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こんにちは。ライターの斎藤充博です。僕は指圧師の国家資格を取得し、少し前に指圧治療院で働いていました。(ふしぎ指圧)
そんな僕に最近よく来る相談があります。それは……「リモートワークの自宅作業で身体が限界なんですが、どうしたら良いですか?」というもの。
新型コロナウイルスの流行で、多くの人がオフィス勤務からリモートワークに切り替わっています。しかし、オフィスのようなきちんとした仕事環境は、自宅ではなかなか用意しづらいですよね。
SNSを開いてみると、デスクではなく、ソファやコタツなどで仕事をしている人も多いようです。こうなると先ほどの相談への返答も「環境によってそれぞれですね」ということになります。
そこで今回は、自宅での「リモート作業環境別に注意・改善した方がいい点」と「おすすめストレッチ」を紹介します。皆さん、どんな環境で仕事をしていますか?
「家にデスクはないけどソファはある」という人は多そうですね。しかし、ソファはリラックスするためのイスで、仕事にはあまり向いていません。
ソファに座る場合は、多くの人がローテーブルにノートパソコンを置いて作業することになるでしょう。一般的なローテーブルはソファの座面よりも低い位置にあることがほとんどです。そのためにローテーブルにノートパソコンを置いて使うと、極端な前傾姿勢になってしまうのです。
この姿勢では背骨を支える脊柱起立筋群や、腰についている腰方形筋、首の後ろ側から肩にかけてついている僧帽筋などにかなりの負担がかかってきてしまいます。
これらの箇所が疲れてくると、肩こり、首こり、頭痛、腰痛などの原因になってしまうことがあります。そこで対処方法を2つ考えてみました。
1つはローテーブルとノートパソコンを使わないこと。ソファに座ったまま、できるだけスマートフォンやタブレットで仕事をするのです。ノートパソコンを使うと、どうしても低い位置にある物を前傾でのぞき込まなくてはいけません。
スマートフォンであれば、自分の姿勢をラクにして、画面を好きな位置まで持ってくることができます。ノートパソコンを使っているときよりも多少ラクになるでしょう。
もちろん、「スマートフォンだけでは仕事にならない」という状況もありますよね。そこでもう1つの対処方法は、ソファに座らずに、床に座ってローテーブルでパソコンを使うことです。ソファに座っているときよりも前傾姿勢がおさえられますので、この方がラクにはなるでしょう。
ただし、床に座ってローテーブルで作業することが「良い」というわけではありません。床に座って座卓で作業する場合の注意点は次の項目で解説します。
床に座ってローテーブルやコタツの上にノートパソコンを置いて作業をしていると、どうしても首の角度が前傾になってしまいます(※ソファとローテーブルを使用したときの方が前傾の角度がきつくなります)。
「なんとなくコタツで作業していると疲れてしまうんだよな」と思っている方、きっと首が大きく前傾しているんじゃないでしょうか。
このとき特に負担がかかる筋肉は首から肩にかけてついている僧帽筋です。また、首の横についている肩甲挙筋や、首の前側についている胸鎖乳突筋にも負担がかかってきます。首と肩の筋肉とイメージしてもらえると分かりやすいでしょう。この箇所が疲れてくると、肩こりや頭痛の原因になってしまいます。/p>
コタツやローテーブルで作業をするときにオススメの道具が2つあります。1つは、外付けのキーボード。ノートパソコンに取り付け、手元に引き寄せます。このときにできれば肘の角度が90度以上になるようにすると良いでしょう。
また、ノートパソコンは(段ボール、辞書、週刊少年ジャンプでも、なんでもいいです)の上に乗せて、ディスプレイを目の高さくらいまで上げてみてください。目の高さまで上げることが難しかったら、ほんの少し上げるだけでもかまいません。
これにより、自然と前傾姿勢が抑えられるのがイメージできると思います。簡単な工夫ですが、これだけでもかなりラクになるはずです。
ダイニングテーブルで仕事をするのは、「ソファ」「コタツ」に比べるとだいぶラクな環境です。
しかし、仕事に集中しているといつの間にかノートパソコンをのぞき込むようになってしまい、腰が前傾してしまいます。背骨を支える脊柱起立筋群や、腰についている腰方形筋が疲れやすくなります。
このときに使えるのが「クッション」です。お腹とテーブル間に小さめのクッションを置いておくと、それだけで腰が前傾になることを防ぐことができます。
実際に、専用のクッションも販売されています。クッションが胴体に巻き付けられるようになっているタイプもあるので、通販サイトなどで探してみてください。そんなに高くないですよ。
言うまでもなく、仕事用のデスクがあるのが作業環境としては一番良いですよね。仕事用のデスクがある場合は、ぜひモニターが別になっているデスクトップパソコンを導入してください。ノートパソコンを使い続ける場合は外部モニターを導入すると良いでしょう。モニターとキーボードが別々になっていることで、自然な姿勢で作業することができます。
すでにデスクトップのパソコンを使っているという方は、「モニターアーム」を使ってみてください。モニターの位置を自分の一番ラクな位置に合わせることができます。僕はモニターアームを使えるのが、仕事用デスクを使う一番のメリットだと思っています。
さらに良い環境を求めるとしたら、「高さを調節できる椅子とデスク」をオススメします。高さを調節できる椅子は良くありますが、高さを調節できるデスクを使っている方はあまりいないのではないでしょうか。
人の身長は当然それぞれ違うもの。デスクと椅子に人が合わせるよりも、人にデスクと椅子を合わせる方がずっとラクになるのです。
一般的に売られている高さの変わらないデスクや椅子は身長170センチ程度の人を基準にして作っていると言われています。高さを調節できるデスクや椅子は特に身長が低い方にはオススメです。
仕事環境や姿勢を見直すだけでなく、仕事の合間に簡単なストレッチを行うのもオススメです。特にリモートワークで疲れる箇所をケアするストレッチを紹介します。
胸のストレッチです。小胸筋という筋肉を伸ばしています。小胸筋はスマートフォンを見るとき、キーボードを使うときなど、手を胴体の前に持ってくる時に使う筋肉です。ここが疲れてくると、呼吸が浅くなったり、なんとなく胸がつかえるような気分になったりすることがあります。
首のストレッチです。僧帽筋という筋肉を伸ばしています。僧帽筋は無理な体勢でノートパソコンを使うときなど、身体が前傾姿勢になってしまっているときに、負担がかかる筋肉です。ここが疲れてくると、肩こりや頭痛などが起こることがあります。
パソコンでの作業をする人全般にオススメですが、特にローテーブルやコタツで作業している人には行ってほしいストレッチです。
腰のストレッチです。脊柱起立筋の下部や、腰方形筋などの筋肉をほぐしています。こちらも前傾姿勢になってしまっているときに、負担がかかる筋肉です。疲れてくると腰痛になったり、歩くのがおっくうになったりしてくることがあります。
特にダイニングテーブルや、高さの合わないデスクや椅子を使っている人は腰に負担がかかりやすくなります。腰痛になる前に試してみてください。
ふくらはぎのストレッチです。腓腹筋という筋肉を伸ばしています。長時間の作業で足元が動かなくなってしまうと、下肢全体の血流が悪くなってしまいます。この状態を放っておくと足がだるくなったり、冷えてきたりしてしまうことがあります。
ふくらはぎには下肢の血流をよくする働きがあります。これを筋ポンプ作用といい、「第2の心臓」と呼ばれているくらいです。よく動かして、血液の循環をうながしましょう。
特に仕事用のデスクで仕事をしている人は、姿勢が決まってしまうために、足が動かなくなりがち。ふくらはぎのストレッチがオススメです。
パソコン作業は、ラクなように思えますが、意外と特定の筋肉を長い時間使うことになります。スポーツでフォームを覚えるように、パソコンの作業でも「疲れにくい姿勢を意識する」と良いでしょう。リモートワークのような慣れない環境のときだからこそ、気をつけてみてください。
また、ストレッチなどのケアに関しても意識的に行うことで身体が疲れにくくなってきます。これもスポーツと同じように考えると分かりやすいのではないでしょうか。
このように自分の身体のことを気にすると、長時間の作業にも耐えられますし、仕事の能率もアップしてきます。「リモートワークの自宅作業で身体が限界」なんてこともなくなるはずです。
ぜひこれをきっかけに自分の作業環境を見直して、快適にリモートワークができるようにしてもらえたらと思っています。
(編集:はてな編集部)
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