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freeeの企業Tシャツはなぜ社員に愛されているのか? 「社員への投資」から生まれる好循環

freeeの企業Tシャツはなぜ社員に愛されているのか? 「社員への投資」から生まれる好循環

 

主にイベントの販促に使われる、企業名やサービス名のロゴが入った企業Tシャツ。しかし、「普段から着ている」人はさほど多くないような気が……。なかには、部屋着やパジャマ代わりにしてしまっている人もいるのではないだろうか。

 

一方、「社員の約半分は、普段から企業Tシャツを着ている」会社がある。クラウド会計サービスを提供する「freee(フリー)」だ。実際に会社にお邪魔すると、たしかにfreeeTシャツを着ている人に驚くほどすれ違う。販促目的であろうTシャツが、なぜオフィスで社員から愛されるグッズになっているのか、その理由を探ってきた。

 

freeeでTシャツを製作するのはMember Success Team(メンバーサクセスチーム 以下MST)という部署。他社でいうと、人事や総務の業務を担っているという。今回話をお伺いした古塚大輔さんも、もちろんfreeeTシャツを着て取材に応じてくれた。

 

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古塚大輔さんは、休みの日に子どもと遊ぶときにも「freee Tシャツ」を着ているそうだ

 

企業Tシャツといえば、もともと販促用や贈呈用に製作する企業が多いが、どういう経緯でここまで社内に浸透するようになったのだろうか。

 

「もともとは、弊社もマーケティングの販促用に作ったものだと聞いています。その際、社内で『個人的に着たい』という声が上がり、社員が徐々に着るようになったようです。今では、イベントや販促目的だけではなく、いろいろな意図からTシャツを製作しています。社内には『服を選ぶ時間でさえ面倒だからほしい』という声から、『今年はどんなデザインを作るのか?』と楽しみにしている人もいます。また、入社してすぐの社員からは『Tシャツを着れば、メンバーの一員だと形から実感できる』という声も。freeeTシャツは、PRや福利厚生の一環でありながら、組織の一体感を醸成する一面も持っているのです」

 

Tシャツは春から着ることを想定し、2月頃から色や形、素材、デザインについて企画を進め、製作に入る。ちなみに、古塚さんが今日着ているのは、今年から新たに作ったVネック型。上にジャケットを着ても隠れないよう、真ん中にロゴを持ってきたデザインだ。

 

社内環境に力を入れられるのは、「社員に投資するべきだ」と考えているから

 

サイズ展開は現在、男性=XS・S・M・L・XL、女性=WS・WM・WLがあり、カラーは通常5~6色を用意する。その細部までのこだわりが、社内で「着たい」と思わせる要因の一つかもしれない。

 

「Tシャツの製作は地味な作業に見えますが(苦笑)、続けることには意味があると思っています。社内で同じ企業Tシャツが浸透している状態で、もし製作をやめることがあれば、freeeTシャツを持っている社員と持っていない社員に分かれてしまう。すると、社員同士の溝が生じてしまいかねないことを危惧しています。組織が大きくなり、freeeTシャツが持つ役割はさらに大きくなってきました」

 

Tシャツ一着の製造コストは約1,000円。同社の社員数は約250人なので、仮に1人1着だと25万円。数種類~数十種類を無料で配ると、年間数百万円もの計算だ。しかし、古塚さんいわく、グッズにこだわる理由に、会社が何に予算を使うかという意識が重要になってくるという。

 

「弊社のビジネスモデルは、日本では珍しい大型の先行投資をして回収するもの。早期に回収を図るためにも、メンバー個人や組織全体が早い段階から高いパフォーマンスを発揮できる環境を作りあげることが必要と考え、メンバーへの投資を積極的に行っています。『社員に大きく投資していくべきだ』と経営として考えているからこそ、freeeTシャツの配布を続けられています」

 

Tシャツだけではなく、働く環境に対してしっかりと投資をしていくことで、『働きがいのある会社』に選ばれ、離職率の低さに限らず、事業の順調な成長という結果も出せていると古塚さんは話す。会社が社員のニーズに応えているからこそ愛されるグッズを作り、それを社員が着たくなるという好循環が生まれているようだ。

 

転職を考えて企業について調べるなら、総務部が社内に対してどういう活動をしているのか、探ってみてはどうだろうか。会社が社員への投資をどう考えているのか、その活動を通じてはっきりと見えてきそうだ。

 

(文・取材:松尾奈々絵/ノオト)

 

 

取材協力:古塚大輔さん/freee株式会社

 

「スモールビジネスに携わるすべての人が創造的な活動にフォーカスできるよう」をビジョンに掲げ、2012年7月に創業。個人事業主や中堅・中小企業を対象に、有効事業所数80万超の「クラウド会計ソフト freee」、同10万超の「人事労務 freee」、「会社設立 freee」等を提供。クラウド会計および給与計算の分野でシェア1位を獲得。ビジネスの始まりから成長までをサポートし、バックオフィス業務の最適化に尽力。

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