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しかし、フリーランスは数としても約170万人、就業者全体の約2.5%と少数派であることは確か(2019年 独立行政法人 労働政策研究・研修機構調べ)。自分の得意なことで独立・起業したいが勇気が出ない……という人もいるだろう。そこで今回、会社員の経験を経て現在フリーランスでWEBマーケターや講師、著者として活躍する山田竜也さんに、会社員のうちからできる独立への準備や、自身がフリーランスに向いているか試す方法、フリーランスの強みなどを伺った。どちらの経験もある山田さんの実体験を伴った意見は、きっと会社員を続けるか、フリーランスとして働くか悩めるあなたに役立つはずだ。
山田さん(以下、敬称略):そうですね。システムエンジニアをしていました。
山田:マーケティングに関しては、何も分からない状態でしたね。エンジニアが合わなかったので辞めてしまったんです。そういう意味でいうと私は反面教師なんですよね。スキルもネットワークもなく始めてしまったので、すごく苦労しました。なので、「こうしたらうまくいったのに」という話を本の中でしています。
山田:技術的なスキルや実力がないのにフリーランスとして稼いでいる人がいたり、反対にスキルがあるのに全然ダメな人がいたり、稼いでいない人、辛そうな人たちを見て、この差は一体何だ?と思ったんですよ。
山田:腕がなかったら基本的には駄目なはずですが、それだけではないと思ったんです。特に、「インフルエンサー」と呼ばれる人たちを見てそれを感じて。単純に、「この人たちは一体何のスキルを持っていて、本業は何なんだろう?」と思ったんです。それとは違い、企業から信用を得て実績を積みながらやっている方もいますし、両方を組み合わせている方もいますよね。その違いを自分なりに整理して、自分はどういう立ち位置でやっていこう……と考えた時に出てきたのが、「職人タイプ」「相談役タイプ」「城持ちタイプ」の3つでした。
山田:まずは、副業で売上を作っていくのがいいと思います。今の時代は準備がしやすくなっていますよね。クラウドソーシングなど、「ちょっと始めてみる」サービスもたくさんありますし、企業側も副業で発注するハードルが下がってきています。昔はそういった機会すらなかったですから。自分が興味のある分野にニーズがあるかを探り、知っておけるといいですよね。副業が会社で禁止されているということでしたら、無料でやってもいいですし。
ただ、「無償」ではやらない方がいいです。お金をもらわない代わりにせめて豪華な食事をおごってもらうなど。これから自分がやっていきたい分野にニーズがあるかを見極めるには、対価があるかないかが重要ですからね。例え食事であっても、相手が価値がないと判断すれば奢るのがしんどくなって、どこかで止まるはずです(笑)。完全無償だと、延々とタダ働きさせられ、自分の仕事にニーズがあるかも判断できません。会社から離れて個人名でお金を稼いでみる経験は大事です。また、一回やって合わなかったとしても、「自分にはできない」とすぐに思わず、何回かやってみる必要があります。
山田:今の時代だったら僕も楽だったなと思いますよ。会社には3年半いました。会社員時代にも、転職かフリーランスになるか、起業をするか……次のことを考えて、株式投資で貯金を増やしたりもしていました。でも「何をするか」までは考えていなかったんです。プログラマーは向かないなと漠然と思っていましたが。
「職人タイプ」を目指すなら、まずはやってみることが大事です。フリーランスは個人で動いた時の「実績」や「人間関係」があるかがすごく重要。私はこれがなくて苦労しました。最初の一件を取るまでが地獄でしたよ。私は異業種交流会などに行って知り合いを作って、糸を辿るようにして仕事をもらっていったのですが、効率が悪かったですね。
山田:しんどかったですが、「やるしかない状況」でした。あらかじめ緩く広いつながりを持っていて、「起業しました」「独立しました」と宣言すると、仕事がある状態からスタートできますよね。
山田:知り合った人との関係を作るためにも大事ですね。僕の場合、仕事の相談の7〜8割はFacebookのメッセンジャー経由です。SNSって、みんな意外と見ているんですよね。投稿を見ていると信頼度や親しみが湧いてきて、「最初に顔が浮かぶ人」になることができます。誰かに仕事を依頼したい場合、候補が10人ぐらいいたらよく見かけている人に声をかけますよね。明確なスキルの差がわからない、自分の専門外の案件だと特にそうなります。親しみがある人に声をかけたいと思うんですよね。
