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新型コロナ禍によって、オフィス通勤からリモートワーク(在宅勤務)への推奨、オンラインミーティングの増加など、社会全体にかつてないほどの大きな変化が訪れている。しかし「変えることのできない部分」に歯痒さを感じることも多い。それどころか作業工数が増え、無駄や非効率に悩まされていることも多いのではないだろうか。
大きな変化に適応し、好機にするためには何が必要なのか。原マサヒコさんは、神奈川トヨタ自動車株式会社で自動車整備士からキャリアをスタートさせ、その後はIT業界に転職し、WEBマーケティング会社を起業した。
現在は、『世界一の現場で鍛えたトヨタ流 最強カイゼン』『どんな仕事でも必ず成果が出せるトヨタの自分で考える力』など効率的な働き方にまつわる著書を多数発行し、講演会やセミナーでノウハウを伝授している。
今回は原さんに、変化の多い今だからこそ、これまでの習慣を変えて「挑戦体質」になるためのポイントについて解説していただいた。
原さん(以下、敬称略):必要に迫られても、なかなか変わることのできない企業の状況が浮き彫りになっていますね。さまざまな企業の方々に話を聞いてみても「決して現状に満足しているわけでもないし、変えなければいけないのは分かっている」と話しています。しかし、動線の悪さ、無駄、非効率といった「落とし穴を埋める」ことには手をつけられておらず、先送りにしてしまっている状況です。
原:根本には「現状維持バイアス」の影響があると考えています。現状維持バイアスとは、「大きな変化や未知なるモノを避けて、現状を維持したくなる」という心理的作用のことで、心理学では良く耳にする言葉です。
原:「ゆでガエル現象」とも言われますね。「カエルをいきなり熱湯に入れると飛び出して逃げる。でも、じわじわと温度を上げていくと、カエルは温度変化に気づかずにゆで上がってしまう」というものです。ビジネスにおいても、環境の変化に適切に対応しなければ、危機的状態を迎えるという意味です。
原:現状を変えることで「何かを失うかもしれない」という不安が、「何かを得られるかもしれない」期待よりも上回ってしまうからだと言えるでしょう。 例えば、何か画期的で新しいサービスが出てきたときに、「危ない」とか「怪しい」といった疑いの目で見てしまうことで、客観的で合理的な選択肢を選ぶことができなくなってしまうことがありますよね。
原:多くの人は無意識のうちに「何もしなくても良い理由」を探しはじめてしまうんですよね。少し極端な表現かもしれませんが、現状維持バイアスにとらわれていることは、ビジネスパーソンとしては致命的です。その状態を避けるためにも、まずは落とし穴に気づいて塞ぐ行動をすべきなのです。
原:まず、落とし穴のひとつに「普段仕事で使っているツールの利便性」が挙げられます。普段から使っているツールは、自分の仕事のベースになるものですから、真っ先に確認すべき部分です。
原:たしかに「ツールくらいなら簡単に変えられる」と考えるのですが、ビジネスの現場では「木こりのジレンマ」という状態が見受けられます。 木こりがノコギリで木を切っているのですが、切れ味が鈍く切るのに時間が掛かります。通りかかった人が見かねて、「そのノコギリ、歯を研いだ方が良いのでは?」と忠告をすると、木こりが「歯を研ぐ?木を切るのに忙しくてそんなことをしているヒマはない!」とはねのける話です。
原:そうですね。特に、企業では歯を研ぐ必要のあるノコギリのようなツールが今でも使われ続けていることが多いのです。
原:ある企業で経営層から「社内の業務効率を上げたい」といった相談を受け、現場を視察させていただいた時です。一見すると普通に仕事をしているように見えるのですが、社員の方々の手が止まることが多く見受けられました。「今、何をされているんですか?」と聞くと、PCが画像の処理をするのに時間が掛かるということでした。
なぜそんなに時間が掛かるのかと聞いてみると、「会社から貸与されているPCのスペックが低いんですよ」と答えが返ってきました。
原:経営層は、「業務効率の悪さ」の原因は「社員の働きにある」と思っていました。しかし、社員が活動する上で必要なPCがボトルネックになっていたのです。「たかがツール」と思ってしまって、業務効率を引き起こしている原因だとは考えていなかったんですよね。まさに落とし穴です。
