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ビジネス相談の駆け込み寺アプリ「GIRON」をご存じだろうか?GIRONは、2019年4月にローンチされた、ビジネスに特化したテーマを議論できるアプリである。このアプリをローンチした株式会社GIRON 代表取締役CEOの粟津裕行さん自身も、「議論が好きで、多くの議論を経験してきた」と話し、アプリ内の議論にも積極的に参加。ただ議論が好きというだけでなく、議論の研究もしているそうだ。
今回は、そんな粟津さんに「良い会議のつくり方、悪い会議の終わらせ方」を聞いた。近年、働き方改革の流れもあり、効率的な会議の運営を求めたり、不必要な会議をなくそうとしたりする企業も増えている。一方で、会議の中で物事を決めなくてはならないにもかかわらず、意見が出てこなくて議論が進まない。そんな経験をしたことがある人も多いのではないだろうか。ここでは、「議論」をサービス化し、日々多くの会議を見る粟津さんの目から見た、「良い会議」と「悪い会議」の違いと改善方法を紹介。それぞれの違いを認識することは、これからの会議やミーティングにきっと役立つはずだ。
―― GIRONは既に200以上の議論が発生していますね。(2019年7月現在)
粟津さん(以下、敬称略):私も議論が好きでサービスを立ち上げましたし、日常的にも議論が好きなんです。社名も「GIRON」ですしね(笑)。議論をサービスにしようと思ったきっかけは、MBAに通っていた時に気づいた「グループディスカッションの面白さ」にあるのですが。
―― 何が面白く感じたのでしょうか?テーマの面白さですか?
粟津:それもあるのですが、テーマ以上に「同じ議題であっても、グループで全く違う答えが出る」点に面白さを感じました。たまたま一緒のグループになった人たちの知見が重なり合って、想像もしなかった結論が出る。この「議論の面白さ」をサービスで提供しようと思ったのです。
―― 会社の中で行われる会議も「議論」ですよね。上手く話がまとまる会議とまとまらない会議、良い会議と悪い会議の差はどこにあるのでしょうか?
粟津:GIRONの中で多くの議論を見たり、実際に自分が会議を開催する中で分かったことがあります。それは「目的・目標が明確かどうか」です。さらに「目的・目標を目に見える形にしているか」も重要です。会議のはじめに「目的・目標」をホワイトボードに書く。そうすると書いた「目的・目標」がその会議のアンカー(目印)として、参加者の意識の片隅にあり続けますよね。そして、その「目的・目標」の下に、議論されている内容を書いていき、最終的な結論は右下に書きます。このように構造化すれば、会議は崩れません。
粟津さんがおすすめするホワイトボードの活用例
―― 「目的・目標」を意識するだけではなくて、書き出すことが重要なんですね。
粟津:この役割を担うのが、ファシリテーター(進行役)ですね。ファシリテーターの役割は大変重要で、ファシリテーターが会議にノーアイデアで参加してしまうと、悪い会議になる可能性がぐっと上がります。会議を円滑にすることに留まらずに、コントロールする役割も持つ存在です。
―― ファシリテーターは、「司会役」に留まらない役割を持っているのですね。
粟津:正直に申し上げれば、ファシリテーターは会議の結論を持っているべきだと思います。会議とは、自分が持っている結論に意見を肉付けしたり、自分が知りたいことを聞く場なんです。ただ、ファシリテーターが結論を持っていたとしても、参加者は会議の場についてから意見を出すことが多い。時には的外れな意見も出ます。そうなると、「ブレを修正する」必要が生じてくるのですが……。
―― 具体的に、「会議のブレ」とはどのようなものでしょうか?
粟津:営業会議を例にしてみましょう。もともとは「売り方」が議題だったのに、いつの間にか「営業トーク」の話にすり替わっていることがあります。これは「議論が盛り上がっているけれど、脱線している」ケースです。「営業戦略」がテーマなのに「営業戦術」という次元の違うことを話している。こういったことが多いんですよね。こうなると「盛り上がったのに何も決まらなかった。次につながらなかった」という会議になってしまいます。こうならないためにも、ファシリテーターは、「出ている意見は、『戦略』についてなのか『戦術』についてなのか。次元は合っているか」をこの会議の場合、確認する必要がありますね。
―― 会議の中身を意識する以外にも、できることはあるのでしょうか?
粟津:実は、会議には予習が必要です。準備次第で会議の質も変わってきます。会議は、「決裁を取る」などの目的があって開かれますよね。つまり、会議自体が目的ではないからこそ、目的を達成するために事前準備が重要になってくるのです。
―― 会議の前にもできることがあるのですね。
粟津:まずは、前述した「目的・目標」の明確化。そしてレジュメ、事前資料の準備もできますよね。会議がどうなるかは、この準備で8割方決まりますよ。今は働き方改革で労働時間の短縮が求められる時代。生産性も求められています。会議の回数や時間も減っているはずですから、一回で結果を出すための準備がより必要です。もちろん、ただのブレストやガス抜きのためのお茶飲みであれば、そこまでしなくても良いのです。先ほども申し上げたように、ここでも「目的・目標」が重要なんですよね。「何かを決めること」が目的であれば、事前準備は必須です。
―― 「事前準備」というと、時間をかけて行わなければならないイメージですが……。
粟津:そんなことはないですよ。頭の中で整理できるタイプの方であれば、メモでも構わないです。私はEvernoteを使って、決めたいことを箇条書きにした上で会議を開くこともあります。こんな風に語っていますけど、私自身も会議で失敗してきている身です。だからこそ、言えるんですよね(笑)。
――粟津さんでも会議で失敗した経験があるんですね。
粟津:もちろんです!例えば経営会議を開いた際、怒られる理由のほとんどは、目的が不明確か準備がしっかりとできていないかのどちらか。事前資料に結論の9割を込めるくらいの気持ちでつくっても良いと思います。良い会議の定義には、「決裁が取れたか」もありますね。会議の後に次の行動が始まっていたら、その会議は成功したと言っても良いでしょう。準備が十分であったかを見極める指標にもなります。
―― ここまで良い会議の作り方をお聞きしました。とはいえ、自分が思わぬ方向に議論が転び、結論がなかなか出ない、議論が進まないといった「悪い会議」に陥ってしまうこともあります。その際に、挽回はできるものなのでしょうか?