山田:ですね。先ほども「緩く広くつながる」という話をしましたが、少し遠い業界・領域の人の方が仕事になりやすいです。そういった人と仕事を生み出す可能性を上げるのは、接触頻度を上げることですね。そう考えると、SNS投稿も馬鹿にできませんよね。
人は、「How(やり方)」が合う人を好むんですよ。メールのレスポンスの速さが合うかどうかとか、同じ本を読んでいて前提を共有できているとか……その方が仕事のストレスが少ないですしね。
山田:できると思います。仕事はまず「相談を受けるところ」からスタートしますよね。ですから、困った時に「この分野ならあの人に相談してみると良いかも」と思ってもらえる状態を作っておくのが重要です。
山田:露出が多い人、コミュニティーの中でハブになっている人ですね。話しかけやすくて、「こういう人知らない?」と聞いた時にすぐに答えてくれる人は、理想の相談役とされます。自分が解決するのではなく、「この分野ならあの人が詳しいよ」と答えられる人になれると良いですね。もし自分が「職人タイプ」で何かしらのスキルを持っていれば、紹介された人がお礼にどこかで声をかけようと思ってくれますしね。
会社の中でも「相談役タイプ」の力をつけることは可能です。いろいろなタイプの人がいる会社は、そういう意味では宝の宝庫ですよ。宝庫だと思えないなら、外に出てみるしかありません。外に出て人と知り合って、SNSで相互フォロー状態になっておく。そして先ほども話したように、「思い出してもらえる人」になれば良いのです。あまりSNSに投稿する内容がないという人は、自分の業界内のニュースで興味があるものを1週間に2~3本投稿する程度でも良いですよ。
山田:SNSのおかげでやることが増えました。「相談役タイプ」に関しては、「タダでアドバイスばかりしている」と怒ってしまう人もいますが、そういった人は、「案件化」が苦手なだけですね。案件化するには、「線引き」が重要です。どこからがお金になって、どこまではならないのかをしっかり切り分けないといけません。自分をパッケージ化する発想です。必ず自分を商品化すべきなんです。
例えば僕がやっているコンサルタントの仕事は、プロジェクトベースでお金が発生します。会ってちょっとアドバイスしただけだと、それは「商品」ではない。そのアドバイスによって相手が目標を達成したことで、ようやくお金になると思っています。そこにはっきりと線を引けるかが重要ですね。相談ばかり受けているとただの「良い人」になってしまいますし、そういった人は「紹介料」で生きていくしかなくなってしまいます。「職人タイプ」と「相談役タイプ」に関しては、どちらかを究めるのではなく「掛け算」ができると良いですね。職人的スキルだけで相談を受ける機会が少ないと取引先が限られてしまって、不安定な働き方になってしまいます。結構こういうフリーランスの方もいますね。長く続いている人は、どちらのスキルもある人が多いです。
山田:僕自身は「城持ち」をそこまで推していないのですが、ブログを書いて自分の知識をまとめるといった準備の仕方はありますね。城とまではいかなくても砦ぐらいになる可能性はあります。ただ、城はメンテナンスに時間がかかるんですよね。継続的にコンテンツを発信し続けないと続きません。それが果たして自分に向いているのかは、考える必要があります。
山田:動画や絵は向いている人が限られています。マーケティングやライター、PRなどで問われるのも圧倒的に「ライティング力」ですよね。だから書く技術は大切だと思いますよ。特に「城持ちタイプ」になりたいのであれば、文章を書くことは日常化しておくと良いですね。本音を言えば、ライティングは好きか嫌いかを考えずにやるべきです。自分の経験やスキルを言語化して誰かに伝える能力は、フリーランスとして生きていきたいのであればつけておく必要があります。これはどのタイプにも共通して言えることかもしれませんね。
山田:自分のことを自由にコントロールできるのが、フリーランスの強みですよね。これはフリーランスでないとできないことです。会社の中で自由にやれるケースも増えてきましたけど、どうしても「組織のルール」はありますよね。反対にフリーランスは自分でルールを作る必要があるんです。なので、自己管理には気を付けないといけないですね。
「自分はフリーランスに向いているか?」と聞かれることもありますが、それは「自分ルールを作ることを楽しめるか」次第だと思います。自分の生活をより良くしようと工夫できる人は向いていると思います。逆に、考えるのが面倒だから考えてほしいと思ってしまうような受け身の人は向いていないと言えますね。
