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世の中にはさまざまな仕事がある。一見すると同じ部署名でも、企業の数だけ手掛ける仕事内容は多様なうえに、企業や社会における役割も異なる。この連載では、そんな世の中に存在する企業の『部署』にフォーカスし、それぞれの部署の役割や仕事内容、ポリシーなどに迫る。
今回は、寺田倉庫 MINIKURAグループを訪問。創業69年の倉庫会社でありながら、次から次へと新たなチャレンジを続ける寺田倉庫の姿勢を体現した新サービス『minikura』を手掛ける部署にフォーカスを当て、チームメンバーの仕事ぶりと、寺田倉庫の社風について語ってもらった。
―― まずは『minikura』のサービス概要からお聞かせください。
今成さん(以下、敬称略):『minikura』は、寺田倉庫にとって社内ベンチャーのような位置付けにあるビジネスの一つです。私たちの部署は、とにかく新しいアイデアを取り入れて、Webサービスを構築していく事業を主体としていますが、その走りとなっているのがこの『minikura』という収納サービスなのです。
『minikura』は「保管を身近に」をコンセプトに、自宅には置けない荷物をダンボール1箱単位で預けることができるWebサービス。いうなれば、押入れの拡張機能的なコンテンツです。
寺田倉庫 MINIKURAグループ MINIKURAチーム サブリーダー 今成真之介さん
保田さん(以下、敬称略):『minikura』は、Web上でお申し込みいただくとすぐにご自宅に段ボール箱のキットが届きますので、それに荷物を詰めて送り返していただければ、当社提携の倉庫で保管いたします。クラウドを通じて倉庫を活用することで、ご自宅が収納スペースで手狭になるのを防ぎ、より良いライフスタイルを送っていただくことができる、そんなサービスです。
今成:『minikura』最大の特徴が、「個品管理の仕組み」です。一点一点、写真を撮影してWeb上に登録するので、お客様はいつでも、何を預けたかがわかるようになっています。また個品で登録をしているので管理がしやすく、アイテムごとにオプション機能を申し込むことができます。例えば「春に預けた商品をクリーニングに出しておいてほしい」「預けたこの荷物だけをここに送ってほしい」といったご要望にお応えすることも可能です。
以前は私たちも一般の倉庫会社同様、BtoBが事業の割合を高く占めており、「ボリュームと価格の安さ」を追い求めていました。しかし、そうなると大手とは競えませんから、何かしら寺田倉庫ならではの得意分野を作らなくてはと考え、方針転換しました。ワインや美術品といった繊細な商材の保存保管に特化することと、どこの倉庫会社もまだ取り組んでいなかった保管サービスのWeb化にもいち早くチャレンジしました。
そして、そこにどこもやっていなかった「箱を開ける」という工程も付加したのです。「倉庫会社の人間が一般のお客様の荷物の中身を見る」という前代未聞のチャレンジをしてみたことが、大きなターニングポイントとなりました。
保田:箱を開けることには相応の責任やリスクが伴いますので、中身を撮影して戻すというのは、かなり大胆な試みだったと思います。
寺田倉庫 MINIKURAグループ MINIKURAチーム 保田壮一さん
―― お二人はどのようなお仕事をされているのか、役割を教えてください。
今成:『minikura』は2012年の9月にリリースしたサービスです。私はその2年後の2015年2月に入社しました。まだ会員数が数千人程度の時からプロジェクトに参画し、それから4年に渡り広告、プロモーション業務を担当しています。2015年当時は、プロモーション自体、費用対効果よりも露出量を重視し、リアルもWebでもとにかく広告やイベントを打ちまくっているという状況でした。
私は広告代理店から転職してきたということもあり、入社後はより適正な価格で費用対効果を見つつ広告を打つようにしていきました。当時はどうしても、「新しいサービスを認知させなければならない」という意識がありましたから、広告をひたすら打つ施策はある意味、仕方がなかったのかもしれません。サービスが立ち上がって2~3年経った頃には、WebメディアやTV番組でも多く取り上げていただくなどの波及効果があって、Web広告に多くの費用を投入することもなくなっていました。