粟津:悪い会議、つまり「何も決まらない会議」になりやすい会議があります。それは、「定例会」などと呼ばれ、定期的に実施される会議ですね。定例会は「また同じ話になっている」という状況に陥ることが多いものですが、私はこういった会議には必ず決裁を入れるようにしています。毎回の会議で「これを決めましょう」と議題を明確にするのです。
―― 定例会は情報を共有することが目的になって、何も決まらないことがあります。そこに必ず「決める」要素を入れるのですね。
粟津:「決裁を取る」ということは分解すると、そこに「意思表明」と「許可」が必要になるということです。「私は、これをこのように進めたいのですが、良いでしょうか?」といった具合に、意見を提示した上で合意を取っていく。会議の「全員がいる」という性格を利用するのです。上司もいる会議には、そのさらに上の決済者がいることもありますよね。会議はつまるところ、「みんなに認めさせること」でもあるのです。
―― 悪い会議を良い会議にするには、「決裁」。これを意識する必要があるということですね。
粟津:そうです。でも、ファシリテーター自身も答えを持っていない時がありますよね。答えを導き出せない、だからこそ議論をしたい。そんな時もあるはずです。その時は、「検討会」という名前で会議を実施してみてください。「検討会」の場合、90分くらい時間を確保できると良いですね。これは自分の結論に肉付けをするというよりも、参加者に選んでもらう性質を持っています。「検討会」という名前で会議を開催することで、参加者に「今日は物事を決める日ではない」と伝えることもできます。そうすることで、意見が出やすくなる可能性もあります。そして、検討会では最後に「いただいた意見をもとに改善した結果を、次回の会議で出します」と宣言する。その上で、次の会議で決裁を取りに行けばスムーズです。
―― 「会議」と一言でいっても、さまざまな役割のものがあるんですね。
粟津:「会議」と一言で括るからわかりづらくなってしまうんですよね。目的ごとに名前を変えれば、参加者と認識をすり合わせた上で会議を始められるようになります。誰を会議に参加させるか選ぶ裁量が自分にある時は、「多様性」を意識すると良いです。言い換えればいかにヒエラルキーをなくすかですね。会社である以上、「会議」という場にも一定のヒエラルキーは存在してしまいます。決裁を求める会議ならばヒエラルキーが高い人、つまり権限を持っている人の出席は必須です。でも、先ほどの検討会のように意見を求める会議の場合は、ヒエラルキーを排除しないといわゆる「空気を読んだ発言」ばかりになってしまいます。そうなると、会議に持ってきた時点のアイデアから全く変化が起きなかったり、ヒエラルキーの高い人の一言で逆にアイデアが固まってしまうこともあります。やはり、ここでも「会議の目的」が鍵になってきますね。「会議の目的」が参加者を選ぶ基準にもなるのです。
―― 目的を明確にすることが会議に与える影響力は、とても大きいですね。
粟津:ここで、自分自身が会議を悪いものにしてしまう危険性についても触れておきましょう。「否定意見が多い」や「態度が悪い」などは、分かりやすい例ですよね。でも皆さん見落としがちなのは、「自分の役割を認識した振る舞いをしているか」という点です。
―― 「自分の役割」に対する意識が、会議の質を変えるのでしょうか?
粟津:大きく変えますね。例えば、GIRONにはCTOの近藤さんというメンバーがいるのですが、技術に詳しい彼女は、アプリを開発する中でどの機能を先に追加するかの優先順位をしっかりと自身で決めることができます。私は、技術に関して意見を言うことはあっても、近藤さんが下す決断を完全に信頼しているので、最終的な判断は近藤さんに委ねています。これは「信頼」とも言えますが、「役割の違い」を自覚しているからこそでもあります。近藤さんは技術について判断する役割がある。さらにはCOOの平田さんはマーケティングや渉外の経験が豊富です。この領域は平田さんにお任せしていますね。こうして役割を明確にしているので、私はビジネスモデルや資金、会社経営について決める役割に集中しています。そういった「役割」に応じた振る舞いは大事ですね。
―― 会議に参加する時は、自分とメンバーの役割を認識するとスムーズに進みそうですね
粟津:そうですね。会議における「役割」に注意していると、自分が言うべき意見もメンバーから聞くべき意見も分かってきます。そして、自分はどんな役割を担うべきか、どんな役割を持った人間を参加させるべきかも見えてくる。良い会議と悪い会議は間違いなく、「目的の有無」と「目的に応じた役割分担ができるか」で決まってきますね。
取材・文:佐野創太
取材協力:株式会社GIRON 代表取締役 CEO 粟津裕行
データサイエンス、AI顔認証等の新規事業を経験。現在、スマホQRコード決済の 新規事業に従事しながら、GIRONを創業。GIRIONの事業コンセプトを創案、 経営戦略・ファイナンスを中心に全体の舵取りを行う。中央大学ビジネススクールを 平成30年3月修了し、南甲倶楽部賞受賞。
HP:株式会社GIRON
Twitter:@GIRON77583449
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