山田:例えば、僕は人と長時間話すと疲れてしまいます。なので、今日もこの後、温泉付きのジムに行くんです。こういったものが自分ルールですね。ストレス解消になり幸福度が大きく増します。会社員時代には絶対にできなかったことです。17時に温泉に行ったら怒られますよね。でも、なぜかそこにはその時間でも結構人がいるんですけど(笑)。仕事で疲れたら15分程度昼寝した方が効率が良いという人もいるでしょう。それをやるにあたり、誰かに断りを入れる必要もありません。こういったことはフリーランスの方ができる幅が広いですよね。
あと、フリーランスになりたい人は「勉強好きかどうか」も大事ですね。勉強が好きじゃないと、会社員時代に学んだことで食べていくしかなくなってしまうので、成長が止まり、ゆくゆく時代から取り残される可能性も高くなります。学習欲があり、リスクを取ることができる人はフリーランスを楽しめると思いますね。「自分の今のスキルだとちょっと足りないかも」と思っても、仕事を通して自分から学んでいく。確実にクレーム少なくこなせる仕事しかしていないと、スキルって落ちるんですよ。現状維持は駄目ですね。
会社は基本的に、「学習できる組織」になっていることが多いんですよ。それと比べると、フリーランスは意識的にやっていかないと難しい。フリーランスで挑戦できる場作りに困っている人は、「こういうことやりたい」とSNSで発信してみたりするのが効果的ですね。「ゆる募」みたいな感じで。
山田:「激安でもいいのでこういう案件はないですか」みたいな発信でも良いんですよ。そういった案件を持った知り合いがいれば連絡が来るかもしれません。つながっている人の数が多いと反応が来る可能性も増えますしね。「今、新しいことをやっている」「こういう分野の技術を身に付けたい」という思いは、計画的に発信した方が良いです。僕もフリーランスになってからですけどね、「現状維持だとやばい」と感じたのは。
山田:5年も同じところにいたら食っていけない感覚です。でも、そもそも論として、新しいことをやっている方が楽しくないですか?ちょっとずつでいいから新しいことを始めると、経験にも実績にもなりますよね。だから、新しいことをやるのは楽しいです。
僕は会社員という働き方自体は悪くないと思っているんですよ。すごくよくできたシステムだと思います。だからこそ「フリーランスになる目的」が問われるんです。どちらもメリット・デメリットはありますし、そこをちゃんと見た上で選択した方が良いですよね。
山田:そもそもフリーランスになるにしても、一つの道だけではないですよね。ジャンルも働き方もたくさんあります。会社員でもそれは同じです。「会社員」と「フリーランス」でよく比較されますが、会社員でもフリーランスより自由そうな人だっていますしね。会社や組織によって違うからこそ、単純に比較をすることはできないなと思います。
もし現状に不満があるなら、今の自分の「収入」と「自由な時間」、「自己裁量(どれくらい裁量を持ってやりたいと思っているか)」の3つのポイントを10点満点で点数化して書き出してみると良いですね。全部が満点ということはありえないでしょう、普通に生きていたら。それが来年再来年になれば良くなるのか、ずっとこのままでいいのか……というのは、会社員でもフリーランスでも考えてみると良いと思います。フリーランスになっても全部の点数が低い人だっているんです。収入がきつくて、自由時間も少なく土日も働き、クライアントの言いなりで自己裁量も低い……だったら会社員に戻った方が良いのでは?ということもあります。「点数を上げる方法」があるかどうかで、フリーランスになるのか転職するのか考えることもできます。点数をつけてみると面白いですよ。
山田:いいと思いますよ。今の世の中は人手不足ですから、戻りやすいでしょうしね。縛られる必要はないんですよ。一番大事なのは、「自分の幸福度」なんです。会社員として求められるスキルがあればフリーランスでもやっていきやすいですし、フリーランスで求められるスキルがあれば会社員でもやっていけると思います。「一度フリーランスになったら絶対会社員に戻れない」というわけではないので、動いてみたり、動いてから戻ってみるのもありだと思いますよ。
取材・文:佐野創太
取材協力:山田竜也
フリーランス/Webマーケッター/ポートフォリオワーカー/東京のど真ん中丸の内でフリーランス生活しています。フリーランスやマーケッターに役立つ情報を発信します。都心でリゾートライフ追求中。国内外、時価総額数百、数十億のスタートアップを複数お手伝い。宣伝会議の複数の講座を担当。Webマーケティングの著書複数。温泉好き。
Twitter:@aryuaryu
Facrbook:山田竜也
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