元々、手広く広告を打っていたおかげで、どこに露出してどこの媒体を使うのが効果的かはある程度みえていました。そこで、今まで触れていなかった人たちにリーチするにはどうしたら良いか、どこにどのくらい費用をかけていけばよいかを、バランスを見ながら適正化していったのです。とはいえ『minikura』自体、全く新しいサービスだったので市場そのものも、先行する事例や参考になるデータもない状態。ですから、探り探り、固く獲得できる媒体や施策を試しながら進めてまいりました。
保田:私は、寺田倉庫に入社して1年半が経過したばかりではありますが、現在エンジニアを管理する立場におります。とはいえ、実のところ、これまでエンジニア経験は全くなく、前職の映像配信会社ではWeb配信の業務を担当していました。
ベンチャースピリット溢れる組織の中で新しいチャレンジをしたいということもあって、大きな会社の中にありながら成長過程にあるMINIKURAグループを志望して寺田倉庫に入社。入社当初は新規事業開発部に所属し、ワインやアートを対象とした保管サービスをWeb化するプロジェクトを進めていました。このプロジェクトは、寺田倉庫全体のブランディングを支える内容。『minikura』は当時、プロダクトとしてはある程度成熟期の状態にありましたが、やはりベンチャースピリットにあふれ、スピード感を非常に大切にしている事業だと感じました。
当時、エンジニアのほとんどが業務委託の方で、その中に未経験の私が投入され、どこまでできるか正直不安ではありました。しかし、周囲の人々に引っ張られながら必死になることで力を付けることができたと思っています。
入社して最初に意識したのは、「このスピード感を維持しつつ、現状を把握して、自分の技術力を高めていかなくてならない」ということ。ある程度自分の力がついた段階で、企画とエンジニアの領域を上手く融合していく必要があると考え、この一年は今成のような企画を担当するメンバーとエンジニアの橋渡し役になろうと考え、準備を進めてきました。
今までの寺田倉庫には、新しい企画をシステムとして具現化する立場の人材がいなかったのです。そのため私が間に入り、企画サイドが実現したいと考えたアイデアの中から実現可能なものを選定。「こういう形ならできる」と具体的な案を提示し、技術的観点から道筋を示す役割を担っていこうと考えたのです。
今成:私たち企画サイドはエンジニアが使っている言語や実施内容の難易度がわからないので、以前は感覚的に「これくらいはできるだろう」とエンジニアサイドに仕事を依頼していました。その結果、エンジニアメンバーが疲弊し、人手不足に陥ってしまったのです。保田が来てくれたことでその通訳の役割を担ってくれ、具体的な工数や時間、コストも正確に把握できるようになりました。
保田:企画サイドとしてもどんどん新しいことをやりたいし、エンジニアもどんどん新しい技術を取り入れたいと考えています。双方の要望をうまくつなげていけば、会社全体のモチベーションも上がっていくと確信しています。
―― サービス開発が主たる業務でない会社は、開発業務を外注化する傾向にありますが、それを内製化し、しかも組織作りをエンジニア未経験の保田さんに委ねる……それって、すごく大胆な気がしますが。
保田:確かにそうですね(笑)。倉庫会社でここまでやっている企業は、他にはないでしょうね。組織作りに関していえば、逆に未経験だったからよかったと思っていて……と言うのも、エンジニア未経験ゆえにプライドや自分の考えに固執してしまうことも一切なかったので、企画した人間の考え、エンジニアの考えを両方理解して、折衷案を調整できるのだと思っています。
大変なことも多いですが、知的好奇心が高い私にとっては非常に楽しい環境です。ありがちな仕事をこなしていくだけの前職とは違い、目の前に新しいことしかない状態なので興味も尽きず、それが自分のモチベーションになっています。
今成:寺田倉庫はそもそも、新しいことが大好きな会社なんですよ。転職してきたときから「変わった会社だな」とは思っていました(笑)。トップが「やってみよう!」となれば、設備投資をいとわずに「まずはやってみよう!」という流れになります。
保田:普通の会社では、まず市場調査をしたり、ベンチマーク企業を見つけて、マーケティングを行い、市場を把握したり……と、堅実にビジネスの形にしようとしますが、寺田倉庫は違います。「とりあえず面白そう」「とりあえずやってみよう」「駄目だったら駄目でいいじゃん!」という考えが根底にあります。『minikura』は、そういった社風があったからこそ生まれたのだと思います。
今成:もちろん事業ですから、ただノリだけで進めるわけにはいきません。PDCAを素早く回し、取り組むのも早いですが、検証して結果が伴わなければ撤退するのも早い。そんな文化です。転職して寺田倉庫に来た人間にとっては、こういうスピード感は新鮮ですし、自分たちのやりたいこともすぐに取り入れてくれるのでやりがいもあります。新し過ぎて前例がなく、比較ができないからストップがかかりづらいのではないかと。ただ一方で、感覚値に寄りすぎる傾向もあるので、ある程度数字も見るというバランスは大事だと思っています。
トップがそういった志向なので、とりあえず「やってみよう」となったものは形にするようにしていますが、必ずしも絶対的な指令ではなく、これはさすがに駄目だなという場合は先延ばしや方向転換していただくこともあります。
保田:堅実なことばかりやっていても新しい挑戦はできないので、「とりあえずやってみよう」という見切りでスタートできるのは、決して間違った経営方針ではないと思っています。自分の場合は、いわゆる大きな組織の中での社会人経験がなかったので、今の流れを当たり前のものとして受け止めています。
「スピード感をもって実行しろ」って、どこでも言うのかもしれませんが、それを本当の意味で実行できている企業は数少ないのではないでしょうか。寺田倉庫はそれをスローガンとして掲げているだけではなく、当たり前のように日常的に行えているのが特徴的と言えると思います。
―― お二人の今後のビジョンを教えてください。
保田:個人的には、開発の能力がまだまだ弱いと自覚しているので、まずはそこを強化していきたいですね。そして外注も含め、開発チームとして円滑にプロジェクトを進めていけるようになりたいです。マネジメント能力に関しては、この会社のこの立場だからこそ吸収できることも多いでしょうし、それはたとえ他の会社に行っても役に立つスキルなはず。自分の経験としても活きていくのではないかと思っています。
今成:最初からエンジニア未経験者を狙って採用したわけではありませんが、結果として現在のポジションに保田がいてよかったなと思っています。実は同じ職種で、エンジニア未経験から採用された人が4人いました。今はそのうち2人がチームを卒業していて、1人は「開発に没頭したい」と言い、もう1人は「起業したい」と言って卒業しています。
保田:そういう意味では、ここが非エンジニアにとっての登竜門になっているような感覚でしょうか。現在は開発に専念しているメンバーもいれば、私みたいな立場のエンジニア社員もいます。一言に「エンジニア」といっても、さまざまな仕事の仕方がありますよね。だから「未経験でもなんとかなる!」ということは、お伝えしたいです。
今成:事業そのもののビジョンをお伝えすると、私はこの『minikura』というサービス自体、まだブレイクしきっていないと思っていて、「個品管理」という強みを軸に、toC向けtoB向けに関わらずさらにブレイクできるプロダクトを作っていきたいと考えています。
グループとしては倉庫周りのオペレーション体制の強化に注力し、さらに多くの物量に耐え得る体制を作り、新たなプロダクトを回す環境構築を進めていきたいですね。
保田:寺田倉庫の最大の強みは、個品管理を可能とする「オペレーション力」にあり、そこが他社のサービスと差別化できるポイントであると、私たちは自覚しています。ユーザーが利用するアプリケーション自体は誰でも開発できますが、中身の部分は他社ではそう簡単に対応できるものではありません。
通常は荷物を箱単位で管理し、場所の指定だけして終わりとなりますが、それに個人が紐づき、「いつ、何を入れてどこへ出入庫したか」をしっかり追えるシステムは他にはないと思います。実は、この倉庫管理システムそのものをパッケージ化して外部に販売するというと試みも現在進めています。
今成:既に寺田倉庫内の他部門では、倉庫のオペレーションシステム自体、OEMで販売を行っています。そして、今後はより一層、個品管理を軸にした事業の拡大が予想されます。『minikura』は、そのモデルケースであり続けたいですね。さらに、このシステムを多くのメーカーや流通の方々に拡販していきたいです。
保田:個人のお客様に関しては、寺田倉庫のプラットフォームを活用いただければ、「誰でもすぐに物流機能を使える」という世界観がつくれるかもしれません。『minikura』が一家に1アカウントあるという、そんな世界もそう遠くはなさそうです。
取材・文:伊藤秋廣(エーアイプロダクション) 撮影:岡部敏明
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