リーダーシップとは?明日から活かせる型・種類や発揮するためのポイントを解説!
リーダーシップとは?
そもそもリーダーシップとは、どのような意味の言葉なのでしょうか。本章では、リーダーシップの定義や具体例、マネジメントとの違いについて解説します。
リーダーシップの定義
リーダーシップとは、組織の目標達成に向けて、周囲を先導する能力のことです。組織の先頭に立つ人材がリーダーシップを備えていれば、チーム全体の方向性が明確になり、メンバーの意欲やパフォーマンスが向上します。そのため、リーダーシップを備えた人材は業績向上のキーパーソンとして、企業から必要とされやすいでしょう。
リーダーシップの具体例
リーダーシップは、周囲とコミュニケーションを取る際、具体的な行動として表れます。例えば、面談を通じてメンバーを動機付けたり、育成・指導を通じてメンバーのスキルアップを支援したりという行動です。また、全社一丸となって業績を拡大できるよう関係部署と連携を図ることも、リーダーシップの典型例といえるでしょう。
マネジメントとの違い
マネジメントは「管理力」とも訳され、組織の成果を最大化できるようヒト・モノ・カネを管理する能力のことです。具体的には、組織の戦略や予算、評価方法などの仕組みづくりをする能力ともいえます。一方のリーダーシップは「先導力」と訳され、現場に近い立場でメンバーをけん引し、組織を動かす力です。どちらかといえば、マネジメントには「経営目線」、リーダーシップには「現場目線」がより強く求められるという違いがあります。
リーダーシップの型【1】レヴィンのリーダーシップ類型
リーダーシップを身につけるためには、さまざまなリーダーシップの型を知っておくことが不可欠です。
リーダーシップの主な種類の一つとして、アメリカの心理学者クルト・レヴィンが提唱した「リーダーシップ類型」があります。レヴィンは大学での実験をもとに、リーダーシップのタイプを「専制型」「放任型」「民主型」の3つに分類しました。本章では、レヴィンの提唱した3種類のリーダーシップそれぞれについて解説します。
1.専制型リーダーシップ
専制型リーダーシップとは、業務の内容や進め方、スケジュールなどをすべてリーダーが決め、メンバーに細かく指示を出すスタイルのことです。強烈なリーダーシップのもとで組織をスピーディに動かせるため、短期的な目標を確実に達成したい場合や、メンバーのスキルレベルがまだ低い場合などに適しているタイプといえます。
2.放任型リーダーシップ
放任型リーダーシップとは、リーダーがメンバーの業務に関与せず、仕事の進め方をすべて各人に委ねるスタイルを指します。メンバーの個性を重んじるリーダーシップなので、専門性や創造性が必要とされる組織に最適です。また、スキルレベルの高いベテランメンバーに仕事を任せる際にも効果を発揮するでしょう。
3.民主型リーダーシップ
民主型リーダーシップとは、現場の意見を積極的に取り入れながら、メンバーの業務内容や仕事の進め方を決めるスタイルのことです。メンバー自身に業務上の目標を考えさせるため、自主性や積極性を育みやすいという特徴があります。また、現場の声を尊重することで、組織の一体感を醸成できるリーダーシップです。
リーダーシップの型【2】SL理論
リーダーシップの有名な類型に、アメリカの行動学者ハーシーと心理学者ブランチャードによって提唱された、「SL理論(Situational Leadership)」があります。SL理論は、リーダーシップを「教示型」「説得型」「参加型」「委任型」の4つに分類しているのが特徴です。本章では、SL理論における4つのタイプについて解説します。
1.教示型
教示型とは、仕事の進め方についてメンバーに指示を出し、細かく監督するスタイルのリーダーシップです。リーダーが深く介入してメンバーの能力を底上げできるため、経験の浅い新入社員を指導する際に適しています。
2.説得型
説得型とは、メンバーに対してある程度仕事の指示を出しつつ、具体的な進め方については現場の自主性も重んじるタイプのリーダーシップです。メンバーに一定のスキルが必要になるため、若手社員の育成に適しています。
3.参加型
参加型は、仕事の内容や進め方を部下の自主性に委ね、必要であれば適宜支援するタイプのリーダーシップです。参加型は、指示がなくてもスムーズに業務を進められる、中堅社員や次世代リーダーなどの育成に向いています。
4.委任型
委任型とは、メンバーへ仕事の権限を委譲し、リーダーはできるだけ関与しないスタイルのリーダーシップです。メンバーに高度なスキルレベルとノウハウが求められるため、ベテラン社員へ仕事を任せる際に適しています。
リーダーシップの型【3】ダニエル・ゴールマンのリーダーシップスタイル
リーダーシップの主な型として、アメリカの心理学者ダニエル・ゴールマンの唱えた「6つのリーダーシップスタイル」も有名です。ゴールマンは、リーダーシップを「ビジョン型」「コーチ型」「関係重視型」「民主型」「ペースセッター型」「強制型」の6つに分類しました。本章では、それぞれのスタイルの特徴について解説します。
1.ビジョン型リーダーシップ
ビジョン型リーダーシップとは、リーダーが明るく前向きなビジョンを提示し、明確な方向性ありきで組織を運営するスタイルです。メンバーが目指したくなるようなビジョンを掲げることで、組織全体のモチベーションを高められます。また、メンバーが共通の夢を持てるようになるため、組織に一体感を醸成したい際にも最適です。
2.コーチ型リーダーシップ
コーチ型リーダーシップとは、リーダーが積極的にメンバーを指導し、スキルアップを支援するスタイルです。メンバー一人ひとりの目標やキャリア設計などを聞いたうえで、実現に近づけるようなスキルやノウハウを教示します。経験の浅いメンバーの能力を向上させ、組織のレベルを底上げしたい場合に適したリーダーシップです。
3.関係重視型リーダーシップ
関係重視型リーダーシップとは、良好な人間関係の構築を最重視して、組織を運営するスタイルです。普段から積極的にメンバーとコミュニケーションを取りながら、メンバー同士を結び付け、できるだけ組織の雰囲気が良くなるよう努めます。定着率の改善を目指したり、年代や性別の幅広いチームを運営したりする際に効果的です。
4.民主型リーダーシップ
民主型リーダーシップとは、メンバーの意見を積極的に取り入れながら、組織を運営するスタイルです。例えば、業務改善のアイデアをメンバーから募ったり、業務の進め方を積極的にメンバーに委ねたりします。全員参加型でチームを運営できるため、部下の積極性を養いたい場合や、チームワークを醸成したい場合に最適でしょう。
5.ペースセッター型リーダーシップ
ペースセッター型リーダーシップとは、リーダー自身が業務で高い成果を出し、メンバーにお手本を示すスタイルです。リーダーの成果が高いほど部下は動機づけられ、自身のパフォーマンスを一層高めようと努力します。ペースセッター型は、すでにメンバーのスキルレベルが高く、さらなる成長を促進したい場合に効果的です。
6.強制型リーダーシップ
強制型リーダーシップとは、リーダーが業務の方針や進め方を細かく決定し、部下に指示を出すスタイルです。強烈なリーダーシップで組織を動かすため、メンバーの緊迫感が高まり、スピーディな行動を促せます。どうしても達成しなければいけない短期目標がある場合や、緊急度の高いトラブルを解決したい場合に有効な手法です。
自分に合ったリーダーシップを発揮するには?
リーダーシップには多くの型があるため、どのタイプが適切か迷うかもしれません。本章では、「WILL・CAN・MUST」の考え方を用いて、自分に合ったリーダーシップを見極める方法について解説します。
自分の価値観や強みを知る【WILL・CAN】
人は自分の性格や信条に反するリーダーシップを発揮しようとすると、強いストレスを感じてしまいます。そのため、自身の大事にしたい価値観(WILL)を見つめ直し、リーダーシップのスタイルを選ぶことが大切です。また、自分の強み(CAN)を活かしやすいリーダーシップの型を選択することで、組織をよりスムーズにまとめられます。過去の経験や専門性も考慮して、自分らしさを発揮できるようなスタイルを選ぶようにしましょう。
周囲からの期待・役割を知る【MUST】
組織から求められている役割(MUST)によっても、発揮すべきリーダーシップは異なります。例えば、年次の浅いメンバーを指導する場合と、ベテランメンバーばかりの組織を運営する場合では、リーダーシップのタイプも変わるはずです。また、DXの推進やグローバル化など、企業の経営方針によってもリーダーの役目は変化します。周囲からの期待や役割を常に意識しておくことで、最適なリーダーシップの型を見極められるでしょう。
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