原:「社員が使うPCに投資をしてください」と伝えたところ、経営層は問題と向き合い、業務効率は大幅に向上しました。これはオーソドックスなケースではありますが、「人を変える」よりも、「仕組みを変える」方が効率的になることは多いです。
原:私は5年前に起業してからリモートワークやビデオ会議をするようになりました。はじめの頃はイスに座ってもなかなか仕事に取り掛かれず、ソワソワしてしまい業務効率が著しく低下していたんですよ。
原:働く環境が変わったことが大きな要因です。今までは職場に向かうまでの時間を使って「仕事スイッチ」を自然と自分で入れていたんです。それがリモートワークになったことで、スイッチがなかなか入らず集中力が保てなかったのです。
原:ポイントは「セルフマネジメント」です。自分なりの「仕事スイッチ」を見つけて、常にスイッチを押せるようにしておくことです。
原:私は、PCを起動したり仕事の準備をしたりするときにテンションが上がる曲を聞いて「仕事スイッチ」を入れていました。心理学の「NLP:Neuro-Linguistic Programming(神経言語プログラミング)」の分野では、こういった行為を「アンカリング」と呼びます。アンカリングとは、五感からの情報をきっかけに特定の感情や反応を引き出すプロセスを作ることです。このアンカリングを用いて、「仕事スイッチに切り替える」というセルフマネジメントを行うことが重要です。
原:セルフマネジメントという観点では、「仕事スイッチがOFFになってしまう原因」もあらかじめ知っておきましょう。私の場合は、外部からの「ノイズ音」で集中力が切れてしまうことがよくありました。そのため、ノイズキャンセリングヘッドフォンをつけながら仕事をするようにしました。
原:その通りです。今、自分が仕事をしている環境が「必ずしもベストではない」と考えて、さらに良い環境にするための施策を探すことが大切です。現状を維持しているということは、「落とし穴にはまっていることにも気づいていない」という可能性もありますからね。常に「自分は”ゆでガエル”になっているのではないか」とチェックすることで、「挑戦体質」でいることができるでしょう。
原:周りの方々から「よく自動車整備士からIT業界に転職できて、起業までしましたね」と言われることがあります。でも、働く環境を業界ごと大きく変えることで、自分のこれまでの経験をかけ合わせられるようになるんです。そうすることで個性が磨かれて強くなり、代えの効かない人材になれます。
原:私が社会人として最初に就業した神奈川トヨタ自動車の現場では、「変わらないことが悪」という組織風土がありました。職場環境や仕事の方法を変えていかないと怒られるのです。仕事は常に変化をしていくものであり、変化をしないのは怠慢だというわけです。
おかげで挑戦し続ける習慣が身につきましたね。誰しもいつもの環境、いつものやり方で仕事をすることは慣れていて心地良いと思うのですが、それこそが「悪」だという感覚を持たないといけません。コンフォートゾーン(居心地の良い場所)から抜け出せなくなると成長が止まり、世の中から置いていかれてしまいます。
いま世の中が大きく変わり、変わる契機に溢れています。今こそ改善し続ける癖を身に付け、挑戦体質に生まれ変わるときです。
取材・文:佐野創太
取材協力:原 マサヒコ
プラスドライブ株式会社 代表取締役
1996年、神奈川トヨタ自動車株式会社にメカニックとして入社。5000台もの自動車修理に携わりながら、トヨタの現場独自のカイゼン手法やPDCAサイクルを叩き込まれる。トヨタ流のカイゼンやPDCAサイクルを常に意識しながら仕事に取り組んでいった結果、技術力を競う「技能オリンピック」で、最年少優勝に輝く。さらにカイゼンのアイデアを競う「アイデアツールコンテスト」でも2年連続全国大会出場を果たすなど活躍。IT業界に転身後、PCサポートを担当したデルコンピュータでは「5年連続顧客満足度No.1」に貢献。現在はWEBマーケティング会社の代表として、多くのクライアント先に対してWEBマーケティング施策を推進している。
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