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私はロシア語圏のさまざまな情報や、個人的に興味を持ったトピックスを紹介する『おそロシ庵』というブログを運営しています。
ロシア留学がきっかけでロシア人の友人・知人が増え、現在では「日本人の友人よりもロシア人の友人の方が多い」といった状態です。
『おそロシ庵』を始めてから、トークイベントに出演させていただいたり、旅行会社とコラボして普通は行けないようなモスクワツアーを組み、同行者としてお客さんをアテンドしたりもしています。
最近はこのツアーの同行者として、年に1回以上は訪露しています。留学時代も含めると何度訪ねたのか覚えていないほどモスクワへ足を運んでおり、新鮮に感じることも減ってきましたが、ツアー参加者の視点から、新たに気付かされることも増えてきました。
例えば、「満員のメトロ(地下鉄)にスーツを着ている人が少ない」こと。モスクワのメトロは朝晩のラッシュ時だと日本と同じくらい混雑します。ただスーツを着ている人があまりいません。そもそも街中でスーツを着ている人をあまり見かけないかも。みんな、何を着て働いているのだろう?
ラッシュ時のモスクワメトロ
これをきっかけに、他にもロシアの働き方にまつわる疑問が湧いてきました。
留学していた頃、朝早く部屋を出ると寮の改装工事をしており、夜遅くに帰宅したときも同じ人たちが作業していたことがありました。ロシア人は働き過ぎじゃないかな? と思ったことを今でも覚えています。しかし作業は進んでるように見えませんでしたが(笑)。
ロシア人は長時間働いているイメージもあったのですが、私の友人たちは夏になると2週間程の長い期間を平気で休み、旅行しています。
寮の改装工事で、一日中働いていた作業員たちの半分が女性でした。ロシアの工事現場などでは女性作業員の姿をよく見かけます。また、バスや路面電車など公共交通機関の運転手も女性が多い印象です。
一体、ロシア人はどのような働き方をしているのか。日本人と同じなのか、違うのか。ロシアの“リアル”な働き方をちょっとだけのぞいてみましょう。
まずは、上記の疑問を解決すべく、ロシアで働いた経験のある友人たちに聞き込み調査をしました。彼らから返ってきた意見と回答をまとめてみます。
A:ただドレスコードが日本よりゆるいという理由が一番にありますが、もちろんスーツ姿で働く人もたくさんいます。しかし、満員電車でスーツが崩れることを嫌がる人が多く、スーツで働く人は車で通勤する割合が圧倒的に高いです。ロシアでは車の維持費が日本と比べて圧倒的に安く、駐車場代も安いため、メトロで通勤する人と同じくらい車通勤の人がいます。そのため朝夕のラッシュ時、モスクワの渋滞はかなりひどいことになっているのです。つまり、「満員電車か渋滞、どちらを我慢するか?」という問題で、スーツの人たちは渋滞を選択したため、満員電車の中にスーツ姿が見当たらないということです。
モスクワ名物の大渋滞
「ソ連時代に男女平等が唱えられ、男女問わずどんな仕事も平等に振り分けられるようになった」とよく言われるのですが、実際は第二次世界大戦の影響で男性の人数が減り、仕方なく女性が男性の分まで働くようになり、現在もその名残が続いている、という説が有力とのこと。工事現場などで活躍する女性が昔は多かったらしいのですが、現在はほとんどの作業員が中央アジアからの移民に変わっているとのこと。私は以前見た女性の作業員が強く印象に残っていたのかも知れません。
今も残るソ連のシンボル「労働者とコルホーズの女性」
次に、私のロシア人ネットワークを使って、簡単なアンケートとインタビューを複数人にしてみました。
ちなみに職場の写真を希望したのですが、ほとんどの方がNGでした(名前もニックネームの方が多くなりました)。日本で同じようなお願いをしても、OKしてくれる人は少ないですよね。ここでも「共通点」が見つかりました。
ジェーニャKさん:ガス開拓、ガスパイプ用の備品やポンプ設備などの加工設備を提供する企業で働いています。私自身は部長のアシスタントをしています。
ジェーニャKさん:制服はありませんが、「女性はスカートが望ましい」と会社側から言われています。個人的にはパンツスタイルの方が好きなんですけど。靴はヒールかブーツを履いています。男性はズボンとYシャツ。金曜日だけカジュアルな私服がOKという規則があり、ジーンズでも大丈夫です。会社ではこの金曜日を「ホームレススタイルデー」と呼んでいます。
ジェーニャKさん:勤務時間は月曜~木曜は9時~17時。金曜日は9時~17時か17時15分。 金曜日は「ホームレススタイルデー」なので普段よりもカジュアルな服装ですが、午後から社員は着替えはじめ、ロックコンサートやナイトクラブに行く準備をして、仕事が終わるのを楽しみにしています。職場は若者が多くきちんとしたOLからロックファンへの変身する姿が、いつも見ていて面白いです。
平均的な一日のスケジュールは、上記の通りです。始業は9時ですが、8時半にはオフィスに到着して、部長と自分のためにコーヒーを淹れ、仕事の準備をします。職場を出るのは18時~18時半の間。部長のアシスタントなので、部長が帰るのを待たなければなりません。帰りに子どものお迎えに保育園へ立ち寄ります。帰ってから晩ごはんの準備、食事、そして自由時間です。
ジェーニャKさん:有給休暇が1年に28日間あります。最長14日間まとめて取ることができるので、年に2回14日間まとめて取ったり、年に4回7日間の休暇を取ったりすることもできます。それ以上長い休暇は一般社員はもらえません。しかし、私は研修に必要だったので、2カ月の休暇をもらったことがあります。
ジェーニャKさん:良いところは、給料が安定していて社員同士の仲がいい。職場で社員の誕生日が祝えることも楽しいですし、研修も充実しています。また、企業関連のイベントや国の祝日関連のパーティーが楽しいです。
マリヤさん:メディカルセンターで医療関係の仕事をしています。心理カウンセラーのような仕事で、看護師の資格も持っています。また、メディカルセンターに出勤しない日は、個人(フリーランスとして)で患者さんのケアをしています。 この仕事に就く以前は、通訳や翻訳、教師もしていたことがあります。
マリヤさん:はい、自分で車を運転して通勤しています。だいたい15分くらいで着きますが、渋滞時は40分もかかってしまうことがあります。
マリヤさん:通勤の時は私服です。秋、春はコート、冬はダウンコート。メディカルセンターでの制服は、白衣で、白衣の下は動きやすい服装をしています。化粧は派手過ぎないように、アクセサリーも派手過ぎてはダメ。髪の毛も束ねて、同じく派手過ぎないように。靴は、大きい音がたたないようなヒールを履いています。
マリヤさん:有給休暇は年間28日もらえます。希望を出せば28日間まとめて取ることも可能です。私は14日間+14日間と年2回に分けて取得しています。
マリヤさん:メディカルセンターへは平日は週2日通っていて、月に1回だけ土曜日も出勤しています。 メディカルセンターへ出勤するときは10時から18時ごろまで働きます。たまに20時まで残業することもありますが、日によって変わりますね。 出勤日の平均的な過ごし方は、6時か7時に起床。朝食を準備し体操、そして食事。化粧など身だしなみを整え、10~15分聖書とお祈りタイム。そして出勤します。お昼休みは1時間。自分で作ったお弁当を食べることが多いです。帰宅後は夕食の準備や家事はもちろん、患者さんとネットでやり取りを続けることも。早い日は23時に寝ますが、就寝は24時以降になることが多いです。
マリヤさん:仕事の良いところは、たくさんあります。苦手なことは、SNSで勤務しているメディカルセンターを宣伝しなければならないこと。週に1回は必ず宣伝記事を書かなければなりませんが、記事を書くにはインスピレーションが必要です。インスピレーションが毎週決まった時間に湧くはずがないですよね(笑)。 そしてたまに、難しい患者さんが来ます。危ない患者さんも来ますが、ほとんどの患者さんはいい人で、抱えている悩みを解決したがっているだけなんです。
A.D.さん:列車の整備関係の仕事です。車両の準備、管理、修理などを行っています。
整備する列車はシベリア鉄道の車両
A.D.さん:通勤時の服装は天気にもよりますが、動きやすい服装を選んでいます。デニムなどのズボン、Tシャツ、シャツ、ブーツ、ジャケットなどです。勤務時は特別な作業服を着ます。現場に出るのでヘルメットは必須です。
A.D.さん:1週間で計40時間の勤務となります。5日出勤、2日休日というスケジュールですが、実際はかなり変動しますね。
A.D.さん:まず、良いところは安定しているところ。やるべきことを、さまざまな手段で解決していくこの仕事が好きです。そして仕事の結果が、はっきりとした形で現れるところにやりがいを感じています。
苦手なところは、管理職の上司の態度や、検査が多過ぎることに少しうんざりもしています。検査官が専門的な知識が乏しいのに厳しいんです。また、検査後に報告書をまとめる作業が苦手です。
最後に、変わった働き方の人はいないかな? と白羽の矢を立てさせていただいたのは、ロシアの大物音楽プロデューサー・セルゲイさん!
どれくらいの大物かといいますと、ロシアで数々の有名歌手やバンドをプロデュースし、さまざまなテレビ番組のテーマミュージックを担当、番組自体もプロデュースしています。私が日本の音楽事情に疎いので日本人にたとえようがなく……。 Queenのギタリスト、ブライアン・メイと友達で、彼が訪露するたびセルゲイさんに会いに来る、というエピソードが一番すごさを伝えられるかもしれません。
セルゲイさん:音楽プロデューサーです。さまざまなアーティストのために曲を書いたり、アレンジしたりしています。12歳から現在まで音楽の仕事をずっと続けています。
セルゲイさん:音楽プロデューサーです。さまざまなアーティストのために曲を書いたり、アレンジしたりしています。12歳から現在まで音楽の仕事をずっと続けています。
セルゲイさん:はい、普段は自宅で仕事をしています。外で仕事がある場合は車移動です。もちろん服装も自由で、その日の天候や着心地で服を選んでいます。
セルゲイさん:自分で仕事のスケジュールを組んでいます。休暇は基本的にありません。休みたくなったら休むだけです。長い休暇は好きではありませんので、暇な時間ができたら新しいアイディアを実現するための時間に充てています。
セルゲイさん:仕事自体が私の好きなことであり、働いているという感覚がないことです。働いているといつも時間が足りません(笑)。
インタビューをして分かったのは、普通の会社で働いている人はロシアも日本も基本的に同じようなスタイルだということ。オフィスで働くジェーニャKさん、現場に出るA.D.さんは、日本人と同じようなスケジュールですよね。特に、私は前職がA.D.さんと同じ種類の仕事で、1日の行動パターンもほぼ同じだったのでとても親近感がわきました。「検査官が専門的な知識が乏しいのに厳しいんです」という愚痴は、日本でもあるあるネタです(笑)。
このインタビューから分かることは、ロシア人の仕事に対するスタンスや、仕事に対して感じていることは日本人とほぼ同じではないでしょうか。インタビュー前は日本人と違うイメージがあったのですが、インタビュー後にはイメージが180度変わりました。ロシアも日本も際立った違いがないようです。
これはあくまでも推測ですが、組織として働くことを効率化すると、たどり着く先が同じようになり、日本とロシアの違いが出なくなったと私は考えます。
そしてマリヤさん、セルゲイさんのような特殊な仕事も興味深いですね。マリヤさんは全くの異業種から転職しているのが印象深いです。逆にセルゲイさんは12歳から現在まで音楽一筋です。そして仕事を仕事として思っていない、自分の好きなことだけやっていたらそれが仕事になっていたというのは素晴らしい。私の目指すところであります。
休暇についてインタビューでは説明されませんでしたが、ロシアでは1月1日から7日までお正月休みがあります。これはロシア正教のクリスマスが1月7日であるためです。
7日まで休みのプーチンカレンダー(月曜の8日は振替休日)
夏は日本のような長期休暇がないので、割り当てられた有給休暇を使ってバカンスへ行くようです。ロシアのようにまとめて有給休暇を消化できるのは、とてもうらやましいですね。日本でもおそらく制度的には問題ないですが、実行に移すことはなかなかできませんよね。
この有給休暇の使い方は日本人も学ぶべきではないでしょうか。各自が好きなタイミングで長期休暇を使えば、帰省ラッシュなどが少しは緩和されるでしょうし、旅費の安いタイミングで旅行も楽しめそうです。
ちなみに、日系企業のロシア支部で働いていた日本人の友人の話によると、支部の全員、日本人もロシア人もこのロシア方式休暇が規則で決まっていたそうですが、日本人の従業員には、ロシア式休暇を取りづらい、暗黙の了解のような圧力があったそうです。おそロシア……。
(編集:はてな編集部)
著者:ちばユウタ
ロシア語圏のさまざまな情報を紹介するブログ「おそロシ庵」の運営者。ブログ運営だけでなく、旅行会社とコラボしてモスクワツアーをプロデュースしたり、東京カルチャーカルチャーのトークイベント「ソ連ナイト」に定期的に出演したりしている。 ロシア関係は数ある趣味の一つで、移住するならロシアよりもタイの小島と心に決めている。他にも釣り、サッカー観戦、写真、ダイビング等々と多趣味なため、働く暇のない現在無職の元艦船修繕技師。
Twitter:@Goncharov_jp
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