼頭さんだが、一方でリターンを求めない「パトロン的投資」も大事にしているそうだ。
「僕は『おいしい』と思ったレストランには、応援する気持ちを込めて、とことん通いつめるようにしています。僕が通ってお金を使うことで、サービスの質が良くなればうれしいし、何より自分の心が豊かになります。金銭的なリターンばかりを追い求めてしまうと、人生がつまらなくなるので、ときには『誰かを支えよう』という気持ちを持って、パトロンになったつもりで、投資してみてはいかがでしょうか」
近年流行しているクラウドファンディングは、まさにこのパトロン的消費に当たるといえるだろう。
「出費を抑えることばかり考えるより、お金の使い道を考えるほうが、断然人生が楽しいですよ」と締めくくった鬼頭さん。お金が入ったら「すべて貯金しよう」と考えているあなたも、この機会にお金を使って資産を増やすことを検討してみてはいかがだろうか。

(小林香織+ノオト)

取材協力:鬼頭宏昌(きとう ひろまさ)

株式会社SBIC代表取締役。1974年生まれ。大学中退後、地元・名古屋で父親が経営する株式会社まこと(のちに株式会社キューズファクトリーズに社名変更)に入社。新規事業として始めた居酒屋「旗籠家さくらみせ」を業界屈指の繁盛店に育てる。25歳のとき、同社が赤字転落したのを機に経営者となる。6年で75店舗、年商20億円の外食チェーンに成長。32歳のときに売却する。その後、フューチャーコネクト株式会社(現・株式会社SBIC)を設立。現在はフランチャイザーとして、全国56店舗のとんかつデリバリー「かさねや」などの宅配事業のほか、結婚相談所、ラーメン店、立ち飲み屋などの飲食事業を展開している。

鬼頭宏昌オフィシャルサイト

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