スマートフォン版はこちら

転職に失敗! 再転職は可能? 今すぐ辞めたい、その時に考えてほしいこと

転職に失敗! 再転職は可能? 今すぐ辞めたい、その時に考えてほしいこと

よく考えて選んだはずの転職先。なぜ後悔する結果になったのか、今すぐ辞めて再転職すべきなのか、次の転職で失敗しない方法は?

上手くいかなかった事例を踏まえ、再転職を検討する際、頭に入れておくべきポイントをまとめました。

転職を失敗した!と感じる理由と「あるある失敗談」

「転職に失敗した」と感じる人の話を聴くと、理由は主に以下の6つに分けられます。どれか一つ、もしくは複数の理由が重なって、転職を悔やんでいるようです。

業務内容がイメージと違っていた

40代の男性エンジニアAさんは、歴史ある日本の大企業から創業間もないベンチャーに転職しました。閉塞感やマンネリもあり「新しいことに挑戦したい」と転職しました。いくつもの大きな案件に関わった経験から、「スキルはどこでも通用するはず」と考えていました。ところが、転職先で求められたのは「とりあえずシステムを構築し、走りながら改良していく」というアジャイル型の開発でした。大企業で「じっくりと完璧なものをつくる」ことに慣れていたAさんは、「スピード感と度重なる仕様変更になじめない」とため息をつきます。

実際の働き方と労働時間が説明と乖離していた

30代女性のBさんは、ECサイトの商品開発として顧客管理や売り上げ管理を行いながら、社内の業務効率化プロジェクトの担当として改善に取り組みました。業務課題を洗い出し、解決策を検討、新しいシステムを導入した結果、業務効率が大幅にアップ。結果として売り上げが向上したことに醍醐味を感じ、これこそを自分の仕事にしたいとコンサルティングファームに転職しました。
コンサルタントの仕事は、クライアントの課題を解決し、やりがいを感じられる仕事で、任される業務の範囲も広く、日々充実していると感じる一方で、プロジェクトも山場となると時間外労働は当たり前、休日も取れない思った以上にハードな状況でした。プロジェクトが終わればまとまった休みは取れるものの、不規則な勤務にこの先の結婚や出産を考えると、もしあの時転職しなければ、と考えることがあるといいます。

給与待遇などが、想定と違った

Cさんは国内企業の営業職勤務の20代の男性。前職では若手ということもあって、営業業務以外の雑務も多く、不満がありました。また少しでも年収を上げたいと思い、思い切って外資系企業の営業職に転職しました。営業業務に専念できるメリットもありますが、成果主義なのでプレッシャーも大きく、仕事の進め方の参考にしたい先輩は、キャリアアップのため辞めてしまう人も多く、人の入れ替わりが激しいために内部のコミュニケーションにストレスを感じています。さらに自分で思っていた以上に成果が出せず、成果を上げて辞めていく人と自分とを見比べて自信を無くす日々です。もう少し国内企業で我慢して、スキルを身につけてから転職すれば良かったと後悔しています。

人間関係がうまくいかない

新卒で大手広告代理店に入社した20代女性のDさん。企業は成長を続けており、毎年多くの新卒採用をしていて、日々の業務に加え、教育業務も担当することになりました。あまりに忙しく、数年おきに異動があること、できる限り制作現場で働きたい気持ちもあり、Dさんは小規模代理店に転職しました。しかし当然のことながら、以前の職場に比べ案件の予算感や規模感が小さく、クライアントへの細かいフォローも必要となるため、労力は倍になった感覚です。また以前の職場では人数も多く、同世代も多くいたため、困ったことがあれば、同僚や少し上の先輩に相談して仕事を進められましたが、新しい職場では上司との直接のコミュニケーションが必要で、世代ギャップもあり、うまく伝わらないこともあります。同世代が少ないため、良い相談相手もいません。和気あいあいとした雰囲気は良いのですが、スピード感が遅く、イライラしてしまうこともあります。自分の悩みに欲しいタイミングで欲しい回答が得られず、また上司との意志疎通の難しさに、前職を辞めたことは失敗だったもと振り返る日々です。

社風が合わないと感じる

地方銀行から大手都市銀行に転職した40代の男性Eさん。以前の顧客は主に中小企業でした。「もっと大きな案件を手掛けたい」と転職を決断したものの、社風の違いに戸惑っています。前職では顧客の多くが社長か創業者。経営指南はもちろんですが、家族や従業員の困りごとの相談に乗ることもありました。じっくりと人間関係を築くことが求められていたのですが、転職先は良くも悪くもビジネスライク。むしろ顧客のプライベートに立ち入らず、仕事だけのドライな関係が望まれます。「確かに扱う案件は大きくなった。でも、自分にはアットホームな仕事の仕方が合うようです」と呟きます。

経験がいかせない、活躍できる気がしない

前職では営業事務をしていた30代の女性Fさんは、日々の業務で様々なツールを使いこなしているものの、先を見据えて専門的な知識を身につけたいと、また使う側からの意見や、使い勝手など、自身の経験をいかしたツール改善に役立てられると考え、「IT未経験も応募可能」をうたっていた、ITエンジニアへとジョブチェンジを決意。しかし、ツールを利用する側から作る側への変更は、大きく違い、日々交わされる会話の中に当たり前に出てくる用語すらわからず、話についていくことも難しい状況です。もう少し勉強してから転職すべきだったと、毎日奮闘しています。

今すぐ辞めたい! 再転職はできる! でも……

「転職に失敗した」と感じた時、どうするのが正解なのでしょう。すぐに辞めて再転職を目指す? それともしばらく様子を見る? いずれにもメリットとデメリットがあるようです。

厚生労働省から引用している転職入職者の賃金変動状況割合表の画像 参照:厚生労働省 -令和3年雇用動向調査結果の概況-より

転職してすぐ辞めると条件が厳しくなるケースもある

厚生労働省の「雇用動向調査」(2022年)によると、転職後の賃金が「増加」した人の割合は34.6%、「減少」が35.2%、「変わらない」が29.0%でした。50代までの転職は比較的増加するケースが多く、50歳以降の転職では減少する傾向が見られます。転職すれば必ず収入が増えるわけではなく、年代を問わずキャリアチェンジや条件にこだわった結果、収入が減ることもあり得ます。

政府が雇用の流動化を促進していく中で、以前より減ったとはいえ、年功序列型の賃金体系を維持している日本企業は今も少なくありません。こうした企業では、社歴が長いほど、会社への帰属意識が高く、チームワークの機運を醸成し、会社の従業員定着率にも寄与しているといった評価がなされます。こうした企業への転職を希望する場合は、転職の回数が多いことや短期間での再転職は、ポジティブな評価につながりにくく、なかなか内定を得られなかったり、求めている条件での転職が難しくなったりすることもあります。

即戦力となるスキルを持って、より良い条件の企業で仕事をし、キャリアを積んでいきたいと考える人は、ジョブ型雇用を実施している企業の求人を目指すほうが良いでしょう。高いスキルや能力を活かして高収入での転職も期待できます。

40代、50代……中高年でも再転職は可能?

年代別に「雇用動向調査」の結果を見ると、転職して賃金が増えた人の割合は、年齢が上がるほど減る傾向にあります。「増加」したと答えた人の割合は最多の20~24歳で47.1%。これが55~59歳では20.5%、60~64歳では13.1%にまで下がります。
ただ、30~34歳(38・4%)や35~39歳(36・8%)と比べた場合、40~44歳の方が41.4%とやや高く、45~49歳(35・4%)や50~54歳(32.0%)との比較でも、それほど大きな差はつきません。
中高年でも50代半ばまでに転職すれば、3割以上が賃金アップも可能と言えそうです。高い専門性や独自のスキル、高度なマネジメント能力がある「ハイクラス人材」は、40代や50代になっても企業ニーズがあるのです。

欧米ではかねてから、複数の企業のトップを渡り歩く「プロ経営者」が存在しました。新卒で入社し、一企業で勤め上げ、内部から社長に就くのが当たり前だった日本でも、最近では外部の経営者を招く企業が増えています。市場がグローバル化し、激変する中、こうした流れはトップのみならず、ミドルマネジメント層にも広がっていくと考えられます。

元いた会社に戻る道は?

少子高齢化による労働力人口の減少や、政府が旗を振る「女性活躍推進」の流れを受けて、「ジョブリターン制度」を設ける企業が増えています。もともとは育児や介護で退職した女性従業員を再雇用する制度でしたが、最近ではキャリアアップを目的に転職や留学した人などを受け入れる企業も出てきました。転職前の会社に制度があれば、「元の会社に戻る」ことも選択肢の一つでしょう。こうしたオプションを手放さないためにも、円満な退職を心掛けることがベストです。

辞める?辞めない? また後悔しないためにやるべきこと

スーツ姿の男女6人の中で中央の男性にルーペが向けられ注目されている画像

勇気を振るって転職したが、失敗した――。そんな思いを経験すれば「人生終わりなんじゃないか」と不安に感じられるかもしれません。ですが人生は長く、仕事はその一部に過ぎません。失敗すると、焦りから視野が狭くなりがちです。急いては事を仕損じる。留まるにせよ、再転職を目指すにせよ、もう一度悔やまないため、立ち止まって次の視点で自分自身を見つめ直してみて下さい。

転職を失敗したと感じるケースを、先ほど六つ紹介しました。まずこの六つのケースを「自力でどうにかできるもの」と「自分ではどうしようもできないもの」に腑分けしてみましょう。状況が同じであっても、その人のライフステージやパーソナリティーなどによって、答えは一律ではないはずです。

慣れたりスキルを身につけたりすれば乗り切れる?

中学校から高校への進学時、あるいは年度替わりのクラス替え。そんな時、多くの人が落ち着かない気持ちになった記憶があるでしょう。でも少しずつ、その場に慣れていきませんでしたか? これは変化にあわせて自分も変わり、環境に満たされるようになるためです。心理学では「適応」と呼ばれています。
企業には明文化された「ルール」以外に、外側からはわかりにくい「文化」や「風土」が存在します。前職とは異なるそれらに、違和感を覚えるのは当然の心の働きです。社風や職場の雰囲気が理由で「失敗した」と思うのならば、しばらく時間をおき、慣れていくことで、おのずと解決していくかもしれません。
一方、前職では未経験の仕事を振られ、困惑するケースもあります。その仕事への苦手意識は、スキルがなく、コツがつかめていないことに由来しているのかもしれません。裏を返せば、頑張ってスキルやコツさえ身につければ、苦ではなくなる可能性があります。

すぐ再転職が難しくても、合わない職場は辞めるべきか?

前段で述べたような慣れやスキルの習得などには、個人差があり、いつまでも後悔の念を払拭できない人もいるでしょう。待遇といった自力ではどうにもならないものもあります。
落ち着いて立ち止まり、「失敗した」と感じる理由を掘り下げて、解決を試みてなお、「この転職先では働けない」と思うのならば、転職も考えるべきです。もちろん、退職時に次の職場が決まっているのが望ましいことは言うまでもありません。ただ、無理に「適応」しようとし過ぎた結果、心身を壊したり生活が立ち行かなくなったりしては元も子もありません。

転職活動で失敗しないために

社内で男女6人が手を挙げて喜んでいる画像

転職・再転職に失敗する人がいる半面、待遇やキャリアのアップにつながる転職を成功させる人もいます。何が両者を分けるのでしょうか。

自己分析に加え、企業研究や労働条件通知書の確認も

失敗からの挽回に自己分析が欠かせないことは説明しました。ただ、失敗前に自己分析ができていれば、そもそも転職に失敗しないで済むはずです。転職が上手くいく人は、まずこの自己分析がしっかりとできているのです。

自分の性格、価値観、長所・短所、能力やスキルなどを言葉にしながら整理して、客観的に見つめ直す。「なぜ今の会社を辞めるのか」「将来どうありたいか」を明確にする。そうした取り組みの中で、やりたい仕事がハッキリし、ミスマッチを避けられます。あわせて、給与や通勤時間などの雇用条件に優先順位をつけていきます。

興味ある求人を見つけたら、自己分析の結果と照らし合わせます。望む仕事か、雇用条件は合致するか、どんな会社か、その業界の動向は――といったことを募集要項や公式サイト、プレスリリースなどから可能な限り調べます。企業SNSや新聞、業界誌、会社四季報なども参考になるでしょう。

採用が決まったら、企業は働く人に契約期間や就業場所、始業や就業の時刻などを記した「労働条件通知書」を示すことが義務付けられています。ただし、休憩や、休暇・休日など記載がない項目もあるため、別途「雇用契約書」を取り交わすことがあります。「雇用契約書」は義務付けられておらず、雇用条件が面接等で確認した内容と異なる場合があるため、しっかりと確認し、疑問点や不明点があれば確認するようにしましょう。どうしても条件面で折り合わなければ、辞退し転職活動を続けることも選択肢の一つです。

転職エージェントは転職の強い味方

自分を客観的に見ることは、なかなか難しい作業です。とはいえ自己分析が的確さを欠けば、転職の成功は望み薄です。万一採用されても、入社後にミスマッチが表面化し、「転職に失敗した」と感じる結果になりかねません。
また、現職の業務に追われながら、詳細に企業情報を調べていく時間が充分に取れないという人もいるかもしれません。先に述べたように、企業にはそれぞれ固有の「文化」や「風土」が存在し、その手触りは社外からは感じ取りにくいものです。

とりわけハイクラス転職では、働く人が企業側と給与など待遇について交渉しなければならないケースも生じます。

これらの課題を解決し、力強く転職希望者を支えてくれる存在が転職エージェントです。
採用ニーズを熟知したスタッフが、自己分析や応募書類、面接についてアドバイス。待遇面での交渉や日程調整などのほか、企業風土についても伝えてくれます

 

転職活動は勤務先に伝えないまま進めるもの。せわしなく、孤独で、不安感を伴いがちです。ましてや一度失敗していれば、その思いはなおさらでしょう。
後悔しない、失敗したと思わない転職に向けて、転職エージェントの活用を検討してみてはいかがでしょうか?ぜひ一度パソナにご相談ください。

登録3分!無料転職サポート

転職成功に向けた親身なキャリアカウンセリングと最適な求人情報を無料で提供。専任のプロがあなたの転職をサポートします。

この記事の監修者
監修者写真
パソナキャリア編集部

転職エージェントの視点から、転職活動の始め方、自己PRの作り方、面接対策や円満退職の秘訣まで、転職ノウハウをわかりやすくコラムでご紹介します。

おすすめ記事

年収800万円以上、年収アップ率61.7%

ハイキャリアの転職に特化したコンサルタントが、最適なポストを提案します 

仕事のやりがいは何ですか?
今の仕事で満足な点と変えたい点はありますか?
あなたにとってのワークライフバランスとは?
パソナキャリアはあなたのキャリアを相談できるパートナーです。キャリアカウンセリングを通じてご経験・ご希望に応じた最適な求人情報をご案